更新日:2024/12/25

多胎妊娠にはどんなリスクがある?助産師が教えるリスクを減らすために今できること

助産師が教えるリスクを減らすために今できること
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双子や三つ子など、1回の妊娠で2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠することを「多胎妊娠」といいます。

「双子ちゃんを育てるのは大変そう」というイメージがなんとなくあると思いますが、多胎妊娠は育児が大変というだけでなく、妊娠中にもリスクがつきもの

今回の記事では多胎妊娠とはなにか、多胎妊娠によるリスクと少しでもリスクを減らすためにできることについて助産師が解説していきます。

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

多胎妊娠ってなに?

1回の妊娠で子宮の中に赤ちゃんが2人以上いる状態を「多胎妊娠」といいます。

双子の妊娠を「双胎」、三つ子の妊娠を「品胎」と呼びますが、多胎妊娠のほとんどは双胎です。

多胎妊娠は全妊娠の1.08%と頻度は少ないですが、不妊治療の発達に伴って近年増加傾向にあります。(※1)

多胎妊娠になる理由

多胎妊娠になる理由は大きく分けて2つあります。

  1. 1つの卵子が受精後の細胞分裂の過程でなんらかの理由で分離し、子宮内膜に着床した
  2. 2つの卵子が同じような時期にそれぞれ受精して子宮内膜に着床した

多胎妊娠となる要因には、高齢での妊娠や不妊治療があります

高齢になると女性ホルモンの司令塔ともいえる「卵胞刺激ホルモン」の分泌が増加します。卵胞刺激ホルモンは卵巣から出るホルモンの分泌を促したり、卵胞の成長を促したりする役割があります。

この卵胞刺激ホルモンが増加することで、一度に複数の受精卵ができやすくなり、高齢妊娠では多胎妊娠となる割合が高まります

また、不妊治療では排卵を促すために排卵誘発剤を使用することがあります。薬の影響で一度に複数の卵子が排卵されることもあり、その結果、多胎妊娠となることがあります。

体外受精では、妊娠率を高めるために受精卵を子宮内に同時に2つ戻すこともあり、2つとも着床した場合には双胎妊娠となります。

多胎妊娠の分類と種類

多胎妊娠の分類には2種類あり、「卵性」による分類と「膜性」による分類があります。

「卵性」による分類

卵性による分類は、受精卵の数による分類です。

一つの卵子が精子と受精し、受精卵の中で細胞分裂していく過程でなんらかの理由で分離し、多胎となることを「一卵性」といいます。

2つの卵子と精子がそれぞれ受精し、多胎となることを「二卵性」といいます。

「膜性」による分類

膜性による分類は、胎盤の数と赤ちゃんを包んでいる卵膜(羊膜)の数による分類です。

多胎妊娠のリスクはこの膜性分類の種類によって大きく変わるので、医師は妊娠10週ころまでにどのタイプの多胎妊娠なのかをチェックします。

①二絨毛膜二羊膜双胎(にじゅうもうまくにようまくそうたい)

絨毛(胎盤)が2つ、羊膜が2つあるタイプ。双胎妊娠の約70%を占めます。
二卵性の場合はほぼ100%二絨毛膜二羊膜双胎になります。
胎盤も赤ちゃんが育つ部屋(羊膜)も2つに分かれているので、双胎妊娠の中では1番リスクが低いタイプです。

②一絨毛膜二羊膜双胎(いちじゅうもうまくにようまくそうたい)

絨毛(胎盤)が1つ、羊膜が2つあるタイプ。双胎妊娠の約29%を占めます。
一卵性の場合は7割が一絨毛膜二羊膜双胎になります。
1つの胎盤を2人の赤ちゃんが共有しているので、1人の赤ちゃんに栄養が偏ったりする可能性があり、リスクは高くなります。

③一絨毛膜一羊膜双胎(いちじゅうもうまくいちようまくそうたい)

絨毛(胎盤)が1つ、羊膜が1つあるタイプ。双胎妊娠の約1%ほどです。
1つの胎盤を2人の赤ちゃんが共有し、さらに部屋も分かれていないため、へその緒が絡まる可能性もあります。双胎妊娠では1番リスクの高いタイプです。

多胎妊娠はママと赤ちゃんともにリスクが高いため、小児科の医師が常駐している大きな病院での出産となることがほとんどです。特に、一絨毛膜二羊膜双胎と一絨毛膜一羊膜双胎の場合は、大学病院などNICU(新生児集中治療室)や検査設備の整った病院に紹介となることが多いです。

双子を授かる確率については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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多胎妊娠による赤ちゃんのリスク

多胎妊娠は、ママにも赤ちゃんにもリスクがあります。

まずは、赤ちゃんのリスクについて解説します。

早産

早産とは、妊娠22週0日から妊娠36週6日までに生まれることをいいます。

多胎妊娠は単胎妊娠(一度に1人の赤ちゃんを妊娠すること)に比べると、早産となる割合が高くなります。双胎妊娠での早産率は約50%と、半数が早産となります。(※1)

早産で生まれた赤ちゃんは、生まれた週数によって生存率や後遺症が変わってきます。

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多胎妊娠が早産になりやすい理由は、お腹の中に2人以上の赤ちゃんがいることで子宮に負荷がかかりやすいためです。

また、ママのカラダにも負荷がかかりやすく、妊娠中に合併症になるケースが多いことも早産になりやすい理由の一つです。

胎児発育不全

胎児発育不全とは、お腹の中で赤ちゃんの発育が止まったり遅れたりすることをいいます。

1つの子宮の中で2人育っている多胎妊娠の赤ちゃんは、平均的な推定体重よりも小さくなることが多いです。

特に、1つの胎盤を共有している一絨毛膜二羊膜双胎、一絨毛膜一羊膜双胎の場合に多くなります。

双胎間輸血症候群

双胎間輸血症候群(そうたいかんゆけつしょうこうぐん)とは、1つの胎盤を共有している一絨毛膜二羊膜双胎、一絨毛膜一羊膜双胎の赤ちゃんに起こるリスクのある病気です。

この場合、血液が1つの胎盤を通してママから送られるために、片方の赤ちゃんに多く血液が送られ、もう片方の赤ちゃんには血液が少なく送られるといった血液のバランスが崩れてしまうことで起こります

送られる血液が多い方の赤ちゃんは、必要以上にカラダに血液が入ることで高血圧になり、うっ血性心不全や胎児水腫となるリスクがあります。

送られる血液が少ない方の赤ちゃんは、貧血状態となり、腎不全や胎児発育不全となるリスクがあります。

最悪の場合、どちらの赤ちゃんも亡くなってしまうケースもあります。

多胎妊娠によるママのリスク

多胎妊娠は、ママにも複数のリスクがあります。

帝王切開になることが多い

出産方法は妊娠週数、赤ちゃんの姿勢、初産婦か経産婦か、その他合併症などのリスクを総合的に判断して決まります。

子宮口の近くにいる赤ちゃん(先進児)の頭が下になっている場合のみ、経膣分娩(いわゆる下から産むこと)を選択できることがありますが、多胎妊娠の経膣分娩は分娩が進まなくなったり、赤ちゃんが苦しくなりやすかったりと母児ともにリスクが高いため、病院によって規制があることが多いです。

切迫早産

切迫早産とは、早産になる一歩手前の状態をいいます。

多胎妊娠の場合は子宮容量が大きいことで子宮の中で圧力がかかりやすく、お腹が張りやすくなったり、破水しやすくなったりすることが多いです。

切迫早産がどのような状態なのかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

切迫早産ってどんな状態なの?日常生活で気を付けたいポイント【助産師執筆】

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妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に高血圧や腎臓の機能が低下する病気をいいます。

症状は自覚しにくいことが多いですが、悪化するとむくみ、頭痛、目のチカチカなどが表れます。

双胎妊娠の場合、単胎妊娠に比べて2倍かかりやすいといわれています。(※2)

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中の糖代謝異常によって血液中の血糖値が高くなる病気をいいます。

双胎妊娠では全身の負荷が大きくなるため、単胎妊娠に比べて若干かかりやすくなります。

妊娠糖尿病は、妊娠中の食事管理がとても大切

こちらの記事では妊娠糖尿病にひっかからないためにできることについて解説しているので、あわせて参考にしてください。

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産後に大量に出血しやすい

子宮の容量が大きくなりやすい多胎妊娠では、妊娠中、子宮の筋肉が伸びた状態が続きます。そのため出産後に子宮の筋肉が収縮しにくくなってしまうことで、出血が止まりにくくなるリスクがあります。

多胎妊娠のリスクを少しでも減らすためにできること

多胎妊娠となった場合には、ママと赤ちゃんの健康のために、できる限りリスクを減らしていくことが大切です。

生活の中でできるリスクを減らすための行動について紹介します。

適切な体重増加をキープする

妊娠中はママの血液量が増えたり、赤ちゃんが大きくなったり、羊水や胎盤などができたりするため、体重が増加します。多胎妊娠の場合は、単胎妊娠に比べて体重増加が大きくなりやすいです。

しかし、だからといって体重が増え過ぎてしまうと、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症にかかるリスクが上がります。そのため、単胎妊娠以上に適切な体重増加をキープすることが大切です。

妊娠中の体重増加の影響や体重コントロールについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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必要な栄養を摂取する

妊娠中は、ママのカラダにもお腹の中の赤ちゃんにもたくさんの栄養が必要な時期。

ママにとっても赤ちゃんにとっても、栄養はママが口から摂取するものがすべてなので、栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。

特に多胎妊娠のママにとって、以下の栄養素は十分に摂取することがおすすめ

  • 葉酸
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ビタミンD
  • 鉄分

葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12は、早産、胎児発育不全、妊娠高血圧症候群を予防するのに効果的だといわれています。(※3)

さらに、ビタミンDが不足することで妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、早産の発症リスクが上がることがわかっており、ビタミンDのサプリメントを摂取することでこれらの合併症のリスクを下げる可能性があるといわれています。(※4)

鉄分は葉酸と一緒に血液をつくるもととなります。多胎妊娠では産後の出血に備えて、貧血予防をしていくことも大切です。

これらの栄養素をまとめて摂取するなら、妊婦さんのために作られたサプリ「mamaru」を毎日の生活に取り入れてみませんか?

妊娠中の栄養補給ならmamaruがおすすめ

胎妊娠の場合、ママのカラダには特に大きな負荷がかかります。お腹が重たいことで腰が痛くなったり、むくみで足が痛くなったり・・・栄養に気を遣ってキッチンで料理をするのも一苦労ですよね。

そんな多胎妊娠中のママさんには、赤ちゃんとママが摂りたい栄養がしっかりつまったmamaru(ママル)がおすすめです

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た、mamaruには乳酸菌も配合されており、妊婦さんにありがちなお腹のトラブルの予防や、腸内環境のケアにもぴったりです。

最近ではビフィズス菌や乳酸菌などの腸内に存在する善玉菌であるプロバイオテクスの投与によって、早産が減少する可能性があるという報告も。腸内環境と早産の関連が示唆されています。

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不妊治療中の方はmitasを味方につけて

生殖医療の発展によって、不妊治療で双子を妊娠する可能性も高くなりました。

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赤ちゃんの命や後遺症に関わる病気である神経管閉鎖障害のリスクを減らすためには、妊娠前から葉酸を十分に摂取することが必要です。

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まとめ

一度に2人以上の赤ちゃんをお腹の中で育てる多胎妊娠では、早産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、胎児発育不全といったリスクが伴います。

葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンDはこれらの合併症にかかりにくいカラダをつくるサポートをしてくれます。

多胎妊娠のママがしっかり摂りたい栄養素を網羅しているmamaruを活用して、できる限り合併症となるリスクを下げていきましょう。

【参考文献】

(※1)国立成育医療研究センターホームページ:多胎妊娠外来(※2)一般社団法人日本妊娠高血圧学会ホームページ:Q2:「妊娠高血圧症候群になりやすいのはどんな人ですか?」(※3)中井 章人:早産をめぐる最近の話題―切迫早産治療から予防治療への転換(※4)黒田恵司:ウィメンズヘルスと栄養素・サプリメント I.生殖医学 2.ビタミンD,産科と婦人科,2023

・日本産婦人科医会:9.いまでしょ!膜性診断・大阪母子医療センター:双胎妊娠の方へ

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