
更新日:2025/7/24
妊娠中は風邪薬を飲んでも大丈夫?薬剤師が注意点と赤ちゃんへの影響を解説

「妊娠中だけど風邪薬は飲める?」
「病院に行った方がいい?」
と悩んでいませんか?
妊娠中に体調不良が起こると「お薬を飲んで大丈夫かな?」と心配になりますよね。
妊娠中でも医師の判断のもとで使われることのあるお薬はたくさんありますが、自己判断での服用には注意が必要です。
この記事では妊娠中のお薬について、赤ちゃんへの影響もふまえて薬剤師が詳しく解説します。服薬に悩んだときの参考にしてみてくださいね。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmamaru監修・産婦人科医】まきレディスクリニック院長 風本真希先生
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、検診乳腺超音波 認定医
毎日多くの妊婦さんの検診に立会い、相談にのっている。患者さんのお話に真摯に耳を傾けることが信条。
"葉酸だけでいい” そう思っていませんか?
実は妊婦さんに必要な栄養素は葉酸だけではありません。妊活期に比べ鉄分がより必要になるだけでなく、ビタミン・ミネラルと様々な栄養素をまんべんなく摂ることが大切です。
"体のコンディションの変化や、日常生活の成約がたくさん”。妊娠中は、体のコンディションの変化や、お腹に赤ちゃんがいるというこれまでと異なる環境の中、生活にも様々な制約が。
日々の健康に気を使い、体調管理することが大切です。
妊娠中でも飲める風邪薬はある?
妊娠中でも飲める風邪薬はありますが、自己判断での服用は避けたほうが安心です。薬の影響は、妊娠の時期や使う期間によって変わるため、症状やタイミングをふまえた判断が必要です。
妊娠中の薬は「使わない=安心」と思われがちですが、そもそも使わなくても赤ちゃんに影響が出る可能性はゼロではありません。大切なのは、薬を使うことでリスクがどう変わるかを考え、ママと赤ちゃんにとってよりよい選択をすることです。
妊娠中は子宮が肺を圧迫しやすく、呼吸がしづらくなることで肺炎のリスクが高まることも。軽い風邪と思っていても、実はインフルエンザで薬が必要なケースもあります。
なお、妊婦さんを対象にした臨床試験は原則行われないため、妊娠中の処方薬はこれまでの使用経験や報告から安全性の高い薬が選ばれます。迷ったときは、医師に相談して正しい判断を受けましょう。
妊娠中に使われることがある風邪薬一覧
風邪薬にはさまざまな種類がありますが、次に妊娠中でもリスクが低いとされているお薬についてご紹介します。
※実際に使えるかどうかは医師に相談してください。
解熱鎮痛剤
解熱鎮痛剤の中では「アセトアミノフェン」は比較的安全とされています。
一方で、「ロキソニン(ロキソプロフェン)」や「イブプロフェン(ブルフェンなど)」といったNSAIDsと呼ばれるお薬は、妊娠後期に使用すると赤ちゃんの血管(動脈管)が早く閉じてしまうリスクがあります。
妊娠後期はとくに鎮痛剤の使用には注意しましょう。
咳止め・去痰薬
妊娠中に咳がつらいときは、「デキストロメトルファン」が処方されることがあります。眠気が出やすいお薬なので、服用中の車の運転は控えましょう。
また、痰がからむような咳には「カルボシステイン」や「アンブロキソール」が使われることもあります。
鼻水
妊娠中の鼻水や鼻づまりには、抗アレルギー薬(第2世代)が使われることがあります。
代表的なものには、
- セチリジン
- ロラタジン
などがあり、妊娠中の花粉症にも使われることのあるお薬です。
漢方薬
妊娠中でも、体質や症状に合わせて漢方薬が処方されることがあります。
- 香蘇散(こうそさん):胃腸の不調を伴う「お腹の風邪」に
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう):のどが乾いて咳が続くときに
一方で、風邪でよく使われる葛根湯や小青竜湯などは、麻黄(まおう)という生薬を含みます。
麻黄に含まれるエフェドリンは血管を収縮させ、胎盤への血流を減らす可能性があるため、妊娠中は注意が必要です。
体にやさしい印象のある漢方薬ですが、薬であることに変わりはありません。妊娠中の使用は、必ず医師に相談しましょう。
妊活中から使える漢方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
市販薬は飲んでいいの?注意が必要な薬は?
ちょっとした風邪をひいたときは、すぐに手に入る市販薬は便利ですよね。でも、妊娠中は「飲んでも大丈夫かな?」と迷うことも多いと思います。
ここでは、妊婦さんが市販薬を使うときの注意点をお伝えします。
基本的には医療機関で受診を
市販薬は病院で処方される薬に比べて成分の量が少なめで、病院の薬よりも体への影響が低いという考えもあります。
ただし、市販薬には複数の成分がまとめて含まれていることが多く、内容の確認には注意が必要です。たとえば、総合感冒薬(風邪薬)には、先ほどお伝えしたようなロキソニンなど、妊娠中に注意が必要な成分が含まれていることもあります。
また、カフェインなど妊娠中は摂取量に気をつけたい成分が入っている薬もあります。
そのため、市販薬でも医師や薬剤師に相談してから使うのが安心。できれば市販薬は避け、医療機関で受診したうえで処方してもらうのが理想です。
注意が必要な薬①うがい薬やテープ剤
市販薬を使うときは、「飲み薬じゃないから大丈夫」と思いがちなうがい薬や貼り薬にも注意が必要です。
たとえば、ポビドンヨード(ヨウ素)入りのうがい薬は、甲状腺ホルモンの材料になる成分を含んでおり、妊娠中にとりすぎると母体や赤ちゃんの甲状腺機能に影響が出る可能性があります。
また、ロキソニンテープなどNSAIDsを含む貼り薬も皮膚から体内に吸収されるため、たかがテープ剤と思わず安易な使用は避けましょう。
注意が必要な薬②ビタミン剤
風邪をひいたとき、「体力をつけるためにビタミン剤を…」と考える方もいるかもしれません。
しかし、ビタミン剤の中でも「ビタミンA」が含まれているものには注意しましょう。ビタミンAを妊娠初期に大量に摂ると赤ちゃんの奇形リスクが高まるとされています。
一方で、ビタミンB群の一種である葉酸は妊娠初期の神経管閉鎖障害の予防に役立つため、サプリでの補給が推奨されています。ビタミンAを含まない葉酸サプリを選ぶと安心ですよ。
ビタミンAを含まない葉酸サプリについては、こちらで紹介しています。
ビタミンAについてもっと詳しく知りたい人は、こちらのコラムもどうぞ。
妊娠中の服薬による赤ちゃんへの影響は?
妊娠中の服薬で大切なのは「いつ服用するか」という時期です。同じ薬でも、服用する時期によって赤ちゃんへの影響が変わることがあります。
ここでは、妊娠の時期ごとの赤ちゃんへの影響を説明します。
妊娠3週まで(ALLorNone)
妊娠に気づく前に薬を飲んでしまった…と不安になる方も多いですが、妊娠0〜3週頃まで(最終月経の開始から数えて約3週目まで)に飲んだ薬の影響は基本的に心配ないとされています。
この時期は「全か無か(All or None)の法則」がはたらくとされ、もし薬の影響が強ければ妊娠が成立しない、そして妊娠が継続していれば薬の影響はなかったと考えられます。
ごく一部の薬を除き、この時期の薬が原因で先天異常のリスクが高まることはないとされており、ダメージがあっても回復する力があると考えられています。
妊娠4~15週(器官形成期)
妊娠4〜15週頃は、薬の影響を受けやすい時期です。特に4〜7週は「絶対過敏期」と呼ばれ、赤ちゃんの心臓や脳、手足など大切な器官がつくられる大事な時期。この期間は、自己判断で薬を服用せず、医師に相談すると安心です。
とはいえ、催奇形性(赤ちゃんの形に関わる影響)が報告されている薬は、ごく一部に限られています。不安になりすぎず相談しましょう。
8〜15週頃は薬への感受性は少しずつ下がりますが、まだ影響を受ける可能性があるため、引き続き注意が必要です。
妊娠16週~分娩まで
この時期は赤ちゃんの器官はほぼ完成しており、薬の影響による催奇形性は少なくなるといわれています。ただし、赤ちゃんの発育や機能に影響を与える「胎児毒性」に注意が必要です。
特に妊娠後期は、ロキソニンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の使用は避けた方がよいとされています。
時期別の赤ちゃんの異常については、こちらも参考になりますよ。
妊娠中の風邪薬に関するQ&A
ここまで妊娠中の風邪薬について説明しましたが、まだ不安や疑問を感じる方もいるかもしれません。最後に、よくある質問を3つ紹介します。
すでに薬を飲んでしまった場合はどうすればいい?
まずは、かかりつけの医師に相談しましょう。もし相談しづらい場合や、さらに詳しく知りたいときは「妊娠と薬情報センター」でも相談ができます。ここでは妊娠とお薬に関するデータや調査結果をもとに、専門家が丁寧に対応してくれます。
なお、赤ちゃんに先天異常が起こる確率は一般的に2〜3%とされています。原因はさまざまですが、そのほとんどが妊娠初期のお薬が直接の原因とはなっていません。
万が一、お薬を飲んでしまったとしても、慌てず相談することが大切です。
インフルエンザの薬は飲んでもいいの?妊娠中に予防接種はできる?
妊娠中でもインフルエンザワクチン(不活化ワクチン)は接種できます。むしろ、重い症状や肺炎などを防ぐために、厚生労働省も予防接種を勧めています。
治療薬としては、タミフル・リレンザ・イナビルなどが使われており、これらを使用することで、入院や命にかかわるリスクが下がったという報告もあります。
これまでのところ、赤ちゃんへの影響が心配されるような報告はされていないため、妊娠中も重症化を防ぐために、インフルエンザの薬が処方されることがあります。
妊娠中の風邪を予防するためにできることはある?
妊娠中でも風邪薬が使われることはありますが、できるだけ風邪そのものを予防して防ぎたいですよね。
しかし妊娠中は免疫力が下がるため、感染症にかかりやすく、治りにくくなることもあります。
風邪予防のためには、次のことを意識してみましょう。
- 手洗い…石けんをよく泡立て、指先・指の間・手首まで30秒以上ていねいに洗いましょう。
- うがい…粘膜をうるおすことでウイルスをスムーズに外に出しやすくなります。
- マスクの着用…外側には触れず、正しく外すこともポイントです。
- 人混みを避ける…これだけでも十分な感染症予防に。
- 十分な睡眠と栄養…睡眠と1日3食の食事でしっかりと体を整えられると◎
特に妊娠初期は、つわりなどで体調が不安定になりやすい時期。「今は自分と赤ちゃんを守る時期」と考えて、無理せず過ごしましょう。
妊娠中の風邪の治し方については、こちらもご参考くださいね。
妊娠中の栄養サポートには「mamaru」がおすすめ
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妊娠中に風邪薬を飲むときはかかりつけ医に相談しよう
妊娠中でも服用できる風邪薬はありますが、妊娠の時期によって赤ちゃんへの影響が変わることもあるため、まずはかかりつけの医師に相談することが大切です。
症状がつらいときに無理をすると、かえって重症化してしまうこともあるため「薬は飲まない」と安易な自己判断も避けましょう。
妊娠中は免疫力が下がりやすい時期。日頃から手洗い・うがいなどの予防を心がけて、安心して過ごせる毎日を大切にしてくださいね。
妊娠中の栄養サポートには、妊婦さん向けサプリ「mamaru」の活用もおすすめですよ。
この記事が、少しでも風邪に悩む妊婦さんの参考になればうれしいです。
参考)
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