更新日:2024/11/7
つわり中に食べたい&避けたい食べ物はコレ!助産師が教える食事のコツも
「妊娠中は健康に気を使って、元気な赤ちゃんを生みたい!」と思っているプレママさんも多いはず。
しかし、つわりが始まりバランスの良い食生活はおろか、食べることもままならず、不安になっている方もいるのではないでしょうか?
今回は、つわりの症状別&程度別に分けて、おすすめの食べ物と避けたい食べ物を紹介します。
栄養のことを考えたメニューも参考にしてみてくださいね。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
程度別!つわり中に食べたい食べ物
多くの妊婦さんが悩まされるつわり。
軽い吐き気、身体がだるいときなど、つわりで体調が良くないときは無理に食べなくても大丈夫です。自分の体に耳を傾けてみて、食べたいものを摂りましょう。
まずは、軽いつわりのときからつわりが酷いときまで、程度別に食べやすい食事をご紹介します。
「何か口に入れたいけど、何が食べたいかはっきりしない…」というときの参考にしてみてくださいね。
軽いつわりの場合におすすめの食べ物
つわり中に食べやすかったものとしてよく挙がるのが、果物ゼリー・トマト・そうめん・アイスクリームなどです。しかし、果物やアイスクリームは糖質が多いので、食べる量には気をつけましょう。
消化が良くて調理の必要がない茶碗蒸しや豆腐、サラダチキンなどもおすすめ。これらは、タンパク質などの栄養素を摂取でき、胃にもやさしい食事です。
つわりがひどいときに食べやすい食べ物
強い吐き気や度重なる嘔吐など、つわりがひどいときは、無理に何か食べなくても大丈夫です。
「食べないと赤ちゃんに栄養が…」と思われるかもしれませんが、妊娠初期の深刻なつわりで何も食べられなかったとしても、統計的に見て赤ちゃんの成長に差はないという研究結果があります。
何か食べるにしても、吐き気や嘔吐といった消化器官のトラブルがある場合は、食物繊維や脂肪が少ない食べ物がおすすめ。
同様に、天ぷらや揚げ物などの脂っこい料理も、消化が悪いという特徴があります。つわりがひどいときは、消化の良い胃にやさしいものを食べるのが鉄則です。
たとえば、うどんやおかゆ、食パンなどが食べやすく消化も良いのでおすすめ。卵や海苔、じゃこなどをトッピングすれば栄養バランスも良くなりますよ。
あくまでも、無理のない食事を心がけましょう。
つわり中に摂りたい栄養については、こちらの記事でも紹介しています。
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栄養価が高く、つわりにも良い食べ物
栄養価が高く、つわり中でも比較的食べやすいものをピックアップしました。
人によって苦手に感じる食べ物は違うので、あくまでも参考として見てくださいね。
ヨーグルト
冷たく、とろっとしていて食べやすいです。カルシウムが豊富で、便秘対策としても良いでしょう。
小魚
ほど良い塩気があり、空腹時につまんで食べるのにぴったり。カルシウムが豊富です。
きのこ
においや味にそれほど癖がなく食べやすいでしょう。食物繊維や鉄、ビタミンDなど栄養素が豊富です。
ほうれん草
繊維を断つように小さく切り、やわらかく茹でると食べやすいです。妊娠中に気にしたい葉酸や鉄が豊富なため、妊娠中に是非とも摂取したい食べ物ともいえそうです。
★つわり中でも葉酸や鉄をしっかり摂りたい人はこちらをチェック!
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豆腐
冷奴は冷たくて特に食べやすいのでおすすめ。タンパク質とカルシウムが豊富です。
バナナ
むいてすぐそのまま食べられる手軽さが良いです。葉酸やビタミンB6が入っていて栄養素が豊富。
いちご
甘酸っぱいものが食べたい人にぴったりです。洗ってすぐに食べられる手軽さも◎。葉酸や食物繊維、カリウム、ビタミンCが豊富です。
症状別つわり中に避けたい食べ物
つわり中に避けたほうがいい食べ物を症状別にご紹介します。
吐き気や胸焼けがある人
吐き気や胸焼けがある人は、胃にやさしい食べ物がおすすめです。
そのため、辛い食べ物や脂っこいものは胃の負担になりやすく、つわりの悪化につながるおそれがあるので、控えたほうが良いでしょう。
しかし、「つわり中は脂っこいものがどうしても欲しくなった!」という人が少なくないのも事実です。
刺激物やオイリーなものは避けたいところですが、「どうしても」というときは、少量にしたり、よく噛んでゆっくり食べたりと、胃になるべく負担をかけないようにする食べ方をしてくださいね。
においや味に敏感になっている人
「ご飯が炊けるにおいがダメ」
「大好きだった甘いお菓子で気分が悪く…」
など、つわりでにおいや味に敏感になっている人は多いです。何のにおいや味がダメなのかは人それぞれなので、ダメだと思ったらすぐに避けることが大事。
つわりでダメになったにおいの例としてよく挙がるのが、炊きたてのご飯や納豆、コーヒー、ニンニク、玉ねぎなどです。温かい食べ物はにおいが立ちやすいので、冷ましてから食べるとましになることもありますよ。
下記の記事では、妊娠中の貧血について解説しています。お悩みの方は、ぜひ確認してみて下さい!
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つわり中の食事のコツ
1.少量にして頻繁に食べること
つわり中の食べ過ぎは、吐き気につながりやすいので注意が必要です。つい食べてしまう食べづわりさんは、特に食べる量には気をつけましょう。
つわり中の食事は、少量を頻繁に食べること。一般的に1日3食と言われることが多いですが、つわり中は1日5〜6食くらいに分けて食べると良いですね。
2.食べ物を噛んで十分に細かくすること
食べ物をよく噛んで食べることは、「肥満防止」「歯の病気予防」「胃腸快調」などに効果があると言われていて、普段からどの人も行ったほうが良いことです。
食べ物をよく噛むことで、食べ物が細かくなり消化しやすくなります。多くの人が、つわりで消化器官の異常を抱えているため、ゆっくりよく噛んで食べて、胃腸の働きを助けてあげましょう。
3.水分を十分に取ること
つわりで嘔吐がある人は、脱水症状を起こしやすいため、こまめな水分補給が大切です。
しかし、中にはつわりがひどく、水を飲むだけで吐いてしまうという人も…。
嘔吐を繰り返し、日中何も食べられずに脱水状態がつづいている状態を「妊娠悪阻(にんしんおそ)」といいます。
体がつらいときは医師の診断を受けましょう。「つわりは病気じゃないから…」なんて思わないで大丈夫。
受診することで、ビタミン剤の投与や栄養と水分補給のための点滴など、妊婦でもできる治療方法を考えてくれるはずです。
つわりの他にも、妊娠線でお悩みの妊婦さんはいらっしゃいますか?そんな方は、ぜひ下の記事もチェックしてみてください!
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つわり中でも栄養バランスを保つ方法
つわりで辛く、食べられるものに制限があるなかでも、栄養バランスの整った食事は摂るための食事例をご紹介します。
栄養バランスの取れた食事の例
鶏むね肉の蒸し焼き
薄く切った鶏むね肉に、エリンギやまいたけといったキノコ類とほうれん草などを入れ、水を入れたフライパンで蒸し焼きに。
蒸し焼きなので油を使わず、タンパク質と食物繊維が同時に摂れて低カロリーなメニューです。ほうれん草は繊維を切るように小さめに調理すると胃にやさしくなりますよ。
豚しゃぶ冷やしうどん
消化の良いうどんは、冷たくすることでさらに食べやすくなります。豚しゃぶを乗せて、タンパク質をプラスしましょう。
ショウガ、ミョウガ、ねぎ、大葉などの薬味をたっぷり乗せるとさっぱり食べられますよ。味付けはめんつゆをかけるだけでもOKです。
豆腐と卵のショウガあんかけスープ
食欲がないときは、スープで栄養&水分補給するのがおすすめです。
豆腐と卵はタンパク質を摂取しながら、ショウガパワーで体を温めてくれますよ。中華風にしたり、和風にしたりと、気分によって味変できるところも魅力です。
サプリメントの活用方法
つわり中、梅干しやフライドポテトなど「〇〇だけなら食べられる!」という人は少なくありません。
つわりで何も食べられるものがないという人もいる中で、食べられるものがあるのは幸せなことかもしれませんが、やっぱり気になるのが栄養面ですよね?
栄養面が気になるときは、サプリメントで足りない栄養分を補うのもひとつの手段です。
妊娠中に特に必要な栄養素は、葉酸・ビタミンB6・鉄分・カルシウム・マグネシウムなどがあります。
自分の体に足りない栄養素が入ったサプリメントを選ぶと良いでしょう。
葉酸サプリmamaru-ママル-は、葉酸・ビタミンB6・鉄分・カルシウム・マグネシウムはもちろん、厳選した3種の乳酸菌やラクトフェリンをはじめとした菌活成分も配合されており、まさに妊娠期にぴったりな葉酸サプリです。
また、妊産婦、妊娠経験者へのインタビューの結果、市販薬を摂取できず、体調管理や便秘に悩まされる方が多くいたことから約1000億個の乳酸菌と選び抜かれた食物繊維も加えて配合いたしました。免疫力アップ、便秘改善が期待でき、おすすめです!
食欲がないときでも栄養を摂取する方法
食欲がないときの栄養摂取としておすすめなのが“スムージー”です。
果物や野菜を入れてミキサーで撹拌するだけなので手軽に作れ、材料によってさまざまな栄養分が摂取できます。
おすすめの食材は、ヨーグルト・バナナ・いちご・ほうれん草・小松菜など。気分や体調でいろんなスムージーを試してみてはいかがでしょうか。
そもそもつわりってなに?種類と対処法をチェック
「つわり」とは、妊娠5週目ごろから起こる、妊婦さん特有の“生理現象”のことです。
生理現象とは、たとえば吐き気やげっぷといった、生物が生命活動を維持するために起こる現象を指します。
現在、はっきりとしたつわりの原因は解明されておらず、病気とは異なるため、つわりそのものを薬で治すことはできません。
そのため、つらいときはできるだけ体を休め、吐き気や眠気といったさまざまな症状に対して都度対処していくほかないのです。
妊娠12〜16週目ごろにはつわりが軽くなることが多いですが、人によって差があります。つわりの症状も程度も人それぞれで、嘔吐や吐き気、食欲不振などの消化器系の異常がみられることが多いです。
そんなつらいつわりですが、つわりの症状があるのは妊婦さんの50〜80%で、中には症状がまったくない人もいます。
つわりがつらいときにできることは、体を休め、つわりが和らぐ方法を見つけること。パートナーや家族の方、職場の方につわりを理解してもらい、無理なく過ごせるよう配慮してもらいたいですね。
つわりの種類と対処法
つわりの種類は人それぞれあり、症状がひとつだけの人もいれば、いろんな症状が出てしまう人もいます。つわりの種類と対処法を知り、つわりの緩和に役立ててくださいね。
吐きづわり
胃がムカムカして食べ物を口にすると吐き気がある、または吐いてしまうのが吐きづわりです。
何回も吐いてしまうと、体の中の多くの水分を失うため、脱水状態になりやすくなります。しかし、嘔吐後すぐに大量の水を摂るのは、さらに嘔吐を繰り返してしまう可能性が高まるためNG。
水分摂取は大切ですが、間隔を空けて少しずつ摂るようにしましょう。水、経口補水液、氷、炭酸水、スープなど、自分が口にできるものであれば何でもOKです。
食べづわり
食べつわりは、空腹になると吐いたり気分が悪くなるつわりです。常に何か胃に入れておくことを意識しておきましょう。
空腹になりやすい朝につわりの症状が重く出やすいので、枕元に水分やクッキーやナッツなど、サッと食べられるものを置いておくのがおすすめです。
一度にたくさん食べると吐きやすいので、少しずつ数回に分けて食べましょう。
食べ過ぎにも注意です。何でも食べられそうという方は、低糖質・低カロリーで体に良い食べ物を意識的に摂取できたら良いですね。
よだれづわり
よだれづわりとは、何もしていなくても、唾液が大量に出てしまうつわりのことです。
程度はさまざまで、飲み込めるくらいの軽い症状の人もいれば、抑えようがないくらいよだれが出続ける人もいます。
残念ながら、出てくるよだれを止めることはできません。外出の際は、大きめのタオルや空のペットボトルを持ち歩き、出てくる唾液に対処しましょう。
家では自分の近くに洗面器や袋をつねに準備しておくことで、すぐ吐ける状態を作ることが大切です。
眠りづわり
眠気や体の倦怠感といった症状が続くのが眠りづわりです。
「どれだけ寝ても眠気が取れない」「体がだるくてやる気が出ない」などの症状がでる人もいます。
眠りづわりの人は、なるべく体を休めるのが一番です。とは言っても、仕事などでできない場合もあるでしょう。
仕事中に眠気が収まらない場合は、ストレッチをする、ガムを噛む、外の空気を吸うなどの眠気対策が効果的です。
つわりの種類については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
つわりの種類と対処法を徹底解説!ーつわりに悩むママさん必見ー
妊娠女性の8割が経験すると言われているつわり。そんな妊娠中に気になる「つわり」は、いくつか種類があるのをご存知ですか?つわりの種類別に有効的な対策を分かりやすく解説しています!
食べられるものを食べてつわりを乗り切ろう
つわりは、妊娠特有の生理現象なので、安静にしつつ対処療法で乗り切ることが大切です。
つわりでバランスの良い食生活が送れなくても嘆くことはありません。決して無理をせず、自分が食べたいものを少量ずつ摂取し、つわりの緩和を目指しましょう。
食べられるものがなくて栄養面が気になる人は、水分摂取だけには気をつけて、足りない部分はサプリメントで補うのもひとつの手ですよ。
参考文献
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