更新日:2024/11/15
子供が出来やすい男性の特徴は?助産師が解説する男性妊活のポイント
妊活中の方が気になる自分のパートナーのこと。「妊活って私だけが取り組んだら良いの?」「私は検査で大丈夫だったけど、パートナーはどうなんだろう?」と気になっている方もいると思います。
今回は、男性の妊活についての内容をお届けします。子供が出来やすい男性の特徴や男性の不妊の原因、NG習慣、そして男性が妊活のためにできることについて解説していきます。
妊活は、女性だけでもなく、男性だけでもなく、カップルで取り組むべきこと。妊活に取り組んでいる方や、今後妊娠を望むカップルは、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね!
この記事に登場する専門家
助産師ライター かなえ
現役助産師ライター。
助産師免許取得後、助産師外来や院内助産を経験し、現在はフリースタイル出産を取り扱うクリニックで勤務。また、地域の学校や親子向けに性教育のおはなし会を開催。
【資格】
・看護師
・助産師
・保健師
・新生児蘇生法インストラクター
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子供が出来やすい男性の特徴
妊娠するために必要な能力「妊孕性(にんようせい)」が高い男性には以下のような特徴があります。
- 年齢が35歳未満
- 健康的な体型
- 生活が規則正しい
- 飲酒・喫煙をしない
- 生殖能力が正常
- 性生殖器に関係する既往歴がない
妊娠するためには、女性の状態が重要だと思われがちですが、妊娠は卵子と精子が出会い、受精することが絶対条件です。そのため、男性の状態もとても重要です。
男性不妊の原因になるNG習慣と合わせてチェックしてみてくださいね。
不妊の原因の約50%は男性
実は、不妊の原因の約半分は男性にもあることが分かっています。
特に加齢と共にその割合が大きくなることが分かっています。
そこで、ここでは男性不妊の主な原因3つを紹介していきます。
- 造精機能障害
- 性機能障害
- 精路通過障害
これらは泌尿器科や生殖医療科で調べることが可能です。症状に心当たりがあったり、心配な方は検査だけでもしてみるのがおすすめです。
造精機能障害
造精機能障害とは、精子を作る機能に問題がある状態です。造精機能障害は、男性不妊の約80%以上を占め、以下のような症状があります。
- 精液中に精子がいない(無精子症)
- 性液中に精子の数が少ない(乏精子症)
- 精子の運動率が低下している(精子無力症)
性機能障害
性機能とは①性欲②勃起③性交④射精⑤オーガズムに分けられます。
男性の性機能障害は勃起障害と認識されがちですが、「これらの要素のいずれか1つ以上欠けるか、もしくは不十分なこと」と定義されています。具体的には、以下のようなものがあります。
- 性欲が減少する(性欲低下)
- 性的な行為全般に嫌悪感や不快感をいだく(性嫌悪症)
- 性行時に十分に勃起しない、十分な勃起を持続できない(勃起障害)
- 射精できない、射精のタイミングがうまくいかない(射精障害)
中でも勃起障害が多く、次に射精障害が多い傾向があります。勃起障害は、心理的な問題や精神的な問題が原因となる「機能性」と、血管系、神経系、内分泌系などに原因がある「器質性」に分類されます。
精路通過障害
精路とは、精子を運ぶ通路のことをいい、精巣、精巣上体、精管、射精管などをさします。精路通過障害とは、「これらの精路が何らかの原因で閉塞しており精子を排出できない状態」のことをいいます。
精路通過障害は性機能障害の射精障害とは異なり、射精は可能です。しかし、射精された精液中には精子が含まれず、前立腺液や精嚢液などのみ。そのため、精液量が極端に少ない傾向があります。
男性不妊に関する記事はこちらも参考に!▼
【男性の妊活】精子の質を高める4つの習慣とやってはいけないこと6つ
妊活において男性がやるべきことは精子の質を高めることです。サプリを活用して生活の質を高めることはもちろん、正しい禁欲期間を知ることも大切です。喫煙や飲酒、ストレス、コーヒー、座り仕事など日常生活で精子に悪影響を与えることがあります。良質な精子の作り方を知って元気な赤ちゃんに会いましょう。
男性不妊の原因になるNG習慣
男性不妊の原因となる造精機能障害、性機能障害、精通路障害は、日常生活の中での習慣が影響していることもあります。もしかしたら、意識せずに行っていることが不妊の原因になっているかもしれません。
まずはNG習慣を知り、これらを行わないことから始めてみましょう。
飲酒・喫煙などの生活習慣
飲酒や喫煙が体に悪いことは多くの人が知っていることだと思いますが、飲酒や喫煙は造精機能や精機能にも悪い影響を及ぼすことが分かっています。さらに勃起障害や勃起不全になる確率が上昇してしまいます。
飲酒時に体内で発生するアセトアルデヒドという毒素は、精子量や精子の運動率、精子濃度などの精液の状態に悪影響を及ぼすことが分かっています。
また、喫煙は血流の悪化を招き、喫煙していない人と比べて有意に精液の状態が悪くなることが分かっています。中でも、もともと精液の状態が悪い人では濃度が1千万/ml以上も悪くなるというデータも。(※1)
妊活のためには、これらの生活習慣を見直すことが大切です。
暴飲暴食・肥満
肥満は精子の濃度や運動性に悪影響を及ぼすことが分かっています。
それだけでなく、脂肪から分泌されるレプチンというホルモンや炎症誘発物質、性腺機能低下症、精巣の温度上昇などが精子のDNA損傷を引き起こす可能性があると考えられています。
また、多くの肥満の人にみられる糖尿病、脂質代謝の異常、睡眠時無呼吸症候群なども、間接的に精子DNA損傷に悪影響を及ぼす可能性があります。
精子DNA損傷の程度が大きいと、赤ちゃんの元になる胚の発生が悪くなり、着床率の低下や流産率の上昇につながります。
不妊の原因とならないためにも暴飲暴食は避け、適切な体重管理を始めましょう。
下半身を温める
実は精子は温度の変化に弱く、特に熱に弱い性質を持っています。そのため、温度調整のために寒い時は収縮し、暑い時には伸びて熱を放散します。
睾丸の温度が高くなると精子が作られにくくなってしまうため、下半身を温める以下のようなことは避けるのが良いでしょう。
- ゆとりのない下着やズボンを着用する
- 長時間の自転車
- 長時間・高頻度のサウナや長風呂
- 膝の上でのパソコン作業
- 熱い環境での長時間の作業や仕事
体をあたためる「温活」は、女性の妊活には◎ですよ!▼
妊活中の温活って効果があるの?冷え性の影響と解消法【助産師執筆】
女性に多い「冷え性」は、実は妊活にも影響を及ぼします。冷えが妊活に与える影響と、妊活中の温活の効果について解説していきます。加えて、妊活において重要な睡眠、食べ物、入浴などについても解説していますので、妊活している男女共に必見です!
ストレスのためすぎ
過度のストレスは、性機能障害や乱れた食生活、飲酒などが増える原因となってしまう可能性があります。また、ストレスは体内で活性酸素という酸化ストレスを増やす原因となってしまいます。
体内で活性酸素が増え精子が酸化ストレスを受けると、精子の運動率や精子DNA損傷が起こり精子の状態に悪影響を及ぼすことが分かっています。
その他、ストレスは自律神経や血流を悪くさせる原因にもなってしまうので、定期的に発散できる環境を作っておくことが大切です。
NG習慣とは反対に、男性妊活のためにやるべきことについてはこちらの記事でチェック!▼
妊活で男性がやるべきこと10選!精子の質を下げるNG行動もあわせて解説
本記事では、妊活で男性がやるべきことを10選にして紹介します。妊活前には夫婦でよく話し合い、風疹の抗体検査や精液検査を受けましょう。妊活中は、禁煙や禁酒などを徹底して生活習慣を見直すことが大切です。精子の質が落ちるNG行動や男性にとっても妊活が大切な理由も合わせて解説するので、これから赤ちゃんを迎えるためにも本記事を役立ててみてください。
男性妊活で意識したい6つの習慣
最後に、男性が今日から取り入れることができる妊活のための習慣について紹介していきます。
近年では、「プレコンセプションケア」という将来のライフプランを視野に入れて、健康的な生活を送るためのヘルスケアの必要性がうたわれています。
プレコンセプションケアは心身共に健康的に過ごすことを目的としているため、元気に歳を重ねていくためにもとても大切なことです。
現在お子さんを望んでいる方はもちろん、将来的に子どもが欲しいという方もぜひ参考にしてくださいね!
適正体重を目指す
痩せすぎも太りすぎも、精液の質に悪影響を及ぼす可能性があります。まずは、自分の体格や適正体重を知りましょう。
体格指数(BMI)は、計算式に自分の身長と体重を当てはめて計算することができます。
体重(kg) ÷ (身長(m)×身長(m)) = BMI値
また、適正体重は、こちらの計算式に当てはめると計算することができますよ。
身長(m) × 身長(m)× 22= 適正体重
BMIの判定は、以下の表を参考にしてみてくださいね。
BMI | 判定 |
---|---|
18.5未満 | 低体重(痩せ型) |
18.5〜25未満 | 普通体重 |
25〜30未満 | 肥満1度 |
30〜35未満 | 肥満2度 |
35〜40未満 | 肥満3度 |
40以上 | 肥満4度 |
女性も同じく、痩せすぎも太りすぎも月経不順や不妊の原因になります。女性の体重増加や適正体重についての記事も参考にしてみてくださいね。▼
生理不順の治し方は?助産師が教える原因とセルフケア、妊活に向けた対策を紹介
生理不順の原因や治し方は、人によってさまざまです。女性の生理周期はホルモンの影響を大きく受けます。そして、ホルモンは生活習慣やストレスの影響を受け乱れてしまいます。生理不順がある方は、原因を知ることと同時に生活習慣やストレス発散方法を改善することが大切です。この記事で生理不順の原因、治し方、セルフチェックまで詳しく確認していきましょう。
妊娠中の太り過ぎのリスクは?体重増加の目安と対策法を紹介!
妊娠中の太り過ぎは難産のリスクがあるためよくありません。体重増加の目安は妊娠前の体型で変わるため、自分が太り過ぎかをチェックし、正しい体重管理を行うことが大切。ただし、痩せ過ぎもよくないため、無理なダイエットはNGです。本記事では妊娠中の体重管理で悩んでいる方に向けて、妊娠中の太り過ぎのリスクや体重増加の目安と対策法を解説しています。
バランスの良い食事をとる
心身共に健康的な状態でいるためには、食事はとても大切です。
男性は、仕事によっては外食や会食などが多くなったり、出来合いのものや手軽に摂ることのできるファストフードやコンビニのお弁当などを選んだりする人もいると思います。その他、麺類や肉食に偏ってしまう人も少なくないでしょう。
バランスの良い食事をとるためのポイントはこちら。
- 1主食、副菜、主菜、乳製品、果物をバランスよく食べる
- 2いろいろな色の食べ物を摂るようにする
- 3肉と魚どちらも摂るようにする
- 4主食はできるだけ白いものに偏らないようにする
1日の中でバランスよく栄養を摂るのが難しい場合は、1週間を通してみた時に偏りがないように意識するようにしましょう。
また、適正体重より重い人や肥満傾向の人はこちらもチェックしてくださいね。
- 野菜から食べる
- 味噌汁やスープなどの汁物も一緒に食べる
- よく噛んで早食いにならないようにする
サプリメントの活用も◎
それでも食事のバランスが良くないと感じる人や栄養に偏りがある人、外食などが多い人はサプリメントを活用するのもおすすめです。
妊活のためには、バランスの良い食事や栄養素はもちろん、特に意識して摂りたい栄養素もあります。それが、精活力をサポートしてくれると考えられている亜鉛やマカ。さらに、日々のストレスから体をまもる抗酸化作用のあるビタミンやコエンザイムなどの栄養素です。
亜鉛は牡蠣に含まれる栄養素として知られていますが、牡蠣の他に多く含まれるのは塩辛やカラスミ、ビーフジャーキー、スモークレバーなどです。
ビタミン類やコエンザイムは野菜や果物、青魚や肉類や種子類に含まれています。
しかし、これらを毎日意識して摂るのは簡単なことではありません。また、栄養素は単発で摂るのではなく、毎日の生活の中でコツコツ続けていくことが大切です。それが手軽に叶うのがサプリメントの活用です。
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精子は、コンディションによって大きく変動するもの。日々の生活習慣やストレスは精子にとって大きな影響を与える要因となります。
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男性用妊活サプリってあるの?おすすめサプリと男性の妊活について看護師が解説
「男性用妊活サプリメント」があることをご存知でしょうか?男性用サプリは女性用とは飲む目的も成分も異なります。本記事ではおすすめの男性用妊活サプリ「mitas for men」について、男性不妊の原因、男性が妊活のためにできることを解説します。
夫婦で飲めるおすすめの妊活サプリは?助産師が教える選び方と二人で飲むべき理由
この記事では、夫婦で一緒に飲めるおすすめの妊活サプリメントや選び方のコツについて助産師が詳しく解説します。また、妊活サプリを女性だけでなく二人で飲むべき理由や、サプリで摂るべき成分も要チェックです!
適度に運動する適度に運動する
運動と聞くと、健康のためにもした方が良いと思いますよね。しかし、実は運動を全くしないことも、反対に過度に運動をすることも妊活においては良くないということが色々な研究で分かっています。
運動は、生活習慣病が原因となり不妊症を招いている可能性がある人にとっては有効です。
しかし、過度な運動は反対に酸化ストレスや慢性炎症を引き起こし、その結果として男性ホルモンのテストステロンの分泌が低下し、精液の状態を悪化させてしまう可能性があるとされています。(※2)
運動は体格指数も参考にしながら、ストレスにならず心地よいと感じる程度に取り入れるのが良いでしょう。
質の良い睡眠をとる
睡眠は、脳や体の疲労回復や細胞の修復などの体のメンテナンスにとても大切です。
また、ホルモンバランスの調整にも関係しており、血糖値や血圧のコントロールにも影響を与えるため、生活習慣病の予防のためにも重要です。
質の良い睡眠を摂るためのポイントを紹介します。
- 朝起きたらカーテンをあけ日の光を浴びる
- 朝食を摂り、寝る前の食事を控える
- カフェインの摂りすぎや晩酌を控える
- 寝る前のブルーライトを避ける
- 寝室の光や温度を整える
飲酒・喫煙を控える
飲酒や喫煙は、生活習慣病の原因となることはもちろん、男性不妊の原因となることが分かっています。日常的に飲酒の習慣がある人は、飲酒の機会を減らす工夫や、ノンアルコールで代用するなどして休肝日を設けるようにしましょう。
また、喫煙は本人だけでなく受動喫煙のリスクもあります。喫煙は妊娠中の女性や胎児に悪影響を及ぼす可能性や、乳児突然死症候群(SIDS)の要因としても知られています。
喫煙習慣のある人は、禁煙外来などを利用して喫煙するのが良いでしょう。
ストレスとうまく付き合う
現代社会では、仕事関係や人間関係を始めとしたストレスは大なり小なり付きものです。そして、そのストレスとどう付き合っていくかがとても大切です。
ストレスがたまった時に、食事や飲酒などで解消するのではなく、心身共に健康的な解消方法を探しましょう。
自然の中に出かけたり、体を動かしてスッキリしたり、映画や読書なども良いでしょう。
男性ができる妊活についてはこちらも参考に!▼
男性ができる妊活とは?妊娠しやすくなるコツや男性がやるべき検査を紹介【助産師監修】
妊活とは、男性もパートナーと足並みを揃えて、検査を受けたり、生活習慣を整えたり、妊活の方向性を話し合うなど、少しずつ始めるもの。本記事では、男性が妊活でやるべきことをまとめています。精子の質を下げるNG習慣や男性が受けるべき検査も解説しているので、何から始めればよいか分からない妊活中の男性の方は参考にしてください。
妊活は健康的な生活習慣と体づくりが大切!今日から2人で取り組もう
不妊症は女性に原因があると思われがちですが、男性にも原因があることも少なくありません。そのため妊活は、女性だけ、男性だけではなくカップルで取り組むことが大切です。
自分は大丈夫かな?と不安に思ったら、まずは異常がないか検査してみるのがおすすめです。原因がわかれば、そこから何に取り組めば良いかが見えてくるかもしれません。
また、妊活のためには健康的な体づくりを意識することが大切です。健康的な体作りのためには、食事、運動、睡眠などの基本的な生活習慣を整えることから始めましょう。
妊活のために必要な栄養素を摂るなら、不規則な生活になりがちな忙しい男性でも簡単に取り入れられる男性用妊活サプリの「mitas for men」がおすすめです。
男性妊活に役立つ亜鉛やマカなどの精活力をサポートしてくれる成分や、ビタミンやコエンザイムなどの抗酸化作用のある成分をオールインワンで摂ることができますよ。
パートナーと一緒に飲めるカップルセットもご用意しているので、二人で始める妊活にぜひご活用くださいね!
参考文献:
(※1)喫煙は実際にどれくらい精子に悪い? | 英(はなぶさ)メンズクリニック
(※2)運動が男性の生殖機能に及ぼす影響について(論文紹介) - 亀田IVFクリニック幕張のブログー妊娠・体外受精ー
参考資料:
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