更新日:2024/11/8
【助産師推奨】会陰切開の回復を早める方法|痛みの対処法や傷が治る時期を解説
産後の悩みのひとつが、お産のときにできた「会陰切開(えいんせっかい)」や「会陰裂傷(えいんれっしょう)」などの傷の痛みですよね。
赤ちゃんのお世話や授乳もがんばりたいのに、痛くて思うように動けず辛い思いをしている方もいると思います。
そんなお母さんのために、今回はお産でできた傷の回復を早める方法について解説していきます。また、傷による痛みの対処法や、注意してほしい症状についてもぜひチェックしてみてくださいね。
この記事が、産後の生活を少しでも楽にするヒントになれば嬉しいです。
この記事に登場する専門家
助産師ライター かなえ
現役助産師ライター。
助産師免許取得後、助産師外来や院内助産を経験し、現在はフリースタイル出産を取り扱うクリニックで勤務。また、地域の学校や親子向けに性教育のおはなし会を開催。
【資格】
・看護師
・助産師
・保健師
・新生児蘇生法インストラクター
会陰切開の回復を早めるための3つのポイント
産後のお母さんは、自分の体の回復にもホルモンバランスが安定するのにも時間が必要です。産後の体が安定するのには6〜8週間くらいの時間がかかります。
特に1ヶ月健診までは、周りのサポートを受けながら無理しすぎず過ごすようにしましょう。
まずは、会陰切開や会陰裂傷の傷の回復のためのポイントを紹介します。
しっかりと休息をとる
産後は自分のからだの回復を第一に考えましょう。傷の回復のためにも、お産で消耗した体力を補うことを優先しましょう。
お産に長時間かかった人や出血が多かった人は、特にしっかりと体を休めることが大切です。
また、体が回復してからも、赤ちゃんのお世話は日中も夜間も続きます。赤ちゃんが寝ている間の時間を使って、お母さんも上手に休む習慣をつけましょう。
退院後に里帰りなどの予定がなく産後にサポートがない方は、事前にパートナーの育児休業の取得や、産後ケア事業の申請を検討しておくのがおすすめです。
産後ケア事業について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね!▼
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バランスの良い食事をとる
お産で消耗するエネルギーは、約1日分のカロリーだと言われています。お産が長時間に及んだ人や、お産中に食事が摂れなかったり、出血が多かったりした人は更にエネルギーが消耗されています。
また、産後しばらく続く悪露(おろ)や、赤ちゃんのお世話・授乳があるため、産後も妊娠中同様に、エネルギーになるものやたくさんの栄養素を意識して摂ることが必要です。
産後は年齢や活動レベルに合わせて+350kcalの付加が必要です。さらに、さまざまな栄養素の付加も推奨されています。
特に傷の修復のためには、筋肉や皮膚の材料になるタンパク質を意識して摂取することが大切です。
タンパク質には、肉類や魚介類に多い動物性タンパク質と、豆類に多い植物性タンパク質があり、動物性タンパク質の方が吸収率が高い傾向があります。
また、タンパク質はビタミンと摂ることで吸収が高まるため、ビタミンも一緒に摂るのがおすすめです。
実際に、マクロビやヴィーガンなどの菜食主義の方が傷の離開を繰り返し、再縫合の処置が必要になったケースもあります。
さまざまな理由で動物性のものを口にしないという選択をされる方もいますが、そのような場合は十分な知識が必要ですね。
また、そのような方は栄養補助食品などを使用して栄養素を補うという選択もおすすめです。
産後に必要な栄養素については、こちらの記事も参考にしてくださいね!▼
助産師が教える産後の食事のポイント|お母さんと赤ちゃんのためのおすすめ栄養素やメニューは?
産後の食事は、お母さんの心身の回復と、赤ちゃんの栄養となる母乳の生成を意識した食事を摂ることが大切です。産後のお母さんの特徴を捉えて、摂取が必要な栄養素を知っておきましょう。また、摂らない方が良いものについても知っておきましょう。産後に必要な栄養素の補給にはサプリメントの使用も有効です。
サプリメントの活用もおすすめ
産後は、慣れないことも多く余裕がない方や、食事まで気が回らない方も多いはず。そんな方におすすめなのがサプリメントの活用です。産後のお母さんにおすすめなのが、mamaco(ママコ)です。
mamacoは、産後の授乳期にあるお母さんに必要な栄養素が含まれているサプリメント。お母さんの体の回復や傷の治癒のために必要な葉酸、鉄分、ビタミンDなどがたっぷりと摂れます。
また、これらの栄養素は母乳を通して赤ちゃんに送られるため、母乳育児をしているお母さんにもぴったりなんですよ。
さらに嬉しいことに、mamacoにはお母さんの疲れを癒す和漢成分も配合されています。
和漢成分にはからだの巡りをサポートしてくれる働きもあり、摂った栄養素の吸収率をUPさせることも期待できますよ。
余裕のない方やサポートが少ないお母さんこそ、手軽に取り入れることができるサプリメントがぴったりです。産後の回復を早めるための栄養補給の手段として、ぜひmamacoを試してみてくださいね。
感染を起こさないようケアを行う
傷の治りを良くするためには、感染を起こさないようにケアすることも大切です。
しっかりと治っていない状態の傷口から細菌が入ってしまうと、傷口に炎症が起こり痛みが強くなったり、傷がふさがるのを妨げてしまったりすることも。
また、産後は骨盤底筋という骨盤を支える筋肉が緩むため、尿失禁や尿漏れなどが起こることも少なくありません。
会陰部は肛門に近く、大腸菌などの常在菌が多く存在する場所のため、清潔に保ち細菌の繁殖を防ぐようにすることが大切です。
しかし傷があると、排便や排尿の後にトイレットペーパーで拭くことも躊躇しがち。
トイレの際には傷口から遠ざけるように拭き、ウォシュレットを使う際は刺激を避けるため弱い水流にするようにしましょう。
また、長時間ナプキンが湿っている状態だと、細菌が増殖しやすいため、ナプキンはこまめに交換するようにしましょう。
その他、妊娠中から免疫力のアップを意識して過ごすことも大切です。妊娠中の方は、冷えの予防(温活)や腸活を取り入れることがおすすめですよ。
温活について知りたい!という方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね!▼
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そもそも会陰切開の傷ってどんな状態?
自分では見たり、確認することが難しい会陰の傷の状態。
どのような状態なのか気になったり、気にしすぎてトイレに行くのが苦痛になったり、シャワーの時にも触れるのが恐いという声もよく聞きます。
そんな方のために、会陰の傷がどのような状態なのかについて簡単に解説します。
会陰切開の傷とは
聞き慣れない「会陰」という言葉。妊娠して初めて聞いた方も多いはず。
会陰とは、膣と肛門の間の部分のことを指します。赤ちゃんは、生まれて来るときに膣を通ってきます。膣は赤ちゃんの頭の大きさに合わせて少しずつ伸び、広がります。
しかし、赤ちゃんの頭は直径約10cmくらいの大きさであり、決して小さいサイズとはいえません。
そのため、赤ちゃんが出てきやすくするために、出口を切って広げる処置が「会陰切開」です。
その他、赤ちゃんが通る過程で自然に会陰の部分が裂けることを「会陰裂傷」といいます。
会陰裂傷は、全くできない人もいれば大きな傷や深い傷になることもあります。傷の程度により、痛みや治るのにかかる時間に個人差があります。
会陰切開の痛みや腫れはいつまで続く?
会陰切開を行った場合や会陰裂傷ができた場合は、お産の後に縫合処置を行います。縫合に使う糸は産院により異なりますが、抜糸が必要な場合と溶ける糸を使う場合があります。
傷の痛みや腫れは、傷の程度によりますが日にちと共に軽快していきます。特にお産の当日から1〜2日程度は腫れや痛みを伴うことが多いですが、退院するころには日常生活を行うのに支障がない程度になってきます。
会陰や膣は粘膜の組織であるため、経過に問題なければ治りが早い場所です。そのため、退院前後くらいになると傷口の皮膚が再生してくっつき始めているため、縫った糸の引きつれを感じることも。治癒の経過であるため、特に大きな問題はありません。
しかし、違和感や痛みが強い場合は、主治医に相談すると良いですよ。
心配かもしれませんが、1ヶ月健診の頃には、傷の痛みや違和感もなくなっていることが多いでしょう。
痛みを和らげる方法
会陰切開の痛みが強い間は、日常生活や赤ちゃんのお世話が難しいこともあるかもしれません。痛いときの対処法を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
円座クッション
円座クッションとは、真ん中が空洞になっているドーナツ型のクッションのこと。空洞の部分が体重により圧迫されないため、傷や痛みがあるときに使うと便利です。
その他、厚みのあるふわふわしたナプキンを使うのもおすすめですよ。
痛み止めを使う
授乳中に薬を使うことに抵抗を感じる方もいると思いますが、産後の痛みに対して使う痛み止めは、授乳中でも安心して使うことのできる薬のひとつです。
入院中に処方してもらっておくと、退院後も安心ですよ。また、市販薬の使用を検討される方は、薬剤師さんに相談すると良いでしょう。
授乳中の薬の服用については、こちらも参考にしてください。
▶︎授乳中に安全に使用できると考えられる薬 - 薬効順 - | 国立成育医療研究センター
カレンデュラオイルを使う
カレンデュラとはマリーゴールドのことです。カレンデュラは化粧品にも使われる成分で、抗酸化作用や傷、炎症に対する修復や保護の効果があります。そのため、お産でできた傷に対しての使用も有効です。
また、カレンデュラには保湿や皮膚の柔軟性を保つ作用もあるため、お産を控えている方は、お産に備えてオイル湿布をして保湿したりマッサージしておくこともおすすめですよ。
この会陰の傷の痛みは大丈夫?注意したい症状3選!
ここまで傷の治りを早める方法や痛みに対する対処法などを紹介してきましたが、最後は気をつけて欲しい症状について紹介します。
これから紹介する症状は、傷に感染が起こり、傷の状態が悪くなっている可能性があるサインです。
状態によっては、薬の使用や医療処置が必要になることも。症状があるときには、主治医に相談しましょう。
痛みが強くなっている
会陰切開や会陰裂傷の傷の痛みは、日に日に軽快していくものです。退院前後くらいに糸のひきつれを感じ、痛みが強くなったと感じることもありますが、一時的であることがほとんどです。
良くなっていた痛みが強くなったと感じる場合、傷から細菌が入り感染して炎症を起こしている可能性があります。
傷の部分に感染が起こると傷口はくっつきません。そのため再処置が必要になる場合もあります。
傷の部分に触れたときに強い痛みを感じる場合は、医師に相談しましょう。
悪露の臭いが気になる
産後子宮が戻っていく過程で、悪露は1ヶ月弱続きます。
トイレに行ったときに悪露の臭いがおかしいと感じたり、臭いと感じたりするときは、傷が炎症や感染を起こしている可能性があります。
さらに、悪露の臭いが気になるだけでなく、腹痛や腰痛も同時に感じるときには、感染が子宮にまで及んでいる可能性があります。
悪露の臭いが気になるときは、他の症状の有無も確認してかかりつけ医に相談しましょう。
熱が出ている
産後24時間〜産後10日以内に2日以上の発熱が続く場合を「産褥熱(さんじょくねつ)」といい、感染が起こっているサインを現します。
38度以上の発熱が続くときには、感染が起こっている可能性があるため受診が必要です。発熱に合わせて、傷の痛みの増強や悪露の臭いの変化があるときには特に注意が必要です。
一方で、産後はおっぱいのトラブルである乳腺炎などで発熱することもあります。受診する際には、乳腺炎の原因や症状の有無もチェックしましょう。
乳腺炎の症状については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね!▼
これって乳腺炎?自分でできる対処方法と予防方法について解説 | 助産師執筆
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産後の回復のためには休息と栄養素がカギ!サプリも上手に活用しよう
お産でできた会陰切開や会陰裂傷の傷の治りを早めるためには、「十分な休息」と「しっかりと栄養をとること」が重要です。
人の体は、体をリカバリーさせるために優先順位の高いところから栄養素が送られます。そのため、自分自身をしっかりと癒すことがとても大切です。
産後にサポートがある人は、周りの人も頼りながら過ごしましょう。また、サポートがなくて困っている人は、産後ケア事業や家事サービス、ドゥーラなどを利用するのもひとつの方法です。
さらに、一日でも早く回復して過ごすためには、バランスの良い食事に合わせてサプリメントの力を借りるのも大切なこと。
産後は授乳や赤ちゃんのお世話をしながらの生活です。生活リズムが不規則なうえに、必要な栄養素をすべて摂るというのは至難の技です。
そんな余裕のないお母さんでも、手軽に取り入れることができるのが産後・授乳期サプリの「mamaco(ママコ )」です。
mamacoは、文字通り「ママ」にも「お子さん」にも嬉しいサプリメント。産後のお母さんの体の回復を助けるための栄養や、母乳のために必要な栄養素をたっぷりと配合しています。
また、お母さんの疲れを癒すための和漢成分も含有。和漢成分には、高麗人参や生姜なども含まれているため、からだの巡りを良くしてくれます。
巡りが良いからだは、栄養素が全身に行き届きやすいため、傷の治りのためにも良いですよ。
産後に外出の余裕がない方でも大丈夫。mamacoはネットから購入できて、そのまま自宅にお届けします。
お得に試したい方は、ぜひこちらから詳細をチェックしてみてくださいね!▼▼▼
参考記事:
助産所における会陰裂傷の実態と分娩体験
会陰切開の記事に反響続々! | ヨミドクター(読売新聞)
分娩時に会陰部に温罨法を行うことによる会陰裂傷の低減の効果
会陰部の損傷による産後の日常生活への支障
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