更新日:2024/9/6

産後ケアはママの強い味方!サポートの種類や自分でできるケアも

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核家族化が進み、一人で赤ちゃんのお世話と家事の大部分を担った結果、疲労や孤独を感じるママもきっと少なくないでしょう。そんな産後のママをサポートしてくれるのが「産後ケア」。産後ケアとは、健康チェックや育児相談、赤ちゃんの預かりなどママのサポートを行ってくれる心強いサービスです。今回は、産後ケアの必要性やサポートの種類、自分でできる産後ケアについて紹介します。

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

産後ケアってそもそも何?

産後ケアとは、出産後のママと赤ちゃんが元気に生活を送るために行う産後のママに向けたサポートのことです。サポート内容はさまざまで、ママの体のケアや心のケア、授乳指導、育児指導、専門家への相談、赤ちゃんの預かりなどがあります。

産後”ケアと聞くと、「赤ちゃんが生まれてすぐ」という印象を持つ人も多いかもしれませんが、出産後から母乳育児の終了まで産後ケアを行ってくれる施設もあり、幅広いママが利用できるサービスです。

産後ケアって必要なの?

産後ケアが始まった背景には、昔と比べてママの子育て負担が増えていることが挙げられます。

親に加えて祖父母や親族、近所の人までもが育児に参加してくれていた時代は変わり、現在は母親がメインとなって赤ちゃんを育てている家庭が増えました。

のため、頼れる人がおらず慣れない育児や授乳での睡眠不足、産後の回復しきっていない体での家事などで、疲弊してしまうママも少なくありません。疲労が溜まると産後の体の回復が遅れ、産後うつへとつながるケースもあります。


産後のママが元気そうに見えたとしても、骨盤や子宮は確実にダメージを受けており、回復には2ヶ月ほどかかるといわれています。

産後6~8週は産褥期(さんじょくき)といい、体が出産前の状態に戻ろうとする大切な時期です。一方で、女性ホルモンの減少や後陣痛などで心も体も不安定になりやすい時期ともいえます。

ひ一息ついて自分の体と心に耳を傾け、「体がつらい」「孤独を感じる」など、体と心に違和感があったら、ぜひ産後ケアを検討してみてください。ママにとって適切なサポートが受けられるはずです。

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産後から8週間までの期間である産褥期(さんじょくき)とはママの身体が回復していく期間です。産褥期には入浴・性交・無理をすることは避けましょう。医学的根拠に基づいて他にも産褥期に避けることや過ごし方をわかりやすく解説します。産褥期は無理をせずママの回復に努めましょう。

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どんな産後ケアがあるの?

産後ケアは、大きく3つに分類できます。ここでは、サポートの種類やメリット、注意点について詳しく見てみましょう。

1.訪問型(アウトリーチ)産後ケア

訪問型産後ケアとは、助産師さんや産後ドゥーラ、ママの悩みに応じた専門家が自宅まで来てくれ、授乳の指導や子育て相談、赤ちゃんの発育チェック、赤ちゃんの一時的な預かりなどが受けられるサービスです。

後ドゥーラとは、産前産後のママのサポートを行うスペシャリストで、赤ちゃんのお世話や家事代行、上のお子さんのお世話までしてくれる、産後ママの強い味方。子どものお世話をするベビーシッターとは違い、ママのサポートをするのが産後ドゥーラなのです。


問型産後ケアは、民間も選べますが多くの自治体でも行っています。行政のサービスを利用した場合、1時間500~1000円程度で受けられる地域が多いでしょう。

域の保健師さんが訪問し、ママと赤ちゃんの健康チェックと悩み相談を行う「新生児訪問」も訪問型産後ケアの一環ですが、それとは別に新生児期以降も受けられるサポートです。

メリット

  • 移動手段がなくても利用できる
  • 家まで来てくれるので体調が優れないときにありがたい
  • 比較的低価格でサポートが受けられる

注意点

  • サポートを受けられる時間が短め(1時間~4時間ほど)
  • 行政ごとに利用回数の制限が違う
  • 行政ごとにサポート内容が異なり、希望するサポートがない場合も
  • 民間の訪問型産後ケアは、行政よりも費用がかかる

2.日帰り型(デイサービス)産後ケア

日帰り型産後ケアは、産後ケア専門施設や産婦人科、助産院などにママと赤ちゃんが日帰りで通いながら、産後ケアが受けられるサービスです。

在時間は10時〜17時頃の間という場合が多く、ママと赤ちゃんの健康チェックを行い、赤ちゃんのお世話をプロにお任せして、ママは別室でゆっくり休んだり、専門家に相談に乗ってもらったりできます。


ンチがついていたり、オプションでエステができたりと、至れり尽くせりな産後ケア施設もあります。日帰り型産後ケアも多くの自治体が行っているため、お住まいの地域にはどのようなサービスがあるのか早めに調べてみましょう。

政のサービスを利用した場合、1回500円~3000円程度で利用できる地域が多いようです。

メリット

  • 家と違う空間でリフレッシュできる
  • 赤ちゃんと離れることができるのでゆっくり体を休められる
  • 施設を選べば自分のやりたいことができる
  • 自治体の日帰り型産後ケアを選べば比較的低価格

注意点

  • 赤ちゃん連れで施設に出向かなければならない
  • 施設ごとにサービスが違うので下調べが大切
  • 行政ごとに利用回数の制限が違う

3.宿泊型産後ケア

ママと赤ちゃんが産後ケアホテルや産婦人科、助産院などに泊り、ママと赤ちゃんの健康チェックや、育児相談、赤ちゃんを預けてママの休息時間の確保などができるサービスです。

産する産院が宿泊型産後ケアを行っている場合、出産後そのまま宿泊型産後ケアに移行できる場合もあります。宿泊型産後ケアも多くの自治体が行っており、自治体の制度を利用するときは、地域によって利用条件が異なるため、あらかじめ調べておきましょう。


後ケア施設によってできることが異なり、ワークショップやヨガレッスン、エステなどがついている施設もあります。体験を通して、ママ同士コミュニケーションが取れるのも良いリフレッシュになるのではないでしょうか?栄養満点の食事がつくのも魅力的です。

政のサービスを利用した場合、1泊3000円~10000円程度で利用できます。自治体を通さず民間施設を利用するとなると、サービス内容によって金額は大きく異なり、相場は1泊20000円~60000円ほどです。


政の宿泊型産後ケアは、訪問型や日帰り型よりも条件が厳しい場合が多いので注意しましょう。例えば、ママの産後の心身の不調や育児の不安に加えて「家族等から十分な家事および育児等の支援が得られない」などの条件がプラスされている場合がありますので、お住まいの地域の条件を調べてみてくださいね。

メリット

  • 家事育児から離れてリフレッシュできる
  • ママ同士の交流が持てる場合も
  • 自治体の行っている宿泊型産後ケアを選べば費用が安い

注意点

  • 訪問型や日帰り型より費用が高額
  • 赤ちゃん連れで施設に出向かなければならない
  • 施設ごとにサービスが違うので施設調べが大切
  • 利用日数や利用方法は地域ごとに違う
  • 行政の宿泊型は訪問型や日帰り型と比べて利用条件が厳しいことが多い


「訪問型」「日帰り型」「宿泊型」の3つの産後ケアをご紹介しました。

産後ケアは状況に応じて複数組み合わせてOKです。行政のサービスも充実しつつあるので、お住まいの地域のサービスはどんなものがあるのか、あらかじめ調べておくと安心できますね。

下記の記事では、「産後の生理不順」について解説しています。

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自分でできる産後ケア

赤ちゃんのお世話で忘れがちになるママの体。ママ自身が自分の体を大切にすることは、赤ちゃんの幸せにもつながります。ぜひ自分の体にも気を配り、自分でできる産後ケアにもチャレンジしてみましょう。

セルフ産後ケア1.骨盤ベルト

ママの骨盤は、赤ちゃんが産道をスムーズに通れるように出産時には最大に開き、産後は時間をかけて元に戻っていきます。そのため、出産を経たばかりのママの骨盤は、まだ妊娠前の状態には到底戻っておらず、開いたままのグラグラ状態です。

盤を引き締める筋肉(骨盤底筋群)が弱かったり、骨盤がゆがんでしまったりすると、骨盤は開きっぱなしになってしまい、腰痛や恥骨痛につながることもあります。開いた骨盤を元に戻すためには、骨盤の下を締めてくれる骨盤ベルトがおすすめです。

盤ベルトで開いた骨盤をキュッと整えてあげることで、骨盤が元に戻るのを手助けしてくれます。帝王切開をした方は、骨盤ベルトが傷口に当たらないよう注意しましょう。出産入院の間に、助産師さんや看護師さんに着用方法を聞いておくのがおすすめです。

セルフ産後ケア2.授乳クッションやドーナツ座布団

腰痛、会陰切開の傷の痛み、授乳での肩こりなど、体の痛みに悩まされる産後ママも多くいます。そんなママの強い見方が、授乳を快適にしてくれる授乳クッションとドーナツ座布団

乳クッションは、クッションの上に赤ちゃんを乗せて授乳することで、授乳中の猫背になりがちなママの姿勢が良くなり、赤ちゃんを支えるママの肩・背中・腰の負担が軽くなります。

方ドーナツ座布団は、会陰切開の傷に苦しむママの強い味方。ドーナツのように真ん中に穴が空いている構造の座布団なので、傷口がクッションに擦れずに楽に座れますよ。

便利な育児グッズもたくさん販売されているので、どんどん活用していきましょう。

セルフ産後ケア3.睡眠と安静

ママができる最大の産後ケアは“睡眠”です。

りきたりかもしれませんが、疲れた体と心を回復させるためには睡眠がマスト。できれば産後1ヶ月は赤ちゃんのお世話以外は何もせずに、赤ちゃんが寝たらいっしょに寝てください。

マが睡眠という名の産後ケアをするために、ママの産後の状態を夫や家族に理解してもらうことも大切です。そのためには、日々の生活の状態や赤ちゃんの様子など、しっかり言葉にして伝えることが重要です。安静にする時間をしっかり取れるよう、パパや家族にしっかりサポートしてもらいましょう。

育児に辛さを感じたら産後ケアを思い出して

産後ママの心と体に寄り添ってくれる産後ケア。ママが健康でいることは、赤ちゃんのためにもなるため、体が辛かったり育児に不安を感じたりしたときは積極的に利用しましょう。また、育児と生活が楽になるグッズで、セルフ産後ケアも取り入れてくださいね。ママの産後ケアの一環として、産後用のサプリメントで足りない栄養素を補うのもおすすめです。

参考サイト】

日本産後ケア協会

厚生労働省 産後ケアガイドライン

大阪市 産後ケア事業

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