更新日:2024/6/27

なぜ妊婦には葉酸が必要なの?摂取量からいつまで摂るべきかまで助産師が完全ガイド!

妊娠中は、母子の健康のために葉酸の摂取が推奨されています
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妊娠中に摂ることが勧められている「葉酸」。産婦人科に受診したときに葉酸を摂るように言われて、なんとなく摂り始めた方もいると思います。

しかし、飲み始めたのは良いものの、「何のために摂ってるの?」 「いつまで摂るものなの?」「どれくらい摂ればいいの?」と疑問を持っている方もいると思います。

本記事では、妊婦さんと葉酸の関係について詳しく解説していきます。この記事を読むと、葉酸を摂る理由、妊娠時期に合わせた葉酸の摂取量、そしておすすめの摂り方までしっかりと理解できますよ。

妊婦さんにおすすめの葉酸の摂り方を先に知りたい方は、こちらをタップ!

この記事に登場する専門家

助産師ライター かなえ

現役助産師ライター。

助産師免許取得後、助産師外来や院内助産を経験し、現在はフリースタイル出産を取り扱うクリニックで勤務。また、地域の学校や親子向けに性教育のおはなし会を開催。

【資格】

・看護師

・助産師

・保健師

・新生児蘇生法インストラクター

なぜ妊婦に葉酸が必要なの?

妊娠すると、いつもより多くの葉酸を摂ることが推奨されます。

何となく、「妊娠と葉酸に何かの関係があるのかな?」「母体や赤ちゃんにとって葉酸が必要なのかな?」と良く分からないまま摂り始めている方もいると思います。

刀直入にいうと、妊娠と葉酸には大きな関係があり、葉酸を摂ることで妊娠中のお母さんとお腹の中の赤ちゃんの両方に良い効果があることが分かっています。

そのため、近年では妊婦健診の際に葉酸の摂取を勧められたり、母子手帳にも葉酸の摂取に関わる記載が追加されていたり、厚生労働省のホームページにも葉酸の摂取に関係する内容が掲載されています。

ここでは、妊婦さんに葉酸が必要な理由を詳しく紹介します。

神経管閉鎖障害の予防

数多くの疫学研究から、妊娠する前および妊娠してからの葉酸の摂取が、お腹の中の赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを下げるということが報告されています。

娠初期は、お腹の中の赤ちゃんの細胞の増殖が盛んな時期で、神経管が作られる時期に当たります。この時期に葉酸の摂取量が不足すると、お腹の中の赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクが高くなってしまいます

経管閉鎖障害とは、脳や脊髄のもとである神経管が正常に形成されないことによって生じる生まれ持った異常です。

日本においては、神経管閉鎖障害のうちの「二分脊椎」という背骨で覆われるはずの脊髄が覆われていない状態が大部分を占めています。

経管閉鎖障害について詳しくはこちらもチェック▼

神経管閉鎖障害と葉酸にはどんな関係がある?赤ちゃんの先天異常をサプリメントで予防しよう【助産師執筆】

葉酸を摂取することで発症を予防することができるといわれている「神経管閉鎖障害」。神経管閉鎖障害とはどんな病気なのか、その原因や検査方法などを、葉酸との関係性を含めて詳しく解説します。赤ちゃんの先天異常を予防するために、妊活中にできることを今から始めていきましょう。

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貧血予防

葉酸は、赤血球の形成やDNA合成にも大きく関わっています。

妊娠すると、体を巡る循環血液量が増えるのに対して、血液中の成分は増えません。そのため、血液が薄まり貧血傾向になってしまいます

血球の中の成分であるヘモグロビンは、酸素と結びついて全身に酸素を送る働きをしています。そのため、ヘモグロビンが不足して貧血になると疲れやすくなったり、動悸が起こったり、立ちくらみが起こりやすくなったりしてしまいます。

らに、お産においては、お産を進めるための陣痛が弱い「微弱陣痛」という状態が起こる可能性があります。産後においては、産後うつのリスクを高めてしまうことが知られています。

また、赤ちゃんの栄養源となる母乳にも影響することもあります。母乳は、血液とホルモンが原料です。貧血のお母さんから分泌される母乳は薄くなってしまうこともあるので、妊娠中からしっかりと葉酸を摂っておく必要があります。

生活習慣病の予防

実は、葉酸は生活習慣病とも大きな関わりがあるということが知られています。

酸不足やそれに伴うホモシステインというアミノ酸の増加が、3大死因である癌、心疾患、脳血管疾患、そしてアルツハイマー病の原因のひとつになるということが知られています。

ホモシステインは、細胞内から血液中に移行して蓄積すると動脈硬化を引き起こします。葉酸は、ビタミンB12やB6と力を合わせて、このホモシステインの濃度を下げる働きをします。

そもそも葉酸とは

「葉酸」とは、実はビタミンの一種です。水に溶ける水溶性ビタミンというもので、大きく分けると、主に食品に含まれる「天然葉酸」と、サプリメントなどに含まれる人工的に作られた「合成葉酸」の2種類に分けられます

「天然」と「合成」と聞くと、何となく人工的に作られたものは体に良くないような印象を受ける方もいるかもしれません。

しかし、人工的に作られた合成葉酸は体内での利用効率が85%であるのに対し、食品に含まれる天然葉酸は代謝過程に様々な段階があるため、利用効率が低下することが分かっています。そのため、この2種類の葉酸は、別物として考える必要があります。

内に取り入れられた葉酸は、主に細胞の増殖や体をつくるタンパク質の合成の役割をしています。妊娠している時期における葉酸は、盛んに行われるお腹の中の赤ちゃんの細胞の増殖や、体をつくるうえでもとても重要な役割を担っています。

葉酸で得られる効果について、もっと詳しく知りたい方はこちらもチェック▼

葉酸で得られる5つの効果とは|摂り始めるタイミングから妊娠中におすすめの摂取方法まで完全ガイド

葉酸は妊娠中に摂ると良いものというイメージがあるものの、得られる効果や詳細は分からないという方も多いのではないでしょうか。本記事では葉酸の効果や摂取のタイミング、効率的な摂取方法などについて詳しく解説します。ぜひ今から葉酸を摂って、妊娠しやすいカラダづくりの準備を始めましょう。

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葉酸はいつまで摂ればいいの?

妊娠中の葉酸摂取が、お母さんやお腹の中の赤ちゃんにとって必要な栄養素であるということが分かりましたね。では、葉酸は具体的にどのくらいの期間摂ればいいのでしょうか?

えは、「妊娠前から産後の授乳期間」まで必要です。時期により推奨される量は異なりますが、特に妊娠中は意識していつもより多く葉酸を摂る必要があります。(※1)

葉酸の必要量

妊娠期間は、初期はお腹の中の赤ちゃんの成長発達のため、より多くの葉酸が必要になります。妊娠中期および後期は、葉酸の分解・排泄が促進されるという報告があります。また、授乳期においては母乳中に葉酸が含まれます

そのため、妊娠していないときと比べて、妊娠期も授乳期もより多くの葉酸の摂取が推奨されています。(※2)

娠及び授乳の時期における葉酸の推奨量は以下の通りです。

いつから葉酸を摂ればいいの?

妊娠すると葉酸の摂取が必要になることは、多くの人が知っていると思います。しかし、実は葉酸の摂取は妊娠前から付加することが望ましいとされています。の理由は、妊娠が分かる時期に関係しています。

葉酸は、主にお腹の中の赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防のために摂取が推奨されています。そして、せき髄や脳の元となる神経管は、受精後4週目ごろに作られ、その後発育していきます。

しかし、お腹の中の赤ちゃんの元である胎嚢(たいのう)がエコーでしっかりと確認できるようになるのはもう少し先になります。

のため、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性は、その時から葉酸を意識して摂ることが大切です。

葉酸を妊娠前に摂るべき理由について、より詳しく知りたい方は、こちらもチェック▼

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妊婦が葉酸を摂りすぎOR足りないとどうなる?

妊婦さんや授乳中のお母さんに葉酸の摂取が必要だということが分かりましたね。しかし、一方で「もし摂りすぎたらどうなるの?」「足りなかったらどうなるの?」という疑問も湧いてくると思います。

ここからは、葉酸を摂りすぎた場合と、足りなかった場合の影響について解説していきます。

摂り過ぎることによる影響

基本的には天然の食品由来の葉酸においては、過剰に摂取しても健康被害の報告はないとされています。そのため推奨量の設定はありますが、許容上限量の設定はされていません。

一方、サプリメントなどに含まれる人工の葉酸や、葉酸が強化された食品から過剰に摂った場合は、以下のような健康障害を引き起こす可能性が考えられています。

サプリメントなどで葉酸を摂る場合は、表示されている内容や摂取量を確認しましょう。

人工の葉酸の過剰摂取による健康障害

  • 悪性貧血になり、神経症状が出たり悪化したりする可能性がある
  • かゆみ、呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがある

不足することによる影響

葉酸が不足している状態が続くと、「葉酸欠乏症」という状態になることがあります。葉酸が少ない食事が続くと、数ヶ月以内にこの状態になるとされています。

葉酸欠乏症には、以下のような症状が現れます。しかし、この症状はサプリメントなどの人工の葉酸を摂取することで緩和されます。(※2)

葉酸欠乏症の症状

  • 貧血になり、疲労感、蒼白、怒りっぽくなる、息切れ、めまいなどの症状が現れることがある
  • 重度の欠乏症になると、舌が赤くなって痛む、下痢、味覚の低下、抑うつ、錯乱、認知症が生じることがある
  • 妊婦に葉酸欠乏症があると、赤ちゃんに神経管閉鎖障害が生じるリスクが高まる

妊婦におすすめの葉酸の摂り方

妊娠中は、食事から葉酸を摂ることに加えて、サプリメントなどで人工の葉酸を付加することが望ましいとされています。

ここからは食事から葉酸を摂るときのちょっとしたポイントや、サプリメントの選び方について紹介します。

食事から摂る

食品からの葉酸摂取の推奨量は240μgです。

つわりの症状が落ち着き、色々なものを食べることができるようになったら、食事の内容や栄養素にも目を向けたいところ。

2019年の調査結果では、男女共に日本人の食事摂取基準の推奨量である240μgを満たしています。(※4)

葉酸は、「葉」という字が含まれていることから、何となく緑色の野菜をイメージする方もいるかも知れません。しかし、実は色々な食品に含まれています。

大きな偏りなく、色々な食材をバランス良く食べることで、食事から必要な量を摂ることができるでしょう。

葉酸を多く含む食品

葉酸を多く含む食品には以下のようなものがあります。食材を選ぶ際に参考にしてみて下さいね。

【穀類】

食品名成分量
(100gあたりμg)
小麦はいが390
キヌア190
米ぬか180
アマランサス130
そば粉84

【野菜類】

食品名成分量
(100gあたりμg)
焼きブロッコリー450
菊のり370
和種なばな340
炒めブロッコリー340
生えだまめ320

【果物類】

食品名成分量
(100gあたりμg)
ドライマンゴー260
ドリアン150
乾燥なつめ140
ライチ100
クコの実99

【藻類】

食品名成分量
(100gあたりμg)
焼きのり1900
味付けのり1600
岩のり1500
川のり1200
あまのり1200

【豆類】

食品名成分量
(100gあたりμg)
大豆はいが460
乾燥緑豆460
大豆たんぱく370
乾燥ひよこ豆350
乾燥黒大豆350

【きのこ類】

食品名成分量
(100gあたりμg)
乾燥しいたけ270
乾燥まいたけ220
生うすひらたけ100
生ひらたけ92

【肉類】

食品名成分量
(100gあたりμg)
鳥生レバー1300
牛生レバー1000
豚生レバー810
豚スモークレバー310
牛生腎ぞう250

【魚介類】

食品名成分量
(100gあたりμg)
生うなぎの肝380
生うに360
たたみいわし300
あゆの内臓(焼き)280
あゆの内臓(生)260

葉酸を多く含む食品について、もっと詳しく知りたい方はこちらもチェック▼

葉酸が多い食品40選!妊活中におすすめの食べ方と注意点を詳しく紹介

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葉酸を食事から摂るときのポイント

葉酸は、水溶性のビタミンです。そのため、水に溶けやすいという性質があります。

食べるときには茹でる調理より、生で食べたり、炒めたりする調理がおすすめです。また、茹でる際には、茹で汁まで摂ることができるものが良いでしょう。

葉酸は他のビタミンと一緒に摂ることで、吸収や代謝が促進されます。葉酸を効率良く摂るためには、以下の栄養素を一緒に摂るように意識してみましょう。

【葉酸と摂りたい栄養素】

  • ビタミンC
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12

サプリメントから摂る

特に妊活中や妊娠の初期は、食事からの葉酸の摂取に加えて、利用効率の良い人工の葉酸を摂ることが推奨されています。

しかしサプリメントと言っても、世の中には色々なものが溢れていてどのように選べば良いか分からないという方も多いと思います。

ここではサプリメントの選び方と、おすすめの商品について紹介します。

サプリメント選びのポイント

サプリメントを選ぶ際は、必要な栄養素が必要なだけ入っているものを選ぶというのが大切なポイントです。パッケージを見たときに、どれくらいの葉酸が含まれているか分かるものを選びましょう。

また、葉酸の吸収を高めてくれるその他のビタミンや、妊娠中に必要な栄養素が含まれているとなお良いでしょう。

体にとって不必要なものが多く含まれていないかというところもポイントです。サプリメントの中には、飲みやすい形状や味、賞味期限を長くするために添加物が多く含まれているものもあります。

選ぶ際には、香料、着色料、保存料、酸味料、甘味料、増粘安定剤など、余分な添加物が含まれていないものを選ぶようにしましょう。

また、国内の認定された工場で製造された「GMPマーク」がついているものを選ぶということも頭に入れておきましょう。GMPマークがついているサプリメントは、安全性が高く品質が管理されていることを意味しています。

GMPマークはこちら▼

その他、購入のしやすさや続けやすさも考えて選ぶと良いでしょう。

【ポイントまとめ】

  1. 1必要な栄養素が必要なだけ含まれている
  2. 2余分な添加物が含まれていない
  3. 3GMPマークがついている
  4. 4購入しやすく、続けやすい

葉酸以外に必要な栄養素

妊娠中は、葉酸以外にもタンパク質、ビタミン、ミネラルなどをいつもより意識して摂りましょう

初期、中期、後期それぞれで、必要なエネルギー量も変化します。一方で、脂質に関しては特に付加して摂る必要はないとされています。(※5)

普段の食事ですべてを意識するのが難しく感じる場合は、葉酸と一緒に必要な栄養素が含まれたサプリメントを選ぶというのもひとつの方法です。

妊娠中に摂りたい栄養素についてもっと詳しく知りたい方は、こちらもチェック▼

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妊娠中の葉酸サプリならmamaruがおすすめ

妊娠中のサプリメント選びに困ったら、mamaruがおすすめです。mamaruは、妊娠中に摂りたい葉酸400μgに加え、各種ビタミン、ヘム鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルを一緒に摂ることができます。

また、多くの妊婦さんのマイナートラブルでもあるお腹の悩みにアプローチする乳酸菌や食物繊維も含まれており、腸活までできる優れもの

くの栄養素は、腸から吸収されます。腸内環境は、アレルギー、メンタルヘルス、睡眠などにも関わるということが分かっています。

香料、着色料、保存料、酸味料、甘味料、増粘安定剤の6つの添加物が不使用なのも、妊娠中に飲むサプリには嬉しいポイントですね。さらにGMPマークも取得済みで、品質がしっかりと管理されている点も信頼できます。

妊娠中に必要な栄養素を補いながら健やかに妊婦生活を送るために、ぜひあなたの毎日にmamaruを取り入れてみませんか?

妊娠中はサプリメントも使いながら適切に葉酸を摂ろう

葉酸は、妊娠中におけるお母さんの健康とお腹の中の赤ちゃんの成長、発達、健康状態を保つための大切な役割を担っています。

のため、妊娠前・妊娠中は食事とサプリメントの両方から葉酸を補うことが推奨されています。

葉酸は色々な食材に含まれているため、偏りなくいろいろなものをバランス良く摂ることを意識しましょう。

また、サプリメントを選ぶ際は安心して続けることができるものを選ぶのがポイントです。

mamaruは、妊娠中に必要な葉酸やその他の栄養素がオールインワンで摂れる葉酸サプリメントです。GMPマークのついた信頼性の高い商品であることも要チェックですよ。

健康的な妊娠生活を支えるサポート役として、ぜひチェックしてみてくださいね。

参考文献:
(※1)
妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~解説要領
(※2)
日本人の食事摂取基準(2020 年版) p232〜
(※3)
葉酸欠乏症 - MSDマニュアル家庭版
(※4)
栄養素等摂取量|健康日本21(第二次)分析評価事業
(※5)
《参考資料1》対象特性 1 妊婦・授乳婦

参考資料:
意外と知られていない妊娠中の葉酸のはたらき|慶應義塾大学SFC研究所

葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

神経管閉鎖障害:葉酸摂取による予防

産婦人科 診療ガイドライン ―産科編 2020
 p76

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