
更新日:2025/9/25
妊娠希望でピルをやめるタイミングはいつ?薬剤師が解説する妊活開始の目安

「妊活を始めたいけれど、ピルはいつやめたらいいの?」
「やめた後、どのくらいで妊娠できるの?」
と不安に感じていませんか?
ピルを服用している間は排卵が抑えられているため、妊娠はできません。そのため、妊活を始める場合は中止が必要ですが、いつやめるのがよいのかと迷う方も多いでしょう。
さらに、やめた後どのくらいで妊娠できるのか、長期間の服用が不妊のリスクにつながらないかなど、気になる点も多いですよね。
本記事では、これから妊娠を考える方に向けて、ピルをやめるタイミングや妊活に向けて準備しておきたいことを薬剤師が詳しく解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmitas監修・妊活専門産婦人科医】美加レディースクリニック院長 金谷美加先生
生殖医療専門医、産婦人科医、母体保護法指定医、医学博士
実は妊活期と妊娠期では必要な栄養素は違います。市販の葉酸サプリは「妊活期」と「妊娠期」を分けていないものもありますが、時期ごとに必要な栄養素を摂ることが大切です。
栄養だけでなく、冷えにも気をつけたいもの。子宮の血流が悪いと卵子着床が難しくなり不妊の一因にも繋がるため、しっかりと体を温めることが大事です。
妊活のためにピルをやめるのはいつから?
ピルは医師から処方される薬です。そのため、やめるタイミングについては、必ず処方された医師に相談しましょう。
ピルは続けて飲むことで避妊の効果が得られる薬です。中止すると排卵が戻って、妊娠できるようになります。
ただし、シートの途中でやめると、体内のホルモンが減って子宮内膜が維持できず、そのまま生理のような出血が起こることが多いです。
一般的には、シートを飲み切ったタイミングで中止すると、生理周期が乱れにくいといわれています。自己判断でやめるのは避けて、必ず医師と相談してから進めることをおすすめします。
ピルをやめてからどのくらいで妊娠できる?
妊活を始めようとするとき、「ピルをやめたら、どのくらいで妊娠できるのかな?」と気になる方は多いのではないでしょうか。ここでは、その目安を解説します。
排卵の再開目安は3ヶ月
ピルをやめると、多くの方は3か月以内に排卵が再開します。薬の種類によって差はありますが、およそ9割以上の方が3か月以内に排卵が戻るのが目安とされています。
また、日本産科婦人科学会が作成した「ピルのガイドライン」には、以下のデータが報告されています。
◆ピルを中止した後の妊娠率
- 中止後1周期目で 21.1%
- 3周期目で 45.7%
- 1年後で 79.4%
- 2年後で 88.3%
このように、時間の経過とともに妊娠の可能性は高まっていきます。早い方では、中止した次の周期から妊娠が成立するケースもあるということです。
いつから妊活していいの?
ピルをやめたあと、妊活の開始時期に特別な制限はないとされています。
また、妊娠4週未満の時期にピルを服用していた場合でも、赤ちゃんへの影響は少ないと考えます。
これは「全か無かの法則(All or None)」と呼ばれる考え方によるもので、薬の影響があれば妊娠自体が成立せず、妊娠が継続している場合は基本的に影響はなかったと考えられるためです。
詳しくはこちらの記事を参考にしてくださいね。
妊活でピルをやめるときの気になる疑問
ピルをやめたらすぐ妊活できることは分かったけれど、「不妊のリスクはないの?」「やめるときに注意点はある?」と気になる方も多いと思います。ここでは、そんな疑問にお答えします。
ピルをやめるときの注意点は?
ピルを服用している間は、薬の作用で排卵が抑えられ、生理周期が整えられています。そのため、もともと排卵が不安定だった方は、ピルをやめると再び生理不順が出てくることがあります。
また、ピルには排卵を抑えることによるホルモンの波の安定化や、子宮内膜を薄くする作用があります。そのため次のような副次的な効果も得られますが、中止後はこれらの症状が戻る可能性も少なくありません。
- PMSの軽減
- 肌荒れの改善
- 生理痛や経血量の減少
症状がつらい場合には、ピル以外にも漢方薬などで対処する方法があります。
ただし、強い生理痛や生理の量が多い、生理不順が続く場合には、子宮内膜症や排卵障害など、不妊につながる病気が隠れていることもあるため注意が必要です。
- 生理痛がとても強い
- 中止後3か月たっても生理がこない
- 周期の乱れが続く
こうした場合は、早めに婦人科で相談しておくと安心です。
生理不順についてはこちらも参考にしてくださいね。
ピルの影響で妊娠しづらくなることはないの?
ピルを長く飲んでいたとしても、中止後に妊娠しづらくなることはないとされています。
多くの研究からも、長期の服用が将来の妊よう性(妊娠のしやすさ)に悪影響を与えることはないと報告されています。
ただし、ピルは性感染症を防ぐ効果はありません。コンドームを使わずに性交渉を続けていると、クラミジアなどの感染症にかかるリスクがあり、これが受精の場でもある卵管に炎症や閉塞を起こし、不妊の原因につながることがあります。
クラミジアは最も多い性感染症のひとつであり、卵管障害は不妊原因の三大要因のひとつとされています。
どちらも女性では自覚症状がほとんどないことが多いため、気づかないうちに進行してしまうこともあり、特に注意が必要です。
ピルをやめた直後は妊娠しやすいって本当?
「ピルをやめると妊娠しやすくなる」という説を耳にすることがありますが、これを裏付ける明確なデータはありません。
排卵の回復には個人差があり、早ければ1か月ほどで再開する人もいるため、中止後すぐに妊娠する可能性は十分にあります。ただし、日本産科婦人科学会のガイドラインなどには「ピル中止直後に妊娠しやすくなる」といった記載はありません。
ピルの服用は妊娠しやすさを高めるものでも、不妊の原因になるものでもありません。「早く妊娠したいのに、なかなか授からない」と感じたときは、他に原因がある可能性があるため、自己判断せずに早めに医療機関へ相談することが大切です。
妊活期間の目安が気になる方はこちらもチェックしてみてくださいね。
ピル中止とともに始めたい妊活5選
ピルを中止したら、妊娠に向けて体を整えていきたいところですよね。ここでは、中止と同時に始めたい「妊活のポイント5選」をご紹介します。
どれも妊活に欠かせない基本的な知識なので、ピルを服用中の方も今から確認しておくと安心です。
基礎体温をつける
基礎体温を記録することで、排卵が回復しているかどうかを確認できます。
基礎体温とは、朝目覚めた直後に安静のまま測る体温のこと。正しく測るためには、4〜5時間以上しっかり眠ったあとの体温を記録する必要があります。寝不足のときは正確に反映されにくいので注意しましょう。
排卵が起こると「黄体ホルモン」の働きで体温が上がります。そのため、グラフが低温期と高温期の2相に分かれていれば、排卵があると判断できます。
もし、基礎体温をつけても3か月以上2相にならなかったり、生理が再開しなかったりする場合は、排卵が起こっていない可能性もあるため、早めに婦人科で相談しましょう。
排卵検査薬の使用
基礎体温をつけるのが大変だったり、グラフの読み取りが難しいと感じる方もいるかもしれません。
そんなときは、排卵検査薬を使うのもおすすめです。自宅でできる方法の中では、排卵のタイミングを知るうえで最も精度が高いとされています。
排卵日予測検査薬は、排卵前に急激にホルモン分泌が増える「LHサージ」を検出することで、妊娠の可能性が高い日を把握できます。
一般的には、排卵日の約1日前に陽性反応が出るため、反応が出たらできるだけ早めにタイミングをとることが大切です。
妊娠しやすいタイミングは「排卵の1〜2日前」。基礎体温の記録とあわせて活用すれば、より効率的に妊活を進めることができます
妊娠しやすいタイミングについては、こちらの関連コラムで詳しく解説しています。
ブライダルチェックをうける
ブライダルチェックとは、妊娠に向けた健康診断のようなもので、妊娠や出産にリスクを与える病気がないかを確認するための検査です。
妊活中は「妊娠すること」に意識が向きがちですが、いざ妊娠したときに、母体や赤ちゃんへ影響を及ぼす病気がないかを事前に知っておくことはとても大切です。
「プレママ健診」と呼ばれることもあり、妊娠に関わる検査がセットになっていることが多いです。男女ともに受けることができ、内容はクリニックによって異なりますが、一般的には次のような項目が含まれます。
- 性感染症検査
- 子宮頸がん検診
- 風疹抗体検査
- ホルモン検査(血糖値や甲状腺機能など)
- 卵巣年齢の目安となるAMH検査(最近は導入する施設が増加)
これらの検査を受けることで、自分の体の状態を把握でき、妊活をどのくらい積極的に進めるべきかの目安になります。
また、排卵の有無や子宮・卵巣のチェックが含まれている場合もありますが、すべてのクリニックで網羅されているわけではありません。
もし妊娠を希望してもなかなか授からない場合や、不妊の原因を詳しく知りたい場合には、不妊専門の医療機関で改めて検査を受けると安心です。
ブライダルチェックについては、こちらのコラムも参考にしてみてくださいね。
葉酸の摂取
葉酸は妊活に欠かせない栄養素のひとつで、ブロッコリーやほうれん草など緑の野菜に多く含まれています。妊娠初期に赤ちゃんの脳やせき髄のもととなる神経管が形成される際、この葉酸が不足していると「神経管閉鎖障害」のリスクが高まることが知られています。
神経管は妊娠に気づく前の早い段階でつくられるため、妊娠が分かってから摂り始めるのでは間に合わないことがあります。そのため、妊娠の1か月以上前から葉酸を摂取しておくことが必要です。
ピルを中止すると、早ければ次の周期から妊娠する可能性もあります。妊活を考え始めた段階でピルをまだ服用している場合でも、葉酸の摂取はすぐに始めておくのがおすすめです。
葉酸は日々の食事からとるのが理想ですが、葉酸は吸収されにくい特徴もあるため、厚生労働省でも食事に加えてサプリで補うことが推奨されています。
妊活中の葉酸摂取には「mitas」がおすすめ
「mitas(ミタス)」には、1日分の目安4粒に400μgの葉酸が含まれており、厚生労働省が推奨している摂取量を満たすことができます。
さらに、鉄や食物繊維、ビタミンDなど妊活女性が不足しやすい栄養素もバランスよく配合されているので、全体の栄養サポートを意識したい方にもおすすめです。
また、和漢素材のなつめ・高麗人参・陳皮・生姜がブレンドされていて、日々の暮らしの中でほっとやさしく寄り添ってくれる工夫もされています。
製造はGMP認定工場で行われ、添加物にも配慮されているのも体にやさしいポイント。
実際に、スギ薬局では妊活サプリの売上No.1(※2024年7月時点の実績)となっており、多くの方に選ばれている商品です。
毎日の食事を大切にしながら、そのサポート役として「mitas」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
店頭よりもお得に始めるなら、公式ストア限定の特別価格をぜひチェックしてみてくださいね!
生活習慣を見直す
生活習慣を整えることは、ホルモンバランスを保ち、妊娠に向けた体づくりに役立ちます。特に次の3つを意識しましょう。
- 食事の見直し
- 運動習慣をつける
- 早寝早起きの習慣をつける
食事の見直し
妊活の基本は、やはり毎日の食事です。最近は1日2食で済ませてしまったり、かたよった食事でやせ体質の方も増えています。
その結果、やせが進むだけでなく、葉酸をはじめ食物繊維・カルシウム・ビタミンD・鉄分 など、大切な栄養素が不足しがちになります。
「バランスのよいごはん」と聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、まずは赤・黄・緑の3色を意識することから始めてみましょう。1日単位で完璧を目指す必要はなく、1週間単位でバランスが整えばOKです。
それでも忙しくてなかなか難しいときは、妊活期に必要な栄養を補えるサプリメントを取り入れるのも一つの方法です。無理なく続けられる形を見つけていきましょう。
>>妊活中の栄養サポートにおすすめのサプリはこちらからチェック!
運動習慣をつける
運動はストレス発散にもなり、心身のバランスを整えるためにおすすめです。
妊娠前の健康管理「プレコンセプションケア」では、週150分程度の運動が目安とされています。ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、無理なく始められるものから取り入れてみましょう。
パートナーと一緒に取り組めば、継続しやすく、楽しみながら習慣化できます。
プレコンセプションケアについて詳しくは、こちらの記事をご参考くださいね。
早寝早起きの習慣をつける
睡眠はホルモンバランスを整えるうえでとても大切です。理想は22時頃に就寝し、6〜8時間の睡眠をとること。朝起きたらカーテンを開けて光を浴びると、体内時計がリセットされ、生活リズムが整いやすくなります。
さらに、午後3時以降はカフェインを控え、夜寝る前はスマホやパソコンの使用を控えるとよいですよ。寝室の環境を整えて、ぐっすり眠れる習慣をつけましょう。
医師と相談してピルをやめたあとは妊娠に向けた体づくりを
ピルをやめると、ほとんどの方は約3か月以内に排卵が回復し、妊娠できるようになります。早ければ次の周期で妊娠することもあります。
そのため、いざ妊娠したときに慌てないように、今から妊娠に向けた体づくりを始めておくことが大切です。特に葉酸の摂取は必須で、妊娠の1か月以上前から準備しておく必要があります。
さらに、不足しやすい鉄・カルシウム・ビタミンDなどの栄養素を、妊活期に配慮したサプリメントで手軽に補うのもおすすめです。
mitasは妊娠に向けた体づくりをやさしくサポートします。
参考)
1)病気がみえる vol.9: 婦人科・乳腺外科.医療情報科学研究所
2)低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬ガイドライン2020年度版.日本産科婦人科学会
3)一般社団法人日本生殖医学会.一般のみなさまへ:生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A) > Q4.不妊症の原因にはどういうものがありますか?
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