
更新日:2025/10/28
つわりに使える吐き気止めはある?助産師が解説する薬の種類と吐きづわりを乗り越えるコツ

妊娠初期、多くの妊婦さんが経験する吐きづわり。
今回の記事では、つらい吐きづわりに悩む妊婦さんに向けて、妊娠中に使うことができる「吐き気止め」について助産師が詳しく紹介します。
・つわりの症状に吐き気止めは使える?
・つわりに処方される吐き気止めの種類
・つわりの吐き気止めに関するQ&A
・吐きづわりを乗り切るためのポイント
・吐きづわりが辛いときの受診の目安
つわりの時期を乗り切るヒントになると嬉しいです。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmamaru監修・産婦人科医】まきレディスクリニック院長 風本真希先生
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、検診乳腺超音波 認定医
毎日多くの妊婦さんの検診に立会い、相談にのっている。患者さんのお話に真摯に耳を傾けることが信条。
"葉酸だけでいい” そう思っていませんか?
実は妊婦さんに必要な栄養素は葉酸だけではありません。妊活期に比べ鉄分がより必要になるだけでなく、ビタミン・ミネラルと様々な栄養素をまんべんなく摂ることが大切です。
"体のコンディションの変化や、日常生活の成約がたくさん”。妊娠中は、体のコンディションの変化や、お腹に赤ちゃんがいるというこれまでと異なる環境の中、生活にも様々な制約が。
日々の健康に気を使い、体調管理することが大切です。
つわりの症状に吐き気止めは使える?
つわりの症状に対して、吐き気止めを使うことは可能です。
しかし、つわりの症状が出始める妊娠初期は赤ちゃんの主要な臓器が作られる大切な時期。そのため、自己判断で市販の薬を使うのは危険です。
症状がつらいときには、かかりつけ医に相談して処方された薬を使用するようにしましょう。
つわりに処方される吐き気止め一覧
つわりの症状に処方される吐き気止めには、飲み薬と点滴薬があります。
吐き気が強かったり摂ったものをすぐに吐いてしまう場合は、飲み薬では十分な効果が得られない場合も。そのような場合には点滴治療が有効なこともあります。
ここでは、医師から処方されるつわりの吐き気止めの種類を紹介します。
飲み薬
つわりの症状が軽度〜中等度の場合には、飲み薬を使用することができます。
♦︎飲み薬で使用される吐き気止め
- メトクロプラミド(プリンペラン)
- ドンペリドン(ナウゼリン)
- 抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンやメクリジン)
- ビタミンB6(ピリドキシン)
- 生薬・漢方(小半夏加茯苓湯など)
メトクロプラミド(プリンペラン)
最も一般的に使用される薬。脳の「嘔吐中枢」に働きかけ、吐き気や嘔吐を軽くする。妊娠初期から中期にかけて、吐き気で食事や水分がとれない場合に、最初に処方されることが多い吐き気止め。
ドンペリドン(ナウゼリン)
プリンペランに次いでよく使用される薬。胃の働きを助け、消化を促しながら吐き気を和らげる。
抗ヒスタミン薬
軽度のつわりや夜間の吐き気に使われることがある薬。めまいや吐き気を引き起こす「ヒスタミン」という物質を抑える。妊娠初期でも比較的安全で、海外では第一選択薬にもなっている。眠気が出やすいという特徴がある。
ビタミンB6(ピリドキシン)
軽いつわりや予防の目的で処方されることがある。神経や代謝を整え、吐き気を軽減する。バナナやまぐろ、鶏むね肉などに含まれ、食事から摂取することもできる。
生薬・漢方
胃腸を整え、体のバランスを調える。つわりの体質に合わせて処方される。(※2)
点滴治療
つわりの症状が強く、内服による治療が難しい場合は、点滴治療を行います。
つわりによって脱水を起こすと吐きづわりの症状を悪化させてしまうため、脱水や体重減少が著しい場合は、入院して点滴による輸液を継続して行う場合もあります。
♦︎点滴治療に使用される吐き気止め
- メトクロプラミド(プリンペラン)
- オンダンセトロン
- 抗ヒスタミン薬
オンダンセトロン
「セロトニン」という神経伝達物質が吐き気を引き起こすのをブロックする。プリンペランなどで効果が不十分な場合などに使用される。
このほか、栄養摂取ができないことによる脳の神経障害(ウェルニッケ脳症)を予防する目的で、ビタミンB1を使用することもあります。
このように、吐き気止めにはいろいろな種類がありますが、これらの薬が赤ちゃんに大きな影響を与えたという報告は認められていません。(※1)
「つわりはいつからいつまで続くの?」という疑問に対しては、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
つわりの吐き気止めに関するQ&A
ここでは、吐き気止めに関するよくある質問に助産師が答えます。
吐き気止めが効かないことはある?
残念ながら、人によっては吐き気止めが効かないこともあります。つわりの症状は個人差が大きいため、同じ薬でもよく効く人とそうでない人がいます。
つわりはホルモンの影響、体質、ストレス、睡眠などいろいろなことが関係して起こると考えられていますが、吐き気止めでこれらを変えることはできないため、吐き気がなくならない人もいるのです。
しかし、症状を和らげることができる可能性はあります。もし処方された薬で十分でない場合は、かかりつけ医に相談して他の方法を試してみることもできますよ。
中には妊娠中期につわりが振り返す方も。中期のつわりに関してはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
吐き気止めに副作用はある?
どのような薬にも、少なからず効果と副作用はつきもの。しかし、妊娠中に使うことができる吐き気止めは、赤ちゃんへの安全性が確認されているものです。
お母さんへの副作用としては、眠気やだるさ、口の乾きや便秘などがあるものもありますが、妊娠経過そのものへの影響はないとされています。
反対に、吐き気止めを使わずにつわりの症状が悪化して脱水や栄養不足が深刻になると、赤ちゃんの成長や発達に悪影響を及ぼす可能性があります。
つわりで処方された吐き気止めは保険適用になる?
クリニックにもよりますが、医師が必要と判断して処方される吐き気止めは、基本的に保険適用になります。一方で、自己判断でドラッグストアなどで購入する市販薬は保険適用外です。
妊娠中は、必ず医師の診察を受けて、指示のある薬剤のみを使用しましょう。
吐きづわりを少しでも緩和する過ごし方3つ
つわりによる吐き気や嘔吐がつらいときは吐き気止めを使用できますが、一番の治療は心身の安静のための休養です。
ここからは、吐きづわりを和らげるための日常生活の工夫を3つ紹介します。
食事の工夫をする
吐きづわりがあるときは、工夫して食事を摂ることが大切です。
◆吐きづわりの食事のポイント
- 食べられるときに食べられるものを摂る
- においや味が強くないものを選ぶ
- できるだけたんぱく質を意識する
- 手軽に食べられるものを持ち歩く
- 水分補給を意識する
つわりの時期は、「3食バランスよく」でなくて大丈夫!色々試しながら食べやすいものを食べられるタイミングで食べましょう。
主食ひとつをとっても、形や温度を変えるだけで食べやすくなることも。炊きたてのご飯は食べられなくても、冷たい麺なら食べられる!という方も多いですよ。
また、栄養成分の中でも、ビタミンB6はつわりを軽減させる働きがあることが分かっています。バナナやさつまいも、酵母パンなどはつわりの症状があっても比較的摂りやすいですよ。
ビタミンB6のほかにも、生姜は吐き気を抑える働きがあります。食べられそうなら、汁物に入れたりジンジャークッキーを試してみたりしても良いかもしれませんね。
つわり中の栄養補給はサプリに頼ろう

つわりで思うように食事が進まない場合は、サプリの活用も◎。バランスのとれた食事が難しくても、手軽に栄養補給をすることができますよ。
つわり中の栄養補給におすすめなのが、葉酸サプリの「mamaru(ママル)」です。mamaruは、産婦人科医が監修した妊娠期に特化して作られたサプリメント。

なんと、業界最小レベルの粒サイズと匂いを抑えた特別な加工がされていて、つわり中の妊婦さんにぴったりの飲みやすいサプリなんです!
もちろん飲みやすさだけでなく、栄養成分もたっぷり。厚生労働省で妊娠期に摂ることが勧められている、葉酸を始めとした栄養素をオールインワンで摂ることができます。
ビタミンB1、B2、B6、B12、C、D、E、ミネラルなどのマルチビタミンなども配合され、これらのマルチビタミンは、つわりの予防にも有効な栄養素として知られています。
また、つわりの時期に多くの妊婦さんが悩むのが便秘。mamaruは、お腹のトラブル予防のための菌活サポート成分も一緒に含まれています。
サプリで栄養を補給しながら、つわりの症状や妊娠中のトラブルも和らげることができたら嬉しいですよね。
さらに、品質にもこだわっており、GMPマーク・安心安全マークを取得、さらに無添加処方も嬉しいポイント。
「つわりで食事が難しい」「赤ちゃんの栄養が心配」という妊婦さんは、mamaruで足りない栄養をカバーしませんか?
どこよりもお得に始められる公式サイトは、こちらからチェックできますよ。
つわりの症状を和らげる働きのある「ビタミンB6」に関しては、こちらの記事も参考にしてみてくださいね!
におい対策を行う
つわりの時期は、ちょっとした匂いにも敏感になりやすくなります。
吐き気対策として、料理中の匂いを和らげる環境作りもおすすめです。
- 苦手だと感じる匂いのする料理をしない
- 換気をしながら調理する
- ゴミを溜めないようにする
- ふた付きのゴミ箱を使う
またつわり中は、普段使っている洗剤や石鹸、香水の匂いや体臭などで気持ち悪くなることも。
芳香剤や洗剤を無香料のものに変えたり、レモンやペパーミントなど爽やかな香りがするアロマオイルを垂らしたりするのもおすすめですよ。
一緒に生活している家族の協力も必要です。一緒ににおい対策をしてもらいましょう。
できるだけ休息をとる
つわりの時期は、食事がとりにくく摂取エネルギーが少ないのに、エネルギーの消耗は大きくなってしまいます。そのため、無理せずにしっかり休息を摂ることも大切です。
疲労や睡眠が十分に取れない状態が続くと、自律神経が乱れ、更なるつわりの症状の悪化を招いてしまいます。
仕事をしている方は、母性健康管理指導事項連絡カードを活用して、出勤時間・退勤時間の変更や在宅勤務への変更も検討してもらいましょう。勤務自体が難しい場合は、休職を視野に入れても良いでしょう。
つわり症状がつらいときの受診の目安
つわりの時期にはさまざまな体調不良が現れますが、中には受診が必要な症状もあります。これらを我慢することによって、より深刻な状態になることも。
最後は、つわりの症状がつらいときの受診の目安を紹介します。
水分がとれない
水分をとろうとしても吐いてしまう、飲み込むことができないというときは脱水のサインです。スポーツドリンクや経口補水液を少しずつ試しても難しい場合は、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
脱水の状態は、お母さんにも赤ちゃんにも悪影響を及ぼしてしまいます。
尿が出ない
半日以上尿が出ていない場合や、尿の色が濃く少量しか出ないときは、体が水分不足になっている状態です。
脱水が進むと、腎臓に負担がかかったり、体の中の電解質のバランスが崩れてしまうことも。受診し、点滴で体のバランスを整えることで楽になりますよ。
体重が急激に減っている
妊娠前から5%(例:50kgの人で2.5kg)体重が減っている場合は、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」の可能性があります。状況によっては、入院して点滴などの治療が必要になります。かかりつけ医に相談しましょう。
妊娠中の理想的な体重増加に関しては、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
吐き気がつらいときはまずは受診を!過ごし方を工夫してつわりを乗り切ろう
吐きづわりには、医師から処方された吐き気止めを使うことができます。飲み薬や点滴治療などにより、症状が楽になることが期待できるでしょう。
つらいときにはかかりつけ医で相談して、症状に合わせて必要な治療を受けることが大切です。
また、つわりで栄養バランスが心配な時には、mamaruが栄養補給をサポートします。
つわりの症状に良いとされている栄養素をしっかり摂って、赤ちゃんのために今を乗り越えましょう。
参考文献:
(※1)産婦人科診療ガイドライン 産科編2023
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