
更新日:2026/5/27
乳腺炎になりやすい食べ物はある?管理栄養士が教える食事との関係と予防のポイント

「ケーキや揚げ物を食べると、乳腺炎になりやすいって本当?」
授乳中、このような話を聞いて、不安に感じたことはありませんか?
母乳育児を続けていると、ちょっとしたおっぱいの張りや痛みでも「もしかして食べ物が原因かも…?」と不安になりますよね。
この記事では、管理栄養士が乳腺炎と食べ物の関係をわかりやすく整理しながら、予防のために意識したい食事や日々の過ごし方について詳しく解説します。
今日から無理なく続けられるポイントをぜひ参考にしてみてください。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmamaco監修・産婦人科医】薬膳漢方検定所有 加藤智子先生
産婦人科医専門医、健康スポーツ医、抗加齢専門医、更年期カウンセラー
"産後も栄養補給できていますか?”
栄養補給は産後も重要。しっかり栄養を接種しないと母乳が栄養不足になり赤ちゃんに影響を与える恐れも。食事から十分な栄養を摂るのはなかなか難しいので、サプリメントの併用をおすすめしています。
"産後のママのケアは後回しにしがちですよね”産後は、これまで経験のない身体の使い方が増えます。
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食事が乳腺炎の原因になるって本当?

「授乳中は甘いものや脂っこいものは控えたほうがいいって聞くけど、実際どうなの?」と迷うこともありますよね。
まずは、乳腺炎がどんな状態なのか、そして食べ物とどんな関係があるのかを、シンプルに整理していきましょう。
そもそも乳腺炎とはどんな状態?

乳腺炎は、母乳の通り道(乳腺)に乳汁がたまることで炎症が起こる状態のことをいいます。授乳中の方にみられることが多いトラブルのひとつです。
乳房の張りや痛み、しこり、赤み、熱っぽさなどを感じることがあり、場合によっては発熱やだるさが出ることもあります。
原因はひとつではなく、授乳間隔があいてしまったり、母乳がうまく排出されなかったり、体調が影響したりと、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
食べ物と乳腺炎の関係
「脂っこいものや甘いものを食べると乳腺炎になる」といった話を聞くこともありますが、特定の食べ物が直接の原因になるという明確な根拠は十分には示されていません。
「乳腺炎ケアガイドライン2020」でも、乳腺炎は母乳のたまりや授乳の状況、体調など、さまざまな要因が関係するとされています(※1)。
そのため、「これを食べたからダメ」と考えるよりも、ママと赤ちゃんのために、食事全体のバランスや生活のリズムを整えていくことが大切といえます。
乳腺炎予防のために意識したい食べ物

食事について「これは食べていいの?控えたほうがいい?」と迷うこともありますよね。
ここでは、特定の食品にとらわれすぎず、無理なく続けられる食事の考え方を中心に、意識しておきたいポイントを紹介します。
控えめにしたい食べ物
特定の食品を完全に避ける必要はありませんが、脂質や糖質に偏った食事が続く場合は少し意識してみると安心です。
具体的には、以下のようなものは量や頻度を見ながら取り入れるのがおすすめです。
- 揚げ物(唐揚げやフライなど)
- 生クリームを使ったスイーツ
- ケーキや菓子パン
- スナック菓子
「食べてはいけない」と考える必要はありませんが、食べすぎや偏りには気をつける意識を持ちたいですね。
取り入れたい食べ物

乳腺炎の予防という点では、特定の食品よりも「全体のバランス」を意識することが大切です。
目安としては、主食・主菜・副菜をそろえる食事をイメージしてみましょう。
- 主食:ごはん、パン、麺類
- 主菜:魚(焼き魚・煮魚)、肉(照り焼き、生姜焼きなど)、卵料理(ゆで卵・卵焼き)、大豆製品(豆腐・納豆)
- 副菜:おひたし、サラダ、きのこのソテー、海藻の和え物など
たとえば「ごはん+焼き魚+味噌汁+ほうれん草のおひたし」のようなシンプルな和食スタイルは、自然とバランスを整えやすい組み合わせです。
また、忙しいときは「丼もの+具だくさんの味噌汁」「パン+卵料理+サラダ」のような組み合わせでもOKです。
毎食完璧にそろえようとする必要はありませんが、1日の中でバランスがとれるよう意識してみると、無理なく続けやすくなります。
こちらの記事では、産後の食事のポイントについて解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
乳腺炎を予防するための食事のポイント3つ

食事が大切とはわかっていても、「具体的に何を意識すればいいの?」と感じることもありますよね。
ここでは、忙しい中でも取り入れやすいように、ポイントを3つに絞ってわかりやすくまとめました。
バランスのよい食事を意識する
毎日の食事では、特定の食品に偏らず、できる範囲でバランスよく食べることが基本です。
栄養バランスのよい食事の目安は「主食・主菜・副菜」がそろっていること。シンプルでもOKなので、意識してみてくださいね。
忙しいときは一品で済ませる日があっても大丈夫。大切なのは、数日単位で見てバランスがとれているかどうかです。
授乳中は自分の食事が後回しになりやすい時期でもあるため、無理なく続けられる形を見つけていきましょう。
また、食事の「内容」だけでなく「量」にも少し目を向けてみてください。食事量が大きく増えると母乳の分泌が増え、乳房の張りを感じやすくなることがあるといわれています。
お祝いごとや外食などで食べる量が増えたときは、いつもより乳房の状態に気を配ってみてくださいね。
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間食(おやつ)の摂り方に気をつける

おやつは気分転換になるうえ、授乳中のエネルギー補給として役立つこともありますが、甘いものや脂質の多いものに偏りやすい点には少し注意しておきたいところです。
「疲れたから毎日ケーキ」「気づいたらお菓子を何袋も…」といった状態が続くと、食事全体のバランスが崩れやすくなります。
おやつを楽しむときは、以下のような点を意識してみましょう。
- 量を決めておく
- 毎日ではなく間隔をあける
- 食事とのバランスを見る
また、おにぎりや果物、ヨーグルト、ナッツといった比較的シンプルなものを選ぶのもおすすめです。
「我慢しすぎないけれど、偏りすぎない」くらいのバランスを意識してみてくださいね。
授乳中におすすめのおやつは、こちらの記事でチェックできますよ!
水分をしっかり摂る
授乳中は母乳として水分が使われるため、普段よりもこまめな水分補給が大切になります。忙しいとつい後回しになりがちですが、気づいたときに少しずつ飲む習慣をつけておくと安心です。
具体的な対策としては、以下のようなものがあります。
- 授乳の前後に一杯飲む
- 手の届く場所に飲み物を置いておく
飲み物は水やお茶など、日常的に飲みやすいもので問題ありません。体を冷やさないようにするためにも、温かい飲み物も取り入れましょう。
無理にたくさん飲もうとする必要はありませんが、「こまめに」を意識してみてください。
授乳中の飲み物については、以下の記事でも解説しています。
食べ物以外でできる乳腺炎対策3選
乳腺炎の予防というと食事に目が向きがちですが、実は日々の過ごし方も大切なポイントです。
「特別なことをしないといけないのかな?」と思うかもしれませんが、ちょっとした意識で取り入れられることも多いので、できそうなところから試してみてくださいね。
授乳や搾乳の間隔をあけすぎない

母乳が長時間たまった状態が続くと、乳房の張りやトラブルにつながることがあります。そのため、授乳や搾乳の間隔があきすぎないようにすることが大切です。
できる範囲で、次のようなことを意識してみましょう。
- 赤ちゃんが欲しがるタイミングでこまめに授乳する
- 授乳間隔が空きそうなときは軽く搾乳する
- 外出時も授乳や搾乳のタイミングを意識する
「少し張ってきたかも」と感じたタイミングで対応するだけでも、負担がやわらぐことがあります。
乳房の張りや違和感に気づいたら早めにケアする

乳腺炎は、ちょっとした違和感から始まることもあります。「なんとなく張っている」「いつもと違う感じがする」といったサインに気づいたら、早めにケアしておくと安心です。
ちょっとした違和感を感じたら、次のようなケアを意識してみるとよいでしょう。
- 授乳や搾乳で母乳の流れをよくする
- しこりがある部分をやさしくマッサージする
- 締め付けの強い下着を見直す
「いつもと違うかも」と感じたときに、少し意識するだけでも乳腺炎の予防につながることもあります。
乳腺炎になりかけているサインが気になる人は、こちらの記事も参考にしてください。
十分な休息と睡眠を確保する
授乳や育児で忙しい時期は、どうしても自分のことは後回しになりがちですよね。
しかし、疲れがたまったり睡眠不足が続いたりすると、体調にも影響しやすくなります。
- 赤ちゃんが寝ている間に一緒に休む
- 周りに頼れるときは頼る
- 完璧を目指しすぎない
このような意識を持つことも大切です。
しっかり休むことは、体調を整えるうえでも大切なポイントのひとつ。できる範囲で無理をしすぎないようにしていきましょう。
乳腺炎が疑われるときの受診の目安

「これって様子を見て大丈夫?それとも受診したほうがいいのかな?」と迷うこともありますよね。
軽い張りや違和感であれば、授乳や搾乳などで様子を見ることもありますが、症状によっては医療機関への相談がすすめられることもあります。
■受診を検討したいサイン
- 乳房の強い痛みや腫れ、赤みが続いている
- 38℃以上の発熱や、だるさ・寒気などの症状がある
- しこりや痛みが改善しない、または悪化している
また、「いつもと違う感じが続いている」「セルフケアだけでは不安」と感じるときも、無理に我慢せず相談することが大切です。
受診先としては、出産した産婦人科や、助産師によるケアが受けられる母乳外来・助産院などがよいでしょう。
乳腺炎に関するよくある質問

授乳中は、ちょっとしたことでも気になることが増えますよね。
最後は、食事や乳腺炎についてよくある疑問をピックアップして、わかりやすくお答えしていきます。
授乳中に避けたほうがよい食べ物はある?
基本的に、特定の食品を厳しく制限する必要はないと考えられています。食べすぎや偏りに気をつけながら、バランスよく食べることを意識してみてください。
「これは絶対にNG」と考えすぎるよりも、全体の食事内容を整えることが大切ですよ。
母乳が詰まりやすい食べ物はある?

特定の食べ物が母乳の詰まりを直接引き起こすという明確な根拠は示されていません。体調や授乳の状況など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
食べ物だけにとらわれすぎず、授乳のリズムや体調もあわせて見ていくことがポイントです。
乳腺炎になってしまったときの食事のポイントは?
特別な食事制限が必要とされているわけではないため、体調に配慮しながらバランスのよい食事を意識することが大切です。
甘いものや脂質の多い食品も、無理に制限するのではなく、量や頻度を調整しながら取り入れていきましょう。
あわせて、水分をしっかりとり、無理のない範囲で食事を整えることも意識してみてくださいね。
授乳中の食べ物について、詳しくは以下の記事も読んでみてください。
乳腺炎対策は毎日の食事から

乳腺炎は、特定の食べ物だけが原因で起こるものではなく、日々の体調や生活習慣も関係すると考えられています。
「これを食べたらダメ」と考えすぎず、無理のない範囲で食事や生活を整えていくことが、予防につながります。できることを少しずつ取り入れながら、安心して母乳育児を続けていけるとよいですね。
理想の食事を目指して頑張りすぎず、手軽に栄養を補えるmamacoを味方につけて、心にゆとりを持って過ごしていきましょう。
【参考文献】
(※1)公益社団法人日本助産師会、一般社団法人日本助産学会「乳腺炎ケアガイドライン2020」
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