更新日:2024/4/30
妊娠しやすい時期とは?|排卵の仕組みと排卵日の予測方法をご紹介※医師監修
妊活を始めると気になるのが「妊娠できる時期」や「タイミング」ではないでしょうか?
妊娠しやすい時期は、一般的に排卵日から予測できるといわれますが、排卵には個人差があります。
人によって違う排卵日を予測するには、予兆などを観察しながら前もって知っておくことが必要です。
そこで、今回は妊娠しやすい時期を知るべく「排卵」についてと「排卵日の予測方法」をご紹介します。
妊娠しやすい時期に取り入れたい習慣や、おすすめの妊活グッズもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
妊娠しやすい時期のカギは「排卵のタイミング」
妊娠するためには、卵巣から卵子が排卵されてから精子と受精することが必要です。
卵子と精子の出会いがなくては、妊娠することはできません。
はじめに、排卵の仕組みと受精についてご紹介します。
「排卵」は、女性の卵巣から卵子が放出されるプロセスです。
性の生殖周期の中で最も重要な段階の1つで、唯一妊娠が可能なプロセスにもなります。
まず卵巣が、生殖ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを分泌して卵巣内の卵胞の成長を刺激し、卵子を成熟させます。
卵子が成熟するにつれ、卵胞は大きく膨らみ、最終的には破裂。この破裂で卵子は卵巣から放出され、卵管に移ります。
これが起こる日を「排卵日」と言います。
排卵は一般的に、女性の月に一度ある生理周期の中で、14日目前後に発生します。※個人差あり
排卵するタイミングを正確に予測するためには、生理周期の長さや排卵日の前後に体温変化や分泌物の変化があることを観察することがポイントです。
次に、排卵され卵管に移った卵子が精子と出会えると「受精」が行われ「受精卵」となります。
受精卵は生きている卵子と精子が融合された、唯一無二の細胞です。
では卵子と精子の寿命はどれくらいなのでしょうか。
卵子の寿命は12〜24時間くらい
卵子の寿命は、排卵後約12〜24時間です。
つまり卵子は、排卵から12〜24時間以内に受精されなければ死んでしまいます。
そのため妊娠を希望する女性は「排卵予測を行うこと」と「卵子の寿命を考慮して性交渉を行うこと」が重要です。
また年齢が上がるにつれて、卵子の品質も低下するためより適切なタイミングで性交渉を行うことがポイントとなります。
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精子の寿命は2〜3日間くらい
精子の寿命は約2〜3日間です。
本来の精子の寿命は24~27時間といわれてますが、精子は女性の体内の分泌物の中では、約72時間程度まで寿命が延びます。
女性の体内の分泌物は、精子が生き残るために必要な栄養素や酵素を提供し、生存期間を延長することができるのです。
そして受精するために、卵子を探し求め移動します。
したがって妊娠を希望する場合には、卵子が卵巣から放出される前に性交渉を行うことが重要です。
妊娠しやすい時期やタイミングはいつ?
結論からいうと、妊娠の確率が高いとされているのは「排卵日の2日前~当日」です。
先ほどご紹介した卵子の精子の寿命から紐解いてみましょう。
卵子の寿命は12時間~24時間、精子の寿命は2〜3日間でしたね。
受精するためには、卵子が放出される排卵のタイミングに、精子が女性の体内で生きている必要があることがわかります。
3〜4日前の性交渉が良いとされていますが、中でも排卵日2日前~当日の間が最も妊娠確率が高く、日本生殖医学会でも発表されています。
自分で排卵日を予測している場合は、ズレる可能性もあるため、排卵予想日の2日前からの性交渉を行うとよいでしょう。
また性交渉後は、受精の可能性を高めるために、女性は少なくとも20分間は横になることが推奨されています。
排卵日を予測する方法は?
排卵日を予測する方法はいくつかある中で、代表的な方法はこちらです。
- 生理周期から観察する方法
- 基礎体温から観察する方法
- 排卵検査薬から観察する方法
- 分泌物の変化を観察する方法
これらの方法は、正確な排卵日を予測することができます。
しかし個人差はあるため、複数の方法を組み合わせて使うことをおすすめします。
また妊娠を希望する場合は、妊娠しやすい時期やタイミングで性交渉を行うことが重要です。
ここからは、排卵日を予測する方法を詳しく説明していきます。
生理周期から観察する方法
排卵は通常、生理周期の14日目前後に起こります。
したがって、前回の生理開始日から28日を周期とする場合、排卵日は通常、周期の14日目になります。
個人差はあるため、生理周期を観察して、自分の周期を把握することが重要です。
計算の方法として有名な「オギノ式」という方法があります。
産婦人科医の荻野久作が1924年に発表した排卵予測日の方法で世界的に認められている手法です。
オギノ式の場合、月経予定日から14日を引けば排卵日を予測できます。
基礎体温から観察する方法
体温計で毎日同じ時間に測定し、基礎体温の変化を観察する方法です。
排卵の前後には、体温が約0.5℃上昇する傾向があることから排卵日の予測ができます。
また基礎体温が上昇する高温期が安定は、受精卵の着床率にも関係する重要なポイントです。しっかり観察できるとよいでしょう。
基礎体温から排卵日を予測する方法は、以下の手順です。
- 毎朝の体温を測定する
基礎体温とは、朝起きてすぐに測定した体温です。毎朝、同じ時間に測定し、その値を記録します。 - 基礎体温をグラフにする
毎日の基礎体温をグラフにし、体温の変化を観察します。排卵前は、卵巣から分泌されるエストロゲンの影響で体温がやや低く、排卵後は黄体ホルモンの影響で体温が上昇します。 - 体温が上昇する日を見つける
排卵日前日から当日にかけて、基礎体温が0.2度~0.5度程度上昇することが多いです。温度上昇がある日を見つけます。 - 排卵日を予測する
基礎体温の変化を観察することで、排卵日を予測することができます。排卵日は、温度上昇がある日の次の日またはその翌日が、最も高い確率で排卵日となります。
ただし基礎体温法は排卵日の予測には有用ですが、正確性には限界があります。
基礎体温法は過去のデータからの分析になるため、排卵が起こった後で温度が上昇した場合は排卵日を予測することができません。
体温の変化は個人差もあり、環境や体調の変化、睡眠の質などによっても影響を受けます。
排卵日を正確に把握したい場合は、基礎体温法に加えて、排卵検査薬や子宮頸粘液検査などを併用することがおすすめです。
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排卵検査薬から観察する方法
排卵検査薬は、尿中のLH(黄体形成ホルモン)の濃度を測定し、排卵が起こる24〜48時間前を予測することができます。
排卵検査薬から排卵日を観察する方法は、以下の手順に従って行います。
- 排卵検査薬を用意する
排卵検査薬は、尿中のLH(黄体形成ホルモン)を検出することで排卵の兆候を捉える検査薬です。市販されているものがありますので、薬局などで購入することができます。
- 検査薬の使用方法に従って、尿を検査する
排卵検査薬には、使用方法が説明されているため、それに従って尿を検査します。一般的には、尿を容器にとり、検査薬を尿に浸して、指定された時間後に結果を読み取ります。
- 結果を確認する
検査薬のテストストリップに結果が表示されます。テストストリップで確認するのはLHの濃度に応じて現れる色の変化です。LHの濃度が高い場合は排卵が近いことを示唆しています。
- 繰り返し検査を行い、排卵日を特定する
排卵検査薬は、毎日同じ時間に検査することで、排卵が近づいているかどうかを把握することができます。排卵が近づくにつれてLHの濃度は高くなるため、何日か繰り返し検査を行うことで排卵日の特定ができます。
ただし尿中のLH濃度には個人差があるため、排卵検査薬にも正確性には限界があります。
また検査薬の使用方法や尿の取り方によっても、影響を受けるでしょう。
排卵が起こらなかったり、排卵が早かったり遅かったりする場合には、排卵検査薬で正確に排卵日を特定は困難です。
他の手法とあわせて実施し総合的に判断することを推奨します。
分泌物の変化を観察する方法
自分の分泌物の変化を観察し、排卵日を予測する方法です。
排卵期間中は分泌物の量や質に変化があり、中でも排卵日の前後は、分泌物が多くなり伸びやすくなる傾向があります。
排卵日の予測をおりものから観察する方法は、子宮頸粘液検査による方法が一般的です。
- 検査するタイミングを決める
子宮頸粘液検査は、毎日同じ時間に行うことが大切です。排卵の数日前から始め、排卵が終わるまで繰り返し行います。 - 子宮頸粘液を採取する
トイレで用を足した後、トイレットペーパーで拭いた後、清潔な指で中指と薬指を使って子宮頸粘液を採取します。
採取する際に、指をしっかりと挿入し、子宮口近くの粘液を採取します。 - 子宮頸粘液の観察
採取した子宮頸粘液を、観察用紙につけて色や粘りを観察します。
排卵前は粘りが少なく、ドロッとした感じがします。排卵日に近づくと、粘りが増し、透明で伸びる性質を持つ粘液が出現します。排卵後は、再び粘りが少なくなります。 - 子宮頸粘液の変化を記録する
毎日の子宮頸粘液の状態を記録しておくことで、排卵日を予測することができます。排卵日に近づくと、粘液の状態が変化するため、その変化を記録し、それをもとに予測します。
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妊娠しやすい時期に取り入れたい習慣や妊活グッズ
妊娠しやすい時期には健康的な生活習慣を心がけ、必要に応じて妊活グッズを取り入れることが大切です。
ただし個人差があるため、医師や助産師、経験者に相談しながら取り入れるのが良いでしょう。
ここからは妊活中に取り入れるとよい、おすすめの生活習慣やグッズを順にご紹介します。
健康的な食生活
妊娠しやすい体作りのためには、バランスの良い食事を心がけることが重要です。
栄養素が豊富な野菜や果物、良質なタンパク質を含む肉や魚、カルシウムを含む乳製品などを積極的に摂取しましょう。
適度な運動
適度な運動は、身体を健康に保つだけでなく、妊娠しやすい体作りにも役立ちます。
ウォーキングや水泳などの有酸素運動や、ヨガなどのストレッチ運動を取り入れることをおすすめします。
ストレスを減らす
ストレスが多いと妊娠に影響を与えることがあります。
ストレスを減らすために、リラックスする時間を作ったり、趣味やスポーツなどで気分転換することをおすすめします。
女性のストレス軽減は、決して一人だけでは達成できません。
そのためには、男性側のサポートや配慮が必要不可欠です。ですが、男性の方は、妊活において何をすれば良いか分かっていない方も多いのではないでしょうか。
下の記事で確認してみましょう!
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妊娠検査薬
排卵日を予測し、適切なタイミングで性交渉を行うことが妊娠につながります。
妊娠検査薬を使用することで、排卵日や妊娠の有無を確認することができます。
妊活サプリ(葉酸サプリメント)
葉酸は、胎児の脳や神経系の発達に必要な栄養素であり、妊娠初期には積極的に摂取することが推奨されています。
また鉄分やビタミンDなども、妊娠初期には不足しがちなので、必要に応じて葉酸サプリメントを取り入れることがおすすめです。
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参考文献:
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa01.html
http://www.jsrm.or.jp/document/funinshou_qa_2020.pdf
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