
更新日:2025/7/30
乳児湿疹の原因は母乳?最新研究から見る本当の理由と今すぐできる対策

「赤ちゃんの湿疹、私の母乳が原因かもしれない…」と悩んでいませんか?
特に顔や頭部といった目立つところにできた湿疹は、痛々しく心配になってしまうママも多いでしょう。
そこで本記事では、最新研究で明らかになった乳児湿疹と母乳との関連性を3つのポイントを中心に解説します。
・乳児湿疹と母乳との関係
・乳児湿疹の種類と原因
・最新研究でわかった乳児脂漏性湿疹の2つの原因
また、今日からできる乳児湿疹予防のための正しいスキンケア方法もくわしく解説。おすすめのスキンケアアイテムもご紹介しています。
乳児湿疹と母乳の本当の関係を知って、赤ちゃんのために今できることを始めましょう。
この記事に登場する専門家
子育て・教育ライター つづきいくこ
妊活・不妊治療の経験を持つ一児の母。自身の経験をもとに、子育てや教育分野を中心に執筆活動を行っています。読んでいたら悩みや不安がちょっと軽くなっていた、そんな記事を書くことを大切にしています。
母乳は乳児湿疹の原因になる?
赤ちゃんの湿疹が気になると、自分の食生活の影響で母乳の質が悪いせいでは?と心配になるママは少なくありません。たしかに、過去には「母乳の質をよくするには食事制限が必要」と言われていた時期もありますが、最近の研究ではその考え方は否定されつつあります。
そんな心配をしているママに向けて、まずは、食事と母乳の関係性、そして乳児湿疹の種類と原因について詳しく解説していきます。
ママの食事は母乳にほぼ影響しない=乳児湿疹の原因にもならない
乳児湿疹と母乳との関連性について、これまでさまざまな研究が行われてきました。結論から言うと、ママの食事が母乳の質に大きく影響し、それが湿疹の原因になることは基本的にないとされています。
かつてはアレルギーや湿疹のある赤ちゃんのママに対して、食事制限をすすめる医療機関もありました。しかし現在では、極端なアレルギー症状が出ている場合を除き、母乳に含まれる成分によって湿疹が出るという根拠は明確ではないという考え方が主流です。
つまり、ママの食生活を変えることで乳児湿疹を改善させるのは難しく、食事制限の必要は基本的にありません。とくに授乳中はエネルギーや栄養素が不足しがちになるため、赤ちゃんのためだけでなくママの健康のためにも、栄養バランスのよい食事を心がけてくださいね。
母乳と食事の関係については、記事の後半でさらに詳しく解説しています。
乳児湿疹とは?種類と原因
次に「乳児湿疹とはそもそもどんなものか?」について、おさらいしておきましょう。
乳児湿疹とは、生後1年以内に発症する湿疹の総称で、時期や症状はさまざまです。母乳が直接的な原因ではないとすれば、他にどのような原因があるのでしょうか。
ここからは、乳児湿疹の主な5種類とそれぞれの原因について解説します。
- 新生児脂漏性湿疹(乳児脂漏性湿疹)
- 新生児ざ瘡
- 小児乾燥性湿疹(皮脂欠乏性湿疹)
- あせも(汗疹)
- かぶれ(おむつ・よだれ / 接触皮膚炎)
新生児脂漏性湿疹(乳児脂漏性湿疹)
- 時期: 生後2週~3カ月頃
- 部位: 頭、おでこ、眉毛、鼻周りなど、皮脂分泌が多いところ
- 特徴: 黄色っぽいかさぶたやフケのような、カサカサした状態。症状によってはベタつくこともある。かゆみは比較的少ない
- 原因: ママからのホルモンの影響による、一時的な皮脂分泌の増加。皮膚の常在菌であるマラセチア菌の影響
新生児ざ瘡
- 時期: 生後2週~3カ月頃
- 部位: 顔、とくに頬やおでこ
- 特徴: 赤いポツポツや白い芯のある「赤ちゃんニキビ」。男の子にやや多い
- 原因: ママからのホルモンの影響による皮脂分泌の増加
小児乾燥性湿疹(皮脂欠乏性湿疹)
- 時期: 生後6カ月以降に多い
- 部位: 顔、手足、体幹など、乾燥しやすいところ
- 特徴: カサカサして粉をふいたような肌になり、赤みやかゆみが出ることもある
- 原因: 赤ちゃんの皮脂分泌の減少
あせも(汗疹)
- 時期: 夏場など、汗をかきやすい時期
- 部位: 首、背中、肘や膝の裏など、汗がたまりやすいところ
- 特徴: 小さな赤いポツポツ(紅色汗疹)や、透明な水ぶくれのようなポツポツ(水晶様汗疹)。かゆみを伴うこともある
- 原因: 大量の汗をかいたことによる汗管の詰まり
かぶれ(おむつ・よだれ / 接触皮膚炎)
- 時期: おむつをしている期間や、よだれが多い時期
- 部位: お尻や陰部、太ももの付け根、口周り、あご、首など
- 特徴: 赤み、ただれ、ブツブツ、カサつき
- 原因: 尿や便、よだれに含まれる刺激物質や、蒸れ、摩擦による刺激
乳児湿疹の種類ごとのさらに詳しい原因や治し方については、こちらのコラムで解説しています。より深く知りたい方はぜひチェックしてみてください。
実はこれらの乳児湿疹のなかで、最もよく見られる「乳児脂漏性湿疹」の原因が、最新研究で明らかになってきました。次から詳しく見ていきましょう。
【最新研究で判明】乳児脂漏性湿疹の2つの原因
これまでは、乳児脂漏性湿疹の原因として、皮膚にいる「マラセチア」というカビ(真菌)が増えすぎることや、ママから赤ちゃんに伝わるホルモンの影響で皮脂が増えすぎることが考えられてきました。
しかし、国立成育医療研究センターによる最新の研究で、乳児脂漏性湿疹になりやすい赤ちゃんには、さらに2つの特徴があることがわかってきました。
- 初乳に含まれる「TGF-β」が少ない
- 出生時の肌に「セラミド」が少ない
①初乳に含まれる「TGF-β」が少ない
乳児脂漏性湿疹を発症した赤ちゃんは、母親の初乳(産後すぐ~5日くらいまで分泌される母乳)にとくに多く含まれる「TGF-β」という成分の濃度が低い傾向にあることが明らかになりました。
TGF-βは、免疫のバランスを調整し、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの発症を防ぐ働きがある成分。乳児脂漏性湿疹だけでなく、さまざまなアレルギーから赤ちゃんを守ってくれる可能性があると考えられています。
しかし残念ながら、母乳中のTGF-βを増やす具体的な方法は、現在のところわかっていません。特定の食品で増減するなどの影響も解明されていないため、ママが食事でコントロールすることは現時点では難しいでしょう。
②出生時の肌に「セラミド」が少ない
もうひとつの特徴として、乳児脂漏性皮膚炎になった新生児は、出生時の皮膚に含まれる「セラミド」や「コレステロール」といった脂質が少ない傾向にあることが判明しました。
セラミドは、肌のバリア機能を保つために非常に重要な成分です。セラミドが少ないと、肌のバリア機能が弱くなり、外部からの刺激を受けやすくなってしまう可能性があります。
乳児脂漏性湿疹の最も有効なケアは、やさしく洗う+しっかり保湿
初乳のTGF-βや出生時のセラミドを、ママが食事などによって直接的に増やす方法は、現時点では未解明です。
そのため湿疹の予防や悪化を防ぐカギは、赤ちゃんの肌を外側から適切にサポートすること。
乳児脂漏性湿疹のケアとして、「やさしく洗うこと」と「しっかり保湿すること」が非常に重要であるといえます。
今日からはじめる!乳児湿疹予防のためのスキンケア2ステップ
乳児湿疹を予防するためには、赤ちゃんの毎日のスキンケアを正しく続けることが大切です。ここからは、赤ちゃんの正しい洗い方と保湿の仕方について解説します。
ステップ①:やさしく洗う
赤ちゃんの肌を清潔に保つことは、スキンケアの基本。よく泡立てたたっぷりの泡で、手でやさしく洗うようにしましょう。
ゴシゴシこすらず、泡でなでるように洗うのがポイントです。泡で汚れを浮かせたら、すすぎ残しがないように、ていねいに洗い流してくださいね。
注意点:
- ボディタオルやボディブラシは、たとえやわらかいタイプであっても、赤ちゃんの肌には刺激が強く、皮膚を傷つけてしまう可能性があります。使用は避けましょう。
- 脇、膝裏、耳や首、肘の内側など、しわになりやすい部分は、洗い残しが生じやすい場所です。意識的にていねいに洗うように心がけてください。
洗浄料を選ぶ際は、低刺激で弱酸性のものを選ぶのがよいでしょう。新生児にもおすすめのベビーソープはこちらで紹介しています。
関連コラムもぜひ一緒にチェックしてみてくださいね。
ステップ②:しっかり保湿する
お風呂あがりの保湿は、「5分以内」がゴールデンタイムです。
入浴後の肌は、水分をたっぷり含んでいるように見えても、時間がたつとどんどん乾燥が進んでしまいます。理想は、お風呂から出て5分以内に保湿を完了させることです。
保湿剤は、「ティッシュが1枚貼りつくくらい」たっぷりと塗るのがよいでしょう。
保湿する回数は、基本は朝晩2回です。日中も乾燥が気になったら、こまめに保湿をしてください。
注意点:
・保湿剤は、均一に塗ることが大切です。乾燥などの症状がない部分も含めて、全身にまんべんなく塗ってあげてください。
赤ちゃんの保湿のやり方についてもっと知りたい方は、こちらのコラムも読んでみてください。
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新生児期からの保湿ケアが「アレルギーマーチ」予防のカギ
アレルギーマーチとは、乳幼児期にアトピー性皮膚炎を発症した赤ちゃんが、成長するにつれてぜん息やアレルギー性鼻炎など、さまざまなアレルギー疾患を次々と発症していくことを指す医療用語。
個人差はありますが、多くの場合、乳幼児期のアトピーが最初のサインとなることが多いと言われています。
しかし、新生児期からの毎日の保湿ケアが、このアレルギーマーチの予防につながると最近の研究でわかってきました。
赤ちゃんの肌のバリア機能をしっかり高めてあげることで、アレルギーの発症リスクを減らせる可能性があります。
保湿剤の選び方
赤ちゃんの保湿ケアを始めたいと思っても、たくさんの種類があり迷ってしまって決められない…
そんなママは、5つのポイントをチェックしながら保湿剤を選ぶとよいでしょう。
- セラミド配合でしっかり保湿できること: 赤ちゃんの肌に不足しがちなセラミドをはじめ、ヒアルロン酸など肌のバリア機能をサポートしてくれる成分がしっかり配合されているか確認しましょう。
- やさしい成分だけで作られていること: 無添加・低刺激など、赤ちゃんのデリケートな肌にやさしく使える成分でできていると安心です。
- 塗りやすいテクスチャーであること: 塗りやすさと赤ちゃんの肌に負担をかけないためにも、伸びがよく、べたつきにくいテクスチャーを選びましょう。
- 信頼できる品質であること: 製造元や品質管理がしっかりしているブランドを選ぶと安心です。
- 続けやすいこと: 赤ちゃんの保湿ケアは、毎日の継続が重要です。購入方法が自分のニーズにあっているか、また無理なく続けられる価格帯かも考慮しましょう。
新生児の保湿剤の選び方について、さらに詳しく知りたい方はこちらのコラムもチェックしてみてくださいね。
やさしく洗ってしっかり保湿するなら皮膚科医監修の『miteraベビースキンケアセット』
赤ちゃんの敏感な肌をやさしく洗ってしっかり保湿できるスキンケアアイテムをお探しのママにおすすめしたいのが、皮膚科医監修のベビーソープとベビーローションがセットになった『miteraベビースキンケアセット』です。
mitera organicsのコンセプトは、ママのおなかの中のやさしさ。赤ちゃんを守っている「羊水」と「胎脂」の成分をヒントに作られました。
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『mitera organics ベビーローション』も同じく、肌のバリア機能をサポートする成分を配合し、乾燥から赤ちゃんの肌をしっかりと守ってくれます。
伸びがよく塗りやすいテクスチャーで、肌なじみがよく使いやすいのが特徴。片手でもプッシュできるポンプ式なので、毎日のお風呂あがりのお手入れもノンストレスで手早く行えます。
赤ちゃんのスキンケアは毎日欠かさず行うものだから、たっぷり使えて続けやすい定期購入がおすすめ。
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甘いものを食べすぎると母乳がドロドロになる?ママの食事と母乳の関係
「甘いものや脂っこいものを食べすぎると母乳がドロドロになる」と聞いたことがあるママもいるかもしれません。しかし、これは祖父母世代によく言われていた古い言い伝えでしかなく、科学的な根拠はありません。
ここからは、ママの食事と母乳の関係と、授乳中に積極的に摂りたい栄養素について解説します。
ママの食事と母乳に関する誤解
母乳は血液を原料としてつくられています。ママが食べたものは一度体内で分解され、栄養として吸収されたあとに血液に取り込まれ、乳腺で再合成されて母乳となります。
そのため、食べたものがそのまま母乳に大きな影響を与えることはありません。
たとえば、脂っこい食事をしても、母乳が油っぽくなるわけではなく、甘いものを食べても、糖分がそのまま母乳に出ることはありません。
極端な栄養不足や偏った食生活が続かない限り、母乳の質は比較的安定しているのです。
ただし、一部影響を受けやすい栄養素もあります。
たとえば、
- 脂肪酸(とくにDHAやEPA)
- ビタミンC
- ビタミンD
- ビタミンB12
- ビタミンA
などは、ママの摂取量によって母乳中の含有量が変わることが報告されています。
これらの栄養素は赤ちゃんの発育にも大切なため、意識して摂るとよいでしょう(※1)。
授乳中に摂りたい3つの栄養素
授乳期のママの体は、赤ちゃんへの栄養供給のために、いつも以上にエネルギーと栄養素を必要としています。ここでは、母乳のために特に意識して摂りたい3つの栄養素をご紹介します。
・葉酸
・鉄分
・ビタミンD
葉酸
葉酸は、細胞の生成やDNAの合成、血液をつくる働きをサポートする栄養素です。
授乳期も引き続き必要とされますが、水溶性ビタミンで体内に蓄積されにくいため、毎日の摂取が重要です。赤ちゃんの神経系の発達にも関わる栄養素とされ、妊娠中だけでなく授乳中も欠かせません。
授乳中になぜ葉酸が必要なのか、より詳しくは以下のコラムで解説しています。ぜひ参考にしてください。
鉄分
授乳期のママは、出産による出血の影響や授乳による栄養消耗により、貧血になりやすいといわれています。母乳への直接的な影響は少ないものの、ママの体調維持のためにも鉄分補給は欠かせません。
ビタミンD
日本人女性の多くが不足しているといわれているのがビタミンDです。ビタミンDが不足すると、赤ちゃんの骨や歯の成長に影響が出る可能性があります。
とくに母乳育児の場合は、母乳中のビタミンD濃度がもともと低いため、ママが意識して摂取することが推奨されています。
授乳中のママに鉄分とビタミンDが必要な理由については、以下のコラムも参考にしてくださいね。
母乳に必要な栄養は葉酸サプリ『mamaco』がサポート!
赤ちゃんのお世話に追われていると、自分の食事はついおろそかになりがちですよね。そんななかで必要な栄養素を食事だけで摂るのは、難しいママも多いかもしれません。
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母乳によい食べ物や控えたほうがよい食べ物を知りたい方は、こちらのコラムをチェックしてみてください。
乳児湿疹はママの食事のせいじゃない!新生児期からの正しいスキンケアで対策・予防しよう
乳児湿疹は、ママの食事や母乳の成分が直接的な原因ではありません。
たとえ初乳中のTGF-βや、赤ちゃんの肌のセラミド量が関係していたとしても、それらを増やす確実な方法はなく、ママの努力ではコントロールできないことが多いのが現状です。
だからこそ、毎日のスキンケアによって肌のバリア機能をサポートすることが、乳児湿疹の予防と対策につながります。今日から正しいスキンケアを始めて、赤ちゃんの健やかな肌を育んでいきましょう!
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参考文献:
※1:Maternal diet and human milk composition: an updated systematic review - PMC
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