更新日:2024/10/29
妊活中は薬を飲んでも大丈夫?影響のない時期や注意点、薬との付き合い方を薬剤師が解説
妊活中に普段飲んでいる薬を飲んでも大丈夫か気になる方も多いでしょう。妊活中は、赤ちゃんや妊娠への影響を考えて薬を服用する必要があります。
薬を自己判断で服用すると後々不安になったり、控えることで体調が悪化したりするケースも。そのため、妊娠を考え始めたら、あらかじめ薬との付き合い方を知っておくことが大切です。
本記事では、妊活中の薬の影響や注意点を薬剤師が解説します。事前に知っておくことで、安心して妊活に取り組めることもあるのでぜひ参考にしてくださいね。
※本記事の内容は、正確性や有効性について細心の注意を払っていますが、医療や健康管理においては、必ずしもすべての状況に当てはまるわけではありません。最終的な判断は、ご自身で行っていただくことを推奨します。
この記事に登場する専門家
薬剤師ライターさっちゃん
婦人科系製薬メーカーや調剤薬局での勤務を経て、医療系ベンチャー企業にて遠隔医療相談業務や医療コラムの執筆に従事。自身の不妊症と不育症の経験を元に、不妊に悩む人への個人カウンセリングも提供。
妊活中は薬を飲んでもいいの?ケース別の注意点
妊活中に薬を飲むときは、自己判断せず、かかりつけ医に相談しましょう。
なぜなら、薬の影響は種類や飲む時期によって異なり、さらに体調や持病によっても服用すべきかが変わるためです。
医師は服用するリスクとメリットを比較し、あなたの状況に合わせて飲んでもよいのか判断します。
ここでは、3つのケース別に注意点を解説します。
体調不良で風邪薬を飲みたい人
妊活中(妊娠4週未満まで)の期間は、一時的に風邪薬を飲んでも問題ないことがほとんどです。
また、妊娠初期に気づかずに風邪薬を服用してしまったという方も少なくありません。その場合でも、慌てず服用してしまった薬を医師に確認しておくとよいでしょう。
ただ、市販の風邪薬は有効成分の量は少ないものの、さまざまな成分が含まれているため、特に妊娠の可能性がある時期には注意しましょう。
病院で処方される風邪薬の中には、妊娠中でも服用できるものもあります。妊娠の可能性がある時期は、病院で医師と相談する方が安心です。
不妊治療中の人
不妊治療中の方は、ホルモン剤を使用することがあるため、他の薬との飲み合わせに注意が必要です。
不妊治療中で別の病院を受診する際は、その情報を伝えましょう。
持病がある人
持病がある人は、妊娠を考え始めたら、かかりつけ医に相談しましょう。薬が赤ちゃんに影響を与える可能性もあるためです。
ただし、その場合でも自己判断で薬を中止すると持病が悪化し、ママや妊娠の経過に悪影響がでることもあります。
薬のリスクを考えることは大切ですが、今のあなたにとって薬が必要な場合もあるのです。
また、事前に相談することで、赤ちゃんへの影響が少ない薬に変更できることもあります。
特に、甲状腺疾患、高血圧、糖尿病、うつ病、てんかん、片頭痛、リウマチ、喘息などの病気をお持ちの方は、あらかじめかかりつけ医に相談しましょう。
妊娠中の糖尿病が気になる方は、こちらも参考になりますよ。
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薬を飲んでもいい時期はいつまで?赤ちゃんへの影響は?
妊活中は妊娠の可能性を考えると、いつまで薬を飲んでもよいのか気になりますよね。
赤ちゃんへの影響は服用時期によって異なるため、時期を考えることは大切です。
ここでは、服用時期と赤ちゃんへの影響について説明します。
妊娠4週未満(生理予定日まで)は影響は低い
妊娠4週未満の時期に服用した場合、赤ちゃんへの薬の影響はほとんどありません。
この時期は「全か無かの法則(All or None)」が適用され、薬が影響した場合は妊娠が成立しないか、妊娠の経過が順調なら薬の影響はなかったと考えます。
ただし、妊娠初期は正確な妊娠週数が確定していないことが多いため、注意が必要です。
生理中から排卵までは薬の影響は心配ありませんが、排卵後で妊娠の可能性がある時期は、自己判断せずに医師に相談することをおすすめします。
妊娠4~7週(妊娠2カ月)は注意が必要
妊娠4〜7週目は、最も薬の影響を受けやすい時期です。
この期間は赤ちゃんの重要な器官が作られるため、安易な薬の服用は避けましょう。
実際には、妊娠に気づかずに薬を飲んでしまう方も少なくありませんが、生理予定日を過ぎている場合は、自己判断での服用は避けることが大切です。
妊娠が確定する時期については、こちらのコラムも参考にしてください。
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鎮痛剤や胃薬は大丈夫?妊活中に注意が必要な薬
普段よく飲むお薬には、鎮痛薬や胃薬などがありますが、中には注意が必要な薬もあります。ここでは、身近な薬のなかでも、注意が必要な薬を3つ紹介します。
鎮痛剤
鎮痛剤の中でも、ロキソニンやボルタレンなどのNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)は、排卵を抑制する働きがあるため、一時的に妊娠しにくくなる可能性があると考えられています。
不妊症の治療施設で体外受精の採卵を行う前に、排卵を抑えるために処方されることもあります。そのため、排卵時期は避けるか、アセトアミノフェンの成分が入った鎮痛薬を使用する方がよいでしょう。
妊娠中の頭痛薬の服用については、こちらも参考にしてくださいね。
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胃薬
胃薬の中でも、病院で処方される「サイトテック(ミソプロストール)」には注意が必要です。
この薬は、NSAIDsなどの鎮痛剤で胃が荒れているときに飲む薬ですが、子宮を収縮させ、流産を引き起こすリスクがあります。
妊娠の可能性がある時期に胃薬をもらう場合は、きちんと自分の状況を医師に伝えるようにしましょう。
ビタミンA製剤
妊娠初期にビタミンA製剤(レチノール)を大量に摂取すると、胎児の奇形リスクが高まることが知られています。
特に最近では、ニキビ治療に使われるビタミンA誘導体の一種であるイソトレチノインが、国内未承認薬として個人輸入や皮膚科クリニックで扱われるケースが増えているため、注意が必要です。
また、ビタミンAと同様の作用を持つ角化症治療薬(チガソン)も、同様に注意が必要な薬とされています。
薬だけでなく妊活中のサプリメント選びでも、ビタミンAを含まないものを選ぶとより安心です。
ビタミンAを含まない妊活中におすすめの葉酸サプリはこちらからチェックしてみてくださいね。
妊活中のパートナーの薬の影響は?
妊活中の場合、自分だけでなくパートナーの薬の服用も気になるところですよね。男性の薬の影響は不明な部分が多いですが、一部注意が必要な薬もあります。
そのため、女性だけに限らず、パートナーも持病で薬を飲んでいる方はかかりつけ医へ相談することが大切です。
ここでは、男性の服薬が妊娠に影響する可能性と注意が必要な薬を解説します。
男性が飲んだ薬が妊娠に影響する可能性は低い
一部の薬を除いて、男性が服用している薬が妊娠に影響を与える可能性は低いと考えられています。
パートナーが服用した薬が赤ちゃんに与える影響としては、「精液中への移行」と「精子への影響」の2つが考えられます。
精液中への移行については、女性の膣粘膜から薬が吸収される可能性はありますが、その量が女性の血中濃度で大きく上がることは考えられていません。
また、精子への影響があったとしても、精子同士の競合によって異常な精子が受精する可能性は低く、異常な精子が受精しても、妊娠が成立しにくいとされています。
妊活中の男性が注意するべき薬
妊活中の男性が注意すべき薬として、一部精液に移行して赤ちゃんの奇形を引き起こす可能性がある薬があります。
また、勃起不全の原因となる薬も報告されていますので、以下に一部を紹介します。
奇形の原因となるために避妊が必要な薬
精液に移行すると胎児の奇形の原因となる可能性から、服用中は避妊が推奨されている薬の一例はこちら。以下の薬は特に注意してください。
- サレドカプセル(抗多発性骨髄腫薬)
- レブラミドカプセル(抗造血期腫瘍薬)
- レベトールカプセルコぺガス錠(抗肝炎ウイルス薬)
- チガソン(角化症治療薬)
- アザニン、イムラン(免疫抑制薬)
- コルヒチン(痛風発作治療薬)
- メトトレキサート(抗リウマチ薬)
ただし、これらに該当しなくても、持病がある場合はかかりつけ医に必ず相談してくださいね。
勃起不全に注意が必要な薬
降圧剤や抗うつ剤、AGA治療薬などの副作用として勃起不全が報告されています。
ただ、勃起不全には薬以外にもさまざまな原因があり、持病の治療を優先するケースもあります。
かかりつけ医の判断によっては薬の変更や、勃起不全治療薬の使用が提案されることもあります。自己判断で中止せず、まずは相談することが重要です。
男性の妊活に関しては、こちらのコラムも参考にしてくださいね。
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薬に気をつける以外にも赤ちゃんのためにできることはある?
ここまで妊活における薬の影響についてお話ししてきましたが、あわせて知っておいてほしいことがあります。
それは、薬を服用しなくても、一定の確率で先天異常や自然流産が起こる可能性があることです。
「薬を飲まなければリスクはない」と考えがちですが、実際には全妊娠の約3%で先天異常が起こり、約20%で自然流産が起こるとされています。
このリスクを「ベースラインリスク」と呼び、薬の影響を考えるうえでも大切な考えです。
先天異常の原因は不明な場合が多く、実は薬が原因とされるケースは少なく、全体の約1%程度です。
原因不明が多くほとんど予防ができない先天異常ですが、一部赤ちゃんのためにできることがあります。以下の2つを紹介します。
風疹ワクチンの接種
妊娠中に風疹に感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群になるリスクがあります。
未来の赤ちゃんを守るためにも、妊活を始めたら、パートナーとともに風疹ワクチンの接種を検討することが大切です。
風疹ワクチンはウイルスの毒性を弱めて作られたものです。ウイルスが赤ちゃんに感染する可能性を考えて、妊娠中は接種できません。
接種後も約2カ月間避妊が必要になるため、早めに接種を考えましょう。
風疹のワクチン接種について詳しくは、こちらもご参考くださいね。
風しん抗体検査はどんな人が受けた方がいい?〜種類や費用は?【助産師執筆】
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葉酸サプリの摂取
妊娠前から葉酸サプリを摂取することで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減できる可能性があります。
神経管閉鎖障害は、妊娠初期に起こる赤ちゃんの先天異常です。一般的に、神経管ができたあとに妊娠に気づくことが多いため、妊娠前から十分な葉酸を摂取することが大切です。
厚生労働省は妊活中の女性に向けて、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間に葉酸を含むバランスの良い食事を推奨しています。
葉酸はブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜に含まれています。ただ、食品中に含まれる葉酸は水に溶けやすく、光や熱に弱いため、吸収されにくいという問題があります。
一方、サプリメントに含まれる葉酸は、食品由来の葉酸よりも吸収率が高いとされています。
そのことから、妊娠前から食事に加えて葉酸サプリを飲んで、効率的に葉酸を摂取することがおすすめです。
※神経管閉鎖障害は葉酸不足だけが原因ではないため、確実に予防はできません。
妊活中は過不足ない葉酸摂取ができるmitasがおすすめ
『mitas』は、妊活中の女性のためにつくられた、厚生労働省が推奨する葉酸400μg、和漢素材4種類、さらに20種類以上の豊富な栄養素が含まれた葉酸サプリです。
厚生労働省は神経管閉鎖障害のリスクを下げるために、サプリからの葉酸摂取量として1日400μgを推奨しています。
また、葉酸の過剰摂取はビタミンB12欠乏の診断を難しくさせるため、1日に1mg以上の葉酸を摂取しないようにともいわれています(医師の指導がある場合はこの限りではありません)。
mitasは過不足なく葉酸が摂取できるよう、厚生労働省が推奨する量を基準とした葉酸を配合しています。また、妊娠初期でも不安にならないよう、ビタミンAも入っていません。
そのほかにも、mitasは心と体をほっとさせてくれる高麗人参、陳皮、なつめ、生姜などの馴染みのある和漢素材を配合。
妊活中のママになりたい気持ちを暖かく応援します。
さらに、mitasは「スギ薬局で最も売れている妊活サプリ」という実績もあり、多くの方に愛用されています※。
※2024年7月 スギ薬局妊活サプリ売上実績
mitasを買うなら店頭よりもオンライン購入がお得!公式サイト限定の特別価格は、ぜひこちらから詳しくチェックしてみてくださいね。
妊活中は医師と相談しながら薬と上手に付き合おう
妊活中の薬は服用した薬の種類や時期によって影響が変わり、持病や体調によっても飲むべきかどうかかかわってきます。
薬のリスクを考えることは必要ですが、今のあなたにとって、薬が必要な場合もあります。
まずは一人で悩まずにかかりつけ医と相談し、上手に付き合うことが大切です。
さらに、覚えておいてほしいのは、薬を服用しなくても妊娠には一定の確率で先天異常や流産のリスクが伴うということです。
原因が分からないことが多いですが、その中でも風疹ワクチンの接種や葉酸サプリの活用など、赤ちゃんのためにできることからはじめてみるとよいかもしれません。
妊活を考えているなら、まずは葉酸を過不足なく摂取できる「mitas」から始めてみるのはいかがでしょうか?
参考:
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