更新日:2024/6/20
妊娠すると基礎体温はどう変化する?グラフの見方から妊娠初期症状まで徹底解説
「もし妊娠したら、基礎体温はどのように変化するの?」
妊活のために基礎体温を測り始めて、このような疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。妊活中は生理予定日が近づくと、妊娠の兆候がないかソワソワしますよね。
本記事では妊娠したときの基礎体温の変化に加え、基礎体温の変化以外に見られる妊娠初期の兆候や、「妊娠したかも」と思ったときに注意するポイントについて解説します。
基礎体温の変化や妊娠の兆候について理解し、妊娠の可能性があるときに最適な行動をとれるよう準備しましょう。
この記事に登場する専門家
医療ライター 遠藤 たまこ
大学病院の医療事務として妊婦健診業務に従事。自身も不妊治療を経験。夫の転勤を機に退職し、前職の知識と自身の経験を活かし、医療ライターとして活動中。
妊娠すると基礎体温はどう変化する?
妊娠をすると、生理予定日を過ぎても基礎体温は高い状態が続きます。通常であれば、基礎体温が下がり始めると生理がきますが、妊娠が成立するとその変化が見られません。
妊娠が成立していなければ、下図のように生理直前から体温が下がり始めます。
しかし、妊娠した場合は下図のように、高温が続くグラフに。
基礎体温表で妊娠の可能性をチェックするときは、高温期の継続に着目しましょう。
基礎体温の基本的な知識をおさらい
妊活のために毎日基礎体温を測っているものの「詳しくはよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。そんな方のために、本章では基礎体温の基本的な知識をおさらいします。
女性の基礎体温は二相に分かれる
妊娠していない女性の基礎体温は、通常1ヵ月のうちに低温期と高温期の二相に分かれます。生理周期が28日の場合の低温期と高温期の分かれ方は、以下のとおりです。
- 低温期:生理開始から排卵までの約14日間
- 高温期:排卵後から約14日間
女性の体は、低温期は卵子を熟成させるためのホルモンが分泌されます。しかし、排卵が起こったあとは、受精卵が着床しやすいように子宮内膜の状態を整える「プロゲステロン」と呼ばれるホルモンが分泌されるように。その作用で、排卵後の基礎体温は高温に変化するのです。
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基礎体温がガタガタのときは?
基礎体温が二相に分かれておらず、ガタガタのときは排卵が起こっていない可能性があります。とはいえ、見本のようにきれいな二相でないものの、排卵はしているというケースも多いです。
自分の基礎体温表を見て「ちゃんと排卵している?」と心配になったら、産婦人科で相談してみると良いでしょう。
基礎体温の正しい測り方
基礎体温は正しい測り方で計測しなければ、正確なデータは得られません。正確なデータを得るために、気をつけるポイントは次のとおりです。
- 朝目覚めたら起き上がらず、横になったままで測る
- 体温計を舌の下に挟み込む
- 検温中は口で息をしない
計測前に動いてしまうと、正しい基礎体温が測れなくなってしまいます。トイレなどは基礎体温の計測が終わってから行くようにしましょう。
正しく基礎体温を測るために、枕元に体温計を置いておくなど工夫をすると良いでしょう。
基礎体温の測り方については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
基礎体温は妊活中に必須?基礎体温の測り方からわかることまでまるっと解説!
妊活をはじめると、基礎体温を測りましょうと推奨されることが多いですよね。妊活中にはなぜ基礎体温が必要と言われているのでしょうか。この記事では、妊活と基礎体温の関係と、正しい基礎体温の測り方、基礎体温からわかることについて解説します。
基礎体温の変化以外に見られる妊娠の初期症状
妊娠すると、基礎体温の変化以外にも次のような症状が見られる場合があります。
- 生理の遅れ
- 吐き気
- 眠気
妊活中に基礎体温の変化が見られると「妊娠したかも」と気になりますよね。他にも当てはまる妊娠初期の症状がないか、詳しく見ていきましょう。
生理の遅れ
生理予定日が遅れているようであれば、妊娠の可能性があります。その理由は、妊娠が成立すると生理がストップするためです。
そもそも生理とは、子宮内膜が剥がれ落ちて子宮の外へ排出される現象です。女性の体は、受精卵が着床するために、子宮内膜を厚くして準備をします。妊娠が成立しなければ、厚くした子宮内膜は不要なものなので、剥がれ落ちて子宮の外に出されます。
しかし、妊娠が成立すると子宮内膜は必要なものであるため剥がれ落ちず、生理が止まるのです。基礎体温で高温期が続き、予定日以降も生理がこないようであれば妊娠の可能性が高いでしょう。
なお、妊娠検査薬を使うタイミングについては、こちらをご覧ください。
吐き気
いわゆる「つわり」は多くの妊婦さんに見られる症状です。一般的には、妊娠5~6週目に症状が現れ始めるため、妊娠初期に見られやすい症状といえます。
妊娠12週ごろになると、おさまるケースが多いです。とはいえ、個人差があるため妊娠後期まで続く人もいます。
具体的に見られる症状は以下のとおりです。
- 胃がムカムカする
- においで気持ち悪くなる
- 嘔吐
基礎体温の高体期の継続に加えて、これらの症状が見られるようであれば、妊娠の可能性があります。ただし、胃腸の不調によって吐き気が起こっている場合も。妊娠検査薬で検査をし、妊娠しているかどうか確かめてみましょう。
なお、つわりについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
つわりの種類と対処法を徹底解説!ーつわりに悩むママさん必見ー
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眠気
妊娠初期の女性は、日中に眠くなりやすい傾向があります。なぜなら、妊娠の準備や維持をするために「プロゲステロン」という女性ホルモンが分泌され、その影響で眠気が生じるからです。
加えて、妊娠初期は同世代の妊娠していない一般女性と比べて、睡眠の質が悪くなる人が多いという報告もあります。
これらの理由から妊娠初期は眠気が起こりやすいため、基礎体温の高温期とあわせて見られるようであれば、妊娠の可能性があるでしょう。
とはいえ、疲れていたり睡眠不足だったりする場合も、日中に眠くなるものです。「最近眠いから妊娠しているはず」と過信せず、妊娠検査薬で検査をしましょう。
参考文献:日本助産学会誌「妊娠初期の睡眠の質と眠気の特徴」
妊娠検査薬を使用するタイミング
妊娠検査薬で正確に結果を得られるのは、生理予定日の1週間後以降です。
妊娠していると「hCG」と呼ばれるホルモンが分泌されますが、検査のために十分な量になるタイミングが生理予定日の1週間後とされています。「hCG」とは、赤ちゃんが着床すると分泌される、妊娠を維持するためのホルモンです。
妊娠検査薬は、ドラッグストアや薬局などで購入できます。基礎体温の高温期が続く場合は、生理予定日の1週間後を目安に検査をしてみましょう。
ただし、妊娠していてもhCGの分泌量が少なく、検査薬が陽性にならない場合もあります。検査をして陰性だったのにもかかわらず、なかなか生理が来ない場合は再検査や産婦人科の受診を検討してみてくださいね。
「妊娠したかも」と思ったら注意すること
生理予定日が過ぎても基礎体温の高温期が続き「妊娠したかもしれない」と思ったら、以下に注意をしましょう。
- 葉酸の摂取を始める
- アルコールを避ける
- タバコをやめる
- カフェインを控える
なぜこれらに注意しなければならないのか、詳しく解説します。
注意点1.葉酸の摂取を始める
妊娠初期は葉酸の摂取が欠かせません。妊娠初期に葉酸を摂取することで、生まれてくる赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを下げられます。
神経管閉鎖障害とは、赤ちゃんの先天異常のひとつです。脳や脊椎のもととなる「神経管」がうまくくっつかず、手術をはじめとした多くの治療を要したり、場合によっては誕生しても生きられなかったりするケースもあります。
妊娠初期は通常の食事に含まれる葉酸に加えて、1日に400μgの葉酸摂取が推奨されています。
妊娠の1ヵ月以上前からの摂取が望ましいとされているため、基礎体温で妊娠の兆候が見られたらすぐに摂取を始めましょう。
葉酸を摂取する方法についてはこちらをチェックしてみてくださいね。
また、葉酸不足が胎児に与える影響については、以下の記事で詳しく解説しています。
葉酸不足が胎児に与える影響とは?効率的な摂取方法とおすすめサプリを紹介
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注意点2.アルコールを避ける
妊娠の可能性があるときは、アルコールの摂取は避けましょう。なぜなら、胎盤を通じてアルコールが赤ちゃんの血液に入り込み、次のような影響を及ぼす可能性があるためです。
- 体重減少
- 脳の障害
- 顔を中心とする形態異常(薄い上唇・鼻の下の溝が平坦など)
加えて、遺伝性のない知的能力障害の最も代表的な原因はアルコールという意見もあります。
基礎体温の変化によって妊娠の兆候が見られたら、アルコールは控えるようにしましょう。
参考文献:e-ヘルスネット「胎児性アルコール・スペクトラム障害」
妊活中のアルコール摂取の影響については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
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注意点3.タバコをやめる
タバコを吸う人は、妊娠の兆候が見られたら早急にやめましょう。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質によって、次のような事態が起こる可能性があります。
- 早産
- 低体重出生
- 胎児発育遅延
加えて、タバコは常位胎盤早期剝離や前置胎盤をはじめとした、ママも赤ちゃんも危険な産科合併症を引き起こす恐れもあります。
また、女性がタバコを吸っていなくても、一緒に生活する男性が喫煙者であれば、副流煙によって影響が生じます。
基礎体温の変化で妊娠の可能性があるときは、パートナーとともにタバコを吸わないようにしましょう。
タバコによる妊娠への影響は以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
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注意点4.カフェインを控える
妊娠の可能性がある場合は、カフェインの摂取を控えるようにしましょう。
なぜなら、妊婦さんが1日に300mg以上のカフェインを摂取すると、流産したり低体重の赤ちゃんが生まれてきたりするリスクがあるためです。
具体的に、カフェイン300mgとは、マグカップ2杯分のコーヒーを指します。コーヒー以外にカフェインを含む飲み物の例は以下のとおりです。
- 紅茶・緑茶
- コーラなどの清涼飲料水
- エナジードリンク
特に、エナジードリンクはコーヒーよりも多くのカフェインが含まれている商品もあります。妊娠初期の眠気対策としてエナジードリンクを考えている人はご注意ください。
妊娠の可能性がある場合はカフェインの摂取量に気をつけましょう。
参考:東京都保健医療局「コーヒーにはカフェインが含まれているので、飲むと胎児に影響があると聞きました。本当ですか?【食品安全FAQ】」
以下の記事ではカフェインの妊活への影響や、ノンカフェインの飲み物についても解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
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妊娠初期の摂取が重要!葉酸の摂り方
赤ちゃんの神経管閉鎖障害リスクを減少できる葉酸は、以下の方法で摂取ができます。
- 食べ物から摂取する
- サプリメントから摂取する
具体的にどのように摂取するのか、詳しく見ていきましょう。
食べ物から摂取する
葉酸はビタミンB12の一種であるため、食べ物からの摂取が可能です。具体的に次の食べ物に多く含まれています。
- ほうれん草
- ブロッコリー
- いちご
- 枝豆
- 納豆
また、葉酸は水に溶けやすい性質を持っているため、調理方法にも工夫が必要です。茹でる料理よりも、生で食べたり炒めたりするとより多く葉酸を摂取できます。
葉酸を多く含む食べ物をもっとたくさん知りたい人は、こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
【助産師監修】葉酸の多い食べ物一覧|妊娠中におすすめのメニューから一日に必要な摂取量まで徹底ガイド
妊娠中は葉酸の多い食べ物を摂りたいと考えている人も多くいるのではないでしょうか。葉酸はママの健康や赤ちゃんの成長に大きく係わる重要な栄養素のひとつです。そのため、妊活開始とともに葉酸の積極的な摂取を始めましょう。この記事では、葉酸の多い食べ物や摂り方について紹介します。
とはいえ、毎日の食事からきちんと400μgの葉酸を摂取できているか不安な方もいるでしょう。
実際、食事のみで推奨量を摂取するのはなかなか難しいです。そんな場合は、サプリメントによる葉酸摂取が効果的ですよ。
サプリメントから摂取する
葉酸は食べ物以外にサプリメントからの摂取も可能です。サプリは食べ物と比較して手軽に、そして確実に推奨量の400μgを摂取できます。
また、摂取量を考慮してメニューを組み立てたり調理したりする必要もないため、毎日仕事に家事に忙しい妊娠適齢期の女性にぴったりです。
厚生労働省も、通常の食事からの摂取に加えてサプリメントによる葉酸摂取を推奨しています。
妊娠初期は葉酸が含まれている食べ物を意識することも大切ですが、あわせてサプリメントを摂取して、推奨量を確実に摂れるようにしましょう。
妊活のサポート役には葉酸サプリの『mitas』を
毎日基礎体温を測り、妊活に取り組んでいる女性におすすめの葉酸サプリは「mitas」です。
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葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害リスクを軽減してくれる、とても大切な栄養素です。赤ちゃんが健康に生まれる確率を少しでも上げるために、妊活中や妊娠初期は葉酸を摂取しましょう。
基礎体温の変化で「妊娠したかも」と思ったら葉酸の摂取を始めよう
妊娠をすると、生理予定日を過ぎても基礎体温が下がらず、高温な状態が続きます。基礎体温の変化に加えて、予定日を過ぎても生理がこなかったり、吐き気や日中の眠気が見られたりする場合は妊娠の可能性があるでしょう。
ひとつでも妊娠の兆候が見られるようであれば、葉酸の摂取を始めてください。妊娠初期に葉酸を摂取することで、生まれてくる赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らせます。
妊娠がわかったら葉酸サプリの「mamaru」を始めましょう。葉酸に加えて、ママと赤ちゃんの成長に必要な栄養をしっかりサポートしてくれます。
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妊活中は基礎体温の変化が気になり、ソワソワしてしまいがちです。しかし、妊娠が成立したあとの赤ちゃんの健康も考えて、なるべく早めに葉酸の摂取を始めましょう。
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