
更新日:2025/11/4
排卵誘発剤で妊娠率は上がる?薬剤の種類から副作用、始めるタイミングまで徹底解説

タイミング法を続けているのに、なかなか結果が出ない…
次の選択肢として注目されるのが“排卵誘発剤”です。
けれど、「どんな薬なのか」「副作用は大丈夫なのか」など、気になることは尽きませんよね。
この記事では、排卵誘発剤のしくみや妊娠率のデータ、治療とあわせてできる日常のサポート方法まで、やさしく解説します。
医学的な根拠をもとに、あなたの「気になる」をひとつずつ解きほぐしていきましょう。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmitas監修・妊活専門産婦人科医】美加レディースクリニック院長 金谷美加先生
生殖医療専門医、産婦人科医、母体保護法指定医、医学博士
実は妊活期と妊娠期では必要な栄養素は違います。市販の葉酸サプリは「妊活期」と「妊娠期」を分けていないものもありますが、時期ごとに必要な栄養素を摂ることが大切です。
栄養だけでなく、冷えにも気をつけたいもの。子宮の血流が悪いと卵子着床が難しくなり不妊の一因にも繋がるため、しっかりと体を温めることが大事です。
排卵誘発剤で妊娠率は上がる?最新データと医学的根拠

「排卵誘発剤を使うと妊娠しやすくなる」と聞くと、期待と同時に「本当にそんなに変わるの?」と気になりますよね。
排卵誘発剤は、排卵がうまく起こらない人の卵胞の発育や排卵を助ける薬。排卵のチャンスを増やすことで妊娠率が上がる可能性があります。
まずは、国内外の研究データをもとに、排卵誘発剤による妊娠率の変化を具体的に見ていきましょう。
妊娠率の目安と医学的データ
排卵誘発剤を使ったタイミング法や人工授精では、自然排卵よりも妊娠の確率が高くなるといわれています。
内服薬のクロミッド(クロミフェン)を使用した場合、1周期あたりの妊娠率はおよそ5〜10%、6か月継続で50〜60%前後との報告があります。
また、排卵が起こりにくい人でも、治療によって排卵リズムが整うケースもあります。
ただし、これらの数字はあくまで目安であり、年齢や卵巣機能、生活習慣によって結果は変わります。
参考:
社会医療法人 愛育会 福田病院
ソフィアレディスクリニック
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合の妊娠率

排卵障害の原因として多いのが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。PCOSでは、排卵誘発剤がとくに効果を発揮しやすいといわれています。
研究では、クロミッド(クロミフェン)やレトロゾールを使うことで、排卵率はおよそ70〜80%、妊娠率は15〜25%前後と報告されています。
海外の研究では、レトロゾール群61.7%、クロミフェン群48.3%と高い排卵率が示されています。近年は、レトロゾールのほうが生理的に近い排卵を促しやすく、クロミッドよりもわずかに妊娠率が高い傾向も。
ただし、これらの数値は特定条件(PCOSと診断された18〜40歳など)での結果に基づくもの。体質やホルモンバランスによって反応は異なるため、医師と相談しながら、薬の種類や投与量を調整していくことが大切です。
参考:
New England Journal of Medicine(2014)
菊池レディースクリニック
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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?
排卵がうまく起こりにくくなる体質のひとつで、卵巣内に小さな卵胞がたくさん並ぶ状態をいいます。ホルモンのバランスが乱れることで、排卵がスムーズに起こらなくなったり、生理周期が長くなったりするのが特徴です。
◆同じく、うまく排卵が起こらない無排卵月経については、こちらの記事をどうぞ。
排卵誘発剤とは?使う前に知っておきたい基礎知識

排卵誘発剤は、排卵を促して妊娠のチャンスを高める薬です。体のリズムを無理に変えるのではなく、本来のホルモンの働きをサポートして排卵しやすい状態を整えます。
どんなときに使われるの?自然排卵との違い

排卵誘発剤は、排卵が起こりにくい人や周期が不安定な人に使われます。「排卵がない」「周期が長い」など、卵が育ちにくい場合に処方されます。
これらの主な原因はホルモンバランスの乱れで、卵胞が十分に育たないこと。排卵誘発剤は、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)の働きを助け、卵胞を成熟させます。
自然排卵との違いは、ホルモン分泌をサポートしながら排卵のタイミングを整えられる点。排卵を人工的に起こすというよりも、体のリズムを整える治療と考えるとわかりやすいでしょう。
タイミング法や人工授精との関係

排卵誘発剤は、タイミング法や人工授精(AIH)と組み合わせて使われることが多い治療です。薬で卵胞を育て、超音波検査で排卵時期を確認しながら受精のタイミングを合わせます。
タイミング法では内服薬で卵胞を育て、性交の時期を調整。
人工授精でも同じく排卵を整え、精子を子宮内に届けて受精の確率を高めます。
排卵誘発剤は“最初のステップ治療”として、自然妊娠と高度不妊治療のあいだをつなぐ存在なのです。
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人工授精ってどんな治療?
排卵のタイミングに合わせて、パートナーの精子を直接子宮内に注入する治療法です。
性交では届きにくい場合でも、精子が卵子に出会う道のりをサポートして、受精の確率を高められるのがポイントです。
排卵誘発剤の種類と違い
排卵誘発剤には内服薬と注射薬の2種類があり、それぞれ作用の仕組みや強さ、使うタイミングが異なります。
内服薬|クロミッド・レトロゾール

内服薬は、排卵を起こす最初の治療としてよく使われます。脳の下垂体に働きかけてホルモン分泌を促し、卵胞の発育を助けます。
代表的なのがクロミッド(クロミフェン)とレトロゾール。両者は作用や副作用に違いがあります。
| 種類 | 主な作用 | 排卵率の目安 | 副作用の例 | 特徴 | 
|---|---|---|---|---|
| クロミッド(クロミフェン) | ホルモン分泌を促して卵胞を育てる | 約70〜80% | のぼせ・腹痛・子宮内膜が薄くなることがある | 最も一般的な初期治療薬 | 
| レトロゾール | 女性ホルモンの一部を抑えて自然排卵を促す | 約70〜80% | 軽い頭痛・倦怠感 | PCOSにも用いられることが多い | 
作用が比較的穏やかなため、効果が十分でない場合は、次の段階として注射薬を使うこともあります。
注射薬|HMG・FSH製剤
注射薬は、卵巣を直接刺激して卵胞を育てる排卵誘発剤です。ホルモン量を細かく調整できる反面、卵胞が複数育ちやすいため、医師の管理下で使われます。
| 種類 | 主な成分 | 特徴 | 注意点 | 
|---|---|---|---|
| HMG製剤(ヒト閉経ゴナドトロピン) | FSHとLHを含み、卵胞の発育と排卵を促す | 効果が高く反応が出やすい | 多胎妊娠やOHSSのリスクがやや高い | 
| FSH製剤 | FSHのみを含む | 卵胞を選択的に育てる | 投与量や日数の調整が重要 | 
※FSH:卵胞刺激ホルモン
※LH:黄体形成ホルモン
※OHSS:卵巣過剰刺激症候群
注射薬は、医師が超音波で卵胞の成長を確認しながら使用します。自己注射を行う場合もありますが、副作用を防ぐため必ず医師の指示に従いましょう。
排卵誘発剤に副作用やリスクはある?

排卵誘発剤は、適切に使えば安全性の高い薬です。ただし、ホルモンの働きを助ける薬のため、体の反応で一時的な副作用が出ることもあります。
大切なのは、どんな変化が起こり得るのかを知っておくことです。
多胎妊娠・OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の可能性

排卵誘発剤を使うと、卵胞が複数育つことがあります。そのため、双子や三つ子などの多胎妊娠の確率がやや高くなりますが、薬の量や卵胞数を調整することでリスクは抑えられます。
注意が必要なのは、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)。
卵巣が過剰に反応して腫れ、腹部の張りや痛み・体重増加などが起こることがありますが、定期的な超音波検査で早期に対応できます。
◆ 排卵誘発剤が多胎妊娠につながりやすい理由について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
日常で起こりやすい体調不良のリスクも

排卵誘発剤の影響でホルモンバランスが変化すると、体の不調を感じることがあります。
- 軽い頭痛
 - のぼせ
 - むくみ
 - 気分のゆらぎ
 
しかしこれらは一時的で、薬の作用が落ち着くと改善することがほとんどです。
また、薬の種類によっては子宮内膜が一時的に薄くなるなど、妊娠に関わる環境に影響が出ることも。薬の量や種類を調整することで改善が期待できるため、気になる変化があれば必ず医師に相談しましょう。
排卵誘発剤を始めるタイミングと見極め方

「排卵誘発剤を使った方がいいのかな?」と迷う時期は、誰にでもあります。
早く始めればいいというものではなく、まずは自然な排卵のリズムを確認しながらタイミングを見極めていくことが大切です。
自然に任せる場合とのメリット・デメリット

タイミング法を続けても妊娠につながらないと、「薬を使えば早く結果が出るのでは?」と思うこともあるでしょう。けれど、自然排卵がある人では、半年〜1年のタイミング法で妊娠に至るケースも少なくありません。
排卵誘発剤のメリットは、卵胞の成長を安定させて妊娠のチャンスを増やせること。一方で、副作用や多胎妊娠のリスクもあり、体への負担を考える必要があります。
焦らず、自然な経過を見守る期間も大切な治療の一部。「薬を使う=次のステップに進む」くらいの心構えでじゅうぶんです。
◆ タイミング法で妊娠しない原因や受診の目安は、こちらの記事で助産師が解説しています。
治療に踏み出す目安と受診のタイミング

「そろそろ一歩踏み出してもいいかも」と感じたら、婦人科や不妊治療クリニックに相談してみましょう。
◆受診の目安
- 11年以上タイミング法を続けても結果が出ない
 - 2排卵日が不規則、もしくは排卵していない周期がある
 - 3年齢が35歳以上で早めの治療を検討したい
 
診察では、ホルモン検査や超音波による卵胞の状態を確認し、治療方針を決めていきます。
◆ 気になる不妊治療の費用や保険適用については、こちらをチェック!
排卵誘発剤とともに始めたい身体づくり

排卵誘発剤は、ホルモンの働きを助けて「排卵しやすい状態」を整える薬です。けれど、妊娠しやすい体をつくるには、薬だけでなく毎日の食事や睡眠、ストレスケアも欠かせません。
最後は、妊娠に向けて体を整えるためにできるセルフケアを3つ紹介します。
妊娠に向けた身体を整える食生活

妊娠を目指す体づくりには、ホルモンや卵子の発育に関わる葉酸・鉄・ビタミンB群・亜鉛などの栄養素が欠かせません。
これらは血流や細胞分裂を助け、排卵誘発剤によるホルモンの変化を穏やかにサポートします。
まずは、野菜・たんぱく質・炭水化物をまんべんなく摂り、カフェインや糖分を摂りすぎないように気をつけましょう。
◆ 妊活中に摂るべき&避けたい食べ物をこちらの記事でご紹介しています。パートナーにおすすめの食事もあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
不足しがちな栄養はサプリで補おう
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 - ビタミンD:妊娠のしやすさや出生率に関与し、カルシウムの吸収を助けて赤ちゃんの骨を丈夫に
 - 鉄:貧血を予防し、子宮環境を整えて赤ちゃんに必要な栄養を届ける
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