更新日:2026/1/20

妊娠悪阻で入院になる基準は?症状・治療・期間・費用の目安まで助産師が解説

妊娠悪阻で入院になる基準は?症状・治療・期間・費用の目安まで助産師が解説
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妊娠初期に多くの妊婦さんが経験する「つわり」。辛い症状が長く続くと、「これは普通のつわり?それとも入院が必要になるレベル?」と不安に感じる方もいると思います。

つわりが重症化した「妊娠悪阻」が深刻になると、お母さんや赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまうことも。

この記事では、助産師の立場から入院が必要になる妊娠悪阻の基準や治療内容・入院期間・費用の目安まで分かりやすく解説します。

辛いつわりの期間を、少しでも楽にするお手伝いができると嬉しいです。

この記事に登場する専門家

【葉酸サプリmamaru監修・産婦人科医】まきレディスクリニック院長 風本真希先生

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、検診乳腺超音波 認定医

毎日多くの妊婦さんの検診に立会い、相談にのっている。患者さんのお話に真摯に耳を傾けることが信条。

"葉酸だけでいい” そう思っていませんか?
実は妊婦さんに必要な栄養素は葉酸だけではありません。妊活期に比べ鉄分がより必要になるだけでなく、ビタミン・ミネラルと様々な栄養素をまんべんなく摂ることが大切です。
"体のコンディションの変化や、日常生活の成約がたくさん”。妊娠中は、体のコンディションの変化や、お腹に赤ちゃんがいるというこれまでと異なる環境の中、生活にも様々な制約が。
日々の健康に気を使い、体調管理することが大切です。

まきレディスクリニック

入院が必要な妊娠悪阻の症状と目安

妊娠悪阻は、妊娠初期のつわりが深刻になった状態のこと。

妊娠悪阻になると、一般的なつわりの症状が重症化し、日常生活が困難になってしまいます。放置すると、母体に悪影響を及ぼす可能性があるため、治療や入院が必要になります。

入院が必要になる基準

医療機関では、以下のような症状が複数みられる場合に「妊娠悪阻」と診断し、入院をすすめます。

  • 体重が妊娠前から5%以上減っている(例:50kg→47.5kg以下)
  • 尿検査でケトン体が陽性になっている
  • 水分が摂れない、尿量が少ない・濃い状態
  • 脱水症状がある(唇の乾燥、ふらつき、脈が早いなど)
  • 電解質の異常がある(体のだるさ、しびれ、脈の乱れなど)
  • 吐き気が強く、日常生活を送ることが難しい

特に水分が摂れない状態が長く続いている場合は、自己判断せずに受診が必要です。

注意が必要なサイン

「今日は症状がひどいな」とつわりの延長のように思えても、次のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 何を食べても・飲んでもすぐに吐いてしまう
  • 吐き気が強くしっかり休むことができない
  • しんどい状態が続き、ふらふらする
  • 尿の回数や量が減っている
  • 体重が短期間で減っている
  • 胃酸や胆汁を吐いてしまう

妊娠悪阻は我慢して乗り切るものではありません。我慢することにより、症状がより深刻になることも。

このような症状があるときは、かかりつけ医に相談しましょう。早めに治療を受けることにより、深刻な状態を予防することに繋がりますよ。

毎日のつわり症状に波がある理由については、こちらの記事も参考にしてください。

妊娠悪阻による赤ちゃんへの影響

妊娠初期の軽度から中等度の妊娠悪阻であれば、赤ちゃんへの影響はほとんどありません

なぜなら、胎盤が完成するのは妊娠16週ごろだから。胎盤が完成するまでの間、赤ちゃんは「卵黄嚢」というエネルギー源から栄養補給をすることができるのです。

しかし、妊娠悪阻が重症化して、初期以降も脱水や電解質の異常が続くと、

  • 胎児発育遅延
  • 低出生体重児
  • 早産のリスクが上がる など

赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

そのため、妊娠悪阻の重症化を防ぐためにも、「注意が必要なサイン」があるときには、我慢せずに早めに必要な治療を受けることが必要です。

妊娠悪阻で入院したらどんな治療をする?

妊娠悪阻での入院の場合、無理をせずにゆっくり過ごすことが一番の治療になります。食事が十分に摂れない分、必要な水分や栄養を点滴などで補います。

また、悪阻症状の症状に合わせて食事を再開したり、食事内容を変更していくのが一般的です。

入院中の主な治療内容

妊娠悪阻の治療は、安静と点滴が中心となります。

  • 点滴による水分・電解質補給:ナトリウム ・カリウムなどを補い脱水を改善します。
  • ビタミンB1の投与:妊娠悪阻によりビタミンB1が欠乏すると、脳に悪影響(ウェルニッケ脳症)を及ぼす可能性があります。
  • 制吐剤の投与:点滴の中に制吐剤を入れ、吐き気の緩和をはかります。
  • 静脈栄養(高カロリー輸液):長期間食事が摂れない場合、点滴により栄養補給をします。
  • 安静・休養:刺激を減らし自律神経を整えます。
  • 尿検査:定期的に尿検査を行い、尿ケトンが出ているか確認します。
  • 体重測定:定期的に体重測定を行い、体重の増減を確認します。状態を確認して、治療内容を検討します。

入院期間の目安

入院期間は、症状の程度や回復のスピードにより個人差があります。

  • 軽度:3〜5日程度

目安としては、1週間以内で症状が落ち着くことが多い印象があります。しかし、中には症状が軽快して退院したのち、また症状が悪化して通院や再入院が必要になることも。

  • 中等度〜重度:1〜2週間程度

栄養点滴が必要になる重症なケースでは、2週間以上の入院が必要になる場合もあります。

退院のタイミング

退院の判断は主に次の4つです。

  • 吐き気が落ち着いて水分や食事が摂れる
  • 尿ケトンが陰性〜軽度
  • 電解質が正常になっている
  • 体重減少が止まる・体重が増加する

症状が軽快しても、つわりの症状がゼロになるというわけではありません。そのため、退院後も無理せずに過ごすことや、症状を誘発する刺激を避けることが大切です。

退院後の生活については、こちらで詳しく説明しています。

「つわりはいつまで続くの?」と気になる人は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

妊娠悪阻の入院費用と使える控除

入院となると、「入院費っていくら?」「保険はおりる?」など気になるのが費用のことですよね。

ここでは、平均的な費用と利用できる制度について紹介します。総合病院か個人のクリニックかによっても違いがあるため、入院が決まったら窓口で聞いておくと安心ですよ。

入院費用の目安

妊娠悪阻による入院費用は、一般的な個室で1日あたり2〜3万円前後、大部屋(4〜6人部屋)で1〜2万円前後が目安です。

平均的な入院日数(1週間)では、7〜15万円程度が目安となります。

室料は、設備や地域などで大きく異なるため、入院の際には確認しておくと良いでしょう。

保険でどこまでカバーされる?

妊娠悪阻は、病気として扱われます。そのため、公的医療保険(健康保険や国保)が適用される治療や検査、点滴などの医療行為は3割負担となります。

一方、室料やタオル・パジャマなどの日用品等にかかる費用は、全額自己負担となります。

  1. 13割負担:治療・検査・点滴など
  2. 2全額負担:室料・日用品など

また、民間の医療保険に加入していれば、「入院給付金」が支払われることがあります。しかし、加入している保険の内容によっては妊娠悪阻が対象外になっていることも。

入院になった際には、契約内容を見直したり、保険会社に確認するのが良いでしょう。

国や自治体の助成は?

使えるかもしれない控除には以下のようなものがあります。

  • 高額療養費制度:後で申請することにより、自己負担額を超えた分が払い戻しされます。事前に「限度額申請」を行い「限度額適用認定証」を提示すると、窓口での支払いの負担を軽減することができます。医療機関によっては、マイナンバーカードを提示するだけで良い場合もあります。
  • 医療費控除1年間の医療費が10万円(または所得の5%)以上になった場合、確定申告をすることにより控除されます。確定申告を行わないと控除を受けることができないため注意しましょう。
  • 自治体の妊婦医療助成制度地域により自己負担が減額される場合があります。お住まいの自治体の公式ホームページや窓口で確認してみましょう。また、母子手帳をもらうときに一緒に配布される資料に制度の説明が含まれていることも。

これらは、基本的に自分自身で申請することが必要です。入院が必要になった場合は、窓口で確認するようにしましょう。

入院中の過ごし方と家族ができるサポート

入院生活では、体調の管理はもちろんですが、精神的なサポートも重要です。入院中の過ごし方と、家族に伝えておきたいことを知っておきましょう。

入院中の食事は?

妊娠悪阻での入院中の食事は、症状が強いときには出ないことも少なくありません。家族に相談して、摂りやすい飲み物や食べ物を差し入れしてもらうのが良いでしょう。

少しずつ食べられるようになってきたら、

  • フルーツやジュース
  • 主食とスープ
  • 消化の良い軽食

など、体調や症状に合わせて徐々に食事量を増やしていくことが多いでしょう。また、主食はパン、おにぎり、おかゆ、麺など、人によって食べやすいと感じるものも異なるため、スタッフに相談してみましょう。

差し入れをしてもらう際には、においや刺激が少なく、消化に良いものを選んでもらうのがおすすめです。ゼリー、パン、そうめんなどのさっぱりとしたものだと比較的食べやすいですよ。

あると便利な入院グッズ

妊娠悪阻の入院生活を快適に送るために、あると便利なものをいくつか紹介します。

  • マスク、アロマシート
  • 扇風機・団扇
  • アイマスク・耳栓
  • ストロー付きボトル
  • 小さめのタオル
  • 口腔ケア用品
  • 汗拭きシート
  • ドライシャンプー
  • イヤホン など

妊娠悪阻の入院では、「におい対策グッズ」「休息グッズ」「心地よく過ごすためのグッズ」を準備するのがおすすめです。

お見舞いにきてもらうときの注意点

特に大部屋の場合は、さまざまな状態の方が入院しています。お見舞いにきてもらうときは、周りの人にも配慮しましょう。

  • 面会は静かに短時間で済ませる
  • 香りの強い香水や整髪料などは避け、飲食は控えてもらう
  • 上の子を連れてくるときは、咳や鼻水などの風邪症状がないことを確認する
  • 食べ物の差し入れは、希望したもののみにしてもらう

つわりの時期でも食べやすいものは、こちらの記事でチェックしてみてくださいね。

退院後の過ごし方と再入院を防ぐためにできること

退院しても、すぐに万全の状態に戻るわけではありません。再入院を防ぐためには、自宅での過ごし方がカギとなります。

最後は、退院後の生活での注意点やポイントを紹介します。

刺激になる物や事をできるだけ避ける

つわりは、ちょっとした刺激により症状が悪化したり、反対に緩和したりすることもあります。そのため退院後も、入院生活同様に刺激になる物事を避けることが大切です。

また、脱水になるとつわりの症状が悪化することがあるため、水分補給を意識することも重要です。

◆退院後の生活のポイント

  • 水分をこまめに摂りましょう
  • 食事は胃に負担の少ないものを選びましょう
  • 強いにおいや熱気を避けましょう
  • 無理な外出や家事は控えましょう

少しでも楽に過ごす食べ方を意識する

つわりの症状を乗り切るためには、上手に食事を摂ることも大切です。ちょっとしたコツを掴むことで、退院後も苦痛になりやすい食事が、少し楽に感じるようになるかもしれませんよ。

冷たいもの、酸っぱいもの、さっぱりしたものを選ぶ

冷たい食べ物は、においが出るものが少ないため、食べやすい傾向があります。また、酸っぱいものは唾液の分泌を促し、胃酸の刺激を和らげてくれるという働きも。さっぱりしているものは消化に良く、胃に負担が少ないというのもメリットです。

刺激になるにおいを避ける

においがきつい食べ物は避けましょう。また食品、香水や柔軟剤などのにおいも刺激になることがあります。こまめに換気をしたり、空気清浄機やマスクを使用して工夫するのがおすすめです。

少量をこまめに食べる

つわりの症状は、空腹な状態で悪化する傾向があります。空腹になると血糖値が下がり、胃酸が分泌されやすくなり吐き気を強くしてしまうことも。

空腹になる時間を作らないように、ちょこちょこ食べることがおすすめです。

つわりの予防効果がある栄養素を摂る

実は、栄養素の中にはつわりの軽減に有効とされているものがあります。これらの栄養素を意識して摂ることで、つわりの症状の悪化を予防することが期待できます。

栄養素働き・効果つわり中でも摂りやすい食材の例
ビタミンB6吐き気・嘔吐の軽減。神経やホルモンのバランスを整えるバナナ、じゃがいも、鶏むね肉、まぐろの水煮缶、豆腐、枝豆
ビタミンB1食欲不振や倦怠感を防ぐ。脳や神経のエネルギー代謝を助ける冷やしうどん、玄米粥、豚しゃぶ(冷)、納豆、豆乳
葉酸胎児の神経管形成をサポートし、つわり中の細胞回復にも関与ブロッコリー、ほうれん草のおひたし、枝豆、アボカド、グリーンスムージー
ビタミンB12胃粘膜や血液を健康に保ち、疲労を軽減卵、チーズ、しらす、ツナ缶、牛乳
ビタミンC酸味で唾液分泌を促し、リフレッシュさせる。免疫サポートにもみかん、グレープフルーツ、キウイ、いちご、トマトジュース
マグネシウム胃の不快感を緩和し、筋肉・神経をリラックスさせる豆乳、アーモンドミルク、豆腐、海藻スープ
ショウガ(ジンジャー)成分吐き気を抑えることが複数研究で報告。血流促進にもジンジャーティー、ショウガ飴、冷やしそうめんに少量のすりおろし生姜
たんぱく質体力維持・血糖安定に重要。空腹時の吐き気を防ぐゆで卵、豆腐、ヨーグルト、白身魚、プロテイン入りスムージー
水分・電解質(Na・K)嘔吐による脱水・だるさを防ぐ経口補水液、スポーツドリンク、みそ汁、果物ゼリー、炭酸水

しかし、妊娠悪阻で体力や食欲が落ちている状態で、これだけの栄養素を意識するのは難しいですよね。

そんなときは、サプリメントの力を借りてみることもおすすめです。葉酸サプリの「mamaru(ママル)」は、つわりのケアに役立つ栄養がたっぷりと配合された妊娠中のママ向けのサプリです。

厚生労働省でも推奨されている葉酸400μgに加え、つわりの症状にアプローチするビタミンB1、B6、B12、ビタミンC、マグネシウムなどもオールインワンで摂ることができますよ。

不調のときでも無理なく飲めるように、業界最小レベルの粒サイズで、匂いの少ない加工が施されているところもポイントです。

さらに、妊娠初期から起きやすい便秘対策としてもおすすめの乳酸菌、食物繊維、ラクトフェリンも配合されているため、お腹の健康も一緒にサポート!つわりの時期から妊娠後期まで、妊娠期を通したマイナートラブル対策にもぴったりですよ。

「つらいつわり期をなんとか乗り切りたい!」という方は、mamaruで栄養ケアを始めてみませんか?公式ホームページから購入すると、返金保証つきでお得にお試しできますよ。

また症状が辛くなったときはどうする?

退院後、自分なりの対策をしても、また症状が辛くなり通院や入院を繰り返す方もいるというのが事実です。次のような症状があるときには、我慢せずにかかりつけ医に相談するのが良いでしょう。

  • 嘔吐が再び増え、水分が摂れない
  • 体重がまた減ってきた
  • 尿が減って濃くなっている

前回より症状が軽いからといって、放置はしないようにしましょう。入院しない場合でも、点滴するだけで軽快することもありますよ。

妊娠中は頑張りすぎず、できるケアを取り入れよう

妊娠悪阻になる条件は、つわりの症状が悪化して日常生活に支障を来したとき。これは、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても危険な状態です。

入院が必要になったら、周りの人のサポートを受けながら、自分と赤ちゃんのために休む時間を大切にしましょう。

mamaruは、つわり期のお母さんと赤ちゃんを栄養面で優しくサポートします。

参考文献:

産婦人科 診療ガイドライン ―産科編 2023

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