更新日:2024/9/5
妊娠糖尿病になりやすい食事とは?助産師が教える予防法やリスクをチェック!
妊娠して糖尿病を発症することを妊娠糖尿病と言います。そして、この妊娠糖尿病になるとお母さんにも赤ちゃんにもいろいろなリスクがあります。
妊娠糖尿病は、生活習慣によってなりやすくなることもあれば、予防することもできます。
今回は、「妊娠糖尿病」になりやすい食習慣や、予防するための生活習慣について紹介します。
また、妊娠糖尿病を発症するとどのようなリスクがあるのかについてもあわせて解説するので、ぜひ健やかなマタニティライフを送るための参考にしてみてくださいね。
この記事に登場する専門家
助産師ライター かなえ
現役助産師ライター。
助産師免許取得後、助産師外来や院内助産を経験し、現在はフリースタイル出産を取り扱うクリニックで勤務。また、地域の学校や親子向けに性教育のおはなし会を開催。
【資格】
・看護師
・助産師
・保健師
・新生児蘇生法インストラクター
妊娠糖尿病になりやすい食事の取り方
食事と血糖値には密接な関係があります。何気なくとっている行動が糖尿病になりやすい状態を招いているかも知れません。一緒にチェックしてみましょう!
朝食を食べない
朝食抜きは、2型糖尿病の発症率と関連があるとされています。
朝食をとらない人は過体重や肥満のリスクが高まることが分かっています。また、昼食後の血糖値とインスリンの値に関しても、朝食をとらない場合と朝食をとった場合では、朝食をとらない場合の方が高くなることが報告されています。(※1)
反対に、朝食をとる人は、朝食をとらない人に比べて健康意識が高い傾向があるとされています。
食べるのが早い
早食いは、肥満や糖尿病のリスクをあげてしまいます。(※1)
早食いは、食後のエネルギー消費量が減ったり、咀嚼する時間が短くなったり、咀嚼後90〜240分までに血糖値とインスリンの値が優位に上昇したりする原因になります。
夕食後に間食をとる
脂肪の分解は空腹の状態で促進されるため、過度な体重増加を避けるためには、空腹な状態も大切です。
空腹な状態でないにもかかわらず不規則に間食をすると、体重増加につながる可能性があります。また、特に夜遅い時間はインスリンの分泌が減ることから、夕食後の間食は血糖値の上昇を招いてしまいます。(※1)
寝る前に食事をとる
20〜22時ごろの遅い夕食は、夜間の血糖値を持続的に高くしてしまうことが報告されています。同じ食事内容だとしても、遅い時間の食事の方が血糖値を上昇させてしまいます。
また、睡眠に関係するメラトニンは、インスリンの分泌を抑える働きがあります。このメラトニンは夜間に分泌が増えるため、寝る前の食事による血糖値の上昇に関係している可能性があります。(※1)
これらの食習慣がある人は、妊娠糖尿病予防のためにぜひ見直してみましょう。
そもそも妊娠糖尿病ってなに?
妊娠糖尿病とは、それまでは糖尿病と診断されていない女性で、妊娠中に75g OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)で以下の1つ以上を満たす場合のことをいいます。
- 空腹時血糖値≧92mg/dl
- 1時間値≧180mg/dl
- 2時間値≧153mg/dl
妊婦健診で毎回行う尿検査で、続けて数回尿糖が出ていたり、採血で血糖値が高いことが確認された場合に、この検査を行います。
◆OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)とは?
ブドウ糖が含まれる液体を摂取し、空腹のとき、摂取後1時間、摂取後2時間に採血をします。摂取前後の血糖値やインスリンの変化をみることで耐糖能を調べます。
なお、妊娠中の糖尿病に関する病気には、妊娠糖尿病以外に「糖尿病合併妊娠」と「妊娠中に診断された明らかな糖尿病」というものもあります。
「妊娠糖尿病」とは、もともと糖尿病と診断されている女性が妊娠した状態のことをいいます。
「妊娠中に診断された明らかな糖尿病」とは、糖尿病と診断されていない女性が、妊娠中に糖尿病の診断を受けることをいいます。
知っておきたい妊娠糖尿病のリスク
妊娠中に妊娠糖尿病を含む糖尿病に関係する病気になると、お母さんはもちろん、赤ちゃんや出産にもいろいろなリスクがあります。
どのようなリスクがあるのかみていきましょう。
お母さんへのリスク
- 流早産
- 妊娠高血圧症候群
- 将来の糖尿病の発症
- 羊水過多
赤ちゃんへのリスク
- 胎児発育遅延
- 胎児機能不全
- 胎児死亡
- 先天奇形
- 呼吸窮迫症候群
- 多血症
- 高ビリルビン血症
- 巨大児
- 新生児低血糖
出産へのリスク
- 肩甲難産
- 医療介入(吸引分娩や子宮底圧迫など)
- 帝王切開(お母さんや赤ちゃんへのリスクが関係)
詳しくはこちらの記事で解説しています。参考にしてみてくださいね!▼
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妊娠糖尿病になりやすい人
食習慣以外にも、どのような人が妊娠糖尿病になりやすいかについても知っておきましょう。
以下の項目が当てはまる人は妊娠糖尿病になりやすいため、特に注意が必要です。
妊娠前の体重が肥満
妊娠前のBMIが25以上の人は「肥満」に当てはまります。そして、妊娠前の体重が肥満の場合、妊娠糖尿病のリスクが高くなります。
もともと肥満の人は、妊娠中の体重増加に注意して過ごすことが大切です。
妊娠中の過度な体重増加
妊娠中の体重増加は、少なすぎても多すぎてもいろいろなリスクがあります。妊娠中は、もともとの体格に合わせて適切な体重増加を目指しましょう。
BMIや妊娠中の体重増加に関してはこちらの記事も参考に!▼
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巨大児を出産したことがある
生まれたときの体重が4000g以上の赤ちゃんを「巨大児」といいます。妊娠中のお母さんの血糖値が高いと、お腹の赤ちゃんの過成長につながることが知られています。
また、妊娠中は血糖値を下げる役割であるインスリンに対する感受性が下がるため、インスリンの作用が十分に発揮できません。
このような状況で血糖値が上昇してしまう人は将来的に糖尿病になるリスクが高く、妊娠糖尿病を発症するリスクも高いことが考えられます。(※2)
高齢(35歳以上)
高齢妊娠も妊娠糖尿病のリスクが上がることが分かっています。若い世代と比べると、生活習慣病の合併が多く、加齢によりインスリン感受性が低下することが関係しています。
35歳以上では、20〜24歳の8倍、30〜34歳の2倍も発生頻度が高いという結果も。(※3)
妊娠糖尿病を予防するための3つのポイント
妊娠糖尿病になりやすい人はもちろん、妊娠中は誰しもが妊娠糖尿病にならないための生活習慣を心がけることが大切です。
また、すでに妊娠糖尿病と診断されている人も、悪化しないように過ごすことが重要。予防のためには、食事、運動などの生活習慣を整えることが大切です。
過度に体重が増えすぎてしまうと妊娠糖尿病のリスクが上がってしまうため、自分の体格にあった体重増加を目指すように心がけましょう。
予防するための生活習慣のポイントを3つに分けて紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
食事はバランスよくとろう
食事は野菜を多く摂ることを意識して、バランス良くとることが大切です。また、急な血糖値の上昇を防ぐため、野菜を先に食べたり食物繊維を意識して摂ったり、よく噛んで時間をかけて食事するようにしましょう。
その他、血糖値を急激に上げる高GI食品より、血糖値を緩やかに上げる低GI食品を選ぶようにしましょう。
【Point!】
- 野菜や食物繊維を意識する
- 主食は白より茶色を選ぶ
- よく噛んでゆっくり食べる
check ✔︎
「高GI食品」「低GI食品」ってなに?
GIとはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後の血糖値の上昇を示す指数のこと。全ての食品にはGI値があります。
摂取後の血糖値の上昇が緩やかなものを低GI食品、血糖値が急激に上昇するものを高GI食品といいます。
摂取後に血糖値が急激に上昇すると、その分インスリンを分泌する必要があります。そして、この状態が続くとインスリンの分泌をする膵臓に負担がかかり、インスリンそのものの効力も落ちてしまいます。そのため、糖尿病の予防のためには、「低GI食品」が良いとされています。
葉物野菜やきのこ類はGI値が低いものが多く、甘みのある根菜類はGI値が高い傾向があります。
また、主食となる穀物は精製されたものより精製されていないものの方がGI値が低い傾向があります。そのため、主食を選ぶ際は、「白」より「茶色」と覚えておくと良いでしょう。
スイーツは、上白糖やグラニュー糖を使用しているものが多く、高GI食品なので注意が必要です。
また、食事に気をつけながらも、妊娠中に必要な栄養素をしっかりととることは忘れないようにしましょう。
しかしカロリーや食事内容を気にしながら、妊娠中に必要な栄養素もしっかり摂るのは大変ですよね。そんな方におすすめなのが、サプリメントの活用です。
妊娠中の方におすすめなのが、葉酸サプリの「mamaru(ママル)」です。
mamaruには、妊娠中にサプリメントなどから摂取することが推奨されている葉酸400μgや鉄分など、必要な栄養素がしっかりと配合されています。
また、妊娠中のマイナートラブルのひとつである便秘にアプローチしてくれる、乳酸菌や食物繊維もしっかりと含まれている点も特徴。食物繊維は食後の血糖値を抑える働きもある栄養素なんですよ。
便秘になると、胃腸の働きが悪くなり、食べ物の吸収や消化が遅くなってしまいます。その結果として、余分に栄養が吸収されたり、皮下脂肪として蓄えられたりして、体重増加につながります。
過度な体重増加は妊娠糖尿病のリスクをあげてしまうため、必要な栄養素を摂りながら、腸内環境を良い状態に保つということが大切です。
妊娠中の適切な栄養補給と体重管理のサポートとして、ぜひmamaruを活用してみてくださいね!
適度に運動しよう
適度な運動はインスリンの分泌を促進し、血糖値の上昇を抑える働きがあります。また、運動することにより、消化や吸収の促進や代謝のアップにもつながるため、過度な体重増加を予防することにもなるでしょう。
妊娠中は安静にする方が良いと思っている方もいますが、妊娠は病気ではありません。適度に運動することは、お母さんと赤ちゃんに良いことはもちろん、お産や産後の生活のための体力をつけることにもなります。
運動習慣のない方は、まず意識して歩くことから始めると良いでしょう。体力がついてきたら、ストレッチやヨガ、ピラティス、マタニティビクスなどの運動を取り入れるのもおすすめです。
運動をすることが心配な方は、かかりつけ医に相談してみましょう。
【Point!】
- 意識して歩く
- 1日30分程度の運動を取り入れる
規則正しい生活リズム
寝れない状態が長く続くと、交感神経が優位になり、糖質コルチコイド(血糖値を上昇させるホルモン)が過剰に分泌され、糖の代謝に異常をきたしてしまいます。そのため、不眠は糖尿病のリスクになることが知られています。
実際に睡眠障害を持つ方は、そうでない方に比べ糖尿病になるリスクが1.5〜2倍になることが知られています。(※4、5)
お腹が大きくなって寝苦しさを感じるときや腰痛があるときは、抱き枕やクッションを活用するのがおすすめです。
【Point!】
- 早寝早起きを意識する
- 朝起きたらカーテンを開ける
- 寝る前のブルーライトは避ける
妊娠糖尿病の予防のためにまずは生活習慣の改善を!
妊娠糖尿病を予防するためには、食事・運動・睡眠などの生活習慣を整えることが大切です。特に血糖値は食習慣による影響が大きいのが事実です。
知らず知らずに習慣になっていることが、妊娠糖尿病のリスクになっていることもあるため、まずは自身の食習慣や生活習慣を一度見直してみましょう。妊娠糖尿病は、生活習慣を整えることで予防することができる病気です。
まずは、食事の摂り方や食事内容を見直しましょう。過度な体重増加や血糖値を急激に上げることを避けるため、普段の食事は「主食は白より茶色」そして「おかずは茶色よりカラフル」なものを選ぶと良いでしょう。そして、一日3食、しっかり噛むことも忘れずに。
また、カロリーや食事内容を意識しながらも、必要な栄養素の摂取もしっかりしたいところです。母子ともに健やかなマタニティライフを送るためにも、妊娠中は栄養補給が大切です。
栄養素まで意識するのは大変!という方は、サプリメントでの栄養補給がおすすめです。
妊娠中に必要な栄養素の補給におすすめなのが、葉酸サプリの「mamaru(ママル)」です。mamaruは、栄養素が気になる妊娠中の方や、血糖値が気になる妊婦さんにもぴったりのサプリメント。
実は、mamaruには、妊娠中に必要な栄養素が含まれているだけでなく、菌活を目的とした乳酸菌や食物繊維も含まれている優れもの。食物繊維は、便秘の解消や予防の効果だけでなく、食後の血糖値の上昇を抑える働きも持っています。
妊娠中に必要な栄養素を摂りながら、便秘予防のための菌活をして、さらに体重管理のサポートまでオールインワンでできるなんて嬉しいですよね!
mamaruは健やかなマタニティライフを全力で応援するサプリメントです。ぜひマタニティライフのサポート役にお役立てくださいね。
参考文献:
(※1)Eating behaviors and incidence of type 2 diabetes in Japanese people: The population‐based Panasonic cohort study 15
(※2)巨大児出産歴と糖尿病有病率、糖尿病発症率の関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究
(※3)高齢妊娠に伴う諸問題
(※4)糖代謝における睡眠の重要性
(※5)睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
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