更新日:2024/11/8
母乳は血液からできている?仕組みや母乳を増やすポイント、血乳の対策まで徹底解説
あなたは、
・母乳って本当に血液からできているの?
・母乳が赤くない理由は?どんな成分が含まれているのか知りたい
・母乳を増やすためのポイントを知りたい
とお考えではありませんか?
母乳は産後に自然と出てきますが、その仕組みは知らないことが多いですよね。
結論から言うと、
母乳は血液からできており、作られる過程に「プロラクチン」と「オキシトシン」という2つのホルモンが深く関係しています。
この記事では母乳が血液からできる仕組みや含まれる成分について解説します。
また、母乳を増やすためのポイントや授乳中に気をつけたいことも紹介するので、今後の参考にできますよ。
母乳に関する知識を身につけて、楽しい母乳育児をスタートしましょう。
この記事に登場する専門家
看護師ライター Kamon
専門学校卒業後、総合病院で看護師として9年勤務。自身も不妊治療を経験。
クリニックへの転職を機に医療系ライターとして活動開始。
<保有資格>
・看護師
母乳は「血液」から作られる
母乳は乳房の毛細血管に取り込まれた血液から作られます。
ただ血液があれば良いというわけではなく、母乳が出るまでの過程には「プロラクチン」と「オキシトシン」という2つのホルモンが深く関係しています。
以下が各ホルモンの役割です。
①プロラクチン
- 母乳を作り出す
②オキシトシン
- 作られた母乳を押し出す
- 子宮を収縮し産後の回復を促す
赤ちゃんがおっぱいを吸うと、乳頭が刺激(吸啜刺激)され、脳からプロラクチンとオキシトシンが分泌されます。
プロラクチンは母乳を作り、オキシトシンは母乳を押し出してくれるため、赤ちゃんが飲めるようになる仕組みです。
さらに、オキシトシンは子宮の収縮を促す役割もあり、産後の回復を助けます。
母乳育児は赤ちゃんだけではなく、ママにとってもメリットがたくさんあるのです。
参考:大阪市立十三市民病院 新米ママと一緒に学ぶ!!母乳の基礎知識 ~準備編②~
母乳はなぜ赤くないの?
血が赤いのは血液中にある赤血球の「ヘモグロビン」が赤色だからです。
母乳が作られるときには赤血球が取り除かれるため、通常は赤くなりません。
ただ、母乳に血が混じるケースがあり、それを「血乳」と呼びます。
血乳について詳しく知りたい方は、こちらをチェックしてみてくださいね。
母乳に含まれる主な成分は?
母乳は炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど多くの栄養素が含まれます。
実は、母乳の成分は産後の経過とともに変化していくもので、時期によって「初乳」→「移行乳」→「成乳」と呼ばれます。
母乳の変化は以下のとおりです。
①「初乳」産後3~5日頃
たんぱく質や感染防御因子を多く含みます。ママから免疫をもらうことで赤ちゃんを感染から守ります。
②「移行乳」初乳と成乳の移行期間
初乳と成乳の移行期間です。どろっとした母乳からさらっとした母乳に変わっていきます。
③「成乳」産後10~14日頃
脂質や乳糖を多く含み、赤ちゃんの発育をサポートする成分(エネルギー量)が多くなります。
さらに、1回の授乳でも味や成分は変化すると言われており、母乳はそのときの赤ちゃんにとって最適な栄養となるように調節されています。
参考:大崎市民病院 『母乳は変化する』ことを知っていますか??
母乳を増やすためのポイント4つ
母乳を増やすためのポイントは以下の4つです。
- 血流を良くする
- 授乳回数を増やす
- 食生活を整える
- 無理せず休息をとる
今日から実践できることなので確認していきましょう。
1.血流を良くする
母乳を増やすためのポイント1つ目は、血流を良くすることです。
母乳は血液から作られているため、血流が悪いと分泌が滞ってしまう可能性があります。
以下のような方法で血流を良くしましょう。
- 腹巻や靴下、カイロで温める
- 生姜など体を温める飲み物を飲む
- 温かい食事を摂る
- 入浴はシャワーで済ませず湯船につかる
育児が始まったばかりでなかなか実践が難しいかもしれませんが、少しでも意識できたら◎です。
母乳がよく出る人の特徴を知りたい方はこちらの記事も参考にしてくださいね。
母乳がよく出る人の特徴は?母乳の量を増やすためにできることを紹介
自分は母乳が出るのか、今後出るようになるのか気になる方もいるでしょう。母乳がよく出る人の特徴と、母乳の量を増やすためにできることを助産師が徹底的に解説します。
2.授乳回数を増やす
母乳を増やすためのポイント2つ目は、授乳回数を増やすことです。
授乳回数が増えるとおっぱい(乳頭)への刺激が多くなるため、プロラクチンやオキシトシンのホルモン分泌量も増えます。
その結果、母乳が出やすくなるので授乳回数は多ければ多いほど良いですよ。
赤ちゃんが欲しがれば何度でも吸わせてあげましょう。
3.食生活を整える
母乳を増やすためのポイント3つ目は、食生活を整えることです。
母乳を作るためには意外とカロリーが必要で、1日約500キロカロリーが消費されています。
厚生労働省の定めるエネルギー摂取基準では「授乳中は通常時+450キロカロリーが必要」と言われています。
授乳中は食生活を整え、バランスの良い食事を心がけましょう。
参考:厚生労働省 「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと)
「そんなこと言っても育児に手一杯で自分の栄養バランスなんか気にしていられない…」とお困りのママには、授乳期のママのために作られたサプリメント『mamaco』がおすすめです。
mamacoは厚生労働省が推奨する13種の栄養素を全て含み、鉄分やカルシウムなど母乳の成分となる栄養素をしっかりと補給できます。
また、DHAや葉酸など赤ちゃんの健やかな成長に必要な栄養素も配合されており、母乳の質をサポートしてくれます。
「赤ちゃんにたくさん栄養を摂ってほしい」と願うママを応援するサプリメントですよ。
さらに育児で忙しいママのために「育児疲れをケアする和漢成分配合」なのも嬉しいポイント。
高麗人参やナツメ、ショウガなどの成分がホルモンバランスや活力をサポートします。
母乳育児を無理なく整えたいママにピッタリのmamacoを、ぜひ毎日の生活にプラスしてみてくださいね。
4.無理せず休息をとる
母乳を増やすためのポイント4つ目は、無理せず休息をとることです。
産後は生活が不規則になり、ストレスが溜まりがちですよね。
ストレスはホルモンバランスを乱してしまい、母乳の量に影響が出る可能性があります。
さらに、過度なストレスは産後うつへ繋がる場合があるので、できるだけ休息をとりましょう。
「休みたいけど、近くに頼れる家族もいなくて休んでいる暇がない…」というママは産後ケアの利用を検討しても良いでしょう。
詳しくはこちらの記事で紹介しているのでチェックしてみてくださいね。
産後ケアはママの強い味方!サポートの種類や自分でできるケアも
出産後のママと赤ちゃんをサポートしてくれる「産後ケア」。健康チェックや育児相談、赤ちゃんの預かりなどを行ってくれる、ママにとってとても心強いサービスです。今回は、さまざまな産後ケアについてご紹介します。
授乳中に気をつけたいこと4つ
授乳中には、以下の4つに気をつけましょう。
- 1ファストフードやインスタント食品
- 2タバコ・アルコール
- 3カフェイン
- 4飲み薬
①ファストフードやインスタント食品
授乳中に気をつけたいこと1つ目はファストフードやインスタント食品の食べすぎです。
以前は「脂の多い食事が乳腺炎の原因となる」と言われていましたが、近年科学的な根拠がないことがわかってきました。
基本的に授乳中の厳しい食事制限は必要ないですが、ファストフードやインスタント食品は血液をドロドロにするため、なるべく控えたほうが良いでしょう。
母乳はママの血液からできていることを忘れないようにしましょう。
②タバコ・アルコール
授乳中に気をつけたいこと2つ目はタバコ・アルコールです。
基本的なことではありますが、授乳中のタバコ・アルコールは控えましょう。
授乳中のタバコは乳幼児突然死症候群(SIDS)や喘息・肺炎など、さまざまな病気のリスクが高まります。
赤ちゃんにニコチン中毒の症状(不眠、おう吐、下痢など)が起こる場合もあるため、ママだけでなく同居している家族全員の禁煙が重要です。
また、授乳中のアルコール摂取は以下2つのリスクが高まります。
- 母乳にアルコールが入ってしまい、赤ちゃんの成長に悪影響である
- オキシトシン(ホルモン)の分泌を抑えるため母乳の出が悪くなる
母乳のアルコール濃度は飲酒後30分から1時間がピークです。
どうしても飲酒したい場合は「飲酒後2時間以上空けて授乳したほうが良い」と言われていますが、ママの体質にもよるので十分注意してくださいね。
③カフェイン
授乳中に気をつけたいこと3つ目はカフェインの摂りすぎです。
ママがカフェインを摂りすぎてしまうと、母乳を飲んだ赤ちゃんの寝つきが悪くなることがあるので注意しましょう。
1日のカフェインは200ml(コーヒー1〜2杯程度)が目安です。
下記のカフェイン含有飲料一覧を参考にしてくださいね。
種類 | カフェイン含有量目安(100mlあたり) |
---|---|
緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶 | 20mg |
紅茶 | 30 mg |
玄米茶 | 10mg |
コーラ | 13mg |
コーヒー | 60 mg |
エスプレッソ | 200mg以上 |
参考:日本母乳バンク協会 カフェイン摂取について(ドナーのお母さまへ)
授乳中は、麦茶、ルイボスティー、そば茶、はと麦茶、コーン茶、黒豆茶などのノンカフェイン飲料がおすすめです。
④飲み薬
授乳中に気をつけたいこと4つ目は飲み薬です。
ママの飲んだ薬は母乳を通して、赤ちゃんに影響することがあるので注意が必要です。
病院を受診した際は、授乳していることを医師に伝えましょう。
その他、授乳中に食べてはいけないものや乳腺炎に関することはこちらの記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
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母乳に血が混じっていたけど大丈夫?原因は?
母乳が作られるときには血液中の赤血球が取り除かれるため、通常は赤くなりませんが、まれに血が混じることがあります。
母乳に血が混じっていても、基本的には様子をみて大丈夫です。
血乳の原因は「妊娠中~産後1週間頃に乳管が急激に発達して新しい血管を作るため、血管がもろく出血しやすいから」と言われています。
血乳が出たときの対処法は?
基本的に、血乳でも赤ちゃんには問題ないと言われています。自然に治っていくケースが多いため、しばらくは様子をみて大丈夫です。
血乳の特徴は以下の5つがあることを覚えておきましょう。
- 数日~1週間でほとんど消失する
- おっぱいの痛みはない
- 両方のおっぱいから出ることが多いが、まれに片側だけのときもある
- 血乳を飲んでいる間は赤ちゃんの便が黒っぽくなる・吐いたものに血が混じることがある
- 初産婦に多い
1週間以上改善しない場合は受診をおすすめします。
もし、乳頭が傷ついて血が混じっている場合は早めに主治医・助産師に相談しましょう。
母乳は「血液」からできている!ママの生活を無理なく整えて母乳育児を楽しもう
母乳は血液からできており、作られる過程に「プロラクチン」と「オキシトシン」という2つのホルモンが深く関係しています。
母乳が赤く見えないのは作られる過程で赤血球が取り除かれるためで、母乳中にはたくさんの栄養素や感染予防因子(赤ちゃんを感染から守る細胞)が含まれているんですよ。
母乳を増やすためのポイントは以下の4つです。
- 血流を良くする
- 授乳回数を増やす
- 食生活を整える
- 無理せず休息をとる
育児が始まったばかりでなかなか実践が難しいかもしれませんが、少しでも意識できたら良いですね。
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厚生労働省の定める葉酸120μgはもちろんのこと鉄分、ビタミンAやDHAなど20種類以上の栄養素が配合されており、栄養が偏りがちな産後のママにピッタリです。
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