更新日:2025/1/27
陣痛はどんな痛み?例えや出産の流れ、痛みを少しでも和らげる方法を助産師が徹底解説!
出産の時期が近づいてくると、陣痛はどんな痛みなのか気になるママも多いと思います。
「鼻からスイカが出る痛みって聞くけど耐えられるの?」
と、陣痛への不安で頭の中がいっぱいになりますよね。
今回の記事では陣痛はどんな痛みなのか、痛みのたとえや出産の流れを解説するとともに、痛みを少しでも和らげる方法について助産師が徹底解説していきます。
陣痛という痛みの正体と緩和方法を知って、陣痛への不安を少しでも減らしていきましょう。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
陣痛ってどんな痛み?例えるなら?
陣痛を経験したママに、陣痛はどんな痛みか例えてもらいました。
- 腰を大きなハンマーですりつぶされているような痛み
- お腹を雑巾絞りされているみたいな痛み
- 痛いというより、熱い鉄球がお股に押し付けられている感じ
- うんちを我慢しているときと同じ痛み
ママたちの感想からもわかるように、陣痛の痛みの感じ方は人それぞれ。
ママがもともと持っている痛みへの耐性や骨格、出産の進み方によっても痛みは大きく変わってきます。
陣痛の痛みの正体
そもそも陣痛によって感じる痛みは、
- 赤ちゃんの出口である子宮口を開くために、子宮が収縮している痛み
- 赤ちゃんが骨盤の中を通るために骨盤が広がる痛み
- 赤ちゃんの頭がお股にはさまる痛み
など、いろいろな種類があります。
どの時期にどんな痛みがあるのかという痛みの正体を知っているだけでも、なにも知らないよりは痛みを感じにくくなります。そのため、出産について事前に知識を得ておくのがおすすめです。
陣痛の時間を少しでも短くするためにできることについて、先に知りたい方はこちらから。
陣痛の種類と出産の流れ
陣痛とは、お腹の張り(子宮が収縮すること)を意味しています。
陣痛には3種類あり、陣痛が来る時期とママのカラダに与える影響が違います。
- 前駆陣痛:出産が近づくと起きる子宮収縮
- 本陣痛:赤ちゃんを出産するために起きる子宮収縮
- 後陣痛:赤ちゃんが生まれたあとに起きる子宮収縮
どの陣痛もずっと子宮が収縮して痛みを感じるわけではなく、必ず子宮の収縮が落ち着いて痛みを感じない時間があります。
陣痛は波のように『痛い→痛みが落ち着く→痛い→痛みが落ち着く』を繰り返します。
では、それぞれの陣痛について詳しく解説していきます。
前駆陣痛
前駆陣痛とは、出産が近づくと来ることが多い本陣痛の前段階の陣痛です。
◉前駆陣痛の特徴
- 痛みがきてから次の痛みが来るまでの時間間隔は15分→5分→12分など不規則
- 痛みの強さは強いときもあれば弱いときもある
- 不規則な痛みを感じてもいつのまにか痛みを感じなくなる
前駆陣痛は、お腹が張る(子宮が収縮する)ことで、赤ちゃんの出口である子宮口が開く準備をすることで起こります。
そもそも子宮口って?
そもそも子宮口とは、ドーナツのように管状になっている子宮頸管が開いていくことで広がっていく穴のことをいいます。
妊娠中、子宮頸管は管の長さを3〜4cm前後に保ちながら、赤ちゃんが子宮の外に出ないようにギュッと硬く穴(子宮口)が閉じている状態です。
子宮頸管は子宮が収縮することで薄く引き伸ばされていく性質があり、妊娠中に子宮頚管の長さが短くなると「切迫早産」となります。
切迫早産について詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。
切迫早産ってどんな状態なの?日常生活で気を付けたいポイント【助産師執筆】
早産になる一歩手前の状態である切迫早産。今回は切迫早産とはなにか、診断された場合に日常生活で気をつけたいポイントを解説していきます。
出産が近づくと、赤ちゃんを子宮の外に出すために子宮口を開きやすくする必要があります。
そこで、子宮を収縮させて硬く閉ざされた子宮頸管を柔らかくしていきます。この子宮収縮が前駆陣痛の正体です。
前駆陣痛は子宮口をどんどん開いていく陣痛ではなく、子宮口を開きやすくするための陣痛なので”前駆”陣痛といいます。
本陣痛
本陣痛とは、赤ちゃんを出産するために起きる陣痛のことをいいます。
「陣痛」と聞いてイメージするのは、この本陣痛であることが多いでしょう。
◉本陣痛の特徴
- 痛みが10分以内で規則的にくる
- 痛みの間隔は10分→5分→2分とどんどん短くなる(生まれるときはだいたい2分間隔)
- 痛みの強さは毎回同じくらいで、間隔が短くなるとともにどんどん強くなる
本陣痛には、子宮口を開く役割と赤ちゃんを子宮の外へと押し出す役割があります。
妊娠中閉じていた子宮口は、前駆陣痛によって開きやすくなり、本陣痛が来ることでどんどん開いていき、最後は10cm開くことで赤ちゃんが子宮の外に出られるようになります。
ただ、赤ちゃんが外に出てくるためには、ママの膣の中を通ってくる必要があります。赤ちゃんにとっては、狭い通路を通って出てくるようなものです。
赤ちゃんは自分の力で出ることができないので、ママがふんばる(=いきむ)ことで外に出てくることができます。
排便するときを想像してみると、便意がないのに便を出そうとふんばるのは少し難しいですよね?ふんばることができたとしても、力が分散しやすく、効率的にふんばることはできません。
出産もそれと同じで、「出したい」という思いがないとママたちはうまく「いきむ」ことができません。
本陣痛は、この「いきむ」力を引き出してくれる陣痛でもあります。
後陣痛(こうじんつう)
後陣痛とは、赤ちゃんを出産したあとに起きる陣痛のことをいいます。
赤ちゃんが子宮の外に出たあとには、赤ちゃんに10ヶ月間栄養を送り続けていた胎盤が出てきます。
胎盤が出たあと、大きくなった子宮はもとのサイズに戻ろうと収縮を始めます。この子宮収縮が後陣痛の正体です。
後陣痛は出産直後から始まり、2〜3日ほどでピークは終わります。本陣痛のような強い痛みを感じる方もいれば、軽い生理痛程度の方もいます。
陣痛時の過ごし方と痛みを和らげる方法
それぞれの陣痛時の過ごし方と痛みを和らげる方法について紹介します。
前駆陣痛のとき
前駆陣痛はママのカラダが出産の準備をしている段階です。
前駆陣痛後にそのまま本陣痛が来ることもありますが、いつの間にかなくなることも多いです。ママは慌てず、家事や入浴、運動をするなど、普段通りに過ごすようにしましょう。
痛みが強いと感じるときには、痛い時に深呼吸をすることでカラダの力を抜く練習をしておくといいですよ。
また、出産が近いサインでもあるので入院準備の最終チェックをしておくと安心です。
本陣痛のとき
本陣痛が来ているときには、力を抜いて痛みを逃がすことが大切です。
陣痛中は痛みを感じているときに、子宮口が開こうとする力がはたらきます。
そのときに痛いからといってママがカラダに力を入れてしまうと、子宮口が硬くなって開きにくくなるだけでなく、赤ちゃんにも圧がかかって苦しくなってしまいます。
◉痛みを和らげる方法
- 深呼吸する
- 指圧・さする
- 温める
- ママの姿勢を工夫する
- 意識をそらす
それぞれ具体的な方法を紹介していきます。
深呼吸する
人は痛みを感じたときにはカラダに力が入り、呼吸が止まりがちです。
痛いときに力が入る=全身の筋肉が緊張すると、交感神経が優位になり、さらに痛みなどの刺激に敏感な状態となってしまいます。
痛いときこそゆっくりと深呼吸することで、副交感神経を優位にしてリラックスした状態をつくり、痛みを感じにくくしましょう。
陣痛中は過呼吸になりやすいので、息を吸うことはあまり考えなくて大丈夫。口を細くしてゆっくりと息を吐くことを意識してみてください。息は自然と吸うことができますよ。
指圧・さする
陣痛中には赤ちゃんが骨盤を押し広げるため、腰が痛くなる方が多いです。
腰を手のひら全体を使ってさすってもらったり、広がる骨盤を押すように指圧してもらったりすると痛みが楽になります。
場所や強さは「気持ちいい」と思う方法でやってもらいましょう。
温める
カラダを温めることで筋肉が緩まりやすく、副交感神経が優位になるので痛みを和らげることができます。
破水していなければゆっくりとお風呂につかって、カラダ全身を温めるといいですよ。カイロを使って腰やお腹まわりを温めたり、湯たんぽでお股を温めたりするのも効果的です。
また、陣痛中は特に足元をあたためることで血行がよくなり、お産が進みやすくなります。
こちらは妊活中の方向けの記事ですが、カラダを温める「温活」にぴったりのグッズを紹介しています。ぜひ参考にどうぞ!
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ママの姿勢を工夫する
「痛いときは横になった方がいいのでは?」と思いがちですが、陣痛中は動いていた方が痛みも逃がしやすく、お産も進みやすくなります。
立って歩いたり、スクワットしたり、あぐらの姿勢で休んだり・・・じっとしていると痛みに集中しやすくなってしまうので、とにかく動くことも大切です。
痛みがきているときには何かにつかまって立ち止まったり、もたれかかっても大丈夫。
起き上がった姿勢でいる方が、重力も手伝って赤ちゃんは生まれやすくなりますよ。
意識をそらす
何もしないでいると痛みに集中してしまい、痛みをより強く感じてしまいがち。
音楽を聞いたり、テレビをみたり、誰かと話したり・・・。
自分の好きなことをしながら、痛みから意識をそらすこともポイントです。
後陣痛のとき
出産後に起きる後陣痛は、2〜3日以上続くこともあります。
痛いからといって動かないでいると子宮の収縮は進まず、カラダの回復は悪くなります。痛み止めを飲んでしっかりと痛みをコントロールするのがおすすめです。
妊娠中よりも使える痛み止めは増えますが、授乳中は自己判断で内服せずに、医師や助産師に相談しましょう。カイロで下腹部を温めるのも効果的です。
授乳をして赤ちゃんに乳首を吸われると、痛みが強まることもあります。
後陣痛は子宮が妊娠前に戻ろうとしている、カラダの回復のサインでもあるので、うまくつきあっていきましょう。
助産師が教える陣痛の時間を少しでも短くするためにできること
「できることなら少しでも痛い時間を減らしたい!」と思いますよね。
最後に、陣痛の時間を短くするための方法を解説していきます。
妊娠中から出産に向けたカラダづくりをする
出産はかなり体力を使います。そのため、妊娠中から体力をつけておくこと、毎日の栄養をしっかりと摂っておくことが大切です。
栄養不足になってしまうと体力がもたないだけでなく、子宮の筋肉がしっかりと収縮せずに陣痛が弱いままだらだら長引くことも。
出産間際や出産中だけ栄養を摂ろうと思っても、栄養はすぐに吸収して活用されるわけではないので、日々の積み重ねが大切です。
妊娠中は赤ちゃんをお腹の中で育てているため、いつも以上に栄養が必要になります。
特に妊娠中には貧血状態になりやすく、カラダの中の鉄分が不足しがち。
鉄分が不足すると全身に酸素や栄養が運びにくくなることで、筋肉の収縮が弱まります。陣痛も子宮の筋肉が収縮して起こるもの。赤ちゃんを産むためには、しっかりとした陣痛も不可欠です。
出産に備えて貧血を予防するためには、
- 血液をつくるサポートをしてくれる鉄分・葉酸
- 鉄分の吸収を促すビタミンC
などをしっかり摂るようにしましょう。
「葉酸が必要なのは妊娠初期だけじゃないの?」と思っている方も多いと思います。こちらの記事では、妊娠初期以降にも葉酸が必要な理由について詳しく解説しています。
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妊娠中からmamaruを活用してカラダを整えよう
出産に向けたカラダづくりにピッタリの妊婦さん向けサプリなら、mamaru(ママル)がおすすめです。
出産に備えて鉄分・葉酸・ビタミンCをしっかりと配合し、鉄分はカラダに吸収しやすいヘム鉄を採用、葉酸は厚生労働省が定めている量が摂れる点もポイントです。
その他のビタミン類もバランスよく摂取することで、カラダへの栄養吸収率を高めることができますよ。
さらに腸内環境を整えてくれる3種の乳酸菌(ビフィズス菌、ラクトバチルス菌、殺菌乳酸菌末)と食物繊維、ラクトフェリンも配合。妊娠中のママに多い、便秘の悩みにも寄り添います。
赤ちゃんの出口である膣は直腸のすぐ前にあります。そのため、便秘で便が腸内に溜まった状態だと、赤ちゃんの通り道が狭くなってしまうことも。
陣痛の時間を減らして早く出産するためには、便秘を解消しておくことも大切ですよ。
妊娠中からmamaruを活用して、お産が進みやすいカラダを整えておきましょう。
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また、産後は育児疲れをケアしてくれるmamacoをどうぞ。
授乳中に赤ちゃんに届けたい栄養素もしっかりと配合しているので、ママの産後の回復をサポートしつつ、赤ちゃんの栄養もカバーできます。
授乳中に必要な栄養素については、こちらの記事で紹介しています。
母乳にいい食べ物ってなに?助産師おすすめの食事や控えたいものとは
栄養たっぷりの母乳のために必要な食べ物や栄養素を紹介します。母乳の原料はお母さんが食べたもので作られる血液です。この記事では、栄養たっぷりの母乳のための食事や栄養素、そして反対に控えた方が良いものについて詳しく紹介します。
陣痛中の過ごし方を考えて練習しておく
いざ陣痛が始まると、痛みで考えるのが難しくなったり億劫になったりします。そのため、事前に陣痛中の過ごし方を考えて練習しておくことがおすすめ。
特に呼吸の練習をしておくといいですよ。
鼻からゆっくりと息を吸って、口を細くして長くゆっくりと吐きながらカラダの力を抜く練習をしておくと、痛みがあるときでも自然と呼吸ができるようになります。
まとめ
出産の時期が近づくと、陣痛への不安はつきもの。
少しでも陣痛の痛みを和らげることができるように、妊娠中から準備をしておくといいですよ。
mamaruは、妊娠中のママに嬉しい栄養と菌活サポート成分がたっぷり配合された妊婦さんのために作られたサプリです。
出産に向けたカラダづくりに活用していきましょう。
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