更新日:2024/4/30
【ビタミンA】妊婦が注意したい過剰摂取とは?注意すべき摂取方法を解説
待望の妊娠が分かると、まずは食生活を意識する方は多いのではないでしょうか。
「〇〇は積極的に摂った方がいい」
「過剰な摂取は控えましょう」
これらの情報を多く目にする女性。
“赤ちゃんを守る食事は、本当にこれで大丈夫なのかな・・”と、心配になりますよね。
本記事では、妊婦がビタミンAに注意する理由と、過剰摂取の考え方について触れていきます。
ビタミンAの過剰摂取になっていないか心配な方や、これからの食生活に注意していきたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事に登場する専門家
鳴海いく
大学卒業後、大学病院で“がんとともに生きる”がん看護に携わる。結婚、出産を経験し、現在は看護師の傍ら、医療や出産・育児の知見を生かした、女性に寄り添う記事を執筆するライター。2児の育児に奮闘中。
〈資格〉
- 保健師
- 看護師
- リンパケアセラピスト
ビタミンAとは
ビタミンAは「脂溶性ビタミン」に分類され、目や皮膚の粘膜保護や、抵抗力を強める働きをします。
暗い場所でも目が見えるのは、ビタミンAのおかげです。
ビタミンAは、大きく動物性食品と植物性食品に大きく分けられます。
主な成分 | 特徴 | 主な食べ物 | |
---|---|---|---|
動物性食品 | レチノールなど | 肝臓に蓄積しやすい | 食肉、鶏肉、魚や乳製品 |
植物性食品 | プロビタミンA(βーカロテン) | 体内で必要な量だけビタミンAに変換する | 野菜や果物・その他植物由来の製品 |
葉酸サプリは飲まない方がいい?赤ちゃんのために本当に必要な理由を詳しく解説【看護師執筆】
「妊娠中・妊活中に葉酸サプリは飲まない方がいい」と聞いたことがある方もいるかもしれませんが、それは間違いです。葉酸は厚生労働省もサプリでの摂取を推奨しており、その他にもたくさんのメリットがあります。この記事では、葉酸サプリが必要な理由を詳しく解説しています。赤ちゃんの健やかな成長のために、今から葉酸サプリを始めましょう。
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脂溶性ビタミンであるビタミンAは、ビタミンCなどの水溶性とは異なり、体内から排出されずに体内に蓄積されてしまうため、過剰摂取の注意喚起がされています。
しかし、食生活が欧米化した現在は、動物性食品を食べる機会が多く、通常の食事では過剰摂取にも不足にもならないという結果も。
特に果物や野菜に含まれるプロビタミンAは、体内で必要な量だけビタミンAに変換する特徴があるため、多く摂取しても特に問題はありません。
つまり、サプリメントを飲んだり、レバーなどを過剰に食べたりすると、過剰摂取になる可能性があるのです。
妊娠とビタミンA
妊娠中に注意したいのが「ビタミンAの過剰摂取」です。
ここでは、妊娠とビタミンAについて詳しく説明します。
妊娠中「ビタミンAの過剰摂取」に注意するのはなぜ?
妊娠中、ビタミンAの過剰摂取に注意すべき理由は、催奇形性(胎児に奇形が起こる危険性)が高くなるからです。
「特に妊娠3ヶ月以内はビタミンAの継続的な摂取は控えた方がいい」
「妊娠3ヶ月以内」と限定された表現になる理由としては、赤ちゃんの臓器が受精からおよそ10週間(妊娠12週に相当)で、ほぼ完全に形成されるためです。
(引用元:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター)
実際に、妊婦がビタミンAサプリメントを内服していた場合、内服していない妊婦に比べて子どもの先天性心疾患発症のリスクが5.78倍であったとの報告があります。
ビタミンAのサプリメントは、降圧剤や高齢出産などの要因よりも、はるかに高い関連性を示した結果です。
やはり、妊娠中や妊活中の女性は、ビタミンAのサプリメントの摂取を控えるのが望ましいでしょう。
妊娠中の推奨摂取量
妊娠中にビタミンAをどの程度摂取すればいいか、そして今ビタミンAをどのくらい摂取できているか、気になる方もいるでしょう。
厚生労働省の「平成30年国民健康・栄養調査」によると、日本人女性の1日あたりのビタミンAの平均摂取量は520μgRAEという結果でした。
日本人の食事摂取基準(2020年版)は下記の通りです。
ビタミンAの食事摂取基準(μgRAE/日)
推定平均必要量 | 推奨量※ | 耐容上限量 | |
---|---|---|---|
18歳~29歳 | 450 | 650 | 2,700 |
30歳~49歳 | 500 | 700 | 2,700 |
妊娠初期(付加量) | +0 | +0 | ー |
妊娠中期(付加量) | +0 | +0 | ー |
妊娠後期(付加量) | +60 | +80 | ー |
授乳期 (付加量) | +300 | +450 | ー |
(出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
※推奨量:ある性・年齢階級に属するほとんどの人が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量
妊娠期にある女性のビタミンAの平均摂取量は、推奨量よりやや少なめ。
食事内容によっては、ビタミンAの耐容上限量を超えてしまうおそれもあるため、ビタミンAが多く含まれる食べ物を押えておきましょう。
ビタミンAが多く含まれる食べ物
ビタミンAの過剰摂取にならないために、妊娠中に少し注意したい食べ物について、ご紹介します。
ビタミンAの過剰摂取で問題になるのは、レチノールを含む動物性食品です。
食事摂取基準の「ビタミンAの上限量:2,700μgRAE」を踏まえた目安の量を参考に、毎日の食生活に取り入れてみてください。
※ビタミンA含有量(レチノール活性当量:μgRAE) 可食部100gあたりで計算
食品名 | ビタミンA含有量 | 目安の量 |
---|---|---|
鶏レバー 生 | 14,000 | レバー串 1/2本 |
豚レバー 生 | 13,000 | レバー串 1/2本 |
うなぎ 蒲焼き | 1,500 | 2切れ程度 |
銀ダラ 生 | 1,100 | 2切れ程度 |
有塩バター | 520 | ー |
圧倒的にレバーに多く含まれ、レバー串1本摂取するだけでも1日の上限量を超えてしまうから驚きです。
毎日摂取するのではなく数日あけて摂取するなど、工夫しながら食事の中に取り入れていくといいでしょう。
ビタミンAの過剰摂取による症状
ビタミンAを過剰に摂取した場合に起こるのが、ビタミンA中毒(レチノール中毒)です。
ビタミンAの上限量である2,700μgRAEを大幅に上回る、
30,000μgRAE/日を超える容量で何ヶ月も服用し続けた後に生じるといわれます。
具体的には、下記のような症状が現れます。
【ビタミンA過剰症の症状】
- 頭痛
- 全身の皮膚の乾燥・肌荒れ
- 脱毛
- 肝障害
- 骨や関節の痛み
- 吐き気・嘔吐
- 食欲減退、体重減少
ビタミンAサプリメントの服用、もしくは重度のにきび治療としてビタミンAが摂取された場合に、ビタミンA中毒になりやすいというケースがあります。
通常ビタミンAを中止すると、1週間〜4週間以内に回復します。
ビタミンA中毒はほかの疾患との鑑別が困難な場合があるため、ビタミンAの服用をしている方は医師に必ず伝えましょう。
過剰摂取とは?
妊娠中、多くの女性が惑わされるであろう「過剰摂取」という言葉。
繰り返しになりますが、ビタミンAの過剰摂取により有害な影響が生じるのは、
1日あたりの推奨量の10倍以上を数ヶ月にわたってとり続けるなど、継続的に多量に摂取した場合です。
貧血予防のために、レバーを1食分食べた程度では、まったく問題ありません。
妊娠中に控えた方がいいカフェインも、1日2杯程度であればリラックス効果が得られるともいわれます。
つまり、「1日の摂取量よりも、どの程度継続して多量に摂取しているか」の方が重要であるといえるでしょう。
妊娠中は、あれもこれもダメと考えがち。
“ビタミンAが多いから、いつもより控えめに食べておこう”
毎日の食事が過度なストレスにならないように、この程度の認識で十分だと考えます。
ここまでは、女性の妊活について解説してきました。
しかし、妊活は男性も重要なんです!以下の記事で、夫婦共に健やかな妊活ライフを目指してみて下さい!
妊活中の男性必見!酸化ストレス対策が妊活中に必要な理由 | 助産師監修
妊活は女性のみならず男性も取り組むべき共同作業です。例えば妊活中の男性は、精子の断片化や精子の細胞を傷つける酸化ストレスをよく知り、対策する必要があります。具体的な対策は禁煙やダイエット・適切な運動や睡眠といった健康的な生活をすることです。
注意したいビタミンAの摂取方法
自身の健康のために、サプリメントや健康食品などを取り入れるのは、とても良いことですが、妊娠中は特に慎重に摂取する必要があります。
より安全で健康的な生活を送るために、ビタミンAの表示に注意しながら摂取しましょう。
サプリメント
つわりで十分な栄養を確保できない、毎日の食生活だけでは栄養のバランスが気になるという場合に重宝するサプリメント。
サプリメントを選ぶ際は、必ず成分表を確認する習慣をつけましょう。
【サプリメントを選ぶ際のポイント】
- 「ビタミンA」を含まないものを選ぶ
- 成分のビタミンAがβ-カロテンと明記してあるもの
サプリメントの成分に、ビタミンAが含有されていないことを必ず確認しましょう。
サプリメントは、少ない量で効率よく摂取できますが、特定の成分が濃縮されているため、食品よりも過剰摂取には敏感でいる必要があります。
あくまでも、バランスのとれた食生活をしたうえで、サプリメントを補助的に使用する意識で取り入れましょう。
野菜ジュース
野菜ジュースには、ビタミンAと明記されたものがあるため、サプリメントと同様、成分表の確認が必要です。
緑黄色野菜を使用した野菜ジュースは、β-カロテンが多く含まれているものもあります。
妊娠中は体重管理も必要なため、糖質を摂り過ぎないよう、飲む量には注意しましょう。
妊娠中は、血液量が増加する影響で、より多くの水分摂取が求められるため、野菜ジュースよりも水やノンカフェインの飲料がおすすめです。
妊娠中の栄養素はサプリで効率よく
妊婦がビタミンAに注意する理由と、過剰摂取の考え方、注意したいビタミンAの摂取方法について解説しました。
ビタミンのサプリメントを内服している方は、一度成分表をしっかり確認し、今の自分に本当に必要なのかを、十分吟味する必要があります。
- つわりがつらくて十分に食べられない
- 日々体調が変化して料理がきつくなった
妊娠中は、毎日の体調に左右されやすく、「本当に必要な栄養素を、本当に必要な量とれているか」、このような不安を誰もが抱えるでしょう。
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