
更新日:2025/5/27
妊婦さん向けむくみ解消法10選!今すぐできる対策と原因、注意したい症状まで【産婦人科医監修】

「妊娠してから頻繁にむくむようになった……。これって大丈夫?」
「妊娠中のむくみは、どうやったら解消される?」
このような悩みを抱えている方もいるでしょう。
多くの妊婦さんが経験するむくみは、不快感を招くだけではなく、重大な病気のサインである可能性も。
この記事では、妊婦さんが今すぐできるむくみの解消法を紹介します。原因や注意が必要な症状まで詳しく解説するので、ご自身の体の状態をチェックしながら読んでみてくださいね。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmamaru監修・産婦人科医】まきレディスクリニック院長 風本真希先生
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、検診乳腺超音波 認定医
毎日多くの妊婦さんの検診に立会い、相談にのっている。患者さんのお話に真摯に耳を傾けることが信条。
"葉酸だけでいい” そう思っていませんか?
実は妊婦さんに必要な栄養素は葉酸だけではありません。妊活期に比べ鉄分がより必要になるだけでなく、ビタミン・ミネラルと様々な栄養素をまんべんなく摂ることが大切です。
"体のコンディションの変化や、日常生活の成約がたくさん”。妊娠中は、体のコンディションの変化や、お腹に赤ちゃんがいるというこれまでと異なる環境の中、生活にも様々な制約が。
日々の健康に気を使い、体調管理することが大切です。
妊婦さんがむくみやすい原因3つ
妊娠中は、これらの要因が重なることでむくみが現れやすくなります。
- 妊娠によるホルモンバランスの変動
- 体内の水分量や血液量の増加
- 大きくなる子宮による血管の圧迫
まずは、妊婦さんがむくみやすい原因3つについて、詳しく見ていきましょう。
ホルモンバランスの変化
妊婦さんがむくみやすい理由として、まず挙げられるのは女性ホルモンの分泌増加です。
妊娠すると、女性ホルモン「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌が急激に増加します。これらのホルモンは、妊娠を維持するために体内に水分を溜め込むよう働くため、結果としてむくみが強く出てしまうことがあります。
体内の水分量・血液量の増加
体内の血液量が増加することも、妊婦さんがむくみやすい原因の一つです。
妊娠中は、赤ちゃんに栄養や酸素を届けるため、血液の量が増加します。週数が進むに従い、その量は徐々に増加し、妊娠後期には通常時の1.4倍ほどに(※1)。
そのぶん体内の水分量も増加するため、むくみやすくなります。
大きくなる子宮による圧迫
赤ちゃんの成長に伴い大きくなる子宮も、むくみを引き起こす原因となります。
特にお腹がどんどん大きくなる妊娠後期には、子宮が「下大静脈」と呼ばれる血管(心臓に戻る血液を集める太い血管)を圧迫し、血流が滞りやすくなる可能性も。
これにより水分が足に溜まりやすくなり、むくみがひどくなることがあります。
また妊娠後期は、むくみ以外にもさまざまなマイナートラブルがつきもの。心配な方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてくださいね。
妊娠後期のマイナートラブル8選!原因と予防法、対策を知って辛い症状を乗り越えよう
妊娠後期には、子宮が大きくなることやホルモンの影響などが原因でマイナートラブルが起こりやすい時期です。妊娠後期に起こりやすいマイナートラブルは腰痛、便秘、こむら返り、むくみ、胸やけ、眠気やだるさ、頻尿・尿漏れ、動悸の8つがあります。これらの原因と予防法・対策について詳しく解説します。
今すぐできる!むくみ解消法【食事編】
むくみ対策には、まず日々の食生活を見直すことから始めてみましょう。
バランスの取れた食事はもちろん、むくみを悪化させる要因となる塩分を控え、積極的にカリウムを摂取することが大切です。また、意外かもしれませんが、こまめな水分補給もむくみ解消には欠かせません。
ここでは、むくみの解消に役立つ食生活について詳しく解説します。
塩分を控える
塩分を控えることはむくみ対策の基本です。塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度を薄めようと体が水分を溜め込みやすくなります。
妊娠中かどうかにかかわらず、成人女性の食塩摂取量の目標は1日あたり6.5g未満です(※2)。
日本人の塩分摂取量の多くは、塩や醤油といった調味料からの摂取。調味料からの塩分摂取量を無理なく控えられ、かつ美味しく食べるためには、こんな方法を試してみるのがおすすめです。
◆調味料からの塩分摂取を抑えるための工夫
- 酢や柑橘類の酸味を活用する
- 香辛料(スパイス)を活用する
- 香味野菜(生姜、にんにく、大葉、ねぎなど)を活用する
- 麺類のスープは全部飲まない
- しょうゆやソース類は料理に直接かけず、小皿に出してつけて食べる
妊娠初期から大活躍するのが、レモンやオレンジなどの柑橘類です。柑橘類に多く含まれるビタミンCには、妊娠中に必要な鉄の吸収をサポートし、体の免疫力を高める作用があります。サラダやソースに、ぜひ活用してみてくださいね。
加えて塩分が多く含まれている加工食品や、濃いめの味付けで塩分過剰になりやすい外食に偏らないようにすることも意識してみましょう。無理のない範囲で、減塩を心がけてみてくださいね。
妊娠中の塩分摂取量については、こちらの記事も参考になりますよ。
妊娠中にとっていい塩分はどのくらい?摂取量の目安と取りすぎたときのリスク
妊娠中には塩分をどれくらい摂ってもよいかご存じでしょうか。この記事では、1日に妊婦さんが摂ってもよい塩分量を解説します。多くの日本人は、塩分を摂りすぎている傾向にあります。どのような食品に、どの程度の塩分が含まれているのかも一緒にチェックしてみましょう。
カリウムを摂取する
むくみ対策には、カリウムの摂取が有効です。
カリウムは、食塩の主成分であるナトリウムを体外に排出する作用があります。摂りすぎた塩分(ナトリウム)を排出する働きがあり、むくみの改善に役立ちます。
カリウムは野菜類や果物類、いも類などに多く含まれています。
◆カリウムが多く含まれる食べ物
食品名 | 100gあたりの含有量(※3) | 使用量等の目安 |
---|---|---|
刻み昆布 | 8,200mg | 1食分:10〜15g |
切り干し大根 | 3,500mg | 1食分:10〜15g |
焼きのり | 2,400mg | 全形1枚:約3g |
干しぶどう | 740mg | 大さじ1:約12g |
納豆 | 690mg | 1パック:40〜50g |
ほうれん草(生) | 690mg | 1束:約200g |
里芋(生) | 640mg | 1個:約50g |
アボカド(生) | 590mg | 1個あたりの可食部:約100〜150g |
枝豆(生) | 590mg | 10個あたりの可食部:約20g |
かぼちゃ(西洋・生) | 430mg | 1切れ(煮物)約30g |
長芋(生) | 430mg | 長さ10cm程度:約200g |
バナナ(生) | 360mg | 1本あたりの可食部:約100g |
妊娠中かどうかにかかわらず、女性1日あたりのカリウムの摂取目安量は2,000mg、摂取目標量は2,600mg以上(※2)。
水に溶けやすい性質があるため、加熱が必要なものはなるべく電子レンジで調理し、汁ごと食べる味噌汁やスープ、シチューなどにすると効率よく摂取できますよ。
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カリウムを摂るときの注意点は?
腎機能が低下している場合は、カリウムの摂取制限が必要なケースがあります。腎機能低下を指摘されている方は、カリウムの摂取について医師に相談しましょう。
また、むくみ対策に効果的な栄養素はカリウムだけではありません。ビタミンB6やマグネシウムなども、十分に摂取することでむくみの解消が期待できる栄養素です。
- マグネシウム:カリウムと同様にナトリウムの排出を促進する
- ビタミンB6:ホルモンバランスを整える
カリウムをはじめとする、むくみ対策に役立つ栄養素を効率よく摂取するなら、サプリメントの活用も視野に入れてみてくださいね。
妊娠中のマイナートラブル対策にはmamaruがおすすめ
塩分を控えてカリウムを摂ることに加え、むくみへの効果が期待できるマグネシウムやビタミンB6、さらには赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素までを、食事から十分摂取し続けるのはなかなか難しいもの。
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- むくみ対策に役立つビタミンB6やマグネシウム
- 妊娠中に特に意識して摂りたい葉酸
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とくに葉酸は、妊娠初期における「神経管閉鎖障害」の予防だけでなく、妊娠中の血液の質を保ち、赤ちゃんにしっかり栄養を届けるためにも欠かせない栄養素。赤ちゃんの健やかな成長のためにも、ママの体を整えるためにも、毎日の葉酸摂取はとても大切です。
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妊婦さんのマイナートラブル対策におすすめのサプリについては、こちらの記事でも紹介しています。
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こまめに水分補給する
むくみ対策として、こまめな水分補給も欠かせません。実は、むくむからといって水分を控えるのは逆効果です。
体が水分不足になると、かえって水分を溜め込もうとするため、むくみやすくなります。カフェインレスのお茶や水でこまめに水分を補給し、体内の水分量を適切に保つことが大切です。
妊婦さんにおすすめの飲み物は、こちらの記事でチェックできますよ!
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今すぐできる!むくみ解消法【生活習慣編】
生活習慣を見直すことでも、むくみの解消が見込めるでしょう。運動と休息、服装を意識することがむくみ対策として有効です。
次は、むくみの解消が期待できる生活習慣について見ていきましょう。
適度に体を動かす
適度な運動は、血行を促進し、むくみの原因となる水分や老廃物の滞りを解消する効果が期待できます。
ウォーキングやマタニティヨガ、お腹を圧迫しない姿勢で行うストレッチなど、妊娠中でも無理なくできる運動を取り入れることで、むくみの予防や解消に役立つでしょう。
ただし、運動の頻度は体調に合わせて調整し、必要に応じて医師や専門家のアドバイスを受けるようにすると良いですね。
十分な睡眠時間を確保する
十分な睡眠は、自律神経の働きを整えることで血行不良やむくみの解消に役立つ可能性があります。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や身体の負担増加により、疲れを感じやすくなります。
睡眠不足があると疲労の回復も不十分となり、自律神経のバランスが崩れてしまうことも。自律神経の乱れは血流を滞らせ、むくみを悪化させることがあります。
6〜8時間程度の十分な睡眠時間に加え、睡眠の質を高めることも意識してみましょう(※4)。
◆睡眠の質を高めるための工夫
- 寝室は照明の明るさや寝具に気を配る
- デジタル機器(スマートフォンやタブレットなど)は寝室に持ち込まない
- 適度な運動習慣を身につける
- 就寝直前の食事を避ける
十分かつ質の高い睡眠により疲労の回復を図ることで、むくみ解消も期待できるでしょう。
足を高くして寝る
足を高くして寝ることで、重力で足に溜まった血液や水分を心臓に戻しやすくし、むくみの軽減につながるでしょう。
就寝時に足を心臓より高く上げることで、効果的にむくみを解消できる可能性があります。
◆足を高くする方法の一例
- クッションや座布団を足の下に置く
- 抱き枕を足の下に挟む
- 専用の足枕を使用する
自分に合った快適な姿勢で眠れるよう、いくつか試してみると良いでしょう。むくみに効果的とはいえ、睡眠が妨げられたり腰が痛くなったりしないよう工夫してみてくださいね。
体を冷やさない
妊娠中は、入浴したり温かい飲み物を飲んだり、服装に気を配ったりして、体を冷やさないよう心がけることも大切です。体が冷えると血行が悪くなり、むくみを悪化させる原因となります。
◆体を冷やさないための工夫
- シャワーだけで済まさずに湯船に浸かる
- 靴下やレッグウォーマー、腹巻き、ブランケットなどを活用する
- 温かい飲み物や、体を温める食材を摂る
湯船に浸かるのが大変なときは、手湯や足湯も効果的。体を温めることを意識して、冷えからくるむくみの解消を目指しましょう。
妊婦さんの冷え対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
妊婦さんが冷えるとどうなる?原因や赤ちゃんへの影響、今すぐできる対策を看護師が解説!
妊婦の体が冷えやすい原因を知りたい、というあなたへ!この記事では、妊娠さんの体が冷えやすい原因と、ママと赤ちゃんへの影響について解説します。また、セルフチェックリストや自宅で簡単にできる冷え対策まで紹介するので、ぜひ実践してみてくださいね。
締め付けの少ない衣類を身につける
締め付けの強い下着や靴下、ストッキングなどは血行を悪化させ、むくみを助長する可能性があります。
できるだけゆったりとした、締め付けの少ない衣類を選ぶようにしましょう。マタニティ用の下着や服を活用するのもおすすめです。
弾性ストッキングや着圧ソックスの着用が効果的なケースもありますが、きつすぎるものを着用すると血流が悪くなってしまうことも。自分に合ったものを身につけるようにしましょう。
今すぐできる!むくみ解消法【ボディケア編】
血行促進に効果的なマッサージやツボ押しなどでも、むくみの解消が期待できます。日々のケアに取り入れて、むくみの予防や緩和に役立てましょう。
ここでは、むくみやすい部位の一つである足のケアに着目。妊婦さんでもできる方法を紹介します。
マッサージやストレッチを行う
むくみ対策として取り入れたい、3つのマッサージとストレッチのやり方を具体的に見ていきましょう。
足首回し
足のむくみ解消のカギとなるのが、ふくらはぎです。
ふくらはぎは、血液やリンパ液を心臓に戻すポンプの役割を果たしていますが、足首が硬いとふくらはぎも硬くなり、ポンプ機能が低下してしまいます。これが血流やリンパ液の停滞につながり、むくみの原因になることも。
そこでおすすめなのが足首回しです。足首を回すことでふくらはぎの筋肉を刺激すれば、ポンプ機能を高めることに役立ちます。
【足首回しのやり方】
- 足を伸ばして床に座る
- 右足を曲げて左の太ももあたりに乗せる
- 右足の指の間に左手の指を入れるようにして、しっかりと絡ませる
- ゆっくりと外回し、内回しを行う
- 左足も同様に行う
ふくらはぎのマッサージ
次は、ふくらはぎのマッサージを紹介します。むくみは、毛細血管から染み出したリンパ液の流れが滞ることでも起こります。マッサージで足のリンパの流れを良くすることで、むくみの緩和が期待できるでしょう。
【ふくらはぎのマッサージのやり方】
- 手のひらをふくらはぎに当てる
- 足首から太ももに向かってゆっくりとさすり上げる
妊婦さんが行う場合は、強く押さないよう注意が必要です。両手で下から上へ優しくさすり上げましょう。
ふくらはぎのストレッチ
最後に、簡単なふくらはぎのストレッチを紹介します。筋肉を伸ばす運動(ストレッチ)を行うと、血行が促され、むくみの緩和に役立つでしょう。
【ふくらはぎのストレッチのやり方】
- 壁の前に立つ
- 壁に手をつける
- 右足を後ろに引いてつま先を床につけ、左足は90度に曲げる
- 右足のかかとを床につけるようにふくらはぎをゆっくりと伸ばし、30秒ほどキープする
- 左右入れ替えて同じように行う(2〜3回程度行う)
どの方法も簡単にできるものですが、体調をみながら無理せず行ってくださいね。
むくみに効果的なツボを押す
むくみに効果的なツボはいくつかあります。そのうち妊娠中に押しても大丈夫なツボを2つご紹介しましょう。
- 豊隆(ほうりゅう)
- 陽陵泉(ようりょうせん)
豊隆はすねの少し外側、膝と足首の中間あたりに位置するツボです。水分の代謝を促すことで、むくみの緩和に役立つ可能性があります。
陽陵泉はひざの外側の突き出た骨(腓骨頭:ひこつとう)の斜め下あたりにあるツボ。足のむくみに加え、だるさやこむらがえりの症状緩和が期待できるとされています。
力いっぱい押すのではなく、気持ち良いと感じる程度の圧力で押すのがポイント。1箇所あたり5秒かけてじっくりと押しましょう。
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妊娠中は避けたいツボも
身体に現れるさまざまな不調の緩和に役立つツボ押しですが、妊娠中に押してはいけないツボもあり、特に安定期前は注意が必要です。
むくみに効果的ですが妊娠中は押さないほうがいいツボとしては、足首の内側にある出っ張った骨から指4本分ほど上にあるツボ「三陰交(さんいんこう)」が該当します。子宮の収縮を引き起こす可能性があるといわれています。
「ツボ押ししたいけれど、何となく不安」という場合は、あん摩マッサージ指圧師などの専門家に相談してみましょう。
こんなむくみには要注意!
妊娠中のむくみは、多くの妊婦さんが経験する症状ですが、中には注意が必要なむくみもあります。状態によっては、妊娠に伴う症状だけでなく、病気が原因となっている可能性も否定できません。
ここでは、妊娠中のむくみに伴う気をつけたい症状やむくみが出る病気について見ていきましょう。
気をつけたい症状
むくみに加え、以下のような症状がある場合には、何らかの病気の可能性があるため注意が必要です(※5・※6・※7)。
- 血圧が高い(140/90mmHg以上)
- 尿検査でタンパク尿を指摘された
- 1週間で500g〜1kg以上体重が増加している
- 片方の足のみむくみ(腫れ)や赤み、痛みがある
妊娠中のむくみに関係する病気
妊娠中のむくみに関係する病気としては、以下のようなものが挙げられます。
- 妊娠高血圧症候群
- 深部静脈血栓症
- 周産期心筋症
これらの病気は、母体や胎児に重篤な影響を及ぼす可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。気になる症状がある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。
妊娠高血圧症候群
妊娠中に高血圧になってしまう病気です。原因は不明ですが、妊婦さんの10〜20人に1人が妊娠高血圧症候群になるといわれています(※5)。
血圧が高くなる以外に特徴的な症状はありませんが、むくみや頭痛を伴う場合は注意が必要です。重症化するとタンパク尿、肝機能障害や腎機能障害、脳出血、けいれん発作などを引き起こし、ママも赤ちゃんも危険な状態に陥ってしまうことがあります。
妊娠高血圧症候群の原因は、はっきりと解明されていません。そのため、定期的な妊婦健診で早期発見することが重要です。
妊娠高血圧症候群について詳しくは、こちらの記事で解説しています。
妊娠高血圧症候群の食事管理のコツは?悪化を防ぐポイントと予防方法を解説
妊娠高血圧症候群を予防できる確実な方法はありませんが、血圧をあげないための食事のコツはあります。本記事では、妊娠中の健康を考えた食事管理や予防方法を解説します。妊娠生活を元気に過ごすための食事に悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。
深部静脈血栓症
足から心臓に血液を送り返す血管(静脈)のうち、下腹部や太ももなどの深い部分にある「深部静脈」に血栓(血のかたまり)ができる病気です(※6)。
片方の足全体、もしくはふくらはぎの腫れと赤み、痛みのほか、呼吸困難や胸痛などが現れることもあります。
妊娠中は血液が固まりやすいため、深部静脈血栓症の発症リスクが高まります。早期の治療が効果的であるため、疑わしい症状があればすぐに受診しましょう。
周産期心筋症
心筋症を発症したことのない方が、妊娠や出産に関連して発症する心不全を周産期心筋症と呼びます(※7)。心筋症は、心臓の筋肉の異常により心機能が低下する病気です。
原因は特定されていませんが、母乳の分泌に関わるホルモン「プロラクチン」が関与している可能性があるとされています。
心筋症の症状はむくみや息切れ、だるさなどですが、こういった症状は一般的に妊婦さんが日常的に感じている症状であるため、発見が遅れてしまうことも。改善しない、悪化していると感じた際は早めに受診しましょう。
妊娠中のむくみに関するQ&A
最後に、妊娠中のむくみについてよくある疑問をまとめました。むくみに関する不安を解消し、安心して妊娠期間を過ごしましょう。
むくみが気になりだすのはいつから?
妊娠中期から後期にかけて、むくみを自覚する人が多いようです。子宮が大きくなり、下半身の血管が圧迫されることや、ホルモンバランスの変化が影響していると考えられます。
個人差はありますが、臨月が近づくにつれて、よりむくみやすくなる傾向があります。
むくみやすい妊婦さんの特徴は?
妊娠中にむくみを自覚する妊婦さんは、次のような生活を送っている場合が多いとされています。
◆むくみやすい妊婦さんの特徴
- デスクワークや立ち仕事
- 冷え性
- 運動不足
仕事でなくても、キッチンで料理をする時間が長いなど、家事によってもむくみは生じやすいと考えられます。
むくみが原因で体重が増加することはある?
むくみの主な原因は、体内の水分量の増加です。体内の水分が増えた分、体重が増加することはもちろんあるでしょう。
むくみが解消されれば体重が元に戻る可能性は高いですが、注意したいのは1週間で500g〜1kg以上の急激な体重増加があった場合。このようなケースは何らかの病気が隠れている恐れもあるため、早めに受診しましょう。
妊娠中の正常な体重増加の目安については、こちらの記事が参考になりますよ。
妊婦体重増加の目安は?理想的な増え方とコントロールのコツを助産師が紹介!
妊婦体重増加は、元の体格によって異なります。妊娠中の体重増加が多すぎても少なすぎても、母子に影響があると考えられています。妊娠中は元の体格に合った体重の増加と、健康的に過ごすために生活習慣を整えることが大切です。この記事では、妊娠中の理想的な体重の増え方と健康的に過ごすためのコツを紹介します。
妊娠中のむくみに薬や漢方を飲んでもいい?
妊娠中も安心して使用できると思われがちな漢方ですが、必ずしもそうとはいえません。妊娠中は胎児への影響を考慮する必要があるため、自己判断で服用するのは避けましょう。
むくみに効果的な漢方には、五苓散(ゴレイサン)や柴苓湯(サイレイトウ)などがありますが、必ず医師に相談してから使用してくださいね。
妊娠中は生活習慣の改善でむくみ対策を!
妊娠中のむくみは、多くの妊婦さんが経験する悩みですが、原因を理解し適切な対策を行うことで症状の緩和につながります。
食事や運動、睡眠といった生活習慣を見直すことに加え、必要に応じて医療機関を受診することを意識しながら、妊娠中のむくみと上手に付き合っていきましょう。
特に食事はむくみ対策だけではなく、妊婦さんの体調維持と赤ちゃんの成長にとても重要です。妊婦さん向けの葉酸サプリmamaruなら、ママと生まれてくる赤ちゃんの健康をしっかりとサポートしてくれるでしょう。
参考文献:
※1 日本臨床麻酔学会 日本臨床麻酔学会誌/38巻 (2018) 4号 p533-537|妊婦の生理学
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