更新日:2024/9/6
【男性の妊活】精子の質を高める4つの習慣とやってはいけないこと6つ
「もしかして男性不妊かも?」
「妊活で男性にできることって何だろう」
2人の子どもを迎えるにあたって、男性ができることは何か気になりますよね。
不妊のおよそ半数は男性に原因があるといわれています。
一方で、男性不妊は適切な治療をおこなえば解決する見込みが高く、治療効果が高いことも明らかになっています。
この記事では、良質な精子を作るための生活習慣や、パートナーが妊娠するために男性がやってはいけないことを具体的に解説しています。
パートナーとの間に元気な子を授かるために、自分の体と生活習慣に向き合うことから始めましょう。
この記事に登場する専門家
ライター 水沢 ちえ
医薬品業界歴10年。工学修士。離職後は大学の研究サポートなど、薬品の製造・品質・分析のプロとして基礎研究を支えた。現在はライターとして活動。自身の妊活体験を交えながら、正しい情報をわかりやすく伝えている。
男性が妊活をしたいと思ったら
子どもを授かりたいと思ったら、女性とおなじように妊娠可能な体か確認することから始めましょう。
風疹抗体検査をしよう
風疹の抗体を持っていない場合、予防接種を打つ必要があります。
風疹は、妊娠中に感染すると胎児に先天性風疹症候群を引き起こします。
【先天性風疹症候群の症状】
心臓の異常、白内障、聴力障害、発達障害など
大人が風疹にかかると発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状を引き起こします。感染しても症状が軽く、気づかないうちに胎児を先天性風疹症候群のリスクにさらしてしまう危険があります。
妊娠を希望するカップルは、妊娠前に風疹抗体検査を受け、風疹に対する免疫を持っているか確認します。抗体をもっていない場合は必ず予防接種を受けましょう。
風疹の予防接種には公的支援がある
先天性風疹症候群の予防のために、風疹の予防接種に対する助成をおこなっている市区町村があります。
予防接種が必要になった場合は、一度お住まいの役所へ問い合わせてみましょう。
精液検査をしよう
精子に生殖能力があるかを確認しましょう。精液検査は生殖医療をおこなっている病院またはクリニックで受けられます。
精液検査では、次の4つの項目について調べます。
・精子濃度:精液1mlあたりの精子の数を測定します。精子の数が少ないと、妊娠する可能性が低くなります。
・精子の運動率:正常に動いている精子の割合を評価します。精子の運動能力が高いほど、卵子への到達確率が高まります。
・精子の形態:精子の形態が正常かどうかを調べます。正常な形態の精子が多いほど、受精能力が高いと考えられます。
・精液量:射精時に排出される精液の量を測定します。適切な精液量は、精子が女性の生殖器内を移動するのを助けます。
自宅で検査する方法
自宅にキットを郵送してもらって、採取、返送することで完了する精液検査があります。
「精液検査自宅」で検索してみましょう。
自宅で検査できるのは、精子濃度、精子の形態、精液量です。
運動率など、より正確に詳しく調べたい場合は医師に相談する必要があります。
検査の結果、生殖能力に問題があった場合は、生殖医療専門の病院またはクリニックを受診してください。
妊活において男性ができることはたくさんあります。多くの赤ちゃんの出産に立ち会ってきた助産師さんに、男性に出来る妊活について聞いてみました。
詳しくはこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
妊活を始める男性がまずすべきこととは?※助産師監修
医師監修の男性妊活ガイド!妊娠の理解、精液検査、生活習慣改善など、夫婦で取り組める妊活方法を紹介します。妊活したいと考えているが、何をすればいいか分からないという男性は必見です!
妊活のために男性がやるべきこと4つ
精子の質を高める4つの生活習慣を身に付けましょう。
バランスのよい食事
良質な精子の生成や正常な機能を維持させるには、バランスのよい食生活が大切です。
口にした食品から、精子が作られることを意識して、毎日食べるものに目を向けましょう。
- 1妊活に必要な栄養素
- 2疲労やストレスを回復する栄養素
について解説します。
妊活に必要な栄養素
精子の生成や性機能を維持させるには、亜鉛、ビタミン(主にCとE)、良質なたんぱく質を含む食品を摂取する必要があります。
亜鉛:精子の形成、品質、および運動能力に重要な役割を果たします。
【亜鉛を含む食品の例】
牡蠣、牛肉、チーズ、ナッツ類など
ビタミン:とくにビタミンCとEは、精子の形態異常を減少させ、授精能力を高めます。
【ビタミンEを含む食品の例】
アーモンド、うなぎ、かぼちゃ、ブロッコリーなど
【ビタミンCを含む食品の例】
キウイ、アセロラ、パプリカ、ブロッコリーなど
良質なたんぱく質:精子そのものを作ります。
【たんぱく質を含む食品の例】
肉・魚・卵・大豆、大豆製品・乳、乳製品をバランスよく
これらの栄養素は、精子の質と量をサポートし妊娠を助ける体作りに役立ちます。
疲労やストレスを回復する栄養素
抗酸化物質は、男性自身の精子を作る機能を正常に保ち、疲労やストレスの回復に効果があります。
抗酸化物質とは、細胞を酸化ストレスやダメージから守る化合物で、老化や病気のリスクを減らす効果があります。主に野菜や果物に含まれます。
【代表的な抗酸化物質と食品】
- ビタミンC:柑橘類、イチゴ、キウイ、緑黄色野菜など
- リコピン・アスタキサンチン:トマト、サケやイクラなど
- コエンザイムQ10:イワシやサバなどの青魚
酸化ストレスが精子に与える影響、詳しい酸化ストレス対策について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
妊活中の男性必見!酸化ストレス対策が妊活中に必要な理由 | 助産師監修
妊活は女性のみならず男性も取り組むべき共同作業です。例えば妊活中の男性は、精子の断片化や精子の細胞を傷つける酸化ストレスをよく知り、対策する必要があります。具体的な対策は禁煙やダイエット・適切な運動や睡眠といった健康的な生活をすることです。
適度な運動
妊活中の男性にとって、適度な運動は良質な精子の生成に役立ちます。
適度な運動は精子を生成するホルモンの分泌を促します。また、全身の血流が良くなることで、精子の生成に必要な栄養素が効率よく供給されます。
気を付けたいのは、週に5時間以上のサイクリングやスポーツ選手のような過度な運動をしてしまうと、逆に精子の濃度と運動率を低下させてしまう点です。
良質な精子のためには、娯楽として気軽に楽しむ程度の運動にとどめるのがよいでしょう。
出典:Effects of physical exercises on semen quality and reproductive outcomes in male infertility
適度な睡眠時間
妊活中の男性にとって睡眠不足は、良質な精子を作る弊害となります。
953人の一般男性を対象としたデンマークの「睡眠と精子の質に関する研究」によると、睡眠に問題がある男性は、睡眠に問題がない男性と比べると精子の数が約25%少ないと報告されています。
また、別の研究では平均年齢24歳の男性を1週間5時間の睡眠に制限したところ、精子の生成に必要な男性ホルモンであるテストステロンが、10%〜15%減少したと報告されました。
良質な精子を生成するために7〜8時間程度の適度な睡眠時間を確保して、妊娠能力を向上させましょう。
出典:Effect of 1 Week of Sleep Restriction on Testosterone Levels in Young Healthy Men
体重管理と肥満対策
肥満は、勃起不全や精子の形態に悪影響を与え、妊娠を妨げる原因となります。
肥満になると女性ホルモンが増え、男性ホルモンが減ることが報告されています。これにより、体内で生成される精子の数が少なくなります。
また、肥満では精液量の減少とDNA損傷の高い精子の増加が確認されており、精子の質を低下させることは明らかです。
妊娠の確率を高め、元気な赤ちゃんを授かるためには、まず父親となる男性の生活習慣を改め適正な体重を維持しましょう。
妊活中に男性がやってはいけないこと6つ
妊活中には、良質な精子を生成し維持するために、次の6つに注意しましょう。
- 喫煙
- 深酒
- 育毛剤(フィナスリド)
- コーヒー
- 下半身を温めすぎない・圧迫しない
- ストレス
喫煙
喫煙をする男性は、喫煙しない人に比べて勃起障害や精子の運動率の低下、数の減少、形態異常の増加が報告されています。
これは喫煙により、精子のDNAが損傷するためで、喫煙者と非喫煙者の間で明確な違いが報告されています。日本禁煙学会では次のように警鐘をならしています。
深酒
飲酒は精液量と形態に悪影響を与えることがわかっています。ときどき飲酒する程度ならあまり影響はありませんが、毎日飲酒する人は注意が必要です。
適度な飲酒は問題ありませんが、妊活中はできるだけアルコールを控え、健康的な生活を送りましょう。
出典:Semen quality and alcohol intake: a systematic review and meta-analysis
育毛剤(フィナステリド)
妊活中の男性は、育毛剤の使用を控えましょう。育毛剤に含まれるフィナステリドは、精子に悪影響を与え妊娠率を低下させます。
フィナステリドは、男性ホルモンの働きを抑制して抜け毛を抑制する効果があります。男性ホルモンの働きを抑制するので、精子の生成にも影響を与え、精子数の減少や運動率の低下につながります。
コーヒー
妊活中の男性は、コーヒーの過剰摂取は避けましょう。
コーヒーに含まれるカフェインの影響を調べた研究によると、1日4杯以上のコーヒーを飲む男性において、精子の形態異常が多いという報告があります。
一方で、精子の数や運動率については一貫した関係は認められていません。
これは、コーヒーに含まれるカフェインが精子にDNA損傷を引き起こし、形態異常を引き起こすためと考えられます。
成人のカフェインの安全な摂取量は1日あたり約400mg、およそコーヒー4杯分とされています。妊活を考える場合は、より慎重にコーヒーを摂取しましょう。
出典:Coffee and caffeine intake and male infertility: a systematic review
出典:農林水産省
下半身を温めすぎない・圧迫しない
妊活中の男性は、下半身を温めすぎない・圧迫しないことが重要です。高温になると、精子の生成に必要な酵素の働きが鈍り、精子数の減少や運動率の低下につながります。
また、座り仕事が精子DNA におよぼす影響の研究によると、仕事時間の50%以上を座って過ごした男性は、50%未満の男性よりも精子のDNA損傷率が高かった、という報告があります。
これは、座り続けることで熱がこもるためで、デスクワークなど長時間おなじ姿勢を続ける場合は、適度に立ち上がって体を動かしましょう。
また、長時間の入浴や熱いお湯も避けたほうが懸命です。サウナも同様に、長時間利用は控えましょう。
ジーンズやトランクスなど、下半身を締め付けるような服装は避け、ゆったりとしたボクサーパンツなどの通気性のよい服装がおすすめです。
出典:The impact of sedentary work on sperm nuclear DNA integrity
ストレス
厚生労働省の調査によると、ストレスは男性不妊の原因の一つとして挙げられています。
ストレスは、精子の生成に必要な男性ホルモンであるテストステロンの分泌を低下させます。また、活性酸素を増加させて精子のDNAを損傷させるので、精子の形態異常が増えます。
さらに、勃起障害や早漏などの性機能障害を引き起こす可能性もあります。
適度な運動や睡眠、バランスの取れた食生活でストレスを発散させましょう。
自分の妊娠力に自信がない場合は、サプリメントなどのサポート商品を検討するとよいでしょう。こちらの関連記事では、男性に必要な栄養素や、精活力をサポートする成分が配合されたサプリメントを紹介しています。
男性用妊活サプリってあるの?おすすめサプリと男性の妊活について看護師が解説
「男性用妊活サプリメント」があることをご存知でしょうか?男性用サプリは女性用とは飲む目的も成分も異なります。本記事ではおすすめの男性用妊活サプリ「mitas for men」について、男性不妊の原因、男性が妊活のためにできることを解説します。
効果的な妊活の方法
やみくもに性行為をおこなっても妊娠には至りません。体の仕組みを知って、ベストなタイミングで妊活をしましょう。
禁欲期間を設けて精子をベストな状態にする
禁欲期間は1日とし、定期的に射精をおこなうことで新鮮な精子で受精に挑みましょう。
4日以上の禁欲は精子DNAに悪影響をおよぼすという研究報告があります。2〜4日の禁欲と比較して、1日の禁欲は着床率を改善し、妊娠率を増加させます。
無理な禁欲は逆効果です。排卵日に合わせて定期的に射精をおこなうことで、より良質な精子で妊娠のチャンスをつかみましょう。
性行為の頻度とタイミングを見極める
妊娠しやすい時期は、排卵4日前から排卵前日です。この時期に1〜2日おきに性行為をしましょう。
体位や性交後の安静は妊娠に影響しません。
複数日にわたって性行為を持てない場合は、排卵日を予測して、排卵日に合わせて性行為を持ちましょう。
性行為のベストなタイミングとは
排卵された卵子は約24時間しか受精能力を持ちません。
一方、精子は子宮頸管で約72時間生存します。
そのため、排卵日の前から性行為をおこなうことで、排卵日に精子が卵子に到達する可能性を高めます。
サポート商品(サプリメント)を活用する
毎日のバランスのよい食事は良質な精子づくりには欠かせません。
しかし、お互いに仕事が忙しく、共働きが多い家庭では食事に気を遣うことは難しいですよね。
効率よく必要な栄養素を摂取するためには、サプリメントの力を借りるとよいでしょう。
男性の妊活におすすめのサプリ『mitas for men』
妊活サポートサプリメントmitas for menには、妊活中の男性に必要な栄養素である亜鉛、ビタミンC・Eのほか、ストレスの緩和をサポートするコエンザイムQ10などが詰まっています。
女性用の妊活サプリメントが多い中、男性に特化した点が嬉しいですね。
香料、着色料、保存料、酸味料、甘味料、増粘安定剤はすべて不使用で無添加にこだわり、国内有数のGMP* 認定工場で製造しているため、赤ちゃんにも◎。
*GMP:厚生労働省が定めた医薬品等の品質管理基準
また、飲みやすさにもこだわり、粒の大きさは業界でもかなり小さいサイズです。においもとことん抑えられているため、サプリメントが苦手な方でも飲みやすく作られています。
一方で女性用サプリメントmitasは、元気な赤ちゃんを授かるために必要な葉酸をはじめとする栄養素を含んだオールインワンサプリメント。
2人の妊活を応援するmitas for menとmitasをセットにしたカップルセットなら、パートナーと一緒に2人の妊娠力を効率的に高めることができますよ。
妊活について夫婦で話しあう
子どもを授かることについて、パートナーと具体的に話し合ったことはありますか?この機会にじっくりと話し合ってみましょう。
机に座って、まじめに話す必要はありません。
リビングでくつろぐパートナーの横に座って、自分の考えを伝えてみましょう。
その時は、次の内容についてパートナーの意見も聞きながら話ができるといいですよ。
妊活がうまくいかない可能性を理解しておく
不妊は年齢、体質、健康状態など、さまざまな要因が複合的に絡み合って起こります。
世界保健機関(WHO)によると、不妊のおよそ11%は原因不明とされていて、世界中の繁殖可能年齢のおよそ 6人に1人が不妊を経験しています。
不妊は決して特別なことではなく、誰にでも起こりうること。繰り返しになりますが、女性だけでなく、男性に原因があることも多いのです。
出典:世界保健機関(WHO)
男性不妊の原因は?
女性不妊と男性不妊の割合はほとんど同じであり、男性側に根本原因があるケースもあります。
正常な精子そのものを作れない造精機能障害の原因は、遺伝や生活習慣などさまざまです。
性機能障害には勃起不全(ED)、射精障害、性欲減退などの症状があります。近年増加傾向にあり、ストレスや運動不足、生活習慣、服用している薬の副作用などが原因となります。
精子が男性の体内を通る経路に障害があって、精子が外に出られない、もしくは狭くなっている精路機能障害は、手術や薬物療法により管の塞がりを取り除くことで完治が見込めます。
心配な不妊の症状がある場合は、不妊外来や生殖を扱う泌尿器科など専門の医療機関に相談しましょう。
不妊治療は高額なイメージがありますが、現在は保険適用もあり治療のハードルはグッと下がっています。不妊であっても赤ちゃんをあきらめる必要はありません。下記の記事で保険が適用されるケースを知って、上手く活用しましょう。
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不妊治療が保険適用になるのを知っていましたか?不妊治療の保険制度についてわかりやすく解説しています。治療範囲や条件、治療費の目安や保険以外のお金の制度をぜひ参考にしてみて下さい。
男性の妊活まとめ
男性が妊活に取り組む際は、まずは風疹抗体検査の実施や精液検査を通じて生殖能力があるかを確認する必要があります。
喫煙や深酒、過剰なコーヒー摂取は避け、適度な運動や睡眠、バランスのよい食事、適切な体重管理を心がけることでパートナーの妊娠に近づきます。
一方で、すべてを完璧にこなそうとすると、かえってストレスになり、妊娠を遠ざけてしまう恐れも。サプリメントなどを使って、手軽に体質を見直すことも考えてみましょう。妊活のサポート役としてサプリメントを活用するなら、mitasシリーズのカップルセットがおすすめですよ。
この記事で紹介した生活習慣の改善は、精子の質を向上させ妊娠率を高めるサポートをします。夫婦で妊活について話し合う機会を定期的に持つのもおすすめですよ。
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