更新日:2024/11/8
授乳中にサプリを飲むのはダメ?助産師が教える赤ちゃんとママに必要な栄養とサプリの正しい選び方
授乳中はママが食べたり飲んだりしたものが母乳に影響するため、自分が口にするものが赤ちゃんにとって大丈夫なのか気になりますよね。
妊娠中からサプリメントを飲んでいた方も「授乳中に薬を飲むのは注意が必要って聞くけど、サプリはどうなの?」と気になるかと思います。
今回の記事では、授乳中にサプリメントを飲むのはダメなのか、授乳期のママと赤ちゃんに必要な栄養とサプリメントの選び方を徹底解説していきます。
◉この記事でわかること
・授乳中にサプリメントを飲むのはダメなのか
・授乳中に必要な栄養素はどんなものがあるのか
・授乳中に避けたい成分にはどんなものがあるのか
・授乳中のサプリメントの選び方
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
授乳中にサプリメントを飲むのはダメ?
結論からお伝えすると、授乳中にサプリメントを飲むのは問題ありません。ただ、授乳中のママが口にするものは赤ちゃんに影響するため、サプリメントの選び方には注意する必要があります。
授乳中はママの摂取したものが母乳に移行する
母乳は血液を原料として、乳房にある乳腺でつくられています。ママが口から摂取したものは胃や腸で消化吸収され、吸収された成分が血液中に移行します。
その成分を含んだ血液が母乳をつくる乳腺へと流れていくことで、母乳にはママが摂取した成分が移行していくのです。
赤ちゃんのカラダにとってよいものも悪いものも、母乳を通して移行するため、授乳中のママは摂取するものに気をつけなければならないのです。
それは、サプリメントに含まれる成分も同じこと。
特に、赤ちゃんの健康に悪影響を及ぼす成分には注意が必要です。授乳中に避けたい成分についてはこちらで解説しています。
血液から母乳がつくられる仕組みについては、こちらの記事でチェックしてみてくださいね。
母乳は血液からできている?仕組みや母乳を増やすポイント、血乳の対策まで徹底解説
「母乳って本当に血液からできているの? 母乳が赤くない理由は?」とお考えではありませんか?この記事では母乳が血液からできる仕組みや含まれる成分について解説します。 また、母乳を増やすためのポイントや授乳中に気をつけたいことも紹介するので、今後の参考にできますよ。ぜひご覧ください。
足りない栄養素をサプリメントで補給するのは◎
母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源です。栄養たっぷりの母乳をつくるためには、ママがしっかりと栄養を摂取することが必要になります。
十分な栄養を摂取するためには、バランスのとれた食事を摂取することがポイントですが、産後の体調が回復しきらないなかで、育児をしながら毎回栄養を考えて料理をつくるのはとても大変。
そのため、不足しがちな栄養素はサプリメントで補給するのがおすすめです。サプリメントをうまく活用することで、赤ちゃんにとってもママにとっても必要な栄養を、食事で摂取するよりも効率よく摂取することもできますよ。
授乳期に摂りたい栄養素をしっかりと補給できるサプリメントはこちらからどうぞ!
授乳中に必要な栄養にはどんなものがある?
赤ちゃんの栄養となる母乳は、ママが食べたものを原料としてつくられるので、授乳中には必要な栄養をしっかりと摂取していきましょう。
また、授乳中は赤ちゃんの栄養源となる母乳をつくるだけでなく、産後のママのカラダを回復する時期でもあります。出産後のママのカラダは疲労困憊なので、しっかりと栄養をとってカラダを整える必要があります。
ここでは授乳中に摂取したい栄養素について解説していきます。
葉酸
葉酸はほうれん草、えだまめ、いちごなど野菜や果物にも含まれている栄養素です。妊娠中に必要不可欠な葉酸は、実は授乳中もしっかりと取りたい栄養素の一つです。
◉授乳期における葉酸の働き
- 血液をつくりだすサポートをすることで、出産後の貧血状態になりやすいママの貧血を改善
- 細胞の修復をサポートすることで、疲労回復を促しカラダのコンディションを整える
- しあわせホルモンであるセロトニンをつくるサポートをするため、ホルモンの影響で不安定になりやすい産後のココロを穏やかにする
- 母乳に移行して赤ちゃんの血液をつくるサポートや、カラダを成長させるサポートをする
授乳中の葉酸の摂取推奨量は、日本人の成人女性の推奨量である240μg/日に100μg/日を付加した、合計340μg/日です。
食べ物に含まれる葉酸であるポリグルタミン酸型葉酸は、カラダの中での吸収率が低いだけでなく、熱に弱く、水に溶けやすい性質があります。そのため、食べ物だけで葉酸を必要量摂取するのは難しいのです。
葉酸を効率よく摂取するには、吸収率のよいモノグルタミン酸型葉酸を含んでいるサプリメントがおすすめです。
こちらの記事では、食べ物に含まれるポリグルタミン酸型葉酸とサプリメントに含まれるモノグルタミン酸型葉酸について詳しく解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
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鉄分
赤身肉やひじき、マグロなどに多く含まれている栄養素です。
鉄分は赤ちゃんにも必要な成分ですが、ママの体内に優先して供給されてしまうため、もともと母乳に含まれにくい栄養素。出産後のママは貧血になりやすい時期なので、鉄不足の人がほとんどです。しっかりと鉄分を摂取しないと母乳は鉄不足の状態が続いてしまいます。
◉授乳期における鉄分の働き
- 酸素や栄養を送るために必要なヘモグロビンをつくる
- 十分にヘモグロビンをつくることでママのカラダの疲労回復をサポートする
- 母乳に移行することで赤ちゃんの血液をつくり、必要な栄養をカラダ中にめぐらせる
授乳中の鉄分の摂取推奨量は、日本人の成人女性の推奨量である約6.5mg/日に2.5mg/日を付加した、合計9.0mg/日です。
カルシウム
カルシウムは乳製品や小魚などに多く含まれている栄養素です。
授乳中のママは、母乳をつくることでカラダの中のカルシウムが不足しやすい状態にあります。さらに、産後は骨にカルシウムを蓄える働きをもつホルモン・エストロゲンの分泌が低下することで、骨から血液中にカルシウムが流れていってしまい、骨粗鬆症のリスクも上がります。
実はカルシウムは、妊娠中よりも授乳中にしっかりと取りたい栄養素なのです。
◉授乳期におけるカルシウムの働き
- 骨密度の低下を抑える
- 母乳に移行することで赤ちゃんの骨をつくる
授乳中のカルシウムの摂取推奨量は、日本人の成人女性の推奨量である650mg/日と同じ量です。
「じゃあわざわざカルシウムを取る意識をしなくてもいいの?」と思いがちですが、令和元年に行われた国民健康・栄養調査(※1)によると、日本人の成人女性のカルシウム摂取量は約400mg/日となっており、もともとカルシウム不足の状態にあります。
普段不足しがちな栄養素だからこそ、意識的に摂取していくことが大切です。
DHA
DHAは青魚に多く含まれる脂質の一種でオメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)のことをいいます。カラダの中ではつくることができない栄養素なので、食事から摂取する必要があります。
◉授乳期におけるDHAの働き
- カラダの中の免疫反応を調整する
- 血液中の中性脂肪やコレステロールを減らし、血液をさらさらにする
- 母乳に移行することで赤ちゃんの脳の発育を促す
授乳中のDHAの摂取推奨量は、日本人の成人女性の推奨量である1.8g/日と同じ量です。日本人の成人女性のDHA摂取量は約1.8g/日とギリギリ基準値となっていますが、あまり魚を食べる習慣がない人はカラダの中でDHAが不足している人も多いです。
忙しいときの食事は炭水化物だけになりがちですが、魚を食べる習慣をつけるようにしましょう。
ビタミンD
ビタミンDは、いわし、鮭、マグロ、サバ、キノコ類などに多く含まれる栄養素です。
◉授乳期におけるビタミンDの働き
- ママのカラダの中でカルシウムの吸収を促し、骨粗鬆症の発症リスクを減らす
- 母乳に移行することで赤ちゃんの骨の成長やカルシウムの吸収を促す
授乳中のビタミンDの摂取推奨量は、日本人の成人女性の推奨量である約8.0mg/日と同じ量です。ビタミンDは、皮膚に紫外線を浴びることでもカラダの中でつくることができるビタミンですが、日焼け止めクリームなどを塗って紫外線を避けると生成することができません。
最近ではビタミンD不足が進み、母乳だけで育っている赤ちゃんの75%がビタミンD不足だった(※2)という研究結果もあるほどです。
ビタミンDを含む食べ物を摂取するのはもちろんですが、ママも赤ちゃんも適度に日光浴をすることも大切です。
産後のママと赤ちゃんのために知っておきたい食事のポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
助産師が教える産後の食事のポイント|お母さんと赤ちゃんのためのおすすめ栄養素やメニューは?
産後の食事は、お母さんの心身の回復と、赤ちゃんの栄養となる母乳の生成を意識した食事を摂ることが大切です。産後のお母さんの特徴を捉えて、摂取が必要な栄養素を知っておきましょう。また、摂らない方が良いものについても知っておきましょう。産後に必要な栄養素の補給にはサプリメントの使用も有効です。
授乳中に避けたい成分にはどんなものがある?
授乳中は赤ちゃんに有害な成分や、ママのカラダの中のホルモンに変動を与えるものは避けましょう。授乳中に避けたい成分を詳しく紹介していきます。
アルコールやタバコ
アルコールは母乳に移行しやすい成分です。アルコールの成分を含んだ母乳を飲んだ赤ちゃんは、寝付くスピードは早くなりますが、眠りが浅くなってしまいます。また、アルコールはオキシトシンの分泌を抑えることで母乳をつくる量を減らしてしまいます。
母乳に移行するアルコールの濃度は、ビール250mlであれば2時間ほどでほぼ消失します。(※3)
どうしても飲酒を我慢できない場合には、量と授乳時間を考えて摂取しましょう。
タバコに含まれる有害成分は母乳に移行し、赤ちゃんに哺乳量の低下、体重増加不良、不眠、下痢、嘔吐などの影響を与えます。
そして、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクも上昇します。授乳中のタバコはNGです。
カフェイン
コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインを摂取しすぎると、母乳に移行することで赤ちゃんが不眠になったり不機嫌になったりします。
妊娠中と同様に、カフェインの摂取は1日コーヒー1〜2杯程度の200mgまでにしましょう。
多量の大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは豆乳や豆腐などの大豆製品に含まれている成分です。
女性ホルモンであるエストロゲンと似た成分であるため、授乳中のホルモンバランスに影響を与えることで母乳の分泌が抑制される可能性があります。
また、過剰な量の大豆イソフラボンが乳幼児に与える影響は明らかになっていないため、乳幼児に多量の大豆イソフラボンを与えることは避けましょう。
普段の食生活の中で食べ物に含まれている大豆イソフラボンを摂取する分には問題はありませんが、過剰に摂取したり、大豆イソフラボンを含むサプリメントを摂取したりすることは避けましょう。
薬の成分によっては注意すべきものも
薬の成分によっては、母乳に移行することで赤ちゃんに影響を与えてしまう成分もあります。代表的なものには抗てんかん薬、抗うつ薬、抗不安薬などがあります。
しかし、ママのカラダやココロの状態によっては薬が必要になることも。主治医と相談して飲むようにしましょう。
ママが出産後に飲む機会の多い鎮痛剤のロキソプロフェンナトリウムやアセトアミノフェン、イブプロフェンなどは問題ありませんので、安心して痛みをコントロールしてくださいね。
授乳中のサプリメントの選び方
授乳中には、不足しがちな栄養を補うためにサプリメントを飲むことがおすすめです。ただ、ママが飲んだサプリメントの成分は母乳を通して赤ちゃんにも送られます。
授乳中のママと赤ちゃんにとって安全なサプリメントを選ぶことが大切です。
授乳中のサプリメントの選び方について、ポイントを解説していきます。
赤ちゃんとママに必要な栄養が含まれているか
せっかくサプリメントを摂取するなら、授乳中のママと赤ちゃんにとって必要な栄養が含まれているものを摂取したいですよね。
サプリメントを選ぶときには、こちらの項目で紹介した栄養素がしっかりと配合されているかを確認しましょう。
信頼できる品質か
サプリメントはネットやコンビニでも手軽に買うことができるものです。しかし、飲めばカラダに吸収され、ママと赤ちゃんの2人に影響を与えます。安全な信頼できる品質のサプリメントを選ぶことが大切です。
日本では製品の品質を管理するために、GMP(Good Manufacturing Practice)やNPO法人日本サプリメント評議会など、様々な第三者機関を設けています。
サプリメントを選ぶときには、品質管理が徹底されているかをチェックするのもポイントです。
授乳中のサプリメントならmamacoがおすすめ
授乳中に飲むサプリメントのおすすめは、母乳育児中のママと赤ちゃんにとって必要な栄養がぎっしりつまったmamaco(ママコ)です。
mamacoには、先ほど紹介した授乳中のママに欠かせない葉酸、鉄分、カルシウム、DHA、ビタミンDをしっかりと配合しています。
さらに、育児疲れをケアしてくれる高麗人参や丁子、なつめなどの和漢成分も配合し、ママの健康と体調維持をお手伝いしてくれます。
もちろんGMP、NPO法人日本サプリメント評議会からの認定も受けた信頼できる品質のサプリメントです。
忙しい育児の合間にサッと手軽に飲むことができて、栄養たっぷりのmamacoは授乳中のママの味方です。ぜひmamacoを活用して、ママの身体を整えながら栄養たっぷりの母乳をつくっていきましょう。
まとめ
今回は授乳中のサプリメントについて解説してきました。
授乳中にサプリメントを飲むことは、ママと赤ちゃんにとって必要な栄養を補充することができるので、とってもおすすめ!
ただ、ママにも赤ちゃんにも影響を与えるものなので、安全で信頼できる品質のサプリメントを選ぶようにしましょう。
授乳中の栄養補給にはmamacoがおすすめです。必要な栄養を手軽に摂取しながら、ママの疲労ケアもできるmamacoを活用して、忙しい授乳期の日々を乗り越えていきましょう!
参考:
(※1)厚生労働省:国民健康・栄養調査結果の概要
(※2)時田章史:~こどもと女性のためのビタミン D~
(※3)Ho E, Collantes A, Kapur B, et al : Alcohol and breast feeding-calculation of time to zero level in milk. Biol Neonate 80,219-222, 2001
厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2015年版)
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