更新日:2024/12/12

妊娠中にとっていい塩分はどのくらい?摂取量の目安と取りすぎたときのリスク

具体的な塩分量とその理由、減塩するためのポイントなどを解説します。
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妊娠中は、お腹の赤ちゃんのためにも、食生活に気をつけたいもの。しかし多くの日本人が、日常的に食塩を摂りすぎていることをご存じでしょうか?

私たちがなじみ深い日本食には、味噌・醤油・梅干しなど、塩分量が多い調味料や食品が豊富に使われています。さらに20〜30代の妊娠適齢期でもある世代は、加工食品からも塩分を摂りすぎる傾向にあります。

妊娠中に食塩を摂りすぎると、出産時のリスクにつながるケースもあるため要注意です。

今回は妊娠中に摂取してもよい塩分量や、減塩のポイントをわかりやすく紹介します。

無理のない食事管理で、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても健やかな妊娠生活を目指しましょう。

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

妊娠中に摂っていい塩分は何g?

妊婦さんが妊娠中に摂取してよい1日あたりの食塩相当量は、6.5g未満です。

参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

商品パッケージについている栄養成分表示のほとんどに、食塩相当量の項目があります。塩分量が気になる妊婦さんが加工食品を購入する際は、食塩相当量を確認するとよいでしょう。

例えば、ラーメン1杯をスープまで完食すると食塩相当量は6〜7gとなり、これだけで1日に摂ってよい食塩量に到達してしまいます。

ほかにも、すき焼きやカレーライス、ミックスサンドイッチなども食塩相当量3g以上となる複合料理。1食で、1日に摂ってよい食塩量の半分を含んでいます。

身近な献立にも、たくさんの塩分が含まれていることを知っておきましょう。

妊娠中に意識したい食生活については、こちらのコラムでも詳しくまとめています。

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妊娠中に塩分を摂りすぎてはいけないのはなぜ?

塩分は本来、生命維持に欠かせない栄養。そもそも食塩はナトリウムと塩素の化合物であり、特にナトリウムは必須ミネラルのひとつとして、体液濃度のバランス維持など大切な役割を果たしています。

しかし、塩分を摂りすぎてしまうと身体は体液の塩分濃度を下げるために、血管内に水分を多く溜め込んでしまうようになります。

その結果、血管をめぐる血液量が増えすぎて、高血圧や動脈硬化を引き起こすリスクが生じてしまいます。

ほかにも塩分排泄に関わる肝臓と胃にも負担がかかったり、カルシウムが排出されて骨が弱くなったりと、私たちの想像を越えるダメージを身体が受けるようになります。

妊娠中に妊婦さんが塩分が多い食品を食べたくなるのは、食塩の持つプラスの働きを本能的に求めるためだと言われています。

妊娠中は血液が水っぽくなりやすいため、不足する塩素とナトリウムを補い、体液濃度のバランスを取りたくなるのです。

妊娠中に摂りたい食事についてはこちらのコラムで詳しく紹介しています。

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身体のSOSに正しく反応して、塩分を摂っているうちは問題ありません。しかし、塩分の過剰摂取リスクも理解しておく必要があります。

塩分の過剰摂取で引き起こされる症状やマイナートラブルについては、次の項目で具体的に紹介していきます。

塩分を摂りすぎたときの影響やリスク

塩分過多の食生活が続くと、妊婦さんやお腹の赤ちゃんにはどのようなリスクがあるのでしょうか。具体的な症状やマイナートラブルを紹介します。

ママに起こる症状

塩分を摂りすぎた場合、妊婦さんには以下のような症状が起こるリスクがあります。

  1. 1浮腫(むくみ)
  2. 2蛋白尿
  3. 3体重増加
  4. 4妊娠高血圧症候群

塩分を摂りすぎると、さまざまな病気を引き起こしやすい状態になります。出産時のリスクにも関わるため、早いうちに食生活を改善しましょう。

特に心配されるのは、妊娠高血圧症候群です。

妊娠高血圧症候群とは妊娠中に高血圧を発症した状態で、重度になるとママだけでなく赤ちゃんの命にも関わることがあるため、注意が必要です。

赤ちゃんに心配されるリスク

塩分の摂りすぎは、お腹の赤ちゃんの発育にも影響する可能性があります。

  1. 1常位胎盤早期剥離
  2. 2胎児発育不全
  3. 3胎児機能不全

胎盤が剥がれたり、血液循環が悪くなったりして、お腹の赤ちゃんに栄養と酸素が届きにくくなるリスクがあります。

妊娠中のマイナートラブルについて詳しく知りたい方には、こちらのコラムがおすすめです。

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減塩するためのポイント

母子共に健康に妊娠期間を過ごすために、塩分の摂りすぎは避けなければなりません。減塩の具体的な方法を知って、正しく健康管理しましょう。

減塩以外の食事の注意点が知りたい方はこちらもチェックしてくださいね。

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塩分が多い食材を知る

まずはどのような食品に塩分が多いか、知識を身につけましょう。

気をつけたいのは加工食品です。具体的には以下のような加工食品が、塩分を多く含んでいます。

  • カップ麺・インスタントラーメン
  • 梅干し・漬物
  • ハム・ウインナー
  • 干物・塩さば
  • ちくわ
  • パン

参考:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 日本人はどんな食品から食塩をとっているか?

塩分が多い食品を知らなければ、避けることもできません。

まずは関心を持って、身近な食品や好きな食べ物の塩分を調べてみましょう。

味付けを工夫する

私たちの食卓に欠かせない調味料には、塩分を多く含むものが少なくありません。以下は、代表的な調味料の大さじ1杯あたりの塩分相当量です。

  • 濃口しょうゆ:2.6g
  • うすくちしょうゆ:2.9g
  • 淡色辛みそ:2.2g
  • ウスターソース:1.5g
  • トマトケチャップ:0.5g
  • マヨネーズ(全卵型):0.3g
  • バター:0.2g

参考:横浜市保土ケ谷区公式ホームページ 日本人は塩分をとりすぎています!

濃い味付けに慣れた献立では、妊娠中に摂ってよい塩分量6.5gにすぐに到達してしまいます。調味料の使い方には注意が必要です。

食事を楽しみながら減塩するには、例えば、調味料を柑橘類や薬味、香辛料へ置き換えてみましょう。

また、旬の新鮮な食材を使うこともおすすめです。味や香りがしっかりしているため、無塩でも美味しく食べられますよ。

食べ方を工夫する

「料理が苦手で、味付けの工夫に自信がない」とお悩みの妊婦さんもいるでしょう。

食べ方の工夫、つまり食習慣の工夫だけでも、塩分量は減らせます。具体的には以下の方法がおすすめです。

  1. 1薄味に慣れる
  2. 2外食を控える
  3. 3麺類などの汁は残す
  4. 4揚げる・焼く・茹でる調理法の料理を選ぶ

うどんやラーメンの麺類は、汁を飲まないだけでかなり塩分量が抑えられます。みそ汁のような汁物の場合は具沢山に作り、半分は汁を残すとよいでしょう。

減塩は日々のコツコツとした積み重ねが重要です。お腹の赤ちゃんを想いながら、お母さん自身の健康と向き合いましょう。

減塩以外にもある!妊娠中の食事で気をつけたいポイント

ここまで減塩を中心に、妊娠中の食生活の注意点を解説しました。

しかし、妊娠中に気をつけたいのは減塩だけではありません。正しい知識を身につけて、お腹の赤ちゃんにやさしい食生活を送りましょう。

バランスのよい献立を考える

主食・主菜・副菜がそろったバランスのよい献立で栄養を摂りましょう。

主食には炭水化物を多く含むものを選びます。ごはん・パン・麺・いも類をしっかり摂りましょう。

主菜で摂りたいのはタンパク質です。肉・魚・卵・大豆製品が適しています。

副菜では、ビタミンとミネラルの摂取を心がけます。野菜・きのこ・海藻類を添えましょう。

妊娠中にバランスのよい食生活を身につけられると、産後や子育て期の母子の健康にもつながりますよ。

必要な栄養素をしっかりと摂る

妊娠中に意識して摂りたい栄養素には、以下のようなものがあります。

  • 葉酸
  • 亜鉄
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • ビタミンB6・ビタミンB12

葉酸はお腹の赤ちゃんの発育を助ける、妊娠期には特に重要な栄養素です。

また、血液を作るために消費する鉄と、骨や歯を作るカルシウムも不足しやすいため、意識的に摂らなければなりません。

妊娠中に必要な栄養素にはたくさんの種類があり、栄養素の摂取と、減塩のバランスを考えるだけでも大変な労力になります。

さらにつわりや圧迫感から、食事が満足に取れない妊婦さんもいるでしょう。そうなれば赤ちゃんとママのために必要な栄養素の摂取はますます大変な問題になります。

そこでおすすめしたいのが、妊婦さん専用のサプリメントです。含まれる栄養素と安全性にこだわったおすすめのサプリを紹介します。

妊娠中の栄養サポートには「mamaru」がおすすめ

「mamaru」は、産婦人科医監修の妊婦さん向けサプリメントです。

妊娠中に必要な量がしっかり含まれた葉酸はもちろん、鉄・カルシウム・DHA・各種ビタミンなど、まんべんなく栄養素を配合しています。

塩分量を気にせずに、必要な栄養素を必要なだけ摂ることができますよ。

また、注目したいポイントは乳酸菌を配合している点です。

乳酸菌は免疫向上、便秘対策に有効なだけでなく、流産率を低下させることも報告されています。マイナートラブルが多い妊婦さんにぴったりですね。

さらにmamaruは、妊婦さんの飲みやすさと続けやすさにもこだわっています。

1粒の大きさは9mmと業界最小レベルの小ささです。食事がつらい妊婦さんにも、継続しやすいですよ。

信頼できる品質であることを示すGMPマークを取得しているのも、嬉しいポイントです。

mamaruは、考え抜かれた成分配合と信頼性が支持を集め、全国4000店舗以上の大手ドラッグストアで取り扱い中!

「お腹の赤ちゃんと自分自身の栄養サポートのために、信頼して飲めるサプリメントを選びたい」と考える妊婦さんは、ぜひmamaruを始めてみてくださいね。

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できるだけ食中毒リスクを減らす

妊娠中は抵抗力が弱いため、リステリア菌・サルモネラ菌などの食中毒に気をつけましょう。

特にリステリア菌は妊婦さんが感染すると、お腹の赤ちゃんにも感染が広がり重篤な影響を及ぼすことで知られています。

食中毒リスクを減らすために、以下のような食べ物は避けましょう。

  • 生ハム
  • 未殺菌乳
  • ナチュラルチーズ
  • スモークサーモン
  • 肉や魚のパテ
  • レアステーキ

サルモネラ菌感染の可能性もあるため、生卵も避けた方が賢明です。

水銀を含む食品に注意

魚はDHAやEPA、カルシウムを豊富に含む、妊婦さんにもおすすめの食品です。しかし、食べる魚の量と種類には注意しましょう。

魚には水銀が含まれるため、食べすぎるとお腹の赤ちゃんに悪影響が生じるリスクがあります。以下の魚を食べる場合は、量に注意しましょう。

  • キンメダイ
  • メカジキ
  • クロマグロ
  • メバチ
  • マッコウクジラ

食物連鎖の上位にいる大きな魚ほど、多くの水銀を取り込んでいるため注意が必要です。

魚を食べる際の注意点は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

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妊娠中はサプリも活用しながら賢く減塩しよう

妊娠中に摂っても良い塩分量は1日6.5g未満です。

塩分過多はマイナートラブルの原因になるだけでなく、出産時やお腹の赤ちゃんの発育にも悪影響を及ぼすリスクがあります。食生活を整えて、減塩に取り組みましょう。

妊娠中は減塩に加え、食中毒リスク、水銀摂取のリスクなど、食事で気をつかうポイントがたくさんあります。

さらに妊娠初期にはつわり、妊娠後期には圧迫感や体重管理など、妊婦さんには「食べたくても食べられない」期間もあるでしょう。

食事の栄養バランスを整えても栄養面の不安がつきまとうなら、サプリメントで補助しましょう。

妊娠中の栄養補給には、産婦人科医監修の「mamaru」がおすすめですよ。

マイナートラブルの多い妊娠期間を健やかに過ごすために、無理のない減塩と栄養管理を取り入れましょう。

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