更新日:2024/3/28

【看護師執筆】産後にやってはいけない3つのこと。産褥期の過ごし方を解説

赤ちゃんにキスをしているお母さんがいます。

出産を終えたママのなかには、これからの過ごし方のイメージがつかない方もいるのではないでしょうか。


「いつまで安静にしていればいいの?」
「やってはいけないことや注意点やある?」

などの悩みはつきものです。


ママの身体は、すぐに妊娠前の状態に戻るわけではありません。


この記事では、医学的事実に基づいて以下のことを説明します。

・産後やってはいけないこと

・産後はできるだけ避けたほうが良いこと

・授乳中の注意点

・産褥期の過ごし方

・産後に注意するべき症状


産褥期を安心して過ごすためにも、ママの身体について理解を深めましょう。



この記事に登場する専門家

藤川 あかり

大学卒業後、総合病院などで看護師として勤務。
出産と夫の転勤を機に退職、看護師の知識と子育て経験を活かしてWebライターとして活動中。

〈資格〉

  • 保健師
  • 看護師

産褥期(さんじょくき)とは

産褥期とは、出産直後から産後6〜8週を意味します。

ママの身体が少しずつ妊娠前の状態に戻っていく期間のことです。


褥期のママには以下のような身体の変化が起こります。

  • 子宮がもとの大きさに戻る
  • 開いた骨盤が戻る
  • ホルモンバランスが変わる
  • 悪露(おろ)の排出
  • 母乳の分泌


体が元に戻るスピードには個人差があります。

出産という大仕事を終えても、決して油断したり無理をしたりすることはできない時期です。

褥期にはとにかく身体を休めて、回復につとめましょう。


産 後やってはいけない3つのこと

産後やってはいけないことは以下の3つです。

  1. 湯船に入浴
  2. 性交(挿入)
  3. 完璧を目指し、無理をする


浴と性交は産後1ヶ月検診で産婦人科医に許可をもらうまでは禁止です。

た、産褥期に無理は禁物です。


とくに初めての育児では完璧を目指して無理をしてしまうママも少なくありませんが、体調を崩すリスクがあります。

れぞれくわしく説明します。


① 湯船に入浴

1ヶ月検診で医師の許可をもらうまでは、入浴はシャワーのみにしましょう。

湯船につかることで開いた子宮口から雑菌が入り、感染するリスクがあるためです。


後は悪露が出るため常に産褥パッドやナプキンをつけることになります。

入浴をしなくても身体はボディソープで優しく洗い、清潔を保ちましょう。


とくに寒い時期は浴室や脱衣所を十分に暖かくしたり、足湯をしたりして身体を冷やさないことが大切です。

1ヶ月検診のころには子宮口も閉じていることから、入浴をしても良いとされています。


② 性交(挿入)

出産のときにできた膣や子宮の傷からの感染や、身体の痛みなどから守るため産後の性交は以下の条件がそろうまで控えましょう。

  • 1ヶ月検診で医師の許可が出る
  • ママが身体の調子が良くなったと感じる(痛みがない)
  • 精神的に受け入れられる状態になる


王切開のママも、医師とも相談しながら1ヶ月以上は性交を控えてください。

帝王切開では赤ちゃんは膣を通りません。


しかしお腹を切る大手術をしており、無理せず身体の回復状況に合わせることが大切です。

後のママの心身はボロボロですのでまずは寝ることを優先してください。医師の許可が出るまでは、挿入を伴わないスキンシップにしましょう。


た、

産後は生理が再開していなくても排卵していて妊娠する可能性があります。

コンドームを使用して確実に避妊をしましょう。

期間は経膣分娩なら次の子を望むまで、帝王切開の場合は1年程度が目安です。


③ 完璧を目指し、無理をする

産後は決して無理をしてはいけません

とくに初めての育児では、育児書やネットの内容を読んで完璧を目指すママも少なくありません。


理をしてしまうと身体の回復が遅くなるばかりか、出血などのトラブルにもつながるおそれがあります。

まじめで完璧主義のママほど気づかないうちに無理をしてしまいがちです。


周囲に頼りながら、育児は思い通りにはいかないものだと思って過ごしましょう。

ちゃんとママが生きているだけで素晴らしいことなのです。

以下の記事については、

「やってはいけない事」の他にも、

「産後ケアの重要性とケア方法」

をわかりやすく説明しています。

ぜひ合わせてご覧ください!

産後ケアはママの強い味方!サポートの種類や自分でできるケアも

出産後のママと赤ちゃんをサポートしてくれる「産後ケア」。健康チェックや育児相談、赤ちゃんの預かりなどを行ってくれる、ママにとってとても心強いサービスです。今回は、さまざまな産後ケアについてご紹介します。

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産 後はできるだけ避けたほうがいいこと

産後は以下のことはできるだけ避けましょう。

  • 喫煙
  • ダイエット
  • 長時間の外出
  • 水仕事
  • 重いものを持つ
  • 目の酷使


1つずつ説明します。

喫煙

喫煙は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを跳ね上げます

ママだけではなく赤ちゃんと同居している方は禁煙することが望ましいです。

両親がタバコを吸う場合、吸わない場合と比べてSIDSの発症率は4.7倍になるというデータがあります。


しい命の誕生を期に、ご家族で禁煙外来などを活用してみてはいかがでしょうか。禁煙には赤ちゃんだけでなく、家族の健康面や、金銭面にもメリットがあります。


激 しい運動(ダイエット)

産褥期は身体に大きなダメージを負っています。

激しい運動や食事制限でダイエットをすることは避けましょう。

ちゃんを産んでもすぐに妊娠前の体重に戻らず、不安になったりショックを受けたりすることもあるかもしれません。


しかし、今は身体の回復や母乳をあげるためにも十分な休息とバランスの良い食事が大切です。

動をしたい場合は悪露がおさまってきて体調も落ち着いてから、寝たまま行える体操から始めましょう。


長 時間の外出

産後すぐは立っているのも大変な場合もあり、外出は大きな負担になります。

ちゃんにとっても外出は負担ですので産褥期は家の中でゆっくりすごしましょう


水 仕事

身体を冷やすのは良くないという考えから、産褥期には水仕事はなるべく避けるように言われています。

後に身体を冷やしてしまうことで回復の遅れにも繋がるリスクがあります。どうしても水仕事をするときは温水を使い、短時間で済ませるようにしましょう


重 いものを持つ

産褥期は赤ちゃんより重いものは持たないようにしましょう。

体がまだ回復しきっておらず、腹部に負担がかかるためです。

大きいものや重いものはパートナーや家族にお願いしましょう

ス マホや読書など目の酷使

昔から産後に目を使ってはいけないと言われています。目の疲れによる頭痛や肩こりなどの原因にもなります。

SNSや育児の情報を集めるのはほどほどにして、赤ちゃんが寝ているときは一緒に目を閉じて休みましょう。

産後に意外と苦しむ方が多いのは「うつ」です。

そんな「うつ」で苦しまないよう、下の記事をチェックしてみてください!

ママと家族に知ってほしい産後うつ対策

産後うつにならないためには、ママとパパ・家族全員で、ママと赤ちゃんが健やかに過ごせるよう気をつけなければいけません。ここでは産後うつになってしまう原因、症状だけではなく、ママと家族ができる産後うつ対策をお伝えします。

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授 乳中は飲酒、カフェイン摂取に注意

母乳育児をする場合、飲酒とカフェイン摂取にも注意が必要です。

授乳中はノンアルコール飲料にするか飲酒しても少量で授乳時間を充分に開けましょう。


またカフェインはコーヒーで1日2杯程度が望ましいです。

授 乳中のアルコールについて

授乳中の飲酒は以下のような影響があります。

  • 母乳の分泌を抑制する
  • 赤ちゃんにアルコールが移行
  • 赤ちゃんの成長の抑制


酒したあと授乳可能になるまでの時間はママのアルコール分解スピードにより個人差があります。

最低でも3時間以上は開けましょう


授 乳中のカフェインについて

授乳中にカフェインを多量に摂取すると赤ちゃんに以下のような影響があります。

  • 寝つきが悪くなる
  • 落ち着きがなくなる


ーヒーであれば1日2杯程度までにすると良いでしょう。また、ノンカフェインやカフェインが少なめの製品を選ぶのもおすすめです。


産 褥期の過ごし方

産褥期はとにかくママは身体の回復のために休むことが大切です。

基本的には赤ちゃんのお世話以外はなるべくせず、安静にすごしましょう


褥期を3つに分けてそれぞれの過ごし方についてくわしく説明していきます。


産 後3週まではとにかく身体を休める

出産直後から3週間まではとにかく横になって身体を休ませましょう

出産の疲れも残っていますし身体もまだボロボロの状態です。


事はもちろんせず、母乳をあげる以外の育児も可能な限り家族にお願いしましょう。

産 後3〜4週は簡単な家事はしてもOK

産後3週間を過ぎたら、少しずつ起きて活動する時間をつくっても良いでしょう。


だまだ赤ちゃんはまとまって寝ないため、ママも睡眠不足になりがちです。

身体の回復も充分ではありませんので疲れを感じたら横になって休みましょう。

産 後5〜8週以降も、無理せずできることをする

1ヶ月検診をすぎると入浴や性交が可能になります

しかし急に元の生活に戻すのではなく、徐々に戻していくイメージで生活しましょう。


後の身体の回復には個人差があります。

無理せず家族や周囲のサポートを頼りながら赤ちゃんと生活していってください。

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産 後はこんな症状に注意

産褥期は産まれたばかりの赤ちゃんのことに気をとられがちですが、ママの身体にも注意が必要な時期です。


下のような症状があれば産婦人科を受診しましょう。

  • 悪露の量が増え、赤黒いのが続く
  • 腹痛・腰痛がある
  • 会陰切開部が腫れたり痛みがある
  • トイレが近かったり排尿時に痛みがある
  • 乳房の痛みや熱感
  • 貧血、激しい息切れ


褥期の身体はまだまだ通常の状態ではありません。

疲労や体調不良を感じたときはすぐに休み、心配な症状があるときは受診をしましょう


m amaco(ママコ)は産褥期に特化したサプリ

mamaco(ママコ)は母乳の栄養補給だけでなく、産褥期の育児疲れもケアできる産婦人科医監修のサプリメントです。

香料や保存料などは使われておらず、安心して飲むことができます。


酸やカルシウムなどの不足しがちな栄養素に加えて、高麗人参やショウガなどの和漢成分でママの疲れのケアができます。

乳のママだけでなく、食事のバランスが気になったり疲れを感じたりしている全てのママにおすすめのサプリです。


まとめ:産褥期は無理をせず、とにかく身体を休める

1ヶ月検診をすぎるまでは、入浴と性交は避けましょう。

また、新生児突然死症候群の予防のためにも、赤ちゃんのいる家庭では全員が禁煙することが望ましいです。


褥期のママの身体は、出産のダメージだけでなく身体が妊娠前に戻っていく回復の過程にあります。

産後は無理をせず、身体の回復に合わせて徐々にもとの生活に戻していきましょう


参考

秋田県庁「子育て世代の皆さんへ―知っていますか?たばこの危険ー

厚生労働省「-たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう-」「乳幼児突然死症候群 / SID

日本産産婦人科医会「妊娠中の飲酒について

山形県「産後のからだチェック


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