更新日:2024/6/10
妊娠中の葉酸サプリはいつまで飲めばいいの?〜葉酸が必要なのは妊娠初期だけじゃなかった!【助産師執筆】
「葉酸」の摂取が赤ちゃんの健やかな発育にとって大切だと聞き、妊娠初期から葉酸サプリを飲んでいる方も多いと思います。
妊娠初期を過ぎ、妊娠中期〜後期に入った妊婦さんの中には、「妊娠中の葉酸サプリっていつまで飲めばいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
妊娠初期に大事だとされる「葉酸」ですが、実は、葉酸が必要なのは初期だけではないんです!
この記事では、妊娠中の葉酸サプリはいつまで飲めばいいのか、葉酸がもたらすカラダへの効果、時期に応じた必要な葉酸の量について解説していきます。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
葉酸サプリは妊娠中ずっと飲むのが大切!
「妊娠中の葉酸サプリっていつまで飲めばいいの?」という疑問の答えは、「妊娠中~授乳期までずっと飲み続ける」が正解です。
そもそも葉酸は、人間が生きていく上で欠かせない必須栄養素です。
葉酸は、人間のカラダの中で重要なDNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促すことで、新たな細胞を作り出したり、傷ついた細胞の再生をサポートしてくれたりする重要な働きをします。
そのため、妊娠中の女性だけでなく、老若男女問わず、全ての人のカラダにとって重要な栄養素なのです。
葉酸は、ほうれん草やブロッコリー、枝豆などの緑色の野菜、納豆や豚・牛・鶏といった動物の肝臓にも多く含まれるビタミンです。
健康な人が通常の食生活を送っていれば、葉酸が欠乏することはまれです。
しかし、妊娠中は赤ちゃんの成長・発育にも葉酸が必要となるため、葉酸の必要量が増えます。
もっと言うと、『妊娠中』だけでなく、妊活を始めたそのときから妊娠中の全期間、さらには授乳期を通して十分に摂取していく必要があるのです。
妊娠中におすすめの葉酸サプリを知りたい人は、こちらからどうぞ。
妊娠初期に葉酸が必要な理由
妊娠初期には葉酸が必要だと聞き、葉酸サプリをしっかりと飲んでいる方も多いと思います。
妊活時期から妊娠初期には、赤ちゃんの先天性異常である「神経管閉鎖障害」の予防のために、十分な葉酸の摂取が推奨されています。
特に、妊娠5週から妊娠12週までは、赤ちゃんの大切な臓器を作る「器官形成期」。赤ちゃんのカラダの中で、とっても細胞分裂が盛んな時期です。
葉酸は、赤ちゃんの細胞を作り出すために必要不可欠な栄養素なのです。
妊娠中期・後期に葉酸が必要な理由
妊娠中期〜後期は、妊娠初期とはまた違った理由で葉酸の摂取が大切になります。
胎児の成長・発育に必要
赤ちゃんが生きていくために必要な心臓・脳・臓器は、妊娠初期にほとんど作られます。
妊娠中期からは、できあがった臓器たちがスムーズに動くことができるように調整したり、赤ちゃんのカラダの筋肉や脂肪を作り出したりして、赤ちゃん自身が大きくなっていく時期です。
この時期もまだまだ細胞を作り出したり再生したりする必要があり、葉酸の力が必要となるのです。
ママの貧血の予防
妊婦さんの中には、貧血だと言われる人も少なくありません。
妊娠中は出産のときの出血に備えて、妊婦さんのカラダの中で循環する血液の量を増やす必要があります。
血液を増やすといっても、赤血球の量を突然増やすことは難しいので、血液中の液体成分である血漿(けっしょう)成分を増やすことで、カラダの中の血液量を増やしているのです。
血漿成分が増えても赤血球の量はそこまで増えていないので、血液が希釈されて貧血になりやすくなります。
貧血になると、お母さんのカラダを疲れやすくしたり、息切れやめまいなどを引き起こします。
さらに、お腹の中の赤ちゃんには、低出生体重児や新生児の貧血となるリスクも高めると言われています。
葉酸は、「造血のビタミン」ともいわれていて、赤血球の生成をサポートしてくれます。貧血の予防には、鉄分と一緒に葉酸を摂取することが大切です。
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Q.出産のときってどれくらい血が出るの?
出産のときに出る出血量は、個人差が大きいのですが、だいたい200〜500mlくらいです。
中には1,000ml以上出る方もいます。
通常、人間のカラダの中の血液量は4〜5L。1Lも出血が出た場合には、命に関わりますよね。
妊婦さんはその出血に耐えられるように、妊娠中に身体を整えているのです。
早産の予防
早産とは、妊娠22週以降から37週未満に出産することをいいます。
早産で生まれた赤ちゃんは、カラダの発育や発達が未熟な状態なので、後遺症が残ったり、赤ちゃんの治療が必要となったりするケースも多々あります。そのため、できるだけ早産にならないように予防していくことが大切です。
早産になる理由の約半分には、絨毛膜羊膜炎などの感染症にかかった場合、子宮頸管長が短縮してしまう場合など「切迫早産」があります。
また、約半分には、「胎盤関連産科合併症」といって、胎児発育不全・妊娠高血圧腎症・常位胎盤早期剥離などの妊娠中に起きる合併症による早産があります。
葉酸やビタミンB群の摂取が不足し続けると、血管の細胞がうまく再生されなくなることで障害を起こし、結果として妊婦さんの循環器系の疾患を引き起こす原因となり得ます。
そして、胎盤の血管内で障害が起きることで、胎盤関連産科合併症を引き起こし、早産のリスクを高めるといわれています。
葉酸の摂取は、胎盤関連産科合併症による早産の予防にも効果を発揮してくれるのです。
授乳期に葉酸が必要な理由
妊娠・出産を終えた産後も、葉酸はお母さんのカラダと赤ちゃんに様々な効果をもたらしてくれます。
赤ちゃんの栄養源である母乳をつくる
赤ちゃんの栄養源である母乳は、お母さんの血液からつくられています。
母乳は、お母さんのカラダの中で循環している血液が乳房に行き渡ることで作られます。
出産後は、出産中の出血によって血液が失われた状態です。カラダの中をめぐる血液が少ない状態だと、効率よく乳房に血液が行き渡らず、母乳が作られにくくなります。
葉酸は赤血球の生成をサポートしてくれるため、お母さんのカラダの中の血液を増やしてくれます。しっかりと母乳を出すためには、葉酸の力を借りることが大切です。
カラダの回復をサポート
出産後のお母さんのカラダは、文字どおり満身創痍です。出産中の出血によって貧血になりやすく、カラダの回復が遅くなりやすい時期でもあります。
また、出産後の子宮は、妊娠中に受けたダメージを元に戻そうと盛んに細胞分裂が行われ、妊娠前の状態へと戻ろうとしています。
この時期に造血や細胞の再生をサポートしてくれる葉酸を摂取することで、カラダの回復を促進するのです。
産後のお母さんは、慣れない育児や眠れない日々で疲労困憊の毎日です。葉酸を摂取することで、少しでも早くカラダが回復できるようにしたいですね。
ココロの安定をサポート
「マタニティブルー」や「産後うつ」という言葉を聞いたことはありますか?
妊娠中や出産後は、急激なホルモンの変化によってココロが不安定になりやすい状態にあります。
「マタニティブルー」は妊娠中だけでなく、出産後にもよくある症状です。いつもは気にならないことなのにすごく気になったり、不安になったり、悲しくなったりといった状態になります。
一人で不安定なココロを溜め込み過ぎて、放っておくと「産後うつ」という精神科での治療が必要な状態にもなり得ます。
誰にでも起きやすい「マタニティブルー」の状態のときには、無理をしないことが大切です。
幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」は、ココロを安定させてくれるホルモンです。葉酸は脳内でこのセロトニンを作るためにも必要な栄養素です。
葉酸を十分に摂取することで、悲鳴をあげやすい産後のココロも安定するようにサポートしてくれます。
妊娠中に葉酸が必要な理由について、さらに詳しく知りたい人はこちらもどうぞ。
妊婦に葉酸サプリが推奨される理由は?葉酸の話題ニュースとサプリの選び方も紹介【最新版】
この記事では、妊婦に葉酸サプリがおすすめされている理由や、葉酸に関する最新の話題をご紹介しています。サプリの選ぶポイントも解説していますので、ぜひ読んでみてください!
妊娠中に必要な葉酸の摂取量は時期によって違う!
葉酸は妊娠初期だけでなく、妊活中から妊娠中、授乳期までお母さんと赤ちゃんにとって必要不可欠な栄養素ですが、実は時期によって必要な量は違ってきます。
ここでは時期毎の葉酸の必要摂取量を解説していきます。
18歳以上の男女
厚生労働省では「日本人の食事摂取基準」を定めており、栄養素をどれくらい摂取するのがおすすめかを提言しています。
葉酸は妊娠していなくても、人間にとって必要不可欠な栄養素。
18歳以上の男女は、1日に240μgの葉酸摂取が推奨されています。
国民健康・栄養調査での葉酸摂取量は、男性で平均295μg/日、女性で平均283μg/日と男女ともに推奨量である240μg/日を満たしています。
健康な人が通常の食生活を送っていれば、葉酸が欠乏することはまれですが、レトルト食品や炭水化物のみなど不摂生な食生活を続けていると不足することもあるので注意が必要です。
妊活中〜妊娠初期
妊活中から妊娠中は、赤ちゃんの重要となるカラダの臓器を作っていくため、葉酸の必要量が最も多い時期です。
妊活中から妊娠初期の葉酸必要量は、18歳以上の男女が必要とする1日240μgに400μgを付加した、合計640μg。
また、神経管閉鎖障害の発症を予防するためには、240μgは食事から、400μgはサプリメントなどの栄養補助食品から摂取することが推奨されています。
妊娠中期〜後期
妊娠中期から妊娠後期にかけても、出産に向けたお母さんのカラダづくり、赤ちゃんの発育・発達のために、非妊娠時よりも葉酸の必要量は多くなります。
妊娠中期から妊娠後期の葉酸必要量は、18歳以上の男女が必要とする1日240μgに240μgを付加した、合計480μg。
いつもの健康的な食事の倍の量の葉酸が必要になります。
授乳期
授乳期には、お母さんのカラダとココロの回復、赤ちゃんの栄養源である母乳を作るために、非妊娠時よりも葉酸の必要量は少し多くなります。
授乳期間中の葉酸必要量は、18歳以上の男女が必要とする1日240μgに100μgを付加した、合計340μg。
いつもの健康的な食事にプラスして葉酸が必要になります。
食事にプラスして効率的に葉酸を摂取する方法については、以下の記事も参考にしてみてください。
妊婦に葉酸は欠かせない?妊娠中からはじめる葉酸サプリメント
妊婦には欠かせない栄養素である葉酸。妊娠前からがサプリメントを飲んだほうがいいと聞くけど、妊娠してからでも効果はあるの?と疑問に思う方もいるかもしれません。本記事では、葉酸が妊婦に必要な理由や最適な摂取量、おすすめの摂り方をご紹介します。
妊娠中の葉酸はサプリからの摂取がおすすめ!
妊娠中の葉酸は、サプリメントから摂取することがおすすめです。
その理由について解説していきます。
葉酸は食事のみで摂取するのは難しい
葉酸は水に溶けやすく熱に弱い
葉酸は水溶性ビタミンのため、水に溶けやすく、熱に弱い特徴があります。
そのため、調理方法に注意しなければ効率的に摂取することは難しいです。
茹でることで栄養素が外に漏れ出してしまうので、丸ごと食べられる汁物やスープ、加熱せずにサラダとして食べるなど、効率的に摂取するには工夫が必要なのです。
吸収率がいいのはサプリメントに含まれる葉酸
葉酸には2つ種類があります。
食べ物に含まれる葉酸は「ポリグルタミン酸型葉酸」、サプリメントに含まれる葉酸は「モノグルタミン酸型葉酸」です。
この2つの大きな違いは、吸収効率にあります。
人間のカラダの中で葉酸が吸収される時には、モノグルタミン酸型葉酸となって吸収されます。ポリグルタミン酸型葉酸は、モノグルタミン酸型葉酸に変換される過程で葉酸の吸収率が半分に落ちてしまうのです。
同じ量の葉酸を摂取しても、
- ポリグルタミン酸型葉酸は50%の吸収率
- モノグルタミン酸型葉酸は100%の吸収率
となります。
「モノグルタミン酸型葉酸」が含まれるサプリメントを活用することで、効率的に葉酸を摂れるというわけですね。
時期に合わせて適切な量を摂取できる
上で説明したように、時期によって必要な葉酸の摂取量は変化します。
食事だけでコントロールしようとすると、頭を使うだけでなく、食材を用意したり工夫して調理したりと大変です。
サプリメントだと、その時期に合わせて必要な量を手軽に摂取することができます。
妊娠中に必要な葉酸以外の栄養素も一緒に摂れる
妊娠中は出産に向けてお母さんのカラダを整えたり、赤ちゃんのカラダを作ったりするために、葉酸以外にもたくさんの栄養素が必要になります。
サプリメントの中には、妊娠中に必要な栄養素がたっぷりつまったものもあります。
葉酸以外の栄養素も手軽に一緒に摂取できることも、サプリメントがおすすめな理由です。
妊活・妊娠中から授乳期までカバーできる葉酸サプリ『mitas series』
妊娠中や授乳期には、女性一人のカラダだけではなく、赤ちゃんにも十分な栄養を届ける必要があります。
その栄養を食事だけでカバーしようとするのは、本当に大変なこと。時期によっても必要な葉酸の量は違いますし、その他に必要な栄養素や量も変わってきます。
手軽に必要な栄養を摂取するには、時期に応じた栄養が配合されているサプリメントがおすすめです。
mitas(ミタス)シリーズは、妊活中から授乳期まで、それぞれの時期に合わせた栄養素を配合したオールインワンサプリメント。
妊活中から妊娠初期にはmitas(ミタス)、妊娠中にはmamaru(ママル)、授乳期にはmamaco(ママコ)と、それぞれの時期に必要とされるビタミン類、カルシウムなどの栄養素がギュッと1つに凝縮されています。
葉酸も時期によって配合量を変えているので、面倒な管理も必要なし!
ぜひ、mitasシリーズを活用して、健康的なマタニティライフを送りましょう!
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まとめ
今回の記事では、妊娠中の葉酸サプリはいつまで飲めばいいのか、葉酸がもたらすカラダへの効果、時期に応じた必要な葉酸の量について解説してきました。
葉酸は、妊活中から授乳中のお母さんにとっては特に必要不可欠な栄養素。お母さんと赤ちゃんの健康的なカラダづくりのために、サプリメントで葉酸を十分に摂取していきましょう。
葉酸を効率的に摂るサプリなら妊娠中は『mamaru』、授乳中は『mamaco』がおすすめ。葉酸以外の不足しがちな栄養素も、これ1つで手軽に摂取することができます。
無理なく必要な栄養をとって、元気な赤ちゃんを迎える準備をしましょう!
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