更新日:2024/11/8
妊娠糖尿病にひっかからないためにできること|食事のコツから赤ちゃんへの影響まで詳しく解説
妊娠中に発症し、さまざまな影響をおよぼす妊娠糖尿病。妊娠中のママは「健診で妊娠糖尿病にひっかからないためにはどうすればよいの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、妊娠糖尿病の検査にひっかからないための対策や妊娠糖尿病による影響、血糖値の上がらない食事のとり方などについて詳しく解説します。
妊娠糖尿病について理解を深め、発症を回避しましょう。
この記事に登場する専門家
医療ライター 遠藤 たまこ
大学病院の医療事務として妊婦健診業務に従事。自身も不妊治療を経験。夫の転勤を機に退職し、前職の知識と自身の経験を活かし、医療ライターとして活動中。
妊娠糖尿病にひっかからないためにどうすればよい?
日本人は欧米人に比べて、妊娠糖尿病を発症しやすいとされています。そんななかで、健診で妊娠糖尿病にひっかからないためにすべき行動は以下のとおりです。
- 規則正しい健康的な食生活を心がける
- 適度に運動する
- 適切な体重管理をする
具体的にとるべき行動について詳しく見ていきましょう。
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そもそも「妊娠糖尿病」ってなに?
妊娠糖尿病とは、もともと糖尿病を患っていなかったのにもかかわらず、妊娠をきっかけに発見された糖代謝異常です。
妊娠すると血糖値が上がりやすくなります。通常であれば、膵臓でつくられる「インスリン」というホルモンの働きによって血糖は調節されますが、妊娠すると胎盤から出るホルモンによってインスリンが働きづらくなるのが原因とされます。
特に妊娠後半は高血糖になりやすいため、注意して生活する必要があります。
規則正しい健康的な食生活を心がける
妊娠糖尿病の検査にひっかからないようにするためには、規則正しい健康的な食生活を心がけることが大切です。毎日時間を決めて食事をすることで、血糖コントロールがしやすくなります。
1日の食事を3回ではなく、間食と合わせて6回などに分割するのも効果的です。分割して食べることで1回の食事量を減らし、1日の血糖の変動を少なくできます。
間食にはおにぎりやシリアル、フルーツヨーグルト和えといった軽めのものがおすすめです。血糖値の上がらない食事の方法については、こちらをご覧ください。
また、妊娠中に摂るべき栄養素は以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【最新】妊娠中に取るべき栄養素7選!
妊娠中には、赤ちゃんの栄養が心配のお母さんも多いはず。そこでこの記事では、妊娠中に重要な栄養素を7つ紹介し、それぞれの栄養素別におすすめの食材を紹介します!ママさん必見です!
適度に運動する
適度な運動は、妊娠糖尿病の対策として効果的です。運動によって筋肉への血流が増えると、インスリンの効果が高まり血糖値が低下します。
妊娠中は、次のような運動がおすすめです。
- ウォーキング
- 体操
- ヨガ
ただし、高血圧や貧血を起こしている妊婦さんや、性器から出血があったり子宮頚管が短くなったりしている妊婦さんは運動できません。
適度な運動は妊娠糖尿病の予防になりますが、運動してもよいかどうかは必ず健診時に医師に相談しましょう。
適切な体重管理をする
妊娠糖尿病の検査にひっかからないためには、適切な体重管理が重要です。妊娠中にママの体重が増えすぎると、妊娠糖尿病のリスクが高まるとされています。
妊娠中の体重増加の目安は、妊娠前のBMIによって決まります。具体的な体重増加の目安は以下のとおりです。
- 1妊娠前のBMIが18.5未満:+12~15kg
- 2妊娠前のBMIが18.5~25:10~13kg
- 3妊娠前のBMIが25~30:7~10kg
- 4妊娠前のBMIが30以上:個別対応(上限5kgまでが目安)
妊娠中に過剰な体重増加があった女性は、妊娠糖尿病だけでなく将来の糖尿病や高血圧、肥満のリスクが高まる可能性があります。
妊娠糖尿病にならないためにも、自身の将来のためにも、体重が増えすぎないよう注意して生活しましょう。
妊婦さんの体重増加の目安や、体重コントロールのコツなどについては以下の記事にて詳しく解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
妊婦体重増加の目安は?理想的な増え方とコントロールのコツを助産師が紹介!
妊婦体重増加は、元の体格によって異なります。妊娠中の体重増加が多すぎても少なすぎても、母子に影響があると考えられています。妊娠中は元の体格に合った体重の増加と、健康的に過ごすために生活習慣を整えることが大切です。この記事では、妊娠中の理想的な体重の増え方と健康的に過ごすためのコツを紹介します。
妊娠糖尿病はママと赤ちゃんにどんな影響がある?
妊婦さんのなかには「実際に妊娠糖尿病になると、どうなってしまうの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。妊娠糖尿病になると、ママにも赤ちゃんにも影響があります。
ここからは、妊娠糖尿病によって起こり得る具体的な影響を詳しく見ていきましょう。
ママへの影響
妊娠糖尿病を発症すると、ママに次のような影響が見られます。
- 帝王切開率の上昇
- 妊娠高血圧症候群
- 流産・早産
- 羊水過多
- 感染症の併発
妊娠37週を待たずに生まれてしまう早産では、赤ちゃんの成長が未熟なため、重篤な障害が現れる可能性があります。
また、妊娠高血圧症候群が重症化すると、けいれん発作や脳出血を引き起こしたり、出産予定日前に胎盤が子宮の壁からはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」を起こしたりするおそれも。
妊娠糖尿病は高血糖になるだけでなく、さまざまな合併症を引き起こす危険な症状です。ママも赤ちゃんも危険な状態になる可能性があるため、妊娠糖尿病にならないよう予防することが大切です。
赤ちゃんへの影響
妊娠糖尿病による赤ちゃんへの影響は、以下のとおりです。
- 巨大児
- 肩甲難産
- 子宮内胎児死亡
- 新生児低血糖
- 新生児高ビリルビン血症
- 低カルシウム血症
- 呼吸窮迫症候群
妊娠糖尿病のママのおなかで育った赤ちゃんは、生まれるときの体重が4,000g以上の巨大児になったり、お産のときに赤ちゃんの肩がひっかかって難産になったりすることがあります。
最悪の場合は、ママのおなかの中で赤ちゃんが亡くなってしまうケースも。
また、妊娠糖尿病のママから生まれた赤ちゃんは、将来肥満や糖尿病になりやすいと言われています。赤ちゃんが無事に誕生し、健やかに成長できる確率を上げるためにも、妊娠糖尿病にならないよう注意したいですね。
なお、以下の記事では妊娠糖尿病によるママと赤ちゃんへの影響をより詳しく解説しています。検査や治療方法などについても説明しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
妊婦の正常な血糖値はどれくらい?妊娠糖尿病のリスクについて詳しく解説【助産師執筆】
妊娠中はカラダの中でさまざまな変化が起きることで、これまでは問題なかった糖質の代謝がうまくできず、血糖値が高くなる妊婦さんも。中には「妊娠糖尿病」と診断される方もいます。今回の記事では妊婦の正常な血糖値から、妊娠糖尿病とはどんな病気なのか、血糖値が高めだと言われたときに気をつけたいポイントまで詳しく解説していきます。
妊娠糖尿病になる確率は?
妊娠糖尿病は、約12%の妊婦さんに見られるとされています。近年は、以下の理由から、妊娠糖尿病の患者さんが増加傾向です。
- 晩婚化
- 出産年齢の高齢化
- 糖尿病患者の増加(妊娠前からの糖尿病)
妊娠糖尿病は自覚できるような症状がほとんどありません。誰でも妊娠糖尿病になる可能性があることを理解し、発症リスクの高い人は特に注意して生活を送りましょう。
妊娠糖尿病になりやすい人の特徴については次で解説します。
参考文献:日本内分泌学会「妊娠糖尿病」
妊娠糖尿病になりやすい人の特徴は?
妊娠糖尿病になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。
- 家族に糖尿病の人がいる妊婦さん
- 肥満の妊婦さん
- 35歳以上の高年齢の妊婦さん
- 巨大児の出産経験がある妊婦さん
- 原因不明の流産・早産・死産の経験がある妊婦さん
- 羊水過多症の妊婦さん
- 妊娠高血圧症候群の妊婦さん(以前の妊娠時も含む)
妊娠糖尿病になりやすい特徴はたくさんあります。これらのリスクがある妊婦さんは、積極的に検査を受けたり、適切な時期にきちんと妊婦健診を受けたりするようにしましょう。
妊娠糖尿病予防のために意識したい血糖値が上がらない食事のとり方
ここからは、妊娠糖尿病にならないようにするための「血糖値の上がらない食事のとり方」について解説します。妊娠糖尿病リスクの高い妊婦さんや、発症を避けたい妊婦さんはぜひ実践してみてください。
食物繊維の多い食べ物を食べる
血糖値が上がらないようにするためには、食物繊維の多い食べ物を食べることが重要です。食物繊維には食後の血糖値の上昇をおさえる効果があります。
具体的には、次の食べ物に多く含まれています。
- 納豆
- さつまいも
- 切り干し大根
- ごぼう
- しいたけ
- ひじき
ほかにも、白米よりも玄米や麦ごはんのほうが食物繊維を多く含んでいるため、毎食のお米を玄米や麦ごはんに変えるのも効果的です。成人女性の食物繊維の1日摂取目標である、18g以上の摂取を心がけましょう。
また、食物繊維は多くの妊婦さんが悩まされる便秘の解消にも役立つので、積極的に食事に取り入れてみてくださいね。
妊婦さんの便秘改善については、以下の記事にて詳しく解説しているのでこちらもぜひご覧ください。
妊婦は便秘になりやすい?妊婦を困らせる便秘の原因と改善方法を解説【薬剤師執筆】
妊娠中はホルモンバランスの変化や食生活と運動量の変化等、様々な理由から便秘になります。妊娠中でもできる便秘対策も合わせて紹介します。
GI値の低い食べ物を選ぶ
血糖値の上昇を防ぐためには、GI値の低い食べ物を選びましょう。GI値とは、食後の血糖値の上昇度を示す数値で、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略です。
GI値の低い食べ物は、次のようなものがあります。
- 玄米
- さつまいも
- 豆腐
- 卵
- フルーツ
- ヨーグルト
一方で、食パンやチョコレート、精白米などはGI値の高い食品です。妊娠糖尿病を避けるためには、GI値を意識して食品を選ぶと良いでしょう。
食べる順番を工夫する
食べる順番によっても血糖値の上がり方は変わってきます。食後の血糖値を急激に上げないための食べる順番は以下のとおりです。
- 副菜(野菜、キノコ類など)
- 主菜(肉、魚など)
- 主食(ごはん、パンなど)
まずは、サラダやおひたしといった野菜やキノコ類などの食物繊維を多く含む食品から食べ始めてください。
次に、肉や魚などのたんぱく質を多く含む食品に移ります。血糖値が上がりやすい、ごはんやパンなどの炭水化物は最後に食べましょう。
体重管理と栄養補給を両立するならサプリメントの活用もおすすめ
妊娠糖尿病の発症を防ぐために「規則正しい食生活を心がけてバランス良く栄養を摂らなければ…」と思いつつも、「家事や仕事が忙しくなかなか実現できない」という妊婦さんも多いのではないでしょうか。
そんな方には、バランスの整った栄養素を手軽に摂れる妊娠期専用のサプリメント「mamaru」がおすすめです。
妊娠糖尿病の予防には食物繊維の多い食品を食べることが重要ですが、mamaruには食物繊維もしっかり配合。
加えて、妊娠中に不足しがちな鉄分や、赤ちゃんの細胞分裂に関わる亜鉛、カルシウムなどの栄養素もたっぷりと含んでいます。
また、mamaruには赤ちゃんの先天性障害である神経管閉鎖障害リスクの低下や、ママの妊娠合併症を予防する可能性があるとされている「葉酸」が含まれている点も魅力です。
妊娠糖尿病にならないためには、体重管理と栄養補給が大切です。「体重が増え気味だから少し調整したほうがいいかな」というママも、mamaruなら体重コントロールをしつつ、ママの健康と赤ちゃんの成長に欠かせない栄養をオールインワンで摂取できますよ。
妊娠中の忙しい日々と、ママと赤ちゃんの健康サポートを両立するためにも、ぜひ今から「mamaru」を始めてみてくださいね。
妊娠糖尿病にひっかからないために今から食生活の見直しを始めよう
妊娠糖尿病の検査にひっかからないためには、以下を心がけることが重要です。
- 規則正しい健康的な食生活を心がける
- 適度に運動する
- 適切な体重管理をする
なかでも、規則正しい食生活の見直しは必須です。妊娠中は食物繊維を含む食べ物を多く食べたり、GI値の低い食品を選んだり、食事の内容を意識しましょう。
とはいえ、出産までの10か月間、妊娠糖尿病予防のための食事をずっと続けるのは体力的にも精神的にも簡単ではありません。そんな場合は、サプリメントの活用がおすすめです。
妊娠期専用のサプリ「mamaru」なら、血糖値の上昇をおさえる食物繊維だけでなく、鉄分やビタミンB群、ミネラルなどママと赤ちゃんの健康をサポートしてくれる栄養素がたっぷりと配合されています。
「妊娠糖尿病は避けたいけれど、いきなり生活を変えるのは難しい」という妊婦さんは、はじめの一歩としてぜひ手軽なサプリメントの摂取から始めてみてくださいね。
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