
更新日:2025/4/9
妊活中はナイアシンを摂るべき?妊娠との関係と効率的な摂取方法を紹介

葉酸や鉄分は妊活中に意識して摂りたい栄養素としてよく知られていますが、体と心をすこやかに整える働きがあるナイアシンも、妊活中に摂りたい栄養素のひとつです。
しかし、ナイアシンは聞きなれない成分ということもあり、
「何をどのくらい食べればいいの?」
「不足するとどうなるの?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ナイアシンの働きや妊娠との関係について詳しく解説します!
ナイアシンを多く含む食材や効率的な摂取方法も紹介するので、ぜひ妊娠に向けたカラダづくりのヒントに役立ててくださいね。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmitas監修・妊活専門産婦人科医】美加レディースクリニック院長 金谷美加先生
生殖医療専門医、産婦人科医、母体保護法指定医、医学博士
実は妊活期と妊娠期では必要な栄養素は違います。市販の葉酸サプリは「妊活期」と「妊娠期」を分けていないものもありますが、時期ごとに必要な栄養素を摂ることが大切です。
栄養だけでなく、冷えにも気をつけたいもの。子宮の血流が悪いと卵子着床が難しくなり不妊の一因にも繋がるため、しっかりと体を温めることが大事です。
ナイアシンは妊活中に摂りたい栄養素のひとつ
ナイアシンは、ビタミンB3とも呼ばれる水溶性のビタミン。
体はもちろん心の健康にも関係するため、妊活中から意識して摂取することが大切です。
ナイアシンの主な働き
まずはナイアシンが体のためにどんな働きをするのか、具体的にチェックしていきましょう。
【ナイアシンの主な働き】
- 脂質・糖質・タンパク質の代謝を助ける
- 血行を促進する
- 皮膚や粘膜をすこやかに保つ
- 脳神経の働きを助ける
ナイアシンはエネルギー代謝を助ける働きがあります。体内の脂肪や糖の燃焼を促し、肥満防止のサポートにも役立ちます。
さらに、毛細血管を広げることで血流を改善し、冷え性や肩こり、頭痛、むくみを和らげる効果も期待できます。
また、ナイアシンは「ナイアシンアミド」という名称で化粧品に使用されることも。乾燥や外的刺激から肌を守り、肌トラブルを防ぐ働きがあります。
妊娠に向けた健康的な体づくりをサポート
ナイアシンは葉酸の消化や吸収を手助けする役割も担っています。
細胞の成長や発達を助ける葉酸は妊活中から積極的に摂りたい栄養素ですが、体内で働きやすい形に変換されることで効果を発揮します。
実は、この変換をサポートしているのがナイアシン。
とくにサプリメントに配合されている葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)を働きやすい形に変える手助けをするため、妊活中から意識して葉酸サプリを飲んでいる方は、ナイアシンを一緒に摂るのがおすすめです。
★葉酸とナイアシンを同時に摂取できる葉酸サプリはこちらからチェック!
葉酸のはたらきについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
葉酸とは?効果や働き、摂取量まで妊活・妊娠中に欠かせない栄養素を完全ガイド!
葉酸とは、どんな栄養素なのでしょうか?妊活中や妊娠期の女性にとって重要といわれる葉酸ですが、本当の効果や働きは意外と知らない人も多いはず。この記事では、葉酸の効果や働き、摂取のポイントをどこよりも詳しく解説。この記事を読めば葉酸のすべてがわかります!妊活中・妊娠中の女性は必見ですよ。
また、近年ではマウスを用いた研究で胎児の先天性の異常を抑えられたというデータも(※1)。
まだ研究途中の段階ではありますが、ナイアシンは妊娠初期の赤ちゃんの発育のためにも必要だと考えられています。
ストレスを和らげメンタルケアにも◎
ナイアシンは精神面の安定にも関わり、妊活中の不安やストレスを和らげる効果が期待できます。
実はナイアシンは食品から摂取するだけでなく、体内でつくり出すこともできる栄養素。体内で生成する際には、必須アミノ酸のトリプトファンが使われます。
しかし、トリプトファンは「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの生成にも必要な成分。ナイアシンが不足すると、体はその生成を優先してトリプトファンを消費してしまうため、セロトニンの生成が追い付かなくなってしまいます。
セロトニンは、リラックスした気持ちや心の安定を保つために欠かせないもの。ナイアシンが足りている状態を保つことが、妊活中のメンタルバランスを整えることにつながります。
妊活中はナイアシンをどれくらい摂ればいい?
「普段の生活でナイアシンは足りている?」と心配な方も多いでしょう。
ここでは、妊活中に必要なナイアシンの量をチェックしていきましょう。
1日に摂りたいナイアシンの推奨量
ナイアシンは食品から摂る量と体内でトリプトファンから合成される量があり、これらを合計して「ナイアシン当量(mgNE)」で表します。
厚生労働省が推奨する1日のナイアシン摂取量は、18歳〜49歳の女性で11〜12mgNE(※2)。
令和5年の国民健康・栄養調査によると、30代女性の1日あたりの平均摂取量は26.6mgNE(※3)であり、多くの人が推奨量を満たしている状況です。
ただし、ナイアシンは水溶性ビタミンのため、一度に多く摂取しても体内に蓄積されず、尿とともに排出されてしまいます。不足させないためには、日々の生活のなかで定期的に摂取することがポイントです。
また、母体の健康や赤ちゃんの発育のために、妊娠中は摂取量を増やすことが勧められている栄養素もありますが、ナイアシンの場合、妊娠後に体内でつくられる量が増えるため、妊活~妊娠中に多く摂取する必要はありません。
不足するとどうなる?
ナイアシンが不足すると、皮膚炎や発疹といった肌の不調が現れます。
また、食欲不振や消化不良、体が疲れやすくなるといった変化も生じます。
ナイアシンは妊活だけでなく、普段の健康維持のためにも不可欠な成分といえるでしょう。
過剰摂取にも注意が必要
ナイアシンは、動物性食品のなかに存在するものを「ニコチンアミド」、植物性食品のなかに存在するものを「ニコチン酸」と呼びますが、成人女性の場合、ニコチンアミドの1日の上限量は250mg、ニコチン酸は65mgに設定(※2)されています。
◆1日のナイアシン摂取量の目安(※18~49歳女性)
年齢 | 推奨量(mgNE)※ | 耐用上限量(mg) |
---|---|---|
18~29歳 | 11 | 250(65) |
30~49歳 | 12 | 250(65) |
※推奨量 ナイアシン当量=ナイアシン(mg)+1/60トリプトファン(mg)
※耐用上限量 ニコチンアミドの重量、()はニコチン酸の重量
不足に気をつけたいですが、摂り過ぎた場合もかゆみや赤みなど皮膚に異常が現れることがあります。
体によさそうな栄養素だからといって摂り過ぎはNGです。
ただしナイアシンは水溶性なので、多くの場合、摂り過ぎた分は自然に排出されます。サプリメントなどで摂り過ぎない限り、過度に心配する必要はありません。
サプリメントでの栄養過多には注意が必要ですが、ほかにも「妊活中に気をつけた方がいいことってある?」と気になる方は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。
妊活中に気をつけることはある?パートナーとともにできることを解説!【助産師解説】
できるだけ早く妊娠するために、妊活中に気をつけることにはどんなものがあるのでしょうか。この記事では、妊活中に気をつけることを男女別でご紹介します。パートナーと一緒にチェックして、2人で協力しながら妊活を進めましょう。
【助産師監修】妊活中にやってはいけない事7選!食生活から習慣まで男女別に解説
あなたは「妊活中にやってはいけない事や避けるべき食べ物を知りたい」とお考えではありませんか?この記事では、妊活中にやってはいけない事を男女別に解説します。また、妊活中にやるべきことや避けるべき食べ物、摂りたい栄養素・食材についてもチェックして、これからの妊活に役立ててくださいね。
ナイアシンを効率よく摂る方法
ナイアシンは体内でつくり出すことも可能ですが、ナイアシン1mgをつくるにはトリプトファン60mgが必要です(※2)。そのため、体内での生成だけに頼るのは効率的とはいえません。
効率よく摂取するには、ナイアシンを含む食材から摂る必要があります。
ナイアシンを多く含む食材を食べる
ナイアシンは肉や魚介類、きのこに多く含まれています(※4)。
食材名 | 可食部100gあたりに含まれるナイアシン量(mg) |
---|---|
鶏肉(ささみ) | 25.0 |
鶏むね肉(皮つき) | 24.0 |
豚ヒレ肉 | 21.0 |
きはだまぐろ | 22.0 |
たらこ | 54.0 |
乾しいたけ | 23.0 |
落花生 | 28.0 |
どれくらい吸収されるかは食品によって異なり、一緒に食べるものにも影響されますが、食事からのナイアシンの利用率は約60%(※2 )といわれています。
ナイアシンの吸収を高める食べ方を意識する
ナイアシンは熱に強く、加熱してもほとんど栄養が損なわれません。
ただし、水溶性ビタミンのため、ゆでたり煮たりすると調理中に溶け出してしまうことがあります。
栄養を無駄なく摂取するには、煮汁ごと摂れる料理を選ぶ、焼く・炒めるといった調理方法を選択するのもおすすめです。
また、ナイアシンを含む食材から直接摂るよりも効率は劣りますが、トリプトファンを含む食材を一緒に摂取するのも◎。
【トリプトファンを含む食材】
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
- 大豆製品(豆腐、納豆、きな粉)
- 卵
- ナッツ類
- バナナ
トリプトファンを含む食べ物は体内でナイアシンの生成を助けるほか、「幸せホルモン」であるセロトニンの生成にもつながり、メンタルケアにも役立ちます。
サプリメントを活用する
ナイアシンは多くの人が推奨量を満たしている栄養素ですが、妊活のなかで意識的に摂取したい場合は、サプリメントを活用する方法もあります。
妊活期に特化したサプリメントである「mitas」には、ナイアシンが食事からも摂取しやすい点を考慮し、1mg配合されています。
過不足ない摂取ができるため、栄養バランスのサポートとして、補助的に取り入れたい方におすすめです。
さらに、mitasは妊活期に欠かせない葉酸を400μg配合。葉酸は胎児の先天異常である「神経管閉鎖障害」を予防するため、妊活中から摂取することが勧められている成分です。
mitasなら厚生労働省が定めている推奨量をカバーできるとともに、ナイアシンの同時摂取により効率的な吸収までサポートします。
mitasは「時期ごとに必要な栄養素を摂ることが大切」と話す不妊専門クリニックの産婦人科医の監修を受けてつくられた妊活期向けのサプリメント。
ナイアシンや葉酸のほかにも、厚生労働省が推奨する量をもとに、ビタミンをはじめとした栄養素がバランスよく配合されています。
さらに、温活でも注目されている和漢素材も含まれ、妊活に欠かせない体の巡りをサポートするのにもぴったり!
そんなmitasは、大手ドラッグストアのスギ薬局で最も売れている妊活サプリ。多くの先輩ママにも選ばれています。
全国のドラッグストアから購入可能ですが、お得に試したい方は公式サイトからの購入がおすすめ。
「ナイアシンはもちろん、妊活に必要な栄養をオールインワンで補いたい!」というあなたは、ぜひ公式サイトから限定価格をチェックしてみてくださいね!
妊活中におすすめのサプリメントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
本当におすすめの妊活サプリはこれ!摂るべき成分や葉酸量、選び方まで助産師が完全解説
本当におすすめの妊活サプリが知りたい人必見!妊活中のサプリメントの必要性、選び方、葉酸量、成分について詳しく解説しています。摂るべき栄養素もたっぷりと紹介しているので、妊活を考えている全ての方におすすめです。この記事を読んで、妊活成功へ導くサプリメント選びを始めましょう!
ナイアシンとあわせて妊活中に摂りたい栄養素
最後に、ナイアシンのほかにも、妊活中に摂りたい栄養素をチェックしていきましょう。
とくに成人女性に不足しがちといわれている栄養素のなかには、妊娠に向けた体づくりをサポートしてくれるものも。
妊活をスムーズに進めるためにも、以下の栄養素を積極的に取り入れることが大切です。
- ビタミンB群
- 鉄分
- ビタミンD
ビタミンB群
ナイアシンや葉酸をはじめ、ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、ビオチンの8つをまとめてビタミンB群と呼びます。
脂質・糖質・タンパク質の代謝に関わり、エネルギーをつくり出すために必要な栄養素です。
妊活中に必要不可欠な葉酸の代謝や吸収にも関係するなど、ビタミンB群同士で助け合って働くため、単体で摂るよりもまとめて摂取することがおすすめです。
【ビタミンB群を多く含む食材】
- 豚肉
- レバー(牛、豚、鶏)
- 鶏肉(ささみ)
- たらこ
- 卵
- ナッツ類
- ブロッコリー
鉄分
鉄分はミネラルの一種であり、赤血球に含まれるヘモグロビンを構成する成分。酸素を全身に送るために必要な栄養素です。
鉄分不足になると酸素がスムーズに運ばれなくなるため、頭痛や疲労感といった不調が現れやすくなります。
また、女性ホルモンの減少につながる恐れも。女性ホルモンは子宮内膜の環境を整える働きがあるため、妊活中は鉄分不足にならないよう、意識して摂取していきましょう。
【鉄分を多く含む食材】
- レバー(牛、豚、鶏)
- いわし
- 貝類(あさり、しじみ)
- 大豆
- 海藻(ひじき、のり)
- 小松菜
- 枝豆
妊活と鉄分の関係については、こちらの記事も参考にしてくださいね。
鉄分も一緒に摂れる葉酸サプリのおすすめは?助産師が教える妊活中に飲むべき理由とその効果
妊活中に飲む葉酸サプリの中に、不足しがちな鉄分が一緒に入っていれば便利ですよね!この記事では、妊活中におすすめの葉酸と鉄分が同時に摂れるサプリを紹介。妊活にこれらの栄養素が必要な理由と、効果的に摂る方法を助産師が詳しく解説します!
ビタミンD
ビタミンDは骨の成長をサポートし、免疫機能を調整する役割もある脂溶性のビタミンです。
受精卵の着床にも関与し、不足すると着床率の低下や不妊のリスクが高まる可能性があり、胎児の発育にも影響を及ぼすといわれています。
ビタミンDは日光を浴びることにより体内で生成されるほか、魚やきのこ類などの食品から摂取できます。妊活中は積極的にビタミンDを摂り、健康的な体づくりを心がけましょう。
【ビタミンDを多く含む食材】
- きのこ(きくらげ・まいたけ・乾しいたけ)
- さけ
- いわし
- さんま
- にしん
- しらす干し
妊活におけるビタミンDの効果についてもっと詳しく知りたい方は、こちらもあわせて読んでみてくださいね。
妊活におけるビタミンDの効果とは|必要な摂取量と効率的に摂る方法を解説
この記事では、ビタミンDが妊活にどのような効果をもたらすのかを詳しく解説しています。実は、日本人はビタミンDが不足しがちというデータも。妊活中のビタミンD摂取によって着床率や出生率を上げ、流産のリスクを下げましょう。効率よくビタミンDを摂取する方法と正しい知識を身につけて、妊娠力を高めましょう。
妊活中にバランスよくこれらの栄養を摂取するには、食事に加えてサプリメントを取り入れましょう。
「mitas」は妊活中から摂りたいビタミンB群や鉄分、ビタミンDをはじめとしたさまざまな栄養素をまとめて摂取できます。
妊活期の栄養バランスのサポート役として、ぜひ取り入れてみてくださいね。
妊活中はナイアシンの摂取も意識!バランスのよい食事で健康管理を
ナイアシンは、体の健康を守るだけでなく、心のバランスを整えるためにも必要な栄養素。葉酸の代謝にも影響するため、妊活中に欠かせない成分といえるでしょう。
栄養調査によると、多くの方が推奨量をクリアできているという結果でしたが、妊活中は心身のコンディションを整えることが大切なので、ナイアシンを意識して摂っていきましょう。
食事から取り入れやすい栄養素ですが、「毎日バランスを意識して食事を用意するのは大変」という方は、サプリメントを取り入れるのもひとつの手!
ナイアシンの補給はもちろん、そのほかの栄養バランスも考えられた「mitas」なら手軽に続けやすいので、ストレスなく取り入れられますよ。
バランスのよい食事を基本にしつつ、サプリメントも上手に活用して、妊娠に向けた健康管理を行っていきましょう。
参考文献
(※1)NAD Deficiency, Congenital Malformations, and Niacin Supplementation
(※2)「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
参考
(※4)文部科学省 食品成分データベース
あなたへのおすすめ
mitas series オンラインショップ