更新日:2024/7/30
乳児湿疹の原因から治し方、ケア方法まで完全ガイド!赤ちゃんのもちもち肌のためにできること
赤ちゃんのプリプリでもちもちな肌、ついつい触りたくなりますよね。
しかし、そんな赤ちゃんのもちもちな肌にトラブルが発生してしまい「これって乳児湿疹?」「どうすれば治るの?」「原因はなに?」と心配している方も多いでしょう。
赤ちゃんの肌は、水分量が多い一方、肌バリアが弱く、実はトラブルを起こしやすいという一面を持っています。
この記事では、赤ちゃんに起こりがちなトラブル「乳児湿疹」の種類や原因、もちもち肌をキープするためのケアの秘訣についてご紹介します。肌トラブルの対処法を知って、適切な治療や対策を行いましょう。
この記事に登場する専門家
助産師ライター かなえ
現役助産師ライター。
助産師免許取得後、助産師外来や院内助産を経験し、現在はフリースタイル出産を取り扱うクリニックで勤務。また、地域の学校や親子向けに性教育のおはなし会を開催。
【資格】
・看護師
・助産師
・保健師
・新生児蘇生法インストラクター
乳児湿疹とは?
乳児湿疹とは、生後2週間から1歳くらいの赤ちゃんの肌にできる湿疹の総称のことをいい、全ての皮膚トラブルは男の赤ちゃんの方が発症しやすい傾向があります。(※1)
また、赤ちゃんの肌トラブルは、多くの場合が一時的なもので自然に良くなることが多い傾向があります。
しかし、適切なケアができていないと、大きな肌トラブルに繋がる可能性もあると考えられています。
乳児湿疹の種類や原因に合ったケアができるように、ここから詳しく見ていきましょう。
乳児湿疹の種類と原因・治療法
乳児湿疹にはいろいろな種類のものがあります。そして、湿疹の種類や程度によってケアや治療の方法も異なります。
自己判断で間違ったケアを行うことで、症状が悪化してしまうこともあるため注意しましょう。
新生児脂漏性湿疹(乳児脂漏性湿疹)
新生児脂漏性湿疹は、皮脂腺の密度が高い顔、頭皮、胸の皮膚に生じる炎症性の皮膚トラブル。赤ちゃんでは、生後3ヶ月以内に良く起こります。
特に頭皮や耳の後ろに、黄色いジュクジュクとした液体が固まったうろこ状のかさぶたのようなものができたり、顔に赤いプツプツの湿疹ができたり、頑固なおむつかぶれなどの症状として現れます
原因
発生のメカニズムは明らかになっていませんが、皮脂の分泌が多いところに出やすいため、常在真菌のマラセチアと関連があると考えられています。
また、在胎週数(お腹の中にいた期間)が関係していると考えらえており、早産の赤ちゃんではリスクが低く、在胎週数41週以降の赤ちゃんではリスクが高い傾向があります。
ケア・治療
ベビーソープを毎日使って清潔に洗いましょう。特に頭皮は、うろこ状のかさぶたがなくなるまで毎日シャンプーしましょう。
シャンプーを使用しても良くならないようであれば、小児科や皮膚科を受診してください。
新生児にきび(新生児ざそう)
新生児にきびは、頬やおでこにできるにきびのような赤いプツプツ。生後2週間から3ヶ月くらいに発症し、男の子の赤ちゃんに多い傾向があります。
数週間〜数ヶ月で自然に軽快することが多い傾向がありますが、中には重症となることも。
原因
お腹の中にいるときに、お母さんから送られたホルモンが影響していると言われています。
特に、お腹の中でお母さんからたくさんのホルモンを受け取った赤ちゃんは、皮脂の分泌が盛んになり、毛穴が詰まりやすくなるために起こると考えられています。
ケア・治療法
ベビーソープを使って優しく洗うようにしましょう。また、肌を傷付けないよう、体を拭く時は押さえ拭きで優しく水分をとるようにしましょう。保湿も忘れずに!
軽快する様子がない時は、小児科や皮膚科に相談してみても良いでしょう。
新生児中毒性紅斑
新生児中毒性紅斑とは、特に生後間もないうちに全身に現れる平たい赤い斑点のこと。
にきびのような白い盛り上がりが中央にあることも多いです。通常1〜2週間程度で消えていきます。
原因
はっきりとした原因は分かっていませんが、外の環境に適応する過程で現れる生理的な兆候だと考えられています。
さまざまな刺激によって症状が出たり引いたりすることがあり、泣いた時やお風呂のときに現れることもあります。
ケア・治療法
自然に軽快することが多いため、特別なケアは必要ありません。自然に治らない場合は他の病気の可能性もあるため、小児科や皮膚科を受診しましょう。
小児乾燥性湿疹
小児乾燥性湿疹は、皮膚が乾燥して起こる鳥肌のように見える小さなボツボツ。かゆみがあり、お腹や背中に現れることが多い症状です。
悪化すると粉をふいた赤い湿疹や、皮膚のひび割れが見られることがあります。
原因
肌の乾燥が原因で、外の刺激から守るための肌のバリア機能がうまく働かないことによって起きると考えられています。
ケア・治療法
肌のバリア機能を回復させるためのケアが必要です。熱いお湯や擦るなどの外的刺激を最小限にすることのほか、入浴時や入浴後は、低刺激で優しく保湿効果のある石鹸や保湿剤を使いましょう。
また、かゆみがあるときはかくことが刺激となり悪化してしまう可能があるため、皮膚科に受診しましょう。
あせも
あせもは汗かぶれと間違われやすい、汗が関係する肌トラブルのうちのひとつです。汗をかく暑い時期に起こりやすく、汗をかく場所にブツブツが出る症状のことをいいます。
原因
汗の出口である汗腺が塞がり、皮膚の中に汗がたまることによって起こります。また、どの部分で汗腺が塞がるかによって皮膚にあわられる症状も変わります。
ケア・治療法
症状が出ている場所を冷やし、乾燥させましょう。また、汗をかくことにより症状が悪化することがあるため、空調や服などで涼しく通気性の良い状態にするのが良いでしょう。
肌に直接触れる下着は、吸水性や通気性が良い自然素材のものがおすすめです。
赤ちゃんを優しく洗うときに使うベビーソープの選び方は、こちらを参考にしてみてくださいね。
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乳児湿疹とアトピーの違いは?
乳児湿疹とアトピーを症状で見分けるのはとても難しいですが、症状が軽快して治っていくか、慢性化するかというのがひとつめの違いです。
紹介してきたように、乳児湿疹は症状が出ても軽快していくことが多い傾向があります。しかし、アトピーは悪化と軽快を繰り返しながら症状が慢性的に続きます。症状が2ヶ月以上続けば、アトピーと診断されます。
また、この二つは原因に大きな違いがあります。アトピーは、遺伝や肌のバリア機能障害、免疫、環境などが関係しています。中でも遺伝的な要因は大きく影響します。また、乳幼児期のアトピーは「アレルギーマーチ 」の始まりになることが多いと言われています。
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「アレルギーマーチ」とは?
アレルギー体質の人が成長するにつれていろいろなアレルギー性疾患に悩まされることを表す医療用語です。
アレルギーマーチは、乳幼児期のアトピーを始まりに、アレルギー性疾患が次々と出現することをいいます。アレルギー性疾患には、アトピー以外に食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などがあります。
乳児湿疹の受診の目安は?
乳児湿疹は、肌のバリア機能が強くなるのに伴って、自然に治癒していくことが多い傾向があります。しかし、正しいケアをしても良くならない場合は小児科か皮膚科を受診しましょう。
以下の場合が病院に行くタイミングと目安です。
- 正しいスキンケアをしても良くならない
- 肌荒れ症状が悪化している
- かゆみ、痛み、赤みが強い
- 症状が機嫌や睡眠に影響している
- 湿疹などの肌トラブルを繰り返している
乳児湿疹が出ているときのスキンケアのコツ
乳児湿疹が出ているときは、「やさしく」「ていねいに」「しっとり」がキーワードです。
多くの乳児湿疹は、赤ちゃんの肌のバリア機能が弱いことが関係しています。そのため、肌のバリア機能を守るケアを心がけましょう。(※1)
低刺激のベビーソープで優しく洗う
赤ちゃんは肌のトラブルがあってもなくても、低刺激のスキンケア用品を使うことが大切です。特に肌のトラブルがあるときは、より刺激に対して敏感になっているので優しいものを使いましょう。
赤ちゃんの肌は、外の刺激から肌を守るための一番外側の角質層がとても薄いという特徴があります。そのため、刺激に弱く乾燥しやすい状態です。
肌にいる常在菌は、弱酸性の状態で働き、肌のバリア機能を高めてくれます。しかし、赤ちゃんの肌のpHは、中性に保たれています。その点でも赤ちゃんの肌は外からの刺激の影響を受けやすい状態なのです。
また、石鹸が残ってしまうと刺激になるため、洗った後はていねいにしっかりと流すことも忘れずにしてくださいね。
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そもそも赤ちゃんにベビーソープって必要なの?
「赤ちゃんの肌が刺激に弱いんだったら、洗うときには何も使わない方がいいんじゃないの?」と思うかもしれません。しかし、実はベビーソープなどの洗浄剤を使用した方が、赤ちゃんの肌の水分量が保たれるということが分かっています。
さらに、しっかり泡立てたベビーソープを使用することで、水分が保たれ、さらに肌のpHも戻るという報告も。(※1)
そのため、「お湯だけで洗う」「沐浴剤の入ったお風呂に入る」よりも、ベビーソープをしっかり泡立てて洗う方が赤ちゃんの肌の健康のためにおすすめといえるのです。
低刺激&うるおいが続くベビーソープならmitera baby soap
赤ちゃんをやさしく、しっとりと洗うことができるベビーソープなら「mitera baby soap(ミテラベビーソープ)」がおすすめです。
mitera baby soapは、アトピーの治療経験が豊富な皮膚科医が全面監修した、赤ちゃんの肌トラブルが出ているときにも使うことができる優しい石鹸。
完全無添加なのはもちろんのこと、天然由来の成分で赤ちゃんの肌を守り、健やかに保ちます。
また、mitera baby soapには天然成分のアミノ酸がたくさん含まれています。アミノ酸は、私たちの肌や髪などを作るタンパク質の元になる成分です。アミノ酸が赤ちゃんの肌を健やかに保ってくれますよ。
その他、自然素材のオイルも数種類配合されているため、入浴後もしっとりとした潤いをキープしてくれるというのも、乾燥しやすい赤ちゃんの肌にとって嬉しいポイントです。
肌トラブルがある赤ちゃんにこそ、使ってみてほしいmitera baby soap。赤ちゃんのことだけを考えて開発された石鹸で、敏感なお肌を守り育んでみませんか?
たっぷりの保湿クリームですばやく保湿する
入浴後は、しっかりと保湿剤で保湿するというのも大切なポイントです。保湿剤を使用したスキンケアを続けることにより、角質層の水分量が高くなり、水分蒸発量が低くなることが期待できます。
また、保湿剤を使用したスキンケアは、1〜3歳まで続けることで角質層の水分量が優位に高くなるという報告も。(※1)
入浴後は、肌が乾燥しやすくなるため素早く保湿するようにしましょう。また、保湿剤は皮膚の表面がテカテカするくらいたっぷり使用するのがおすすめですよ。
保湿成分がぎゅっと凝縮されたクリームならmitera organics
赤ちゃんの保湿剤としてもおすすめなのが、mitera organics(ミテラオーガニクス)です。
mitera organicsは、妊娠線予防のためのバルーンクリームとして開発された保湿クリームですが、天然由来の成分だけで作られているので、肌のデリケートな赤ちゃんの保湿にもぴったりです。
こちらも皮膚科医の監修がされていて、肌荒れなどの肌トラブルにアプローチする、保湿効果の高い無添加のエキスが多数含まれています。
弱酸性、無添加、低刺激でやさしく使うことができるほか、着色料、アルコール、鉱物油、石油系界面活性剤、合成香料、パラベンフリーの国内認定の工場で作られている信頼できる商品です。
微香性タイプと無香料タイプがありますが、赤ちゃんに使うときは無香料タイプをどうぞ。もちろん全身に使えますよ。
天然の保湿&美容成分をたっぷり配合したmitera organicsを、お風呂上がりの赤ちゃんにたっぷりと塗ってあげてくださいね。
赤ちゃんのスキンケアのまとめ
お肌が敏感な赤ちゃんのスキンケアは、こちらのポイントを意識して行いましょう。
【入浴時】
- 入浴時は、顔も含めてベビーソープを使用しましょう
- ベビーソープを使うときは、しっかりと泡立てましょう
- 洗うときには、ガーゼなどを使わずに手で洗いましょう
【入浴後】
- 水分を拭き取るときは、押さえ拭きで摩擦しないようにしましょう
- 水分の蒸発を防ぐために、保湿剤を使用しましょう
- 石鹸が残らないようにていねいに流しましょう
【その他】
- 赤ちゃんに使うタオルや服などは優しい洗剤を使用しましょう
- 赤ちゃんが身に着ける服などは吸水性や通気性の良い自然素材のものにしましょう
- 快適な環境にしましょう
ベビーソープっていつまで使うものなの?という疑問には、こちらの記事を参考にどうぞ!▼
ベビーソープはいつまで使うもの?卒業タイミングは赤ちゃんの成長にあった!【助産師監修】
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乳児湿疹に関する気になるQ&A
ここでは、その他の乳児湿疹に関するよくあるQ&Aをご紹介します。
乳児湿疹はいつまで続くもの?自然治癒することはある?
乳児湿疹の多くは自然に良くなることが多いのが特徴です。赤ちゃんのバリア機能が高まる1歳頃までには落ち着くことが多いでしょう。
乳児湿疹はいつから出始めるの?
乳児湿疹は、一般的には生後2週間から2ヶ月くらいの時期によくみられます。自然に良くなることが多く、1ヶ月以内に軽快していく傾向にあります。
乳児湿疹にワセリンを使ってもいい?
乳児湿疹の中には、ケアにワセリンを使うことが推奨される症状もあります。
しかし、自己判断でワセリンを使うと、悪化してしまうこともあります。使用したいときは、一度小児科や皮膚科で相談するのが良いでしょう。
乳児湿疹の治療にステロイドを使うことはある?
赤ちゃんの湿疹の程度によっては、ステロイドを使用することもあるでしょう。もし、ステロイドを使うことに不安や抵抗がある場合は、かかりつけ医にその気持ちを含めて相談しながら治療を進めるのがいいかもしれませんね。
ステロイドに抵抗を持っているお母さんもいると思いますが、ステロイドには優しいものもあります。医師の管理のもと使用すれば問題ありませんので、安心してくださいね。
乳児湿疹は適切なケアが大切!正しいスキンケアで赤ちゃんのお肌を守ろう
乳児湿疹とひとくちにいっても、症状によって原因やケアの方法も全く異なります。
しかし、知っておきたいのはきれいでプリプリに見える赤ちゃんの肌は、実はとてもデリケートで刺激に弱いという性質を持っているということです。
乳児湿疹のようなトラブルがある肌でも、トラブルがない肌でも、赤ちゃんのお肌にはていねいなスキンケアが必要。スキンケアをするときには、「やさしく」「ていねいに」「しっとり」がポイントです。
そして、この3つを兼ね備えた赤ちゃんのスキンケアにおすすめなのが、ベビーソープの「mitera baby soap」と保湿クリームの「mitera organics」です。
皮膚科医監修のもと開発されたこれらの商品は、どちらも無添加で低刺激なので、赤ちゃんの肌への刺激が少なくトラブルのあるお肌にもやさしく使うことができます。
また、優しい天然由来の成分でできているというところも嬉しいポイントです。「やさしく」「ていねい」に洗い、「しっとり」と保湿することで刺激から敏感な赤ちゃんの肌を守ってあげましょう。
乳児湿疹が悪化してアトピーになる場合もあるのと同時に、正しいスキンケアを行うことでアトピーを予防できることも分かっています。
そのため、生まれてすぐからの赤ちゃんのスキンケアは思っている以上に大切です。まずは、外の刺激からお父さんやお母さんが守ってあげましょう。
参考文献:
(※1)新生児期の皮膚トラブル実態とその関連т因 Prevalence and risk factors for skin problems among newborns
(※2)高橋郁子ら、乳児のスキンケアに関する文献検討、2020
その他参考文献:
汗疹 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
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