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妊活を始める男性がまずすべきこととは?※医師監修

妊娠について理解しよう妊娠は卵子と精子が出会う奇跡のできごとまずは、妊娠のしくみについておさらいしてみましょう。【妊娠のしくみ】1.卵巣から卵子が排出される(排卵)2.たくさんの精子が子宮、卵管を通り卵子を目指す3.最も元気な精子1つが卵子の中に入る(受精)4.受精卵が細胞分裂を繰り返しながら子宮に移動し子宮内膜にもぐりこむ(着床)文章で書いてしまうと4ステップなので簡単に思えるかもしれません。しかし、精液に含まれる約1億2千万個の精子のうち、受精卵になれるのはたったの1つの精子のみです。しかも、健康な男女であっても、1回で妊娠できる確率は約30%。妊娠とはやはり“奇跡のできごと”といえるでしょう。不妊原因の48%は男性にありWHO(世界保健機構)発表の不妊症原因調査より作成妊活を始めてすぐに妊娠にいたるカップルもいれば、妊活を行っているのになかなか妊娠にいたらないカップルもいます。日本産科婦人科学会では、「妊娠を望む健康的な男女が、1年以上避妊をせず性交を行っても妊娠にいたらない場合」を「不妊」と定義しています。不妊と聞くと、「不妊の原因の多くは女性にある」と思い込んでいる男性も少なくないかもしれません。しかし、上の表にある通り、不妊原因の約半分は男性です。このことからも、妊活は女性だけががんばって成し遂げられるものではなく、夫婦2人の協力が不可欠だということがおわかりいただけるでしょう。男性不妊の内、約83%は精子を作る機能に障害がある「造精機能障害」です。造精機能障害の結果、「乏精子症(精液中の精子の濃度が低下)」や「無精子症(精液中に精子が存在しない)」、「精子無力症(精子の運動率が低下)」などの症状が見られます。妊娠できるかどうかは、精子や精液の質が大きく影響し、「運動率が悪い」「精子が少ない」となると、妊娠にいたる可能性は低いといえます。勃起障害などの他の障害がない場合、男性妊活の大きな目標は「元気な精子を作ること」といえるでしょう。元気な精子のために酸化ストレス対策が必須では、”元気な精子を作ること“のためにどうすれば良いのでしょうか?近年注目されているのが「精子の酸化ストレス対策」です。酸化ストレスとは、活性酸素が過剰に生成され、体の酸化が進んでしまう状態をいいます。「体が酸化する」=「体が錆びる(老化する)」と考えて問題ありません。活性酸素は人が呼吸をすることで生成されてしまうものですが、本来人の体には活性酸素の生産を抑制したり、傷つけられた箇所を修復・再生したりする抗酸化能力があるため、酸化ストレス状態にはなりません。しかし、紫外線や大気汚染、タバコ、酸化した食べ物の摂取、過度な運動、不規則な生活、ストレスなどは、通常より多くの活性酸素を生成します。そうなると抗酸化能力が追いつかず、酸化ストレス状態が続き体の老化や不調につながるのです。この酸化ストレスにより、最初に影響が出てくるのが生殖機能といわれており、卵子・精子の質に悪影響を及ぼす可能性があるといわれています。精子は、酸化ストレスにより細胞やDNAが傷を負い、そのことが精子の運動性能の悪化や妊娠率の低下、流産率の増加につながるため、妊活中の男性は酸化ストレス対策が必須といえるでしょう。男性妊活の第一歩「精液検査」とは?“酸化ストレスが精子に悪影響がある”という話を聞いて「自分の(または夫の)精子は大丈夫なのかな?」と不安になった人もいるかもしれません。その不安解消のひとつの手段となるのが「精液検査」です。そこで、精液検査について詳しく見てみましょう。精液検査とは?精液検査とは、精子の数や精液量、精子の運動率を調べる検査です。前述した通り、そもそも精子がいない、または元気がないなどの理由があると、妊娠する可能性は低くなります。良い精子の条件とは、数が多く、活発で、損傷がないものです。「精液検査なんて妊活に行きづまってからじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、先に精液検査をしておくと、もし結果が悪かった場合、早期治療をすることで妊娠の可能性を高められます。また、場合によっては体外受精や人工授精などいろんな選択肢も見えてくるでしょう。特に高齢出産といわれる35歳以上の夫婦や早く子どもが欲しい夫婦は、精液検査を妊活の一環として検討してみてくださいね。どうやって検査するの?精子検査は、専門のクリニックで行う方法と、自宅で検査キットを使う方法の2種類です。どちらもマスターベーションによって精子を専用の容器に入れ、顕微鏡で精子の状態を見て精子の数や運動率を調べます。クリニックで行う場合は、不妊症専門外来や一部の婦人科や泌尿器科などで検査してもらえます。精子の採取は、クリニック内の採精室で行うか、自宅で採取して持っていくかを選べる医院もあるようです。ただし、自宅で採取する場合、“採取して1時間以内に病院に持っていく”などの制限がある場合が多いので注意しましょう。妊活目的での精子検査は自費診療のため、費用はクリニックによって差がありますが、5000円~10000円が相場のようです。自宅で検査キットを使用する場合は、自宅で精子を採取し、検査機関へ郵送します。検査キットは2000円~10000円ほどで、ドラッグストアやインターネットで購入できる便利さが魅力です。しかし、精子を採取してから検査が行われるまでタイムラグがあるため、検査精度はクリニックで行う方が高いといえます。男性自身がメリット・デメリットを考え、検査方法を選択してみてくださいね。妊活中の男性がまずすべきこと5つここで、男性妊活のためにぜひしてもらいたいことを5つ紹介します。1.禁煙「タバコは体に害がある」というのはみなさんご存じでしょう。どう悪いのかというと、まずタバコを吸うと血管が収縮し血流が悪くなります。体の血流が悪くなるということは、もちろんペニスの血流も悪くなり、結果としてED(勃起障害)の可能性が高まります。次に、タバコを吸うと体は酸化ストレス状態になり、増加した活性酸素が精子のDNAを傷つけます。前述した通り、傷ついた精子は受精しにくく、流産しやすい状態です。このように、タバコは体にとっても精子にとっても悪者です。「でも、タバコはストレス発散になるから…」と思う人もいるかもしれませんが、厚生労働省のサイトにも“タバコによるストレス解消は単なる思い込みで、禁煙に成功した人はストレスが下がる”という旨の記載があります。ちなみに、加熱式タバコもタールを含むからNGです。最近は分煙も進んではいますが、受動喫煙にも気をつけてくださいね。2.禁欲しない「禁欲すると妊娠率が上がる」という話を聞いた人もいるかもしれませんが、長期にわたる禁欲はNGです。禁欲により精子が排出されないと新しい精子が作られず、古い精子が溜まります。そして、古い精子は運動率が悪いため、精液全体の質の低下につながるのです。そのため、1~2日の間隔での射精がおすすめ。ただ、タイミングをとる前日は、精子の数が少なくなるため、マスターベーションは控えましょう。3.規則正しい健康的な生活たっぷりの睡眠、適度な運動など、規則正しい健康的な生活は、体にはもちろん精子のためにも良いです。なぜなら、規則正しい健康な生活は、立派な“酸化ストレス対策”になっているからです。ただし、過度な運動はほどほどにしましょう。逆に疲労で酸化ストレスや性欲減退を招きかねません。4.バランスの良い食事男性妊活のために、「これを食べればOK」という食事は、残念ながらありません。そのため、食事はバランス良く食べることが大切です。男性妊活に大切な栄養素は、 マカ 亜鉛 葉酸などです。マカと亜鉛は精子の運動率を保ち、奇形率を減少させる働きがあり、葉酸は精子内のDNAが傷つくのを防ぐといわれています。亜鉛は牡蠣やレバーなどに、葉酸はブロッコリーやえだまめなどに多く含まれます。また、抗酸化をサポートする成分を摂取するのも良いでしょう。抗酸化作用のある成分には、ビタミンC(緑黄色野菜、フルーツなどに含まれる)ビタミンE(ナッツ類、植物油などに含まれる)ポリフェノール(コーヒー、紅茶、緑茶、赤ワイン、りんごなどに含まれる)などがあります。どの食べ物も手に入りやすいものばかりなので、バランス良く習慣的に摂取できると良いですね。栄養素をきちんと摂れているか自信がない人は、男性用の妊活サプリの活用もおすすめです。5.肥満の解消男性も女性も、肥満の状態では妊娠しにくいといわれています。肥満体質で脂肪が多い男性は、体または精巣を脂肪が温めてしまい、精子の質に影響を及ぼす可能性があります。実は精子または精巣は、熱に弱い性質を持っているのです。睾丸が外に露出しているのは、精巣・精子が物理的に冷えやすいためという説もあります。また、肥満の男性は、男性ホルモン(テストステロン)が低下することがわかっており、そのため精子の数や精液量の減少につながります。これらのことから、肥満は男性不妊の原因になりうることがおわかりいただけたでしょう。BMIは25以下が理想です。「BMI計算式:BMI = 体重kg ÷ (身長m)2」で計算できるので、調べてみてくださいね。妊活中の男性に控えてほしいこと6つ次に、妊活中の男性に控えてほしいことを紹介します。1.サウナや長風呂先ほど、“精子と精巣は熱に弱い”とお伝えしました。そのため、体を芯から温める長風呂やサウナは、当然下半身も温めてしまうため、控えたほうが良いです。サウナやお風呂が好きな人にはつらいかもしれませんが、妊活中だけでいいので気をつけてみてはいかがでしょうか?2.ピチっとした下着やズボンブリーフなどのピチっとした下着やスキニーパンツは、布が皮膚に張りつくため保温性に優れています。しかし、股間に熱が溜まりやすいので、精子には悪影響が出るかもしれません。できれば通気性の良いトランクスにゆったりとしたズボンの方が、精子の質を高めるためには良いといえます。3.膝の上でパソコンを操作するこちらも下半身を温めてしまうという点でNGです。「これくらいで?」と思う人も多いかもしれませんが、パソコンは長時間使用するとかなり熱を持ちます。どうしても膝の上に置いてパソコンを使いたい場合は、膝とパソコンの間にクッションを挟むのがおすすめです。4.前傾姿勢の自転車クロスバイクやロードバイクなどは男性に人気の趣味ですよね。しかし、前傾姿勢で乗るスポーツ用自転車は、長時間の使用を控えたほうが良いです。なぜなら、長時間、前傾姿勢で座り続けると、ペニスの血管を傷つけるおそれがあり、結果としてED(勃起不全)の原因につながります。また、前立腺の炎症を起こしてしまうと、精子の輸送が滞り、精子の運動率が下がる可能性もあります。どうしても乗りたい人は、短時間かつ股間を保護するようなサドルを使うことを心がけましょう。5.男性型脱毛症の治療最後に注意したいのが育毛剤や育毛薬です。AGA(男性型脱毛症)の治療薬に使われる「フィナステリド」という成分は、男性ホルモンの作用を抑える効果があります。そのため、フィナステリドの効果により性欲減退や精子数の減少、射精障害、EDなどの副作用がないとはいいきれません。すべての育毛剤や育毛薬に配合されているわけではないので、成分をきちんとチェックしてから使用しましょう。男性にできる妊活はたくさんある男性ができる妊活は、精液検査や禁煙、規則正しい生活に食事…などたくさんあります。妊活のメインは女性」と思っていた人も、少し見方が変わったのではないでしょうか?「妊活は夫婦ふたりで行うもの」という意識は、妊活を成功させる上でとても重要です。これを機に、妊活中の夫婦は一度話し合ってみてはいかがでしょうか。参考文献健康長寿ネット 「酸化ストレス」 e‐ヘルスネット 「活性酸素と酸化ストレス」 公益社団法人 日本産科婦人科学会 富士製薬工業 「不妊症について」 

葉酸以外必要な栄養素「ビタミンD」

ビタミンDはどんな栄養?  ビタミンDは、骨を強くしたり体を健康にしたりするための栄養素です。詳しくいうと、「カルシウム」や「リン」などのミネラルの吸収を促進する働きがあります。ビタミンDにはD2~D7の6種類がありますが、D4〜D7は食品にほとんど含まれていないため、きのこ類に含まれる「ビタミンD2」と魚に含まれる「ビタミンD3」がメインのビタミンDといえるでしょう。※ビタミンD1は発見された後で不純物であったことがわかったため、存在しません。ビタミンD2とビタミンD3の働きは同じといわれていましたが、最近ではD3の方が動きが強いという説もあります。ビタミンDは油に溶けやすく水に溶けにくい「脂溶性ビタミン」です。脂溶性ビタミンは熱に強い性質を持つため、揚げ物や炒め物などで摂取するのがおすすめ。しかし、ビタミンDは、過剰に摂取しても排泄することができず、身体に蓄積してしまうため、ビタミンDの摂りすぎには注意が必要です。とはいえ、多くの日本人はビタミンD不足になっており、過剰摂取の領域も高いためビタミンDの摂りすぎになることは稀だといえます。体の健康、特には骨のために、ビタミンDは老若男女問わず必須の栄養素です。積極的な摂取を心がけましょう。ビタミンDの役割は?ビタミンDの役割は、骨の材料となるカルシウムの吸収を助ける骨の成長を促す血中カルシウムの濃度を調整するというのが大きな役割です。最近では、免疫力のアップや妊娠しやすい体作り、妊娠中の合併症や流産リスクの軽減などの役割にも期待されています。妊娠中にビタミンDを十分に摂取することで、子どもが小児ぜんそくにかかるリスクが大きく低下することも報告されており、特に妊活中・妊娠中・授乳中の女性にとってなくてはならない栄養素といえるでしょう。逆に、妊娠中のビタミンD不足が、男児の自閉症を誘発する可能性があるという研究結果も出ています。母子ともに適切な量のビタミンDを摂取したいものですね。ビタミンDはいつ必要?カルシウムやリンの吸収を促進することで骨を強くし、健康な体作りに一役買っている“ビタミンD”。男女の全世代に必要な栄養素ですが、前述した通り、特に妊活中・妊娠期・授乳期の女性は積極的に摂ってほしいビタミンです。なぜなら、最近の研究で、ビタミンDは妊活力(妊娠するための力)に良い影響を与え、免疫力が低下しやすい妊娠中には免疫力アップが期待できるといわれているからです。そして、母乳にはビタミンDが含まれており、母乳を通して赤ちゃんの体へビタミンDが摂取されていきます。これらの点を踏まえて、ビタミンDは妊活・妊娠・出産を経て授乳中まで、女性の体と密接な関わりがある栄養素といえるでしょう。さらに、ビタミンD濃度は、子どもの小児期や思春期の成長にも関係するといわれています。妊活〜授乳期の女性とともに、成長過程の子どもにも、ビタミンDは必要なのです。ビタミンDが不足すると…ビタミンDが慢性的に不足していることを「ビタミンD欠乏症」といいます。ビタミンD不足になると、体にはどのような影響が出てくるのでしょうか?詳しく見てみましょう。ビタミンD不足で起こりやすい病気ビタミンDが不足すると、カルシウムが体内に吸収されにくくなり、その結果体がカルシウム不足になります。カルシウム不足になると、骨が弱くなったりもろくなったりし、骨粗しょう症や骨軟化症になる可能性が高まるといわれています。 骨は絶えず新しく作られること(骨形成)と、古い骨を溶かして壊すこと(骨吸収)を繰り返すことで生まれ変わっています。カルシウムが不足し、骨形成と骨吸収のバランスが崩れると骨がスカスカになり、骨が折れやすくなるのです。また、赤ちゃんや子どもがビタミンD不足になると、成長期にO脚などの骨の変形が起こる「くる病」が増えます。※骨粗しょう症とは骨の量が減って骨折しやすくなる病気。※くる病・骨軟化症とは骨や軟骨に強度の十分でない組織が増えてしまい、骨折や痛みを引き起こす病気。子どもに発症するものを「くる病」、成人に発症するものを「骨軟化症」といいます。 子どもの場合は身長が伸びなくなるといった症状も現れます。ビタミンD不足で妊活・妊娠はどうなる?最近の研究により、妊活とビタミンD の密接な関係が明らかになってきました。具体的には、ビタミンDが、卵胞発育、着床、胎盤形成、胎児発育遅延、妊娠中の合併症、さらには男性不妊にも重要な役割を担っていると考えられています。諸外国の研究結果を元に、ビタミンDが体内に十分ある場合とない場合とで、どのような差があると考えられているのか見てみましょう。ビタミンDが充足している女性とビタミンDが不足している女性を比べると、ビタミンDが不足している女性のほうが、「着床率」「妊娠率」「出生率」が低いと発表されています。冬の日照時間が短く、慢性的なビタミンD不足に悩んでいるデンマークでは、国策として一時的にマーガリンにビタミンDを添加することで、国民のビタミンD不足対策を行いました。すると、ビタミンD摂取強化策実施時期に出生率が増加したということもあったようです。また、「化学流産」「自然流産」においては、ビタミンDが不足している女性のほうが高いこともわかってきました。ポルトガルでは、2回以上流産を経験した方を対象に調査したところ、有意なビタミンD不足が認められました。これは、胎盤などのビタミンD受容体の発現が低下し、ビタミンD不足による胎盤形成不全を示唆しており、今後も因果関係の検討が続けられるでしょう。さらに、ビタミンDが欠乏状態では、不妊症の原因となりうる多嚢胞卵巣症候群や子宮筋腫などの病気のリスクが高いともいわれています。妊婦さんの場合、ビタミンD不足の状態では、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、早産のリスクが高まるため注意が必要です。まだまだ研究途中のものもありますが、ビタミンDと妊活力には密接な関係があるようです。妊活中・妊婦中・授乳中の女性は、自分の体と生まれてくるお子さんの骨と成長のために、ぜひビタミンDの摂取を意識して生活してみてください。ビタミンDはどれぐらい摂取すればいいの? 「日本人は多くがビタミンD不足」といいましたが、どの程度不足しているのかは、厚生労働省が行っている「国民健康・栄養調査」を見るとよくわかります。ここでは、ビタミンDの不足と摂取目安について詳しく見てみましょう。ビタミンDの1日当たりの摂取目安厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」により、ビタミンDの摂取目安量と耐容上限量(これ以上摂ると健康を損ねるリスクがある量)を表にしました。▼1日当たりの摂取目安量と耐用上限量(μg/日)※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに作成表から見て取れるように、18歳以上女性のビタミンD目安摂取量は、妊娠前はもちろん、妊娠中・授乳期間も含め1日8.5㎍です。このことから、妊婦・授乳婦が特別多くのビタミンDを摂取する必要はないとされています。ちなみに、一番ビタミンDの摂取が必要な年齢は「12~14歳」です。耐容上限量は、18歳以上の女性で100μg/日となっており、多くの日本人がビタミンD不足といわれている現在において、それほど気にしなくても良い結果といえるでしょう。日本人のビタミンD平均摂取量次に、ビタミンD不足といわれている日本人が、実際はどれほどビタミンDを摂取できているのか、平均摂取量を見てみましょう。▼ビタミンDの1日当たりの平均摂取量(μg/日)※厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」をもとに作成先ほど引用した「日本人の食事摂取基準」によると、男女ともに18歳以上の人のビタミンDの摂取目安量は8.5μgでした。しかし、実際は18歳以降の多くの世代で、ビタミンDの平均摂取量が目安量を下回っていることが分かります。この数値は平均値なので、もちろんビタミンDをしっかり摂取できている人もいらっしゃるでしょう。しかし、「自分はビタミンDが足りているのかな?」と考えるきっかけにはなる結果ですね。ビタミンDの不足は、自身の体のさまざまな体の不調を招く可能性があり、妊娠・授乳中は自身と子どもへの影響もあると考えられます。不足にならないよう、しっかり考えて過不足なく摂取したいものですね。ビタミンDを含む食品はこれ!今までの情報から「じゃあ、ビタミンDが不足しないために、どうしたらいいの?」と思っている人も多いことでしょう。ビタミンDは、食べ物やサプリメントからの摂取、そして日光を浴びることで体内合成もできます。ここでは、ビタミンDを含む食べ物についてお伝えします。ビタミンというと、野菜や果物に豊富に含まれているというイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、意外なことにビタミンDは野菜・果物にはあまり含まれていない栄養素なのです。ビタミンDを多く含む食べ物としてまず挙げられるのは魚類 で、そのほか肉類や卵類、乳製品、きのこ類などにも含まれています。ここでは、「動物性食品」と「植物性食品」に分けて、ビタミンDを豊富に含み、かつ手軽に摂取できる食べ物を見ていきましょう。ビタミンDを豊富に含む動物性食品ビタミンDを豊富に含む代表格といえば「魚類」です。ここで、ビタミンD含有量の多いものをピックアップして、表にまとめました。【ビタミンDを豊富に含む魚類と可食部100g当たりの含有量】※文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに作成ビタミンDはかつおの酒盗やしらす干しなど、加工販売されている食べ物からでも手軽に摂取できます。また、さんまやうなぎなど、食卓でも馴染みの深い魚にも多く含まれているのが特徴です。例として、うなぎの蒲焼きを見てみましょう。うなぎの蒲焼きが100gというと、1尾の2/3程度の大きさです。そのため、うなぎの蒲焼きを1人前食べれば、その日のビタミンDはしっかり補えることになります。 続いてしらす干しなら、100g当たり61.0μgが含まれているため、約14gのしらす干しを食べれば、成人女性1日の摂取目安である8.5μgに到達できます。また、表に載っていないサケ、マグロ、サバなどの脂肪性の魚および魚類肝臓にもビタミンDが含まれています。このことから、魚が好きな人であれば、ビタミンDの摂取は容易にできそうですね。次に、魚類以外の動物性食品について見てみましょう。 肉類や卵類、乳製品にも魚類に比べれると少ないものの、ビタミンDが含まれています。【ビタミンDを含むその他の動物性食品と可食部100g当たりの含有量】※文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに作成1品を食べるだけでは、成人女性の1日の摂取目安に及びませんが、組み合わせることである程度のビタミンD量が摂取できそうですね。また、この表以外にも牛のレバー、バター、チーズ、卵黄など、普段の食生活に取り入れやすい食品にビタミンDが含まれています。普段の食生活では、魚を食べる機会が少ない、魚があまり好きではない…という方は、動物性食品から積極的にビタミンDを摂取すると良いでしょう。ビタミンDを豊富に含む植物性食品 「植物性食品」と聞くと、野菜や豆類、穀類などをイメージする人も多いかもしれませんが、ビタミンDはこれらの食品にほとんど含まれていません。では、なんの食品に含まれているのでしょうか?ビタミンDの摂取源になる植物性食品、それは「きのこ類」です。食生活に取り入れやすいきのこ類は、ビタミンDを摂取できる優秀な食品なんです。それでは、主なきのこ類のビタミンD含有量を確認してみましょう。【主なきのこ類の可食部100g当たりのビタミンD含有量】※文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに作成きのこ類の中では圧倒的に椎茸が含有量が高いことがわかりますね。特に、椎茸を日光に当てて乾燥させることで、生の椎茸よりもビタミンDがグンと増えます。きのこ類は、低カロリーで食物繊維も豊富なので、妊娠中の方は特に摂取してほしい食べ物です。きのこ類は、さまざまなレシピに使えるため、食べ飽きにくいのも嬉しいポイントといえます。魚や肉が苦手な人は、きのこを積極的に摂取してみましょう。ただ、魚類と比べるとビタミンD含有量が少なめなので、きのこ類だけで摂取目安量を達成しようとすると難しいかもしれません。食生活の欧米化が進み、日本人の魚の摂取量は減少しています。それに加えて、肉や卵、きのこは魚に比べてビタミンDの含有量が少ないため、ビタミンD目安摂取量に足りていない人が多いのだと推測できます。ビタミンDが足りない部分は、サプリメントやで補ったり、次にお話する“体内でビタミンDを合成する方法”を活用したりしましょう。最近の研究で、ビタミンDを25μg含んでいるサプリメントを摂取することで、「妊娠率が上がる」「流産の確率が下がる」という結果が出ました。手前みそになりますが、妊活期の葉酸サプリメント「mitas(ミタス)」は、ビタミンDを25μg配合し、ほかの妊活サプリと比べて配合量が多いのが特徴です。サプリメント選びの際には、チェックしてみてくださいね。mitas公式サイトはこちら日光浴でビタミンDを生成しようビタミンDは食物からの摂取に加え、体内で作ることもできる栄養素です。その方法とは、「日光に当たる」こと。さらにいうと、「皮膚に紫外線をあてること」が必要です。「毎日の食事だけで必要量を満たすのは大変…」という人は、ぜひ日光浴も平行して行ってください。日光浴でビタミンDはどうやってできるの?ビタミンDの生成に必要なのは「紫外線(UV-B)」です。紫外線には、波長の長さの違う「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類があり、ビタミンDの生成に必要なUV-Bは、波長が短めなので屋内にはなかなか届きません。そのため、屋外に出て日光を浴びる必要があります。皮膚に存在する「7-デヒドロコレステロール」という有機物に紫外線UV-Bが当たると、7-デヒドロコレステロールが最終的にビタミンDになります。皮膚に日光が当たることでビタミンDが生成されるということは、屋外で過ごす時間が短い人や紫外線対策を厳重にしている人は、ビタミンDの生成が満足にできず、結果としてビタミンD不足につながる可能性が高いのです。ビタミンDの生成に必要な日照時間食事以外で必要なビタミンDの紫外線生成量の目安は、1日5.5㎍です。紫外線の強い夏なら数分~10分程度の日光浴で大丈夫です。熱中症の心配が少ない、朝夕の涼しい時間に散歩してみましょう。冬であれば、紫外線の量が少なくなるため、一番日の高い昼頃であっても、約10分〜75分以上かかる場合もあります。なぜ冬は必要な日光浴の時間に差があるのかというと、地域によって日照時間に大きな差があるからです。沖縄と北海道の日照時間を思い浮かべてもらうとイメージがつきやすいのではないでしょうか?住んでいる地域や外に出る時間によって、ビタミンDの生成に必要な日光浴の時間に差があることを踏まえ、自分はどれくらい日光浴をしようか考えてみてくださいね。特に、春に出産をするお母さんは、妊娠期の多くが冬なので、日光を浴びる量が足りず、赤ちゃんがビタミンD欠乏になる割合が高いという研究結果も発表されています。妊婦さんは、赤ちゃんへの影響も考え、日光不足にならないよう気をつけましょう。しかし、いくらビタミンDが生成できるからといって、紫外線の浴びすぎはおすすめできません。なぜなら、紫外線UV-Bは、皮膚のDNAを傷つけ、皮膚がんを引き起こすことが発表されているからです。適度な日光浴を心がけてくださいね。ビタミンDで母子ともに健やかになろうビタミンDは、体の骨を作るのを助ける大切な栄養素です。さらに、ビタミンDが妊活力アップや免疫力アップにも期待ができることがわかっており、成長期の子どもや妊活・妊娠・授乳期の女性にとってなくてはならないものといえるでしょう。ビタミンDは食べ物からの摂取も、体内合成もどちらもできますが、現代の日本人はビタミンDが不足しているのが現状です。自分自身と、これから生まれてくる子どものためにも、ビタミンDの摂取について考えるきっかけになれば幸いです。食事で補えないときは、サプリメントも検討してみてくださいね。参考文献厚生労働省 eJIM「ビタミンD」公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット令和元年 国民健康・栄養調査報告日本食品標準成分表国立環境研究所「ビタミンDとは?」大塚製薬 栄養素カレッジ

妊活中によくある相談・お悩み

妊活中の悩み“自分の気持ちと親族”妊活開始から妊娠まで時間がかかる妊活を始めてから妊娠するまでにかかった時間を聞いたところ3ヶ月以内        28.8%4ヶ月以上~6ヶ月以内  25.8%7ヶ月以上~9ヶ月以内  10.1%10ヶ月以内~12ヶ月以内 14.5%1年以上~1年半以内   7.7%1年半以上~2年以内   7.1%2年以上~        6.0%という結果になりました。この結果から、最も妊娠が多かったのは「3ヶ月以内」で、妊活を始めてから6ヶ月以内には「54.6%」の人が妊娠しているということが分かりました。一方で、1年以上妊活を行っていた夫婦も「20.8%」います。この結果により、5人に1人の割合で妊娠が長期化しているということがおわかりいただけるでしょう。妊活が長期化すると、夫婦にかかるストレスは小さくなく、「自分がいつ妊娠できるかわからない」という見えないゴールへの焦りも大きくなります。妊娠にいたるかどうかは個人差が大きいため、先に妊娠した人と比べてしまったり、いつ妊娠できるかわからない不安から情緒不安定になってしまったり…ということもあるでしょう。難しいときもありますが、“焦らず・比べず”、夫婦で楽しみながら妊活ができたら素敵ですね。もちろん、夫婦で規則正しい生活やサプリメントを飲むなど、健康にも気をつけてください。妊活が長期化したときは、夫婦で早めにクリニックへ相談することをおすすめします。両親や義理の親からのプレッシャー子どもが欲しいと思っていても、思い通りにならないのが妊娠です。周りからの期待や、悪意のない「子どもはまだ?」の質問に心を痛めた経験がある人も少なくないでしょう。自分の両親になら、「プレッシャーになるからいわないで」などと、率直に自分たちの気持ちや状況を伝えやすいですが、義理の親からの質問となると、返答に困ってしまうときもありますよね。義理の親からの質問に困ったときは、パートナーに相談してみましょう。まずは、パートナーに自分の気持ちを理解してもらい、そのあと対応方法を話し合って見てください。パートナーから「二人で考えているから見守っていて欲しい」「子どもについては自然に任せている。心配しないでほしい」などと伝えてもらうことで、義父母からのプレッシャーから解放されたというケースはよくあります。妊活・妊娠は自分一人でできることではありません。全てを自分だけで抱え込まず、パートナーにも協力してもらいながら一緒に乗り越えていきましょう。義理の兄弟に子どもが生まれたが、正直会うのが苦痛妊活中に「よその赤ちゃんに会いたくない」という気持ちになってしまうことは、仕方のないことです。「こんな気持ちになるなんて自分は性格が悪い…」などと、自分を責めないでくださいね。今は心に無理をせず、「体調が悪い」など、理由をつけて会わないようにしても良いのです。話しやすい間柄であれば、今感じている気持ちを正直に伝えてみるのも良いかもしれません。もしかすると、同じような経験がある方の場合、色々なサポートをしてくれる可能性もありますよ。妊活中の悩み“夫婦の問題”夫が妊活に理解がなく、不妊治療クリニックに一緒に行ってくれない“不妊は女性の問題“などとして、不妊治療を自分事として考えられない男性は、残念ながら存在しています。当然のことながら、不妊は女性側だけの問題ではなく、パートナーとの二人の問題です。不妊治療は、妻と夫の二人三脚で進めていくものであり、どちらか一方が欠けると上手くいきません。妻が一人で頑張るのはとてもつらく、続けていくことは困難です。たしかに、検査や治療に対して抵抗を感じる男性も少なくないでしょう。 しかしそれは、女性側も同じこと。むしろ、不妊治療は男性よりも女性の体のほうが負担が大きいため、不妊治療の大変さは男性にも必ず理解してほしいものです。不妊治療についてよくわからなくからこそ、漠然と不安を感じている男性もいるかもしれません。 そこで、まずは二人で感じていることをとことん話し合ってみませんか?お互いの気持ちが理解できれば、二人で進んでいく道筋が見つかるかもしれません。また、クリニックが開催する「不妊治療説明会」に足を運んでみるのもおすすめです。 説明会の内容はクリニックごとで異なりますが、不妊症の定義から検査項目、さまざまな不妊治療の方法、それに伴うリスクなど、専門機関から正しい知識を得ることができます。看護師や医師の方からお話を聞くことで、不妊治療を自分事として考えられる男性も多いのではないでしょうか。パートナーは、「もう治療をやめてもいいんじゃない?」といいますが、私はまだ子どもを諦められません。不妊治療をするための高額な費用や、女性の体への気遣い、または男性のメンタル面など、「もう治療をやめてもいいんじゃない?」という言葉の奥には、さまざまな理由が隠れています。長期にわたる不妊治療で、「つらそうな妻の顔をこれ以上見たくない」と思う男性もきっと多いはずです。もし、自分はまだ子どもを諦められないけど「不妊治療をやめよう」といわれてしまったら、「どうしてそう思うのか」について二人で話し合うのが一番です。その理由がお金であれば、二人でどこまで不妊治療に使えるかをしっかり試算してみましょう。妻の体を気遣ってのことであれば、「たしかにつらいけど、ここでやめたら後悔する」というように、自分の気持ちをパートナーに伝えることが大切です。お互いの気持ちが違っていたとしても、相手の考えをゆっくり聞いてみることで、お互い納得のいく方向性を見つけてくださいね。男性不妊の夫に、どう話しかけて良いかわかりません。これは、妻が不妊の場合の夫でも、同じことがいえそうですね。不妊の原因が自分あると分かったときの気持ちは、当事者以外には計り知れません。わからないからこそ、どう話しかけたら良いかわからず悩むのも当然です。検査結果に落胆する夫にかける言葉として、まず検査を受けてくれたこと、治療が進められることに感謝を伝えてみましょう。きっと妻の前向きな姿に、少し心が救われるはずです。落ち込むパートナーを支えてあげられるのはあなただけです。決して責めず、寄り添う気持ちを忘れずに接してくださいね。すぐに話すことが難しい場合は、待つと状況が変わることもあります。時間をかけて寄り添っていきましょう。夫婦で医療機関のセミナーや当事者が集まる会に参加するのもひとつの方法です。夫は仲間がいる心強さを感じることができ、妻は男性不妊についての理解を高めることができます。また、ご自身にもつらいお気持ちがあると思いますので、一人で抱え込まないようにしてくださいね。不妊の原因の約50%は男性WHO(世界保健機構)発表の不妊症原因調査より事実として、不妊の原因の約50%は男性にあるといわれています。妊活中の多くの女性が葉酸を摂取するように、男性も妊娠力を高める努力をしてみてはいかがでしょうか?男性が妊娠力を高めるために大切なのが“元気な精子をたくさん作ること”です。【精子力アップのためにできること】・禁欲の禁止・禁煙・ブリーフよりトランクスで風通しを良く・サウナや長風呂などで局所を温めることをやめるさらに、男性専用の妊活サプリメントもあるので、試してみてはいかがでしょう。妻がイライラして情緒不安定になっています。どうすればいいですか?イライラしてしまう女性の気持ちも、どう寄り添えば良いかわからない男性の気持ちもよくわかります。不妊という現実をどう受け止めればいいかわからず、不安な気持ちで押しつぶされそうになっている表れなのでしょう。女性が情緒不安定なときは、まず話をゆっくり聴いてあげてください。話を聴いてもらえるだけで女性は安心し、心が落ち着いていくことも多いです。イラ立つ妻にどう対応すればよいかわからず、あえて時が経つのを待つという選択肢はNG。それは「今はそっとしといて」といわれてからとる行動です。まずはゆっくり話を聴いてみて、気持ちを理解することで、心を安定させるヒントが見えてくるでしょう。女性も、自分がなぜ情緒不安定なのか言語化できず、つい投げやりな態度になってしまうこともあるかもしれません。しかし、「察して」というのは伝わらないことが多いため、自分の内面を知り、寄り添ってくれたときは存分に甘えて、気持ちをしっかり伝えられたら良いですね。二人目を催促されることがプレッシャーです「二人目は?」「一人っ子はかわいそう」など、二人目を急かされることや、「男の子のみを希望される」など、自分では対処できないことについて、周りからプレッシャーを感じストレスになっている経産婦さんも少なくないのではでしょうか?一人っ子を希望する夫婦の場合まず、一人っ子を望んでいるご夫婦へ、これは何も間違いはありません。どの家庭にも、経済的・年齢的・または「一人に愛情をすべて注ぎたい」という愛情的などの理由で、よく考え話合った結果“一人っ子”を選択しているわけで、周りがとやかくいう権利はないのです。「兄弟がいたほうが幸せ」という明確なデータや資料もない今、「一人っ子はかわいそう」というナンセンスな意見に振り回されることはありません。堂々としていましょう。「子どもは一人と決めているので」とはっきりいって良いのです。二人目を希望している夫婦の場合子どもを二人以上希望しているのにできない場合、「二人目は?」という短い言葉がどれほど心を傷つけるか…周りの人は再認識しなければなりませんね。二人目を希望しながらも、半年以上妊娠にいたらない状態を「二人目不妊」といいます。二人目不妊の主な原因は、「加齢」と「セックスレスやセックスの数の減少」です。当然のことながら、一人目のときよりも年を重ねているため、卵子や精子の質など、男女ともに生殖器官が衰えている可能性があります。また、一人目が生まれて家事や育児が忙しく、ホルモンの影響もあるため、セックスの回数が減った夫婦も少なくないでしょう。二人目ができにくいと感じたら、すぐに不妊治療専門の医療機関を受診することをおすすめします。「二人目は?」の言葉のかわし方は、“妊活中を正直に打ち明ける”と“受け流す”の2パターンがあります。正直に妊活中を伝えられるなら、その後の二人目は?攻撃はなくなるかもしれません。ただ、正直にいいたくないときもありますよね。そんなときは、「まだ一人っ子を楽しみたいから」「夫婦で相談中」など、さらっと流して話を終わらせても良いんです。自分を傷つけてくる人からはできれば距離をおき、自分の心を守ってくださいね。妊活中の悩み“職場の問題”上司に不妊のことを相談したいのですが、切り出し方がわかりません不妊治療は、治療期間も未定で通院も多いため、職場の人からの理解は不可欠です。特に会社の上司には、きちんと状況を理解してもらい、味方になってもらいたいですよね。平時に伝えるのがちょっと…という方は、相談事として二人きりで話す時間を設けてもらうのが良いでしょう。 評価面接などがあるなら、そのときに伝えても良いですね。その際、治療を行う上で考慮して欲しいことを具体的に伝えると、上司も対応がとりやすいかもしれません。具体例としては、「急な通院があり、月に2~3日休む可能性がある」「体調を整えたいので、月の残業を10時間以下にしたい」などがあり、クリニックとよく相談した上で伝えましょう。 また、不妊治療の検査や必要な配慮事項を記載した「不妊治療連絡カード」を上司に渡しておくのもひとつの方法です。治療を受けているクリニックで発行してもらえますので、ぜひ作ってみてくださいね。  不妊治療のために会社を頻繁に休んだり早退する必要がありますが、休みが取りづらいです。厚生労働省の調査によると、仕事と不妊治療との両立ができずに離職した女性は23%。離職の理由として、「精神面での負担が大きい」「通院での急な休みなども必要なため、会社での理解が得られない」などの理由が挙げられます。 「休みや早退が取りづらい」というのは、不妊治療中の多くの女性が抱える社会的な問題のひとつです。最近では、福利厚生の一環として不妊治療のサポート制度があったり、リモートワークなどの働き方が選べたりする企業も増えてきているので、ぜひ一度勤め先の制度を調べてみましょう。しかし、制度を利用して休めるとしても、職場の人に負担についても気がかりですよね。業務の内容や配分は、上司に相談の上「不妊治療もしながら、仕事も頑張りたい」と熱意を伝えてみてはいかがでしょうか?その際には、上記でも紹介した“具体的に伝えること”を意識してみてくださいね。休みやすく、周りの特定の人だけにしわ寄せがいかないよう工夫してもらいましょう。抵抗の無い方は、同僚に正直に現状を話すことで、理解と協力が得られる可能性が高いので、考えてみてください。不妊治療か仕事か…今はどちらを優先するのが自分にとって良いのか、立ち止まって考えることも必要です。自分の一番の望みは何なのか、どうしていくのが理想なのかなど、整理するいい機会になるでしょう。落ち込んだときの対処法それぞれの状況に応じた悩みと対応方法を見てきましたが、妊活がなかなかうまく行かずに落ち込んでしまったときは、皆さんどのような対処法を取っているのでしょうか?以下の対処法を見てみましょう。【妊活で落ち込んだときにとる対処法】・夫に相談する   30.7%・ネットやSNSや掲示板を見る 25.1%・仲の良い友人に相談する   19.6%・趣味や仕事に打ち込む    14.3%・親族に相談する   10.4%やはり1番多いのは、「夫に相談する」というものでした。先に述べた通り、妊活は妻だけではなく夫婦二人で行うものです。うれしい気持ちも、悲しい気持ちも、二人で共有して分け合うとで、気持ちが軽くなるだけでなく、夫婦の絆も強くしてくれるでしょう。悩みがあるときは、些細なことでも相談することが大切です。人に話すことで悩みが整理され、気持ちが軽くなるということはよくあります。話し合うときは、パートナーの悩みも聴いてあげると、より二人の理解が深まりますね。2番目は「ネットやSNSや掲示板を見る」でした。SNSで悩みを相談したり、同じような悩みを持っている人を探したりできるのは、現代の妊活におけるメリットといえるでしょう。自分の近い人にはいいにくい相談や本音も、SNSなら聞けるし発言できるということもあるでしょう。自分の気持ちが少しでも楽になる方法を見つけておくことも、妊活において大事のかもしれませんね。妊活はパートナーとの二人三脚さまざまな妊活中の相談・お悩みを紹介してきました。妊活が長引くほど「考えすぎてネガティブになってしまう」「焦りや不安から落ち込む」「妊活のことばかりを考えてしまう」という人も多いはず。男女ともに健康な体でいることに加え、ストレスを溜めすぎず、ワクワクした気持ちでいることも妊活には大切です。気分が落ち込んでしまったときは、パートナーや家族、友達などに相談して、一緒に乗り越えていきましょう。参考文献厚生労働省 不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック不妊治療連絡カード医療法人社団 生新会 木場公園クリニックはらメディカルクリニック

葉酸以外に必要な栄養素「ビタミンB12」

ビタミンB12はどんな栄養? ビタミンB12は、鉱物であるコバルト(Co)を含むビタミンで、広義で「コバラミン」と呼ばれています。水やエタノールに溶けやすい水溶性で、さらに熱に対して安定しているのが特徴です。食品中のビタミンB12はタンパク質と結合しており、ビタミンB12が体内に入ると、まず胃で結合していたタンパク質が胃酸やペプシンによって引き離されます。そのあと、ビタミンB12は、胃から分泌される糖たんぱく質「内因子」と結びつきます。最後に、内因子が結合したビタミンB12が小腸で吸収されるというのが、ビタミンB12の吸収メカニズムです。ビタミンB12は、内因子がないと体内に吸収できません。小腸の吸収機構が飽和すると、内因子の分泌が抑制され、ビタミンB12の吸収が調整されます。結果として、内因子と結合していないビタミンB12は、小腸で吸収されず体外に排出されるのです。そのため、食事やサプリメントなどでビタミンB12を摂りすぎたとしても、体が自動的に吸収量を調整してくれるので、摂りすぎで健康障害がでることはありません。また、ビタミンB12は体内にしっかり貯蔵されており、さらに腸肝循環して回収・再利用もされています。このことから、偏った食生活でない限り、ビタミンB12は過不足しにくい栄養素といわれています。ビタミンB12の役割は?ビタミンB12の役割は大きく3つあります。1.DNAの生成のための補酵素2.神経機能の正常化(脳からの指令を伝える神経を正常に保つ)3.葉酸と協力してヘモグロビンの合成上記のことから、ビタミンB12は生命維持のために重要なビタミンのひとつといえるでしょう。不足しにくい栄養素とはいえ、足りなくなってしまうとさまざまな支障をきたすおそれがあるので注意が必要です。また、小児期にビタミンB12が不足すると、精神や運動の発達面で遅れがでる場合があるため、成長期の子どもにとっても大切な役割を担っているといえるでしょう。生まれてくる赤ちゃんは、母体からビタミンB12を受け取り、肝臓に蓄えて生まれてきます。妊娠中の女性に十分なビタミンB12があれば、きちんと赤ちゃんに届けられるので安心してくださいね。ビタミンB12はいつ必要?DNAの生成を助けたり、脳の神経機能を正常化させたりと、どの年代でも重要な栄養素といえるビタミンB12。前述した通り、特に適切に摂取してほしいのが、妊娠中と授乳中の女性です。妊娠中は胎児にビタミンB12を送る必要があるため、妊娠や授乳をしていない女性よりも多くのビタミンB12を消費します。母親にビタミンB12が不足していると、胎児もビタミンB12不足になる可能性が高まるため注意が必要です。また、ご存じの通り、母乳にはたくさんの栄養素が含まれています。ビタミンB12は特に初乳に多く含まれているため、妊娠中から授乳期まで不足しないように気をつけたいですね。ビタミンB12はどれぐらい摂取すればいいの? 女性のビタミンB12の摂取基準量ここで、ビタミンB12をどれくらい摂取すればよいかを見てみましょう。妊娠や授乳をしていない成人女性で、ビタミンB12は1日に2.4㎍摂取するのが望ましいといわれています。前述した通り、妊娠中は胎児へ、授乳中は母乳へとビタミンB12が使われるため、妊娠中の女性は2.8㎍、授乳中の女性は3.2㎍と、摂取基準量が増えています。「令和元年国民健康・栄養調査結果」によると、男女合わせた1日のビタミンB12摂取量は平均6.3㎍と、食事摂取基準を大きく上回っています。摂取量は、魚介類→肉類→乳類・卵類の順に多いようです。授乳中の女性の中央値は3.3㎍と、食事摂取基準を一応クリアしていますが、授乳中の女性は意識的に摂取すると良いでしょう。ビタミンB12を含む食べ物ビタミンB12はタンパク質と結合しているため、タンパク質を含む動物性食品に多く含まれています。食品中のビタミンB12の吸収率は50%程度で、比較的効率が良いといえるでしょう。前述した通り、ビタミンB12は過剰摂取してしまっても、生理的に吸収されずに体外に排出されます。そのため、摂りすぎを気にする必要はありません。ビタミンB12の多い食べ物は以下の通りです。【ビタミンB12の多い食べ物】・しじみ・あさり・さんま・のり・牛レバー・鶏レバー・うずらの卵・生卵・チーズ牛レバーと二枚貝は、ともに最良のビタミンB12供給源といわれています。なぜなら、牛レバー100gあたり53㎍、生のあさり1個あたり52㎍のビタミンB12が含まれているからです。食事摂取基準が一番高い授乳中の女性でも、1日3.2㎍の摂取で良いので、牛レバーと二枚貝なら少量で基準値をクリアできますね。しかし、「牛レバーや貝を毎日は食べられない」という人もきっと多いはず。そんなときは、チーズや卵などが手軽に手に入り、調理しやすいためおすすめです。プロセスチーズなら1切れ(18g)を食べるだけで、ビタミンB12を3.2μg摂取でき、生の卵黄1個(16g)でも3.5㎍摂取できます。ビタミンB12は、吸収率が高く身近な食材に多く含まれるため、比較的食事摂取基準を満たしやすいビタミンといえるでしょう。生で食べられるものはそのままで良いですが、水に溶けやすく熱にも強いビタミンなので、スープなどの丸ごと食べられる調理法もおすすめです。魚介類の缶詰なら、中身だけでなく汁も使うと栄養素を無駄にすることなく使い切れますよ。動物性食品や魚介類が苦手な人は、サプリメントでの摂取も検討してみると良いでしょう。ビタミンB12が不足すると・・・ビタミンB12が不足しやすい人とは?ビタミンB12は食事から取り入れるだけでなく、腸内細菌も合成できるため、不足することはあまりないといわれています。ただ、以下の人はビタミンB12が不足しやすいため注意が必要です。【ビタミンB12が不足しやすい人】・病気で胃を摘出している人・慢性的に胃炎がある人・高齢者・厳格なベジタリアンやヴィーガン病気で胃を摘出している人や慢性的に胃炎がある人は、内因子の分泌不足によって、ビタミンB12を摂取しても体外へと排出されてしまうため、ビタミンB12が不足しやすいです。また、高齢になると、ビタミンB12の貯蔵量が減少し、かつ内因子の分泌不足などで吸収不良になりやすいといわれています。動物性食品を食べないベジタリアンやヴィーガンの人も、ビタミンB12を摂取する機会がないため、ビタミンB12が不足しやすいです。ビタミンB12が不足すると?では、ビタミンB12が不足すると、どのような不調が起こるのか見てみましょう。【ビタミンB12不足で起こる不調】・疲労・体力低下・便秘・造血作用がうまくいかず巨赤芽球性貧血になる・脊髄や脳の白質障害・しびれ・知覚異常ビタミンB12は、赤血球の細胞骨格を維持するために必要な栄養素です。そのため、不足すると血液がうまく作れず貧血になる可能性があります。ビタミンB12または葉酸が不足するとなる貧血を「巨赤芽球性貧血」と呼び、それが原因で疲れやすくなったり、体力が低下したりといった体の不調が起こるのです。また、ビタミンB12は神経機能を正常化させる役割も担っているため、不足することでしびれなどの末しょう神経障害や脊髄や脳にまで影響を及ぼしかねません。さらに…・平衡感覚障害・うつ病・認知症・記憶の低下など、の症状がでることも報告されています。神経系を損傷してしまうと、体内のビタミンB12量が正常になったとしても、元には戻らない可能性もあるため、ビタミンB12不足に早期に気づき、治療を開始する必要があるでしょう。また、乳幼児がビタミンB12不足になると…・発育障害・運動障害・特有の成長遅延・巨赤芽球性貧血になる可能性があるといわれています。そもそも、健康体のお母さんから生まれてくる赤ちゃんは、胎児のときにお母さんのビタミンB12を受け取って生まれてくるため、ビタミンB12不足にはなりにくいです。このことから、妊娠中~授乳中の女性は、赤ちゃんがビタミンB12不足にならないよう、日々の食事に気をつけることが大切でしょう。まとめDNAの生成や神経機能、ヘモグロビンの合成など、人の生命維持に大きな役割を担っているビタミンB12。多くの動物性食品に含まれ、吸収率も高いため不足しにくい栄養素といえますが、ビタミンB12不足になると巨赤芽球性貧血や神経系に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。また、乳幼児の場合、発達遅延が起こることもあるので、妊娠中~授乳中の女性は、不足しないように食生活に気をつけましょう。摂取が難しい人は、サプリメントも活用しながら健康に過ごしてくださいね。参考文献恩賜財団 済生会eJIM「ビタミンB12」令和元年国民健康・栄養調査結果公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット日本食事摂取基準2020年J-STAGE 聖マリアンナ医科大学雑誌国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

葉酸以外に必要な栄養素「鉄分」

鉄はどんな栄養? 鉄とは、血液の主成分である赤血球に含まれる赤色素タンパク質「ヘモグロビン」の構成に必要なミネラルの一種です。「鉄(ヘム)」と「タンパク質(グロビン)」が結合したものなので、ヘモグロビンという名前がつけられました。そもそも赤血球の働きとは、赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素分子と結びつき、体中に新鮮な酸素を運ぶことです。そのため、体内の鉄分が不足するとヘモグロビンの数が減り、体中に十分な酸素を運ぶことができません。この状態を「鉄欠乏性貧血」といいます。鉄欠乏性貧血になると、運動機能や認知機能の低下、食欲不振などを招くことがあるため、どの人も適切な量の鉄を摂取する必要があるでしょう。必要な鉄分量は性別や妊娠・授乳の有無、月経の有無などの条件によって異なります。特に妊娠中は、母体の血液量が増加したり、胎児の成長にも鉄分が必要だったりと、妊娠前より多くの鉄が必要です。鉄分は体内で生成することができないので、日々の食事で積極的に補いましょう。人間は体重60kgの男性で約3g、体重50kgの女性で約2.5gの鉄を体の中に持っており、そのうち約66.7%はヘモグロビンに、10%は筋肉(ミオグロビン)に、残りは肝臓、脾臓、骨髄、腸にそれぞれ蓄積されています。このように、鉄は人間の体にとって重要な栄養素なので、すぐに取り出せるように貯蔵されていたり、再利用されたりするのです。しかし、成人男性で1日1mg程度の鉄が尿や便から排出されてしまうため、鉄の摂取が行われないと貯蔵された鉄を使うことになり、貯蔵された鉄が少なくなると貧血を起こす可能性があります。そのため、毎日食べ物から鉄分を摂取することが望ましいのです。しかし、食事で10gの鉄を摂取しても、吸収されるのはその1割程度なので、毎日の食事だけで適量の鉄を摂取することはなかなか難しいといわれています。鉄の役割は?鉄の最も有名な役割のひとつに、“赤血球内のヘモグロビンを構成すること”があります。私たちは絶えず呼吸を行って「酸素」を体の中に取り込み、その酸素が生きていくためのエネルギーをたくさん作り出すことで、日々活動ができています。酸素を体の隅々まで運んでくれるのが、血液の主成分である赤血球です。赤血球は酸素を運ぶトラックにたとえることができ、ヘモグロビンは酸素が座る座席とすることができます。ヘモグロビンは鉄とタンパク質から成り立っているので、もし鉄が不足してしまうと、ヘモグロビンの量が減ってしまい、酸素を効率良く配達することができなくなるのです。また、鉄は骨格筋や心筋で酸素の配達および貯蔵をしている「ミオグロビン」というタンパク質や、エネルギーを効率的に生み出す「チトクローム(シトクローム)」という酵素の一部としても役立っています。このように、鉄は生命を維持するために不可欠なエネルギーの生成や子どもの発育に大きく関わっているのです。鉄はいつ必要?エネルギー生成に必要な酸素の運搬に一役買う鉄分は、老若男女問わず必要な鉄ですが、妊娠中期~後期の女性にとって特に大切な栄養素です。その理由は2つあります。1. 妊娠中の女性は血液量が増えるから2.母体から胎児へ鉄を供給する必要があるから妊娠5カ月~7カ月(16週~27週)を「妊娠中期」、8カ月~10カ月(28週~39週)を「妊娠後期」といい、お腹の中で赤ちゃんがどんどん大きくなってくる時期です。妊娠中の女性は、血液量が増加し、28週〜36週頃には妊娠前の1.5倍の血液量になっているといわれています。血液量の増加に伴い、赤血球も増やす必要があるため、妊娠していないときよりも多くの鉄が必要になるのです。また、妊娠後期には、赤ちゃんの成長に鉄が必要だったり、母体の臍帯と胎盤に鉄を貯蔵したりと、赤ちゃんが元気に育つためにも鉄は使われます。そのため、妊娠初期に比べて妊娠中期~後期では2倍以上の鉄が必要になるのです。鉄はどれぐらい摂取すればいいの? 日本人の食事摂取基準(2020年版)より作成厚生労働省が発表している鉄の食事摂取基準の推奨目安は、30代の女性(妊娠なし・月経あり)の場合、1日10.5mgになっています。妊娠初期は少なめの9mgですが、これは妊娠中は月経が止まり、赤ちゃんもまだ小さく多くの鉄を必要としないためです。そして、妊娠中期〜後期は、必要な量が16mgまで増加しています。しかし、30代女性の食事摂取による平均鉄摂取量は6.8mgと発表されており、必要摂取量を大きく下回っているのが現状です。また、妊婦でも16mg必要な鉄が、実際は6.3mgしか摂取できていないという結果に。妊娠中に鉄分が不足すると、母体や胎児の死亡リスクや早産、体出生体重児が生まれるリスクが上昇すると発表されています。鉄は体内で作ることができず、食べ物から摂取することしかできないため、積極的に鉄分を含む食べ物を食べておきたいですね。ただ、鉄分は体内吸収率があまり良くないため、鉄分を含むサプリメントでの摂取も検討してみると良いでしょう。鉄の種類(ヘム鉄と非ヘム鉄の違い)鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、「ヘム鉄」は動物性食品(牛や豚、鶏、魚など)に、「非ヘム鉄」は植物性食品(ほうれん草や小松菜、プルーンなど)に、それぞれ含まれています。この2種類は、体内での吸収率が大きく異なり、「ヘム鉄」の吸収率は10~20%、「非ヘム鉄」は2~5%です。「じゃあ、ヘム鉄だけ摂ったらいいの?」と思われるかもしれませんが、2種類の鉄分の違いを理解し、どちらの鉄分もバランス良く摂るようにしましょう。ヘム鉄鉄とポルフィリン環により形成される「ヘム鉄」。ヘム鉄はもともとタンパク質にくるまれて吸収されやすい形になっているので、比較的吸収されやすいのが特徴です。動物性食品はヘム鉄を多く含み、そのなかでもレバーや赤身肉など、濃い色の肉には比較的鉄が多く含まれています。また、赤身の魚や、あさりの水煮などの貝類にも、鉄が多く含まれているので、いろんな食べ物から摂取したいですね。【ヘム鉄が多く含まれる食品】・豚レバー ・鶏レバー ・牛レバー ・牛ヒレ肉 ・カツオ ・マイワシ ・鶏卵 ・あさり ・カキ  など非ヘム鉄非ヘム鉄の吸収率は、ヘム鉄と比べると低いのが特徴です。しかし、ビタミンCや動物性タンパク質、クエン酸といっしょに摂ると、吸収率がアップするという研究結果がでています。摂り方を工夫することで、効率良く鉄分を摂取しましょう。非ヘム鉄が多く含まれている食べ物は、野菜のほかにも日本食でよく食べられている豆類や海藻類があります。【非ヘム鉄が多く含まれる食品】・小松菜 ・ほうれん草 ・枝豆・そら豆 ・乾燥ひじき ・豆乳 ・厚揚げ など鉄分を効率良く摂取するには?非ヘム鉄でも少しお話しましたが、鉄分の吸収率をアップさせるためには、鉄分の吸収を助ける食べ物といっしょに食べることと、吸収を妨げる食べ物をいっしょに食べないことの2つが大切です。鉄分と一緒に、牛乳などに含まれるタンパク質「CPP(カゼインホスホペプタイド)」をいっしょに摂ると、タンパク質が鉄と結びつき、腸での吸収を促進させる効果が期待できます。また、野菜や果物に多く含まれるビタミンCには、還元作用で鉄を吸収されやすい状態に変える効果があり、クエン酸などの果実酸もまた、「キレート作用」という、鉄分などのミネラルを包み込んで吸収しやすくしてくれる効果があります。一方、紅茶、コーヒー、緑茶などに含まれる「タンニン」、ライ麦や玄米に含まれる「フィチン酸」、イモ類やきのこ類などに含まれる「非水溶性食物繊維」は、非ヘム鉄の吸収を妨げるといわれています。(ヘム鉄の場合は気にしなくてよいという意見もあります。)可能であれば、メニューを工夫して効率的な鉄分摂取ができるのが望ましいでしょう。鉄が不足すると・・・妊娠中はもちろん、妊活期、産後など、どのステージでも大切になってくる「鉄」。妊娠期には鉄の基本的損失に加え、胎児の成長に伴う鉄の貯蔵や赤血球量の増加による鉄需要が高まり、鉄の必要量が増加します。鉄分の不足は、「原因はよくわからないが、なんとなく体調が悪い」という不定愁訴(ふていしゅうそ)と深く関係しています。また、妊娠中や産後での鉄不足は、早産や出産後の発育などに影響が出る危険性が高まり、産後うつにも深く関わりがあるといわれています。鉄が不足することで赤血球のヘモグロビンの数が減少し、酸素が十分に運べなくなるとなるのが「鉄欠乏性貧血」です。鉄欠乏性貧血では、以下の症状が挙げられます。・動悸・めまい・肩こり・頭痛・肌のかさつき・口内炎や口角炎・抜け毛や枝毛 などまた、精神発達にとっても重要な栄養素なので、以下のような症状も出ます。・注意力の低下、イライラ感・食欲不振・抑うつ感当てはまる症状はありませんか?食材に含まれる、非ヘム鉄とヘム鉄の特性を理解していても「調理するのがなかなか難しい」という方もきっと多いでしょう。きちんと摂取しているつもりでも、実はうまく吸収できずに不足していることもあるため注意が必要です。特に妊娠中に貧血を引き起こすと、お腹の中の赤ちゃんに影響がでることがあるので、健康な身体を維持できるよう心がけましょう。貧血が起きると・・・先ほどもお伝えした通り、妊娠中は多くの鉄が必要となり、想像以上に鉄が消費されています。体内の鉄は、摂取してもすぐには増えない仕組みになっていて、体内の鉄を増やすために数ヶ月〜1年もかかります。そのため、妊娠前と妊娠初期〜後期の鉄欠乏の予防はとても重要です。鉄が不足すると、貧血になりますが、初めは無症状の人も多く、気がつきにくいかもしれません。鉄欠乏が進んでいくと、動機やめまい、息切れ、頭痛、倦怠感などの自己症状が表れ、重度の貧血になると「妊娠高血圧症候群」へのリスクが高まり、「分娩時の出欠量の増加」や「産後の回復が遅くなる」、「母乳の出が悪くなる」などの症状がでる可能性があります。また、胎児の発達や早産のリスクも高まるでしょう。出産では母体から多くの血液が失われるため、貧血はさらに悪化することが予想されます。その結果、産後うつを発症する可能性もあるのです。鉄不足は母体だけでなく、子どもへの影響も大きくなります。通常、赤ちゃんは生後~6カ月までで使う鉄分を貯蔵して生まれてきますが、母体の鉄が不足していると、生まれてきた赤ちゃんに貯蔵されている鉄が少ない可能性もあるのです。出産後の「乳児期」は、一生の中で最も細胞が増える時期といわれており、脳神経はこの時期に形成されていきます。神経細胞形成には鉄が不可欠で、この時期に鉄などの栄養素不足で神経細胞がうまく形成されないと、認知発達障害や行動発達障害が残る可能性があると考えられています。ママ自身や生まれてくる赤ちゃんのためにも、鉄分を積極的に摂取できる食生活を心がけましょう。食事で鉄分を摂取しきれないときは、サプリメントでの摂取も検討してみてくださいね。まとめ妊娠中の女性と赤ちゃんにとって、特に重要な栄養素である「鉄分」。鉄分が不足すると、酸素を体中に運んでくれるヘモグロビンの数が減り、その結果引き起こるのが鉄欠乏性貧血です。妊娠中に貧血になると、動機やめまいといった日常生活に支障をきたすものから、胎児の発達遅延や早産のリスクも高まります。妊娠中は特に鉄分が必要なため、きちんと摂取しているつもりでも、気づかないうちに鉄不足になっていることも多いので注意が必要です。食事に気をつけ、サプリメントで上手く補いながら、効率的に鉄分を摂取すると良いでしょう。参考文献市立御前崎総合病院コラムe‐ヘルスネット「鉄」e‐ヘルスネット「Hb」日本人の食事摂取基準(2020年版)eJIM「鉄」東京都国民健康保険団体連合会

葉酸以外に必要な栄養素「ビタミンB1」

ビタミンB1はどんな栄養素?そもそもビタミンは、体内で十分に合成することが難しいため、食物などから摂取する必要があります。脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられ、ビタミンB1、B2などのビタミンB群は水溶性ビタミンに分類されます。ビタミンB群とは多くの物質からなる化合物で、「ビタミン複合体」とも呼ばれています。ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、葉酸(ビタミンB9)、ビオチン(ビタミンB7)の8種類からなり、生きるために必要なエネルギーを作ります。3大栄養素である糖質・たんぱく質・脂質は、十分なエネルギーを生み出すことはできないため、ビタミンB群の分解や代謝のサポートを受けることで、体の機能を維持するために必要なエネルギーを作り出しているのです。しかしアルコール、妊娠や授乳、ストレスなどによってビタミンB群が足りなくなることがあります。不足すると栄養素をエネルギーに変えることができず、疲れやすくなり心身の健康に影響を与えてしまうのです。ビタミンB群のなかでも、ビタミンB1は、体の活動の源となる栄養素で、糖をエネルギーに変換する際に役立ちます。脳神経の働きもサポートしており、疲労回復にも大きな役割を果たします。特にエネルギー需要の高まる妊娠中や授乳中は、エネルギーの生成に関連が深いビタミンB1、B2の摂取量を増やす必要があります。さらに妊娠中、つわりの症状が重く栄養を十分に摂取できないときは、ビタミンB1が欠乏しやすく、重要な神経学的後遺症を発症する可能性があるので注意が必要です。ビタミンB1の役割は?ビタミンB1は胎児の育成や母乳の生成のサポートをするため、妊娠中や授乳中には特に欠かせない栄養素です。さらに胎児の神経細胞形成にも必要な栄養素で、ビタミンB1が著しく欠乏すると、奇形性を引き起こす可能性があるとも言われています。またつわりを予防する働きもあるという研究もあります。つわりは一般的に妊娠4~7週ではじまり、14週までには落ち着きます。症状が悪化すると食物摂取が損なわれて代謝異常を起こします。この状態を妊娠悪阻といいます。強く症状が出る女性の特徴としては、前回の妊娠でもつわりがひどかった場合や、双子の場合などと言われています。これらを予防するためには、マルチビタミン(ビタミンB、C、D、E、葉酸など)が推奨されており、特にビタミンB1、B6が重要と言われています。授乳中は母親の栄養は母乳となり赤ちゃんの栄養になるため、成人女性のエネルギー所要量は1日1,700kcal~1,750kcalですが、授乳中は350kcal多くエネルギーを必要とします。母乳にはビタミンB1も分泌されており、赤ちゃんの健康のためにビタミンB1は欠かせません。必要なエネルギー量が増え、妊娠中や授乳中はお腹がすきやすい時期ですが、食欲につられて甘いものや脂質を多く摂取していますとカロリー過多となってしまうため、必要な栄養素をバランスよく摂取する必要があります。ビタミンB1はいつ必要?ビタミンB1は、成人女性は約0.22mg足りておらず、一般的にも不足しているため食物やサプリメントで補う必要があります。しかし、妊娠中・授乳中は通常時よりもさらに多く推奨量が設定されているため、約0.42mgも不足しているのです。妊娠中や授乳中はより意識的にビタミンB1の摂取をすることをおすすめします。ビタミンB1はどれくらい摂取すればいいの?妊娠中や授乳中の女性はビタミンB1の必要量が増え、成人女性よりも多く摂取する必要があります。それぞれの摂取推奨量、またどのような食材から摂取できるのかをご紹介します。摂取推奨量以下の表はビタミンB1の女性における一日あたりの平均摂取量と、推奨摂取量です。妊娠中・授乳中の女性はビタミンB1の摂取推奨量が成人女性と比べて0.2mg多くなります。しかし現状は一日の平均摂取量が成人女性とあまりかわりません。そのため成人女性も摂取推奨量に少し足りていませんが、妊娠中の女性や授乳中の女性はさらに不足しているということがわかります。ビタミンB1が含まれている食材ビタミンB1が豊富なおすすめの食べ物について、動物性と植物性にわけて以下の表にまとめました。動物性の食べ物では、豚肉が代表的です。そのためヴィーガンの方はビタミンB1が不足しやすくなります。以下のビタミンB1の豊富な植物性の食べ物を食卓に取り入れるなどして、摂取を心がけましょう。ビタミンB1を効率よく摂取するには、主食は白米より玄米がおすすめです。またパンは、全粒粉のものがおすすめです。豆類を摂取する場合、一度にたくさんの量を摂るのは難しいですが、手軽に取り入れやすく、毎日でも摂取できるというメリットがあります。またビタミンB1を摂取する際には、調理方法に十分に気をつけなければなりません。ビタミンB1はニンニクやタマネギなどに含まれているアリシンと結合してアリチアミンになると、吸収率が高くなります。しかし、熱に弱いため、調理による損失が大きいといった欠点があります。食品はできるだけ新鮮な物を選び、生で摂るようにすると無駄なくビタミンB1を摂取することができます。このように多くの食物に含まれていますが、体に貯蔵できず排泄されやすいため、知らない間に不足している場合もあります。ビタミンB1が不足すると(リスク)ビタミンB1はアルコールをよく呑む人、スポーツをする人、ストレスの多い人は不足しやすい傾向にあります。一般的なビタミンB1不足の症状は倦怠感・だるさ肩こり手足のしびれ食欲低下むくみ記憶力の低下集中力の低下脚気(イライラ、むくみ、食欲低下、しびれ、歩行障害)ウェルニッケ脳症(倦怠感、ふらつき、物忘れ、意識障害)乳酸アシドーシス(吐き気、嘔吐、呼吸障害)などがあります。妊娠中、授乳中におこりやすい症状はむくみ食欲不振便秘神経炎などがあります。つわりなどで絶食状態が続くとビタミンB1欠乏症からウェルニッケ脳症を引き起こす可能性があります。妊娠中・授乳中はマイナートラブルが多くなりがちな時期なので、栄養素の欠乏による食欲不振や便秘は防ぐ必要があるでしょう。ビタミンB1が不足すると多くの症状が現れますが、取り過ぎても体に貯蔵できず排泄されやすいため、過剰摂取になる心配はありません。まとめこのようにビタミンB1は妊娠中や授乳中の女性、胎児の健康に欠かせない栄養素です。しかし、食べ物から必要量を摂取するのが難しく、妊娠中や授乳中に必要とされる「ビタミンB1」を摂取するためには豚肉や白米、「鉄」を摂取するためには牛肉や納豆、「亜鉛」を摂取するためには牡蠣や赤身の肉などと、それぞれ摂取できる食べ物がバラバラで毎日の食事を考えるのがとても大変です。そのため、サプリメントで必要な栄養素を正確に簡単に摂取するのも体調管理の一つの手段になるのではないでしょうか。参考文献”日本人の食事摂取基準(2020年版)”厚生労働省”令和元年国民健康・栄養調査報告”厚生労働省“ビタミンB1の働きと1日の摂取量”健康長寿ネット”栄養教養学部/カラダ整え学科 ビタミンB1”栄養素カレッジ”ビタミンB1”glico“ビタミンB1の効果とは?豊富に含まれている食べ物まで解説”健康ねっと”ビタミンB1を含む食品とは?おすすめの食品や効果を解説!”健康ねっと”ビタミンB1"あくつクリニック”「ビタミンB1」(チアミン)の働きとは?役割や含まれる食べ物、一日の摂取量について解説”SNUTRY”ビタミンB解説”国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所”糖質をエネルギーに変え、元気をつくるビタミン”大正健康ナビ”【管理栄養士監修】ビタミンB1とは?働き・摂取量・食品について”Nestle“ビタミンB1 含まれる食べ物は?妊活・妊娠中に必要?”elevit“妊娠中のビタミン剤やサプリメント 院長コラム#010”MCL”ビタミンB1、B2”ベビーカレンダー“妊活・妊娠中に妊活に必須の成分解説【2022年最新版】”JinekoShop“Q:つわりがひどいです。対処法はありますか?”医療法人小塙医院“これで安心!妊娠中に感じやすい不安のワケと解消法を教えます【医師監修】”ヒロクリニック”授乳期は食生活にも気くばりを”小阪産病院”ビタミンB群ってどんな栄養素?取りすぎは体に悪いってほんと?摂取目安についても解説”スマート脳ドック”5.ビタミン”愛知県薬剤師会”川崎医大川崎病院産婦人科院長 田中雅彦”⑵つわりと妊娠悪阻”岡山の医療健康ガイドMEDICA

葉酸以外に必要な栄養素「DHA」

DHAはどんな栄養素?「日本人の食事摂取基準(2020年版)脂質」を元に作成まずは、DHAとは何なのかを紐といていきましょう。DHAの正式名称は「ドコサヘキサエン酸」といい、不飽和脂肪酸のひとつです。脂肪酸とは、脂質の主な構成要素で、動物性の脂肪に含まれる「飽和脂肪酸」と、植物や魚の脂肪に含まれる「不飽和脂肪酸」の2種類から成り立っています。さらに、不飽和脂肪酸には「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」があり、DHAは多価不飽和脂肪酸の「n-3系脂肪酸(通称:オメガ3)」に分類されている栄養素です。DHAは、脳や神経細胞、精子などに多く存在し、記憶力や血流の改善、アレルギーの予防などに効果があるといわれています。「脂肪」や「脂質」と聞くと、「太る」「体に悪い」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、脂質は「糖質」と「タンパク質」に並ぶ3大栄養素のひとつであり、活動のエネルギー源体となったり、細胞膜や核膜を作ったりする、とても大切な栄養素です。脂質のイメージの悪さは、肉や乳製品などの飽和脂肪酸の摂りすぎによる肥満や病気といった健康リスクや、マーガリンなどに含まれ、極力摂取しないほうが良いとされているトランス脂肪酸に由来していると推測できます。つまり、トランス脂肪酸以外の脂質を適量に摂取することは体にとって好ましい状態なのです。さらに、DHAは脳の活性化を促したり、動脈硬化や血栓を防いだり、脂肪燃焼を促したりするなど、さまざまな効果が期待できるため、積極的に摂りたい栄養素といえるでしょう。また、DHAは「必須脂肪酸」と呼ばれる体の中で合成することができない栄養素なので、食事から摂る以外、体の中に入れることはできません。DHAを含む食べ物を知り、選ぶことで積極的に摂取しましょう。DHAの役割は?次に、DHAの持つ役割について詳しく見てみましょう。【DHAの持つ役割】・脳の神経細胞の情報伝達を促す・体内の免疫反応を調整する・脂肪燃焼を促す・血管壁の細胞膜を柔らかくする多くの人が持つ「DHAを摂れば頭が良くなる」というイメージは、DHAの“脳の神経細胞の情報伝達を促す”という役割から来ているのがお分かりいただけるでしょう。そのほかにも、血液の流れを正常に保ったり、脂肪を燃焼させたりと、体にさまざまな良い影響がある栄養素なのです。そのため、DHAを適切に摂取し続けると・アレルギー疾患・皮膚炎・肥満・高血圧・動脈硬化・記憶力や認知能力などの予防と改善に効果が期待できるといわれています。DHAの役割を聞くと、「大人こそ摂りたい栄養素だな」と思われるかもしれませんが、胎児や乳幼児といった子供にとっても、DHAは脳や神経の発達に必要な大切な栄養素のひとつです。さらに、妊娠期にDHAを含むオメガ3脂肪酸を追加摂取することで、早期産児数が減少したり、低出生体重児が生まれる確率が低下したりする可能性があるという研究結果もでています。DHAはいつ必要?DHAは、脳細胞の活性化や血流の改善が期待できるなど、さまざまな働きを持つため、どの年代の人でも積極的に摂りたい栄養素のひとつです。特に胎児発生期間や胎児発育期間の妊婦の方と授乳期の女性は、積極的に摂取すると良いでしょう。前述したように、妊娠期にDHAを摂ることで、早産や低体重児出産のリスクを下げる効果が期待でき、また授乳期の母親が摂取することで母乳中のDHA濃度が高まり、栄養価の高い母乳を赤ちゃんに届けることができます。DHAが胎児や乳児期の赤ちゃんの成長に大切な栄養素であることは生物学的に証明されており、DHAが栄養補助成分として添加されている乳児用ミルクも多く販売されています。妊娠中や授乳中の女性は、必要カロリー内に収まるように摂取することを目指しましょう。ただし、人体や胎児に害を及ぼす可能性があるメチル水銀の含有量が低い海産物などから摂取するなど、どの食べ物から摂取するかも大切です。DHAはどれくらい摂取すればいいの?目安となる摂取量は?DHAのみでの食事摂取基準値は決められていませんが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、DHA・EPA・DPA・α-リノレン酸を合わせたn-3系脂肪酸としての目安量が示されています。1日の摂取目安量:30~49歳女性…1.6g/日(授乳婦は1.8g/日)さまざまな種類の海産物を、週に8から12オンス(約224gから336g)ほど摂取することが望ましいとされています。文部科学省の「日本食品表示成分表2020年版」を見てみると、スーパーでよく売られているサバの水煮缶は、可食部100gに対しDHAが1.3g含まれています。メーカーによって差はありますが、サバ缶は1缶につき内容量が150g〜200gのものが主流なので、1日にサバ缶を2/3〜1缶程度食べれば、授乳中の女性であっても1日のDHA摂取目安量を十分達成できそうですね。何を食べたら良いの?DHAは脂肪が多い魚や甲殻類に多く含まれています。【DHAを含む食べ物の一例】脂肪が多い魚:サバ、マグロ、いわし、サンマ、マスなど甲殻類:カニ、ムール貝、牡蠣などサバ類やいわし類といった青魚には、DHAが多く含まれていると覚えておきましょう。旬のものには栄養価が多く含まれているので、秋はサンマやサバ、いわし、冬はマグロというように、新鮮な旬のものを積極的に摂りたいですね。DHAは熱に弱いため、お刺身として食べるのがおすすめです。手軽に手に入り、調理せずに食べられるサバやいわしの缶詰も常備しておくと便利でしょう。サバやいわしの缶詰に入っている汁にも、DHAが含まれています。汁は、もちろんそのまま飲んでも大丈夫ですが、味噌汁のだし汁やパスタや炒め物でも使えるため、捨てずに活用すれば効率良く摂取できますね。また、DHAは酸化しやすいので、抗酸化作用のあるビタミンCやEと一緒に摂るのが理想的です。海産物でDHAを摂取する際に注意してほしいのが、メチル水銀の含有量。メチル水銀は食物連鎖によって濃縮されていき、大型の魚の中には高濃度のメチル水銀を含んでいるものも多くいます。人が食べ物からメチル水銀を摂取すると、一定期間体内に蓄積されますが、その後尿や便などから排出されるため、普通の食事からメチル水銀の影響を受けることはほぼありません。しかし、大量のメチル水銀を妊娠期の女性が摂取した場合、摂取したメチル水銀が母体を通じて胎児にまで届いてしまい、神経の発達に影響を及ぼす可能性があります。そのため、妊娠中や授乳中の女性は、白マグロ(ビンナガマグロ)なら週に6オンス(約168g)以内が摂取目安とされています。また、メチル水銀を多く含むアマダイ、メカジキ、サメ、キングマッカレルなどは食べるべきではありません。「毎日青魚ばかり食べられない」「そうはいってもメチル水銀が不安」「つわりで魚の匂いが気になる」という人は、サプリメントでDHAを補うことも視野に入れると良いでしょう。DHAが不足すると(リスク)DHAは、体にとってさまざまな良い働きをしてくれるため、不足するとさまざまなリスクを引き起こす可能性があります。【DHAの不足によって起こるリスク】・血管障害・中性脂肪の増加・皮膚炎・記憶力や学習能力の低下・胎児・乳児期の脳の発育に影響上記のように、さまざまな健康障害や発達に影響が起こる可能性があります。妊娠期や授乳期を始め、DHAはどの年代でも積極的に摂っていきたい栄養素であるということがお分かりいただけるでしょう。食生活を見直すと共に、サプリメントでの摂取も検討しながら、効率良くDHAを摂取し、母子共に健康な体を目指しましょう。まとめ脳細胞の活性化や脂肪燃焼の促進だけでなく、胎児や乳児の脳の発達に影響を与え、早産や低体重児出産の確率を低下させる可能性もあるDHA。しかし、DHAは体内で作ることができないため、食事から摂取することが不可欠です。DHAは青魚に多く含まれますが、青魚の中には人体や胎児に害を及ぼすメチル水銀を多く含むものもあるため、食べ物を選ぶ際は気をつけなくてはなりません。食事にも気を配りつつ、足りない部分はDHAのサプリメントで補うのもひとつの手段といえるでしょう。参考文献・e‐ヘルスネット「不飽和脂肪酸」・株式会社食環境衛生研究所「食環研コラム」・農林水産省「脂質による健康影響」・eJIM「オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと」・コクラン「妊娠期のオメガ3脂肪酸の追加摂取」・日本人の食事摂取基準(2020年版)・文部科学省「日本食品表示成分表2020年版」・内閣府 食品安全委員会事務局「食品から摂取する水銀と、その人体への影響とは?」 

葉酸以外に必要な栄養素「亜鉛」

亜鉛はどんな栄養素?体内には特別な亜鉛の貯蔵システムがなく、亜鉛を作り出すこともできません。そのため定常状態を維持するためには亜鉛を毎日摂取することが必要です。亜鉛は多くの食物に含まれますが、サプリメントで摂取することもできます。風邪薬として販売されている多くの風邪用トローチや一部の市販薬にも含まれています。亜鉛は体内に約2g含まれ、そのほとんどが筋肉と骨中に含まれます。他にも皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在します。亜鉛の役割は?亜鉛には風邪を予防する効果や、美肌・美髪効果なども期待されています。またそれだけではなく、活性酵素を抑制する効果があるため、生殖機能の老化を予防する働きもあります。亜鉛は妊活中の男女、妊娠中の女性、胎児や乳児の発育や生命維持にも非常に重要な役割を果たしているのです。健康的な体を維持することが重要であるため、免疫力を高める亜鉛は欠かせない栄養素の一つです。男性の場合は精子量の増加や、精子の運動率の低下予防といった効果があり、「精子をつくるミネラル」「セックスミネラル」とも呼ばれています。一方で、不足するとDNAが正しく分裂できず、傷のあるDNAが発生し不健全な精子が作られてしまう可能性も高まります。女性の場合、ホルモンバランスを整える、生理痛を軽減する、生理不順を改善するといった効果が期待されます。亜鉛は下垂体で作られる卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの働きを高めています。これらの働きが弱いと卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌量が低下し、卵胞の成長が遅れる、排卵が遅くなる、無排卵月経が起こる、子宮内膜の成長が不足するまたは遅くなる、子宮内膜を保つ働きが低下するリスクがあります。このように妊活中・妊娠中の女性に亜鉛は必要不可欠です。また細胞分裂が活発な胎児の成長にも重要です。亜鉛はいつ必要?もちろん妊活中の夫婦にも必要ですが、特に妊娠中の女性は、鉄分やカルシウムなどと同様に亜鉛も不足しやすくなる傾向にあります。成人女性の平均摂取量は摂取推奨量より少なく、さらに妊娠中は摂取推奨量も増えるため、亜鉛の摂取量をさらに増やす必要があります。亜鉛はどれくらい摂取すればいいの?摂取推奨量は成人女性と妊娠中の女性では異なります。また男女でも異なり、男性は女性よりも多く必要になります。亜鉛の摂取方法としては肉類、魚介類が主にあげられます。ではそれぞれどのくらい、どのように摂取したら良いのでしょうか。推奨摂取量男女ともに一日の摂取量が推奨量を下回っており、近年亜鉛不足が指摘されています。亜鉛の一日の推奨量は、成人男性では約12mg、成人女性で約9mgとされています。妊娠中・授乳中は亜鉛の必要量が増えるため、通常より2mg多く摂ることが推奨されています。しかし亜鉛の平均摂取量は成人男性で9.2mg、成人女性で7.7mgです。亜鉛を過剰摂取した場合、嘔吐、食欲不振、下痢などの体の不調を起こしてしまう可能性があるため気をつけなければなりません。鉄や銅の吸収を妨げ、貧血の原因になります。また亜鉛はクエン酸やビタミンC、動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収が高まる一方で、インスタント食品や穀類、豆類に含まれるフィチン酸やコーヒーや緑茶に含まれるタンニン、ほうれん草などに含まれるシュウ酸は吸収を妨げます。これらを摂る場合は、時間をずらすなど工夫をしましょう。亜鉛が含まれている食材亜鉛が含まれている食材として牡蠣鶏肉カニロブスターチーズなどがあります。生牡蠣は、亜鉛が100gあたり14.5mgと多く含まれていて最良の亜鉛摂取源です。赤身の肉、鶏肉、カニやロブスターなどの魚介類および朝食用栄養強化シリアル類にも亜鉛が豊富に含まれています。亜鉛は肉類や魚介類などに多く含まれていますが、食物繊維や青菜に含まれるシュウ酸は亜鉛の吸収を阻害するためベジタリアン、ビーガンなどは不足しやすくなります。菜食主義者は特に多くの亜鉛を摂取する必要があります。また加工食品に多く含まれる食品添加物が、亜鉛の吸収を阻害し、亜鉛欠乏になる場合もあるため注意が必要です。亜鉛が不足すると(リスク)不足する原因は主に偏った食事や、極端なダイエット、アルコールの摂取があげられます。亜鉛が不足すると、貧血下痢脱毛皮膚炎体重減少食欲不振免疫力低下味覚障害神経感覚障害など多くの症状が現れます。また、乳児および小児の成長の遅れ生殖機能の低下男性インポテンス男性の性腺機能低下などのリスクもあるため、男女ともに妊活中、妊娠中は亜鉛は欠かせません。妊娠中の女性は特に最低限の亜鉛摂取量で妊娠が開始した場合、胎児の亜鉛必要量が多いことからも、亜鉛不足になるリスクが高くなります。まとめ亜鉛は、妊活中の夫婦、妊娠中の女性、また胎児の健康のためにも欠かせない栄養素です。食事での摂取が理想的ですが、サプリメントで摂取すれば、不足することも過剰になることもなく、必要量を「簡単に」「正確に」摂取することができます。妊活中、妊娠中だからといって、食事を気にしすぎずストレスなく摂取できるためサプリメントでの摂取がおすすめです!参考文献eJIM 厚生労働省eJIM 厚生労働省厚生労働省令和元年国民健康・栄養調査 厚生労働省“清涼飲料水評価書 亜鉛” 厚生労働省公益財団法人長寿科学振興財団“亜鉛の働きと1日の摂取量”健康長寿ネット“亜鉛”LaBelle Vie“不妊症と亜鉛”TOZAI PHARMACY GROUP“亜鉛が豊富な食べ物は?手軽にしっかり亜鉛を摂取する方法”家族の介護と健康を支える学研の情報サイト“亜鉛が多い食材は?亜鉛を多く含むおすすめレシピもご紹介”dmarket“亜鉛不足は怖い!起きる症状や原因を解説します”POWER PRODUCTION“亜鉛は男性妊活に欠かせない栄養素”elevit“亜鉛が妊婦や妊活中の男女に与える効果とは”BELTA

葉酸以外に必要な栄養素「マグネシウム」

マグネシウムはどんな栄養素?妊娠中に必要な栄養素として、葉酸、鉄分、ビタミンB群、カルシウムに加えてマグネシウムが挙げられます。しかし、一般的にもマグネシウムの重要性に対する国民の認知が遅れていて、カルシウムと比較すると研究が進んでおらず「孤立栄養素」と呼ばれています。そのため現代人の多くがマグネシウムの慢性的な摂取不足に陥っているとされています。しかし近年では生活習慣病の予防や妊娠中の女性の健康に不可欠であるとして注目が高まってきているのです。マグネシウムの役割は?現代人の心身の健康のために欠かせないと言われているのが「マグネシウム」です。マグネシウムはミネラルの一種で、リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持ちます。ミネラル成分は炭水化物や脂質、そしてタンパク質やビタミンと並んで5大栄養素のひとつと言われており重要な位置づけにあります。そもそも、人体にとって必須のミネラルは16種類あると言われ、このうちマグネシウムもカルシウムやカリウムなどと並んで主要なミネラルのひとつです。また妊娠中にマグネシウムを十分に摂取することは、胎児の発育遅延、妊娠高血圧症候群、低出生体重児、子宮筋収縮・抑制や悪阻を防ぐという研究結果も出ています。マグネシウムはいつ必要?マグネシウム不足は、摂取不足・吸収不良・排泄増大により起こります。マグネシウム喪失性利尿薬の長期使用や生活習慣病、アルコール中毒の際に腎臓からの排泄が増加し、マグネシウム不良が見られますが、通常の食事をしている健康な人では不足することはあまりありません。 一方で、妊娠中の女性の1日あたりのマグネシウム平均摂取量は、女性の平均摂取量と比べると30mgも減少し、妊娠中女性のマグネシウム1日あたりの摂取推奨量は女性の摂取推奨量と比べると40mgも増加します。妊娠中は1日の平均摂取量が減り、摂取推奨量は増えるため、マグネシウムが不足しやすくなります。しかし、マグネシウムの摂取を意識する妊婦さんはほとんどいないのが現状です。マグネシウムはどれくらい摂取すればいいの?マグネシウムは基本的に体内で十分な量を作ることができないため、食品やサプリメントから摂取する必要があります。ではどのくらいの量をどのように摂取したら良いのでしょうか。マグネシウムの摂取推奨量と含まれる食材をご紹介します。摂取推奨量厚生労働省によると、女性のマグネシウム一日あたりの摂取推奨量は「310mg〜320mg」、妊娠中女性は「350mg〜360mg」です。一方で、女性の1日の平均摂取量は235mg、妊娠中の女性は205mgです。女性は25%、妊娠中の女性は42%も不足しているのが現状です。マグネシウムが含まれている食材マグネシウムは、藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類などに多く含まれています。マグネシウムが含まれている食材として、牛乳チーズヨーグルトほうれん草ナッツなどがあります。 マグネシウムは、特に藻類に多く含まれています。食材100gあたりのマグネシウム含有量が多い食べ物をランキング形式で第10位までご紹介します。マグネシウムが不足すると(リスク)マグネシウムが不足すると、骨粗鬆症糖尿病神経過敏抑うつ感マグネシウム欠乏症(食欲不振、悪心、嘔吐、しびれ、人格変化)などの症状があらわれます。妊娠中には悪阻妊娠高血圧症候群胎児の発育遅延低出生体重児子宮筋収縮・抑制などの原因になります。食欲不振、吐き気、嘔吐などのつわり症状は、頻回に嘔吐を繰り返すと、脱水、体重減少など妊娠悪阻へと重症化するので注意が必要です。妊娠悪阻とは、妊娠中に嘔吐と著しい食思不振が生じることで脱水状態や栄養不足に伴う代謝障害を引き起こす病気のことを意味します。妊娠の約1%程度に発症し、点滴投与など適切な治療を受けないと脳や肝臓などの臓器に障害を引き起こして胎児へも影響を及ぼすことも往々にして認められます。妊娠高血圧症候群とは妊娠20週以降、分娩12週までの高血圧がみられる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合で、これらの症候が偶発合併症によらないものをいいます。妊娠高血圧症候群の中で、母胎と胎児に最も悪影響を及ぼすのが高血圧です。重症化すると胎児への重篤な影響があらわれるだけではなく、分娩後も症状が持続する場合があります。 悪阻、妊娠高血圧症候群はマグネシウムが血液中で不足することによって発生するのではないかと考えられています。これらを防ぐためにマグネシウムを十分に摂取することが必要です。母子保護法第6条で、「未熟児とは、身体の発育が未熟のまま出生した乳幼児であって、正常児が出生時に有する諸機能を得るに至るまでのものをいう」とされています。世界保健機関(WHO)は出生体重2,500g未満を未熟児と呼んでいましたが、現在では低出生体重児と呼んでいます。このような胎児の体重増加不良は母体のマグネシウム欠乏も1つの要因ではないかという研究結果も出ています。若い女性のやせ願望によるダイエットに拍車がかかり、母親になるべき女性の栄養バランスのみだれが原因と考えられます。 また過剰摂取も気をつけなければなりません。マグネシウムの過剰摂取は下痢、不整脈や心不全などにつながります。サプリメントで摂取する場合、成分表をよく確認して適切な量を摂取することが大切です。まとめマグネシウムは妊娠中の女性や胎児の健康のために妊娠中には特に欠かせない栄養素です。しかし妊娠中は葉酸、鉄分、ビタミンB群など他の栄養素も摂取しなければなりません。野菜をたくさんとって、乳製品、小魚などもとってなどと考えていたらとても大変です。さらに体を冷やさないように、風邪を引かないようになど他にも気をつけなければならないことがたくさんあります。サプリメントで、食事では補いきれない必要な栄養素を手軽に摂取することをおすすめします。参考文献eJIM 厚生労働省e-ヘルスネット 厚生労働省日本人の食事摂取基準(2020年版)総論令和元年国民健康・栄養調査 厚生労働省恩田威一, “悪阻とマグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム、塩素の関係” Medical Note“No.043 妊婦さんに必要な栄養素” 田中消化器科クリニック“妊婦がマグネシウムを摂取する意義” MAGNESIUM DATABASE“妊娠悪阻にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性” MAGNESIUM DATABASE高屋淳二, “胎児とマグネシウム” oh-kinmui.jp“2019(令和元)年国民のマグネシウム摂取量” MAG21研究会“これだけは知っておきたい!7つのマグネシウムの基礎知識” MAGNESIUM DATABASE公益財団法人長寿科学振興愛団“マグネシウムの働きと1日の摂取量” 健康長寿ネット青木将大, “マグネシウムの食べ物・食品ランキングTOP100”くすりの健康日本堂“国民健康・栄養調査” 厚生労働省国立研究開発法人, “マグネシウム概説” 「健康食品」の安全性・有効性情報“女性にやさしい職場づくりナビ「つわり」”厚生労働省委託 母性健康管理サイト“女性にやさしい職場づくりナビ「妊娠高血圧症候群」”厚生労働省委託 母性健康管理サイト“低出生体重児保護指導マニュアル”みずほ情報総研株式会社

葉酸サプリはなぜ必要?葉酸サプリを選ぶ時期やおすすめポイントをご紹介。

葉酸とはどんな栄養? 葉酸は赤血球の形成や赤ちゃんの正常な発育に必要なビタミンB群の一種で代謝に関係し、DNA・RNAやたんぱく質の生合成を促進する栄養素です。水溶性という特徴があり、体には蓄積されにくく、熱に弱いため、調理方法によっては50%近くが分解されてしまいます。葉酸が赤ちゃんに与える影響妊娠初期は、胎児の細胞分裂がさかんに行われます。そのため妊娠直後は、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害の発症リスクが高い時期でもあります。妊娠前から葉酸を十分に摂ることで、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができるとされています。また葉酸には赤血球の形成を助ける働きもあります。神経管閉鎖障害とは?子宮内の赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管に障害が起こる先天異常の事を言います。神経管は板状の物の両端がくっついて閉鎖し、管状の形ができるのですが、赤ちゃんの成長とともに頭の方は脳、お尻の方は脊髄になります。先天異常とは、その一部がうまく閉じないために起こる病気です。神経管の頭側に障害が起こった場合、脳が形成不全となって「無脳症」となり、流産や死産の割合が高くなります。お尻側に障害が起きると「二分脊椎」となり、さまざまな神経障害が起こる可能性が出てきます。葉酸はいつから必要?赤ちゃんの臓器が形成される時期は妊娠3週〜8週頃とされており、ほとんどの人は妊娠を自覚していません。そして、妊娠とわかったタイミングでは、すでにお腹の中で細胞分裂が始まっています(妊娠0日目は前回の生理のタイミングなので、次の生理が分かる頃にはもう4週になっていますよね)。こうして、気付かない間に赤ちゃんの脳や脊髄の元となる神経管は形成されているのです。この事から、葉酸は「妊娠前からの摂取(妊娠を計画したその時から積極的に取り入れていくこと)」が望ましいとされています。(厚生労働省では、妊娠1ヶ月以上前からの葉酸摂取を推奨しています。)葉酸が母体に与える影響 お腹の赤ちゃんのために飲む」という印象が強い葉酸ですが、実は妊婦さんにも嬉しい効果がたくさんある事をご存知でしたか?貧血を予防する妊娠中、母体の血液中の栄養素は赤ちゃんの成長のために使われるため、血液が薄くなり、貧血を引き起こしやすくなります。貧血によるふらつきや転倒は、妊婦さん自身はもちろん赤ちゃんにとってもとても危険です。葉酸はビタミンB1とともに赤血球をつくるはたらきを担っているため、葉酸を充分に摂取することで貧血を予防し、思いがけない事故を防ぐことができます。血管の機能を改善し、妊娠高血圧症の発症を予防する可能性がある貧血と共に妊娠中に気をつけたい「妊娠高血圧症」。妊娠高血圧症は、胎盤機能が低下し、胎児への酸素や栄養の供給が低下することで、胎児発育不全や胎児低酸素が起こりやすくなる状態です。母体だけではなく胎児の状態も悪くなるのが妊娠高血圧症なのです。葉酸は、動脈硬化を予防し、血圧の上昇を防ぎます。血管の機能を改善することで、妊娠高血圧症の発症を予防する可能性があるのです。精神的な安定をもたらす妊娠中は出産に対する不安や、日々変化する体調へのストレス、身体を思うように動かせないもやもやなど、精神的に不安定になりやすい時期でもあります。妊娠によりホルモンバランスの変化も影響しているでしょう。葉酸を摂取することで、“幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンの分泌量が増えることが確認されています。この事から、ストレスを軽減させたり、気分を落ち着かせたりといったはたらきも期待できるでしょう。葉酸を食べ物で摂取するのは難しい?厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準によると、葉酸の1日当たりの摂取推奨量は「成人男女:240µg(マイクログラム)」とされています。葉酸が多く含まれる食品の一例は以下の通りです。ほうれんそう(茹で) 110μg /100gブロッコリー(茹で) 120μg /100g枝豆(茹で)     260μg /100g菜の花        340μg/100gブロッコリー     210μg/100g納豆         120μg/100gいちご         90μg/100g鳥レバー       1300μg /100g牛レバー       1000μg /100g豚レバー       810μg /100g毎日、食事で野菜を摂取していれば葉酸が不足することはあまりありませんが、妊娠を考えている、また妊娠初期の段階にある女性は、480 µgの摂取が推奨されています!先に紹介した通り、葉酸は水に溶けやすく、光と熱に弱いこと。野菜を水洗いしたり火を通したりすると葉酸が分解され、効力を失ってしまうのです。食材から得られる葉酸は、800μg取ったとしてもの400μgしか吸収されません。ほうれん草で計算すると、約14株も必要となるため、食材からのみで妊活、妊娠中、授乳中に葉酸を取り入れるのはとても大変。また葉酸を取り入れるために、ほかの栄養素が不足したり過剰摂取したりするおそれもあります。※ほうれん草1株 28.6g(可食部 25.7g)とする※100gの葉酸は210μg, 茹でた場合110μgとするこれだけの量を食品から摂取するのは大変難しく、サプリメントなどで付加的に葉酸を摂取することが望まれています。ただしサプリは食品より体内に吸収されやすいため、摂取量を守って上手に利用しましょう。妊活中〜、妊娠中〜、産後〜、葉酸の他に取るべき栄養はこれ!栄養素は、1つの成分だけをたくさんとっても効率よく働くことはできません。そのため、妊活期から必要と言われている「葉酸」や「鉄」以外にも幅広い栄養素をバランスよく摂取することかがとても大切です。では、必要な栄養素とはどのようなものなのでしょうか?代表的な栄養素を例にご説明します。必要な栄養素女性の体は、日々様々な栄養素を必要としています。例えば健康な体づくりが妊娠につながる妊活中や、妊娠中、特に赤ちゃんの体が活発に形成されていく妊娠超初期、妊娠初期は、葉酸以外にも栄養バランスのとれた食事を心がけたいもの。葉酸以外にも、様々な栄養素を取る必要があるんです!<鉄>葉酸に次いで摂取が必要と周知れている「鉄」は赤血球を作るのに必要な栄養素。特に鉄とポルフィリン環により形成される「ヘム鉄」を積極的に摂取する事が大切で、ヘム鉄の方が非へム鉄より鉄としての栄養の吸収率が高いと言われています。鉄が、不足すると貧血や運動機能や認知機能の低下を招くこともあり、妊娠中は妊娠前の約3.1倍必要に。妊娠中はママから赤ちゃんに血液を通して栄養が送られるため、積極的に補いましょう。鉄分を多く含む食品牛肉、アサリ、レバー、納豆、小松菜、ナッツ類、海藻類など<ビタミンD>赤ちゃんの骨格づくりに不可欠なカルシウムの吸収を促進して、骨の育成を助けます。また、流産のリスクが下がるとも言われています。ビタミンDを多く含む食品きくらげ、いわし、かつお、卵黄 など<ビタミンB郡>ビタミンB郡はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12などが挙げられます。また、ナイアシン、パントテン酸もビタミンB郡の仲間です。慢性的に不足するとママがウェルニッケ脳症という命に関わる脳炎を起こすこともあります。<ビタミンB1>エネルギー産生に関わる栄養素。不足すると倦怠感やむくみの原因に<ビタミンB2>脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立つ<ビタミンB6>タンパク質の分解を助ける。妊娠するとタンパク質代謝が促進され、ビタミンB6が欠乏することでつわりが誘発されるという説から「ビタミンB6を補うとつわりが軽減される」という研究もある<ビタミンB12>正常な赤血球の産生、脳神経および血液細胞など、多数の体内組織の機能や発達を正常に維持するために必要な栄養素。ビタミンB郡を多く含む食品ビタミンB1:豚肉、そば、マダイ など、ビタミンB6:赤み肉、カツオ、マグロ、サケ などビタミンB2:ウナギ、ブリ、モロヘイヤなどビタミンB12:カキ、アサリ、サバ などナイアシン:たらこ、マグロ、鶏胸肉 などパントテン酸・鶏レバー、鶏ささみ肉、納豆、トマト など<ビタミンC>鉄分の吸収を助けます。特に野菜類の鉄分はそのままでは吸収されず、ビタミンCの助けを借りて体に取り込まれます。また細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンを作るためにも不可欠で、皮膚や粘膜の健康維持に役立つ。ビタミンCを多く含む食品パプリカ、ブロッコリー、レモン、オレンジ、いちご など<亜鉛>体内で作ることができない「必須微量ミネラル」細胞分裂を助け、赤血球作りなど、免疫細胞の働きを活性化させる、身体の成長と維持に必要な栄養素。多くの成人女性が十分に摂れていないといわれている。亜鉛を多く含む食品カキや赤身の肉、鶏肉、カニなどの魚介類、豆類、ナッツ類 など他にも・・・・・<カルシウム>赤ちゃんの骨格づくりに不可欠。日本人女性全体に不足しがちな栄養素です。摂取量が足らないと、赤ちゃんに必要なカルシウムがママの骨や歯から取られることになってしまう。カルシウムを多く含む食品乳製品や魚介類、大豆製品、ナッツ類、海藻類 など<マグネシウム>骨や歯の育成に必要であるほか、体内酵素の働きや血液循環などの正常化に関わるマグネシウムを多く含む食品牛乳、チーズ、水菜、モロヘイヤ、生揚げ など<ビタミンE>妊娠高血圧の原因になりうる動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあるビタミンEを多く含む食品卵、アーモンド、オリーブオイル、大豆、うなぎ、かぼちゃ など<乳酸菌>腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える乳酸菌を多く含む食品ヨールグルト、キムチ、納豆 など他にも様々な栄養素が必要になってきますが、妊活期、妊娠中、産後と、それぞれのステージにあった栄養素を見極めて摂取することが大切になってきます。これらをバランスよく食事から摂取するにはかなり難しいので、サプリメントの活用をオススメします!サプリメントを選ぶポイント葉酸は、妊娠中だけではなく、産後の授乳期にも大切な成分です。ここでは、サプリメントを選ぶポイントをお伝えいたします!ポイント①配合成分をよく確認して!まずは「必要な栄養素」で述べた栄養素をバランスよく配合されているものを選びましょう。また厚生労働省が公式に発表しているとおり、妊活中、妊娠中、産後と、ステージごとに必要な栄養量も異なります。栄養素の過不足が起こるリスクを減らすためにも、ステージごとに用意されている葉酸サプリがおすすめです。今の自分に必要な成分を見極めて、自分の時期に合ったサプリメントを選びましょう。ポイント②飲みやすさ葉酸サプリメントは。基本的に毎日飲む物です。そのため、継続して毎日無理なく続けるためには、サプリメントを摂取することが「苦痛」に感じないことが大切。特に妊娠中は匂いや味に敏感になりやすいので、錠剤の小ささ 匂いや味がないもの 1回に飲む粒数が多すぎないものに注意して選ぶといいでしょう。ポイント③葉酸の種類葉酸の種類は、先程挙げた食品などに含まれているポリグルタミン酸型(天然葉酸)と、サプリメントに含まれているモノグルタミン酸型(合成葉酸)の2種類があります。食品に含まれているポリグルタミン酸型葉酸(天然葉酸)の吸収率は、先に紹介した通り約50%。つまり、食物から摂取した葉酸は、約半分しか利用できていないことになります。サプリメントを選ぶ際には、吸収率が約85%と高めのモノグルタミン酸型葉酸のサプリメントがおすすめです。選ぶべきポイントはたくさんありますが、まずはこの3つを抑えて、自分に合った葉酸サプリメントを見つけましょう!