更新日:2024/8/30
授乳中に食べてはいけないものってあるの?〜母乳に影響する産後の食事の注意点〜【助産師執筆】
妊娠中は赤ちゃんがお腹の中で臍の緒を通してお母さんから酸素と栄養をもらって育っていきます。
そのため、お母さんの摂取したものが赤ちゃんに影響するというイメージはつきやすいかと思います。
では出産を終えたあとはどうなのでしょう?
出産を終えて授乳中のお母さんが摂取してはいけないものがあるのでしょうか?
今回は授乳中に摂取してはいけないものはあるのかとその理由、さらに積極的に摂取していきたい栄養素についても紹介していきます。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
授乳中に摂取してはいけないものがあるってなぜ?
妊娠中と同様に授乳中にも摂取してはいけないものはあります。それはなぜなのか理由を見ていきましょう。
母乳に移行し赤ちゃんに影響するため
授乳中のお母さんは赤ちゃんに母乳をあげています。
母乳のもととなるものはお母さんの血液と水分です。私たち人間は摂取したものを消化し吸収しています。
吸収した成分は血液によって栄養として全身に流れていくのです。
そのため、お母さんの摂取したものが母乳にも移行し、赤ちゃんに影響するのです。
全ての成分が母乳に移行するわけではないのですが、移行する成分の中には、赤ちゃんにとって有害な成分もあります。
そのため授乳中には摂取してはいけないものがあるのです。
乳腺炎の原因になるため
赤ちゃんに影響するという他にも、授乳中の摂取で気をつけたい理由として、乳腺炎の原因になることが挙げられます。
母乳はお母さんの乳房の中にある乳腺という組織で血液と水分をもとにして作られます。
そのため、血液がドロドロになりそうなものをたくさん摂取するとドロドロの粘り気の強い母乳が作られやすくなります。
そうすると乳腺でつくられた母乳が外に出るまでの間につまりやすくなり、乳腺炎の原因となるのです。
この記事を読んでくれているということはすごく子供想いの方で、きっと立派なママになれると思います。
しかし、ケアするのは我が子だけではなく、自分自身も大切です。
とくに、自分に厳しすぎるせいか「産後うつ」と呼ばれる症状に苦しむ方は多いです。
ぜひ下の記事を一読し、自分自身も労わってあげてください!
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授乳中に摂取NGなものって?
授乳中に摂取してはいけないものとは具体的にどのようなものでしょう?実は、NGな食べ物はありません。
ただ、摂取することで赤ちゃんに影響を与えてしまう成分はあるので紹介していきます。
アルコール
アルコールがNGな理由は2つあります。
一つ目は、お母さんが摂取したアルコールが母乳に移行し赤ちゃんがアルコールの影響を受けてしまうことです。
お母さんがお酒を飲むと血液中に吸収され、母乳に移行していきます。飲酒後30分から60分以内に母乳中にアルコールが出現します。
アルコールを含んだ母乳を飲んだ赤ちゃんは早く眠りに落ちる一方で深く眠る時間が短くなることがわかっています。
アルコールはビール300ml程度であれば2時間から2時間半で消失します。アルコールには蓄積性がないので、母乳中のアルコールも消失するのです。
どうしても我慢できない場合には時間を開けて授乳しましょう。
母親の体重と母乳中からアルコールが消失するまでの時間
drinkとは欧米で用いられる飲酒量の単位で、純アルコール10g分の飲酒量に相当します。これは日本でいう1/2単位の飲酒量に相当し、日本酒1/2合、ビール250mL、ワイン100mLの量です。
出典:Ho E, Collantes A, Kapur B, et al : Alcohol and breast feeding : calculation of time to zero level in milk. Biol Neonate 80 : 219-222, 2001より抜粋
二つ目は母乳の分泌を抑えてしまう作用があることです。
アルコールは、母乳を分泌するホルモンであるオキシトシンの分泌を抑えてしまうので母乳の作られる量が減ってしまいます。
タバコ
タバコを吸うことで母乳中にはニコチンが移行します。
そのため赤ちゃんもニコチンを摂取することになってしまいます。
ニコチンには興奮させる作用があるため、赤ちゃんの機嫌が悪くなったり、嘔吐や下痢を起こすこともあります。
また、赤ちゃんが慢性的にニコチンを摂取すると依存症が起きることもあるのです。
薬
薬の中には母乳に移行してしまう成分があるものもあります。
薬というのは大人にとっては役に立つものでも、赤ちゃんにとっては悪影響を与えてしまうものもあります。
薬を処方してもらうときには必ず授乳中であることを医師に相談の上、薬を選ぶようにしましょう。
授乳中に控えたい食べ物って?
授乳中にNGではないですが、控えたい食べ物を紹介していきます。
コーヒーや紅茶
コーヒーや紅茶といったカフェインを含む飲み物や食べ物は、摂取しすぎるとカフェインが母乳に移行し、赤ちゃんに影響します。
カフェインを摂取した赤ちゃんは不眠になったり、不機嫌になったりします。
1日のカフェインは200mg、コーヒー1〜2杯程度にしましょう。
脂肪分・糖分が多い食べもの
脂肪分・糖分が多い食べものを食べすぎると、乳腺炎の原因になるので注意が必要です。
前述した通り、母乳は血液からできているので、血液がドロドロになるイメージができる食べ物や飲み物を摂取しすぎると母乳もドロドロになりやすくつまりやすくなります。
食べてはいけないわけではありませんが、摂取しすぎないことをおすすめします。
たくさん食べてしまったな、というときにはしっかりと水分を取るようにしましょう。
体を冷やす食べもの
授乳中は体を冷やす食べ物もあまりいいとは言えません。
体を冷やす食べ物をたくさん摂取すると体温が下がってしまいます。
すると血液循環が悪くなり、母乳が作られにくくなってしまいます。
赤ちゃんにたっぷり母乳をあげるためにも、お母さんの体温を維持できるようにしていきたいですね。
産後にはどんな栄養素が必要なの?
ここまで授乳中に摂取してはいけないもの、控えたいものについて紹介してきました。
ここからは、授乳中、産後に積極的に摂取した方がいい栄養素について紹介していきます。
下の記事では、授乳中にやってはいけないことについて分かりやすく解説しています!
ぜひチェックしてみましょう!
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様々な疲労回復のために必要な栄養素
産後のお母さんは様々な疲労に悩まされます。
抱っこによる筋肉の疲れ、3時間毎の授乳による寝不足の疲れ、慣れない育児によるストレス・・・そんな産後のお母さんにとって様々な疲労回復のために必要な栄養素はたんぱく質です。
たんぱく質は筋肉の疲労回復や睡眠の質をよくするために必要な栄養素です。
肉類、魚類、卵、大豆製品に多く含まれています。
また、生薬の一つである高麗人参に含まれるギンセノシドという成分には体の疲労回復だけでなくストレスを抑える作用もあり、産後にはとてもおすすめです。
貧血による疲労に効く栄養素
産後のお母さんは出産中の出血などもあり、貧血になる方が多いです。貧血になると疲れやすくなったり、ふらついたり、息切れがしたり・・・さらに育児に体力も取られてしまうので、どんどん疲れが抜けなくなってしまいます。
そのため貧血を改善するような栄養を取ることも大切です。
牛・豚・鶏のレバーに特に多く含まれる鉄分、ほうれん草や小松菜など青い葉物野菜に多く含まれる葉酸、パプリカやピーマン、みかんなどに多く含まれるビタミンCは貧血に効果のある栄養素です。
赤ちゃんにとっても必要な栄養素なのでしっかり摂取して母乳を通して赤ちゃんまで届けてあげたいですね。
丈夫な骨のために必要な栄養素
丈夫な骨を作るために必要な栄養素はカルシウムとビタミンDです。カルシウムは骨だけでなく、人間が筋肉を動かしたりなど生きていく上で欠かせない栄養素です。
そのため、血液中のカルシウム濃度が低下すると、骨にたくわえていたカルシウムを溶かして血液中のカルシウム濃度を維持しようとします。
すると骨はどんどんスカスカになっていき、脆くなってしまいます。
また、赤ちゃんもカルシウムやビタミンDの摂取量が少ないと骨がやわらかい病気になってしまう可能性もあるのです。
実はカルシウムは吸収率が低い栄養素の一つで、カルシウムを豊富に含む代表食材の牛乳・乳製品でも40~50%程度、小魚や野菜、海藻からは20~30%程度の吸収率だと言われています。
そのためカルシウム吸収率を上げてくれるビタミンDと一緒に摂取することが大切です。
赤ちゃんの脳の発達に大事な栄養素
赤ちゃんの脳の発達にとって大変重要な栄養素はDHAです。細胞の機能を正常に保つためにもDHAは必要不可欠な栄養素です。
お母さんが摂取することで母乳に移行し、赤ちゃんが摂取できるようになります。
DHAは主にマグロ、ブリ、サンマ、イワシ、アジ、サバなどの青魚に含まれている栄養素です。
加熱調理をすることで滲み出てしまうので、食品から効率よく取るためには生の刺身か煮魚にして出汁も一緒にとることがおすすめです。
体をあたためる成分
産後は自律神経の乱れ、筋肉の緊張や低下によって熱の産生量が少なくなることが原因で体が冷えやすくなります。
体が冷えてしまうと代謝が落ちたり、授乳をしている産後のお母さんは母乳の分泌が低下したりします。
体を温める成分を積極的に摂取していきたいですね。人参やれんこんなどの根菜、生姜や黒胡椒なども体を芯からあたためてくれます。
授乳中のお母さんに必要な栄養量
授乳中のお母さんにとって必要な栄養素を一覧にしてみました。
こう見ると授乳中のお母さんは授乳中ではないときと比べて、いろいろな栄養素がより必要な状態だということがわかりますね。
毎日バランスのいい食事を作って食べることは体力的にも、時間的にも現実的に難しいと思います。
そんなときはサプリメントで手軽に栄養を摂取するのも一つの手です。
18~49歳女性 | 授乳中の付加量 | 授乳婦の推奨量 | |
---|---|---|---|
エネルギー | 2000 | 350 | 2350 |
たんぱく質(g/日) | 65〜100 | 20 | 85~120 |
ビタミンA(μgRAE/日)3 | 650~700 | 450 | 1100~1250 |
ビタミンB1(mg/日) | 1.1 | 0.2 | 1.3 |
ビタミンB2(mg/日) | 1.2 | 0.6 | 1.8 |
ビタミンB6(mg/日) | 1.1 | 0.3 | 1.4 |
ビタミンB12(μg/日) | 2.4 | 0.8 | 3.2 |
ビタミンC(mg/日) | 100 | 45 | 145 |
ビタミンD(μg/日) | 8.5 | 8.5 | |
ビタミンE(mg/日) | 7 | 7 | |
ビタミンK(μg/日) | 150 | 150 | |
葉酸(μg/日) | 240 | 100 | 340 |
カルシウム(mg/日) | 660 | 660 | |
マグネシウム(mg/日) | 280 | 280 | |
鉄(mg/日) | 9 | 2.5 | 11.5 |
亜鉛(mg/日) | 8 | 3 | 11 |
銅(mg/日) | 0.7 | 0.5 | 1.2 |
DHA(g/日) | 1.6 | 0.2 | 1.8 |
産後ケアはママの強い味方!サポートの種類や自分でできるケアも
出産後のママと赤ちゃんをサポートしてくれる「産後ケア」。健康チェックや育児相談、赤ちゃんの預かりなどを行ってくれる、ママにとってとても心強いサービスです。今回は、さまざまな産後ケアについてご紹介します。
DHAは単体での食事摂取基準値は定められていませんが、n-3系脂肪酸としてDHA・EPA・DPA・α-リノレン酸を合わせた目安量です。
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)より筆者作成
授乳期にはサプリメントがおすすめ
新しい家族である赤ちゃんを迎えて育児が始まる授乳期。
授乳に育児に追われ、初めての育児の人も、二人目以降の育児の人も毎日慣れない日々に大忙しの時期です。
授乳期には赤ちゃんの栄養となる母乳を作るためはもちろんですが、お母さんの疲労回復のためにも栄養はしっかりと摂取する必要があります。
ですが、食事に気を遣う余裕はなかなかありませんよね。そんなときこそ手軽に栄養を取ることができるサプリメントがおすすめです。
mamacoは授乳中のお母さんにとって必要な栄養がたっぷりつまっています。
栄養はもちろんのこと、疲労回復のための和漢成分もぎゅっとつまっていて、忙しいお母さんにとってのサポートとなります。
赤ちゃんのための栄養ある母乳のために、お母さんの疲労回復のためにぜひサプリメントを試してみましょう。
まとめ
今回は授乳中に食べてはいけないものと積極的に摂取していきたいものについて紹介しました。
授乳中にNGな食べ物はありませんが、アルコール・タバコは母乳を通して赤ちゃんに悪影響を与えます。
控えたい食べ物も紹介しましたが、絶対ダメというわけではありません。我慢しすぎるのもよくないので、ストレスを抱えすぎることなくうまく摂取していきましょう。
産後に摂取したい栄養はたくさんありますが、毎日食事から必要な栄養を全て摂取するのは難しいときもあります。
そんなときにはmamacoで栄養補給をするのもいいですね!
mamacoは産後のお母さんにとって必要だけど、不足しがちな栄養素を手軽に十分な量を摂取することができます。
例えば貧血を改善するのに役立つ鉄分は3mg、お母さんと赤ちゃん2人の骨を健康に保つビタミンDは8μg、赤ちゃんの脳の発達に必要な栄養素であるDHAは200mg配合されています。
さらに疲労回復のための高麗人参なども和漢素材も配合されているので、産後のお母さんにぴったりなサプリといえるでしょう。
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