更新日:2024/11/11
高温期いつから?助産師が解説する基礎体温と妊娠のしくみ
妊活中の方にとって、基礎体温の変化や高温期はとても重要です。
しかし、妊活を始めたばかりの方は「高温期っていつはじまるの?」「高温期ってどんな時期なの?」と疑問に思うかもしれません。
今回の記事では、高温期と呼ばれる時期や基礎体温の変化、高温期が妊活や妊娠とどのように関係しているかについて解説していきます。妊活中の方や、今後妊娠を望んでいる方にとって、自分のからだや妊娠のしくみについて知る機会になれば嬉しいです。
この記事に登場する専門家
助産師ライター かなえ
現役助産師ライター。
助産師免許取得後、助産師外来や院内助産を経験し、現在はフリースタイル出産を取り扱うクリニックで勤務。また、地域の学校や親子向けに性教育のおはなし会を開催。
【資格】
・看護師
・助産師
・保健師
・新生児蘇生法インストラクター
高温期っていつから?
「高温期」という言葉の説明の前に、まず知っておきたいのが「基礎体温」のこと。
まず基礎体温とは、「体温に影響を与える要因を避けて測る安静な状態のときの体温」のことをいいます。基礎体温は、起きてすぐ寝たままの状態で、「婦人体温計」を使って舌下で測ります。
基礎体温は正しく測ることがとても大切です。正しい測り方についてはこちらの記事を参考にしてみてくださいね!▼
基礎体温は妊活中に必須?基礎体温の測り方からわかることまでまるっと解説!
妊活をはじめると、基礎体温を測りましょうと推奨されることが多いですよね。妊活中にはなぜ基礎体温が必要と言われているのでしょうか。この記事では、妊活と基礎体温の関係と、正しい基礎体温の測り方、基礎体温からわかることについて解説します。
女性の基礎体温は、「低温期」と「高温期」があり生理周期により変化します。そして、体温がいつから上がるか、いつから下がるかという変化をみることで、生理周期が正常か否かを予測することができます。
体温の低い時期には「低温期」、体温の高い時期には「高温期」という名前がついていますが、実際には基礎体温の変化は0.3〜0.6度程度の1度未満の差です。そのため、0.01度の単位で測ることのできる専用の体温計を使い、正確に測ることが大切です。
高温期は排卵の翌日から
高温期とは、排卵後から14日程度続く期間のこと。
生理周期が正常の25〜38日であれば、生理の開始から11〜24日後に排卵が起こり、高温期が始まります。
これは、卵子が入っていた袋である黄体から出るプロゲステロンの働きによるもの。プロゲステロンには、妊娠に備えて体温を上昇させる働きがあります。その他、子宮内膜を着床しやすい状態に変化させたり、乳腺を発達させたり、体内に水分をため込む働きも持っています。
基礎体温は排卵前後で変化しますが、排卵から次の生理開始までの約14日間は「高温期」が続き、生理が開始すると「低温期」に移行します。黄体が正常に働いていれば高温期の長さは大きく変動しません。
基礎体温と生理周期
排卵後は基礎体温が上がり、「高温期」となります。そして、この基礎体温の変化には、月経周期や妊娠に関係するホルモンが関係しています。そのため、基礎体温の変化をみることで排卵が起こっているか、生理周期に関係するホルモンが正常に働いているか、妊娠している可能性があるかどうかということを予測することができます。
妊活中の方は、生理が規則的にきているかということはもちろん、基礎体温の変化についてもチェックするのがおすすめですよ!
生理周期に関係するホルモンについては、こちらで詳しく説明していきます。
高温期と妊娠の関係
ここからは、高温期と妊娠の関係について解説していきます。妊娠の可能性があるときと、そうでないときの基礎体温の変化にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
妊娠すると基礎体温はどうなる?
妊娠すると、「高温期」が続きます。
基礎体温を高くするはたらきを持つのは、黄体ホルモンの「プロゲステロン」です。プロゲステロンは、黄体から分泌されるホルモン。
妊娠すると胎盤になる組織である絨毛からプロゲステロンが分泌されるため、黄体が消失した後も高温期が持続します。
高温期が続く以外の妊娠の兆候
高温期が14日以上続くと、妊娠の可能性が予測できます。しかし、残念ながらこの時期は妊娠検査薬を使って正確に確認はできません。
では、妊娠検査薬を使った検査はいつから陽性になるの?他の確認の方法はないの?と思いますよね。妊娠の可能性は、以下のような方法でチェックできますよ。
妊娠検査薬の使用
生理予定日を1週間以上すぎると、ほぼ確実に妊娠検査薬が使用できるようになります。
受精卵が着床し妊娠が成立すると、胎盤になる組織である絨毛からhCGというホルモンが分泌されます。妊娠検査薬は尿中に排出されたhCGに反応するため、hCGの分泌が増える妊娠5週目となる生理予定日1週間後に使用するのが確実です。
妊娠超初期症状を確認
高温期が続く以外に、妊娠超初期症状の有無を確認することで妊娠の可能性を予測することができます。
妊娠超初期症状については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。▼
妊娠超初期症状まとめ!生理前との違いからいつから始まるのかまで完全ガイド【助産師監修】
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しかし、高温期が持続して妊娠検査薬で陽性反応がでて、さらに妊娠の兆候があっても、妊娠が成立しているかどうか正確に判断することはできません。
妊娠の成立は、産婦人科で子宮内に赤ちゃんが入っている袋である胎嚢(たいのう)が見え、さらにその後心拍が確認できてからとなります。
妊娠していないと基礎体温はどうなる?
妊娠していない場合は、黄体が消失しプロゲステロンの分泌が減っていくため、基礎体温は「低温期」となります。そして低温期になると同時に生理が始まります。
基礎体温グラフでみる妊活中の過ごし方
ここからは、基礎体温グラフを元に妊活中の過ごし方について解説していきます。
基礎体温の記録をつけたことのない方は、基礎体温の測り方の記事を参考にして、測る習慣をつけるところから始めてみてくださいね!
妊娠すると基礎体温はどう変化する?グラフの見方から妊娠初期症状まで徹底解説
妊活のために基礎体温を測り始めると「もし妊娠したら基礎体温はどう変化するの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、妊娠したときの基礎体温の変化や妊娠初期の兆候、「妊娠したかも」と思った時に注意するべきポイントについて詳しく解説します。
低温期
生理の開始から排卵までの時期のこと。別名、卵胞期といいます。
この時期は、卵胞ホルモンの「エストロゲン」のはたらきにより、卵子が入っている袋である卵胞と卵子が育つ時期です。エストロゲンのはたらきにより、着床に向けて子宮内膜が厚くなります。
この時期はエストロゲンのはたらきにより、こころとからだの状態が安定していることが多いため、活動的に過ごすことができます。心身の健康を保つために、生活リズムを整えたり食事の内容にも気を遣いたいところです。また、巡りの良いからだ作りのために適度に運動したり、入浴したりしてからだを整える工夫をしてみましょう。
また、基礎体温が35℃台の人は低体温です。体温が低いと循環が悪くなり、免疫力の低下や生理不順などの不調を招いてしまうこともあります。特に基礎体温が低い方は冷え予防や血流アップのための温活を取り入れるのがおすすめです。
★温活にも役立つ妊活サプリはこちらからチェックできますよ!
温活と妊娠の関係については、以下の記事も参考にしてくださいね。
子宮温活の効果とやり方は?今からできる妊娠しやすいカラダづくり
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排卵期
18〜20mmまで成長した卵胞の排卵が起こる時期。おりものが透明で伸びる状態になり、精子が子宮内に通過しやすくなります。人によっては、排卵のときに痛みを感じる排卵痛や、排卵のときに少量の出血が起こる排卵出血がある人もいます。
排卵期は、性行為のタイミングをとるのに良い時期です。排卵日の予測には次のような方法があります。
- 1基礎体温の変化をチェック
- 2LHを検出する尿検査でチェック
- 3産婦人科で卵胞の大きさをチェック
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
排卵日の予測方法
①基礎体温の変化をチェック
排卵の前に体温がガクンと下がることがあるので、目安にしてタイミングをとりましょう。
毎日基礎体温をつけてグラフにすることで分かりやすくなりますが、基礎体温は少しの刺激で変化するため分かりにくいことも。
また、人によっては体温が下がることなく排卵が起こり、その後高温期に移行することもあります。
②LHを検出する尿検査でチェック
排卵が起こる前に黄体形成ホルモンのLHが急激に分泌(LHサージ)されます。そして、このLHサージが起こった34〜36時間後に排卵が起こります。
LHを検出する検査薬が「排卵検査薬」です。排卵検査薬を排卵前から使用することにより排卵を予測することができます。
③産婦人科で卵胞の大きさをチェック
最も確実な確認の方法は、産婦人科で卵胞の大きさをチェックしてもらうことです。産婦人科や生殖医療科で卵胞の大きさをチェックしてもらうことで、卵胞の発育の具合や排卵日を予測することができます。
また、排卵予測の後に確認することで、実際に排卵が起こっているかどうかも知ることができます。
高温期
排卵後から次回の生理開始までの時期のこと。別名、黄体期といいます。
黄体ホルモンの「プロゲステロン」が、妊娠を持続するために体温を上昇させるため基礎体温が0.3度以上高くなります。
また、プロゲステロンの影響によりこころとからだに不調(PMS)が現れやすい時期でもあります。この時期は、無理せずゆったり過ごすのがおすすめです。
また、高温期が14日以上続く場合は、妊娠の可能性を視野に入れて過ごすのが良いでしょう。
この時期は妊娠の継続のためのはたらきをする黄体がしっかりと機能しているか予測することができます。黄体機能の確認は次のような方法があります。
- 1基礎体温の変化をチェック
- 2産婦人科でホルモンの値をチェック
それぞれ詳しくみていきましょう。
黄体機能のチェック方法
①基礎体温の変化をチェック
以下のどれかが当てはまる場合は、黄体の機能が低下している黄体機能不全の可能性が予測できます。
- 基礎体温の「低温期」と「高温期」に0.3℃以上の差がない
- 基礎体温の「低温期」と「高温期」が2層になっていない
- 高温期が14日より短い
②産婦人科でホルモンの値をチェック
黄体期の時期に採血を行い、プロゲステロンの値を測ることで黄体機能が正常か否か確認することができます。
妊活中は時期に関わらずからだ作りを意識しよう
妊活中は、それぞれの時期にあった過ごし方をしながら、妊娠に向けてのからだづくりも意識することが大切です。また、高温期が続く場合は、妊娠の可能性を視野に入れて過ごすことも必要です。
ここからは妊娠に向けたからだづくりのために、特に大切な栄養の摂取について詳しくお話しします。
妊活中に摂りたい栄養素
妊活中は、まずは自分自身の健康を考えることから始めましょう。心身の不調は月経周期にも影響を与えてしまいます。そのため、必要なエネルギーや栄養素を意識して摂ることや、妊娠を助けてくれる栄養素を取り入れることも必要です。
妊活中は、これらの栄養素を意識して摂ることがおすすめです。
- 葉酸
- ビタミンD
- ラクトバチルス菌
- 温活成分
葉酸
葉酸は、赤ちゃんの生まれつきの病気である「神経管閉鎖障害」のリスクを下げるのに有効だということが分かっているため、厚生労働省でも妊娠前からの摂取が推奨されている栄養素です。
食事に合わせて、吸収率の良いサプリメントからの摂取が推奨されています。
効率よく葉酸を摂取できる妊活サプリはこちらでチェックできますよ。
妊活中の葉酸サプリの必要性についてはこちらから!▼
葉酸サプリは妊活中から!おすすめサプリや飲まない方がいい?という疑問まで徹底解説【看護師執筆】
この記事では、妊婦に葉酸サプリが必要な理由やおすすめ商品について詳しく説明しています。はじめての葉酸サプリを買う前に知っておきたいことを徹底網羅!葉酸サプリメントの選び方やサプリメントに関するさまざまな疑問についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ビタミンD
ビタミンDは、受精卵の着床や妊娠の継続に有効だということが分かっています。あまり知られていませんが、妊活中の女性にとって非常に重要な栄養素です。
ビタミンDが妊活に与える嬉しい効果については、こちらの記事で詳しく解説しています。
妊活におけるビタミンDの効果とは|必要な摂取量と効率的に摂る方法を解説
この記事では、ビタミンDが妊活にどのような効果をもたらすのかを詳しく解説しています。実は、日本人はビタミンDが不足しがちというデータも。妊活中のビタミンD摂取によって着床率や出生率を上げ、流産のリスクを下げましょう。効率よくビタミンDを摂取する方法と正しい知識を身につけて、妊娠力を高めましょう。
ラクトバチルス菌
近年、子宮内に存在している常在菌(子宮内フローラ)が注目されており、妊娠の継続率や流産率に影響することが分かっています。
この子宮内フローラを整えるためには、ラクトバチルス菌を始めとする乳酸菌の摂取が有効だとされています。そのため妊活中の女性は、ラクトバチルスを含む乳酸菌も意識して摂るのが良いでしょう。
温活成分
その他、基礎体温が低い方はもちろん、妊活中の方に意識してほしいのがからだをあたためる成分を取り入れることです。
からだをあたためるためには、食事や飲み物を意識したり、運動や入浴を取り入れるのも良いでしょう。さらに、スペシャルケアとして鍼灸やよもぎ蒸し漢方なども視野に入れてみるのもおすすめですよ。
妊娠に向けたからだ作りには妊活サプリを活用しよう
妊活中に、たくさんの栄養素を摂ることや、からだの巡りを改善する温活が必要だと知っていても、一度にたくさんのことを意識したり取り入れたりするのは大変ですよね。
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男性の妊活については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね!▼
男性ができる妊活とは?妊娠しやすくなるコツや男性がやるべき検査を紹介【助産師監修】
妊活とは、男性もパートナーと足並みを揃えて、検査を受けたり、生活習慣を整えたり、妊活の方向性を話し合うなど、少しずつ始めるもの。本記事では、男性が妊活でやるべきことをまとめています。精子の質を下げるNG習慣や男性が受けるべき検査も解説しているので、何から始めればよいか分からない妊活中の男性の方は参考にしてください。
高温期は妊活にとって大切な時期!栄養と巡りケアを積極的に取り入れよう
高温期は黄体ホルモンの「プロゲステロン」のはたらきにより、こころやからだに不調が現れやすい時期。しかし同時に、基礎体温が上がり妊娠に向けて準備する時期でもあります。
この時期は、ゆったり過ごしながらいつ赤ちゃんがやってきても良いように、からだの準備を整えておくことも意識して過ごすと良いでしょう。
未来の赤ちゃんのためにも、今日から葉酸を始めとする必要な栄養素を摂り入れましょう。また、整った月経周期や基礎体温のためにも、温活による巡りケアを取り入れるのがおすすめです。
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