更新日:2024/11/19
妊婦さんはうなぎを食べないほうがいいって本当?注意すべき理由や妊娠中の摂取目安量
食べると元気が出るといわれる食材の一つ「うなぎ」。栄養価も高く、妊婦さんにとっては魅力的な食ベ物のように思えますよね。
しかし「妊娠中はうなぎを食べないほうがいい」という話を聞いたこともあるでしょう。実はこの話、うなぎに含まれるビタミンAの量からきているのです。
この記事では、妊娠中にうなぎを食べてはいけないと言われる理由や食べてもよい量に加え、うなぎと同じようにビタミンAの過剰摂取に注意が必要な食品についてご紹介します。
妊娠中もうなぎを安全に食べるため、ぜひ最後まで読んでくださいね。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
妊婦さんはうなぎを食べてはいけない?
結論からいうと「妊婦さんはうなぎを絶対に食べてはいけない」というわけではありません。うなぎは栄養豊富な食材であり、妊婦さんにとってメリットとなる栄養素もたくさん含んでいます。
うなぎに多く含まれる栄養素は、以下の通りです※1。
- たんぱく質
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンB群
- カルシウム
- DHA(ドコサヘキサエン酸)・IPA(イコサペンタエン酸)
うなぎに含まれる栄養素のうち、妊娠中に過剰摂取が問題視されているのはビタミンA。うなぎには、妊婦さんが過剰摂取に注意しなければいけないほど、ビタミンAが豊富に含まれているのです。
適切な摂取量や摂取方法については、こちらで詳しく説明しています。
妊娠中のうなぎは「ビタミンA」の量に注意
妊娠中はビタミンAの過剰摂取に注意が必要であるため、うなぎの食べ過ぎには注意しなければいけません。
厳密には、おもに動物性食品由来のビタミンAである「レチノール」の過剰摂取が問題となります。
ここでは、ビタミンAの働きや過剰摂取した場合の影響などについて、詳しくみていきましょう。
ビタミンAとは
ビタミンAは、油脂に溶けやすい性質を持つ「脂溶性ビタミン」の一種。適切に摂取することで皮膚や粘膜の健康を維持したり、視覚機能を正常に保ったりする働きがあります。
ビタミンAは体に必要であるとはいえ、過剰摂取すると体内に蓄積され、健康被害を及ぼす可能性がある栄養素です。
そのため、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」においては、習慣的に摂取しても健康被害を生じるリスクがないとされる上限量「耐容上限量(たいようじょうげんりょう)」が設けられています。
ビタミンAの耐容上限量はこちらからチェックできますよ。
ビタミンAの過剰摂取による影響
ビタミンAを摂り過ぎると、お腹の赤ちゃんの先天異常の原因となります。
特に妊娠初期の過剰摂取は赤ちゃんの器官形成に影響を及ぼすため、推奨量を超える量を摂取しないよう注意が必要です。
なお妊娠中かどうかに限らず、ビタミンAを過剰摂取すると以下のような症状が現れる可能性があります。
<急性症状>
- 腹痛・嘔吐
- めまい
- 皮膚の落屑(らくせつ:皮膚の表面がはがれ落ちること)
<慢性症状>
- 関節痛や骨の痛み
- 皮膚の乾燥
- 食欲不振・体重減少
- 頭痛
赤ちゃんの正常な発育とママの健康のため、ビタミンAの過剰摂取には注意しましょう。
妊娠とビタミンAの関係について、詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
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赤ちゃんの先天性異常を防ぐためには「葉酸」の摂取も重要
ビタミンAと並んで、妊娠初期には葉酸の摂取も重要です。葉酸は細胞の成長に不可欠な栄養素で、妊娠前から妊娠初期に積極的に摂取することで、赤ちゃんの先天異常「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことに役立つと考えられています。
葉酸はほうれん草やブロッコリー、いちご、納豆などの食品から摂取できますが、効率的に摂るならサプリメントからの摂取がおすすめ。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも、妊活中や妊娠初期の方は通常食べる食品以外のサプリメントなどから、葉酸を1日400μg摂取することが推奨されています※2。
妊活中や妊娠中に葉酸を摂るべき理由についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
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妊娠中の葉酸の摂取は「mamaru」がおすすめ
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さらに、妊娠中に需要が高まる鉄や亜鉛、マグネシウムなどもオールインワンで摂取でき、1日たった4粒で赤ちゃんとママに必要な栄養が手軽に補給できますよ。
もちろん、過剰摂取に注意が必要なビタミンAは加えられていない点も嬉しいポイント。
その他、約250億個の乳酸菌と選び抜かれた食物繊維も配合されているため、妊婦さんが悩まされやすいお腹のトラブルにも優しくアプローチします。
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妊婦さんにおすすめの葉酸サプリについては、こちらの記事もぜひチェックしてみてくださいね。
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【時期別】妊娠中に摂取OKなうなぎの目安量
妊娠中にうなぎを食べる際は、厚生労働省が推奨するビタミンAの1日あたりの摂取推奨量を目安にしましょう。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」におけるビタミンA(レチノール活性当量)の1日あたりの推奨量と、耐容上限量は以下の通りです※3。
年齢 | 摂取推奨量 | 耐容上限量 |
---|---|---|
18〜29歳 | 650μg | 2,700μg |
30〜49歳 | 700μg | 2,700μg |
うなぎの蒲焼100gには1,500µgのビタミンA(レチノール活性当量)が含まれています※1。うなぎのビタミンAの含有量と食事摂取基準をもとに、妊娠初期・中期・後期別に摂取OKなうなぎの蒲焼の量をみていきましょう。
妊娠初期
妊娠初期は、年齢に応じた摂取推奨量となるため、1日あたりのビタミンAの摂取推奨量は650μgもしくは700μgが目安となります。
うなぎの蒲焼100gには1,500μgのビタミンAが含まれているため、1日あたり40g程度であれば食べても大丈夫ということになるでしょう。
ただし他の食品からもビタミンA(レチノール)を摂取することを考えると、赤ちゃんへの影響が心配なこの時期は頻繁にうなぎを食べることは避けたほうがよいかもしれませんね。
妊娠中期
妊娠中期も初期と同様、年齢に応じた摂取推奨量が目安となるため、1日に食べてよいうなぎの蒲焼の量は40g程度。
赤ちゃんの器官も完成されつつある妊娠中期ですが、ビタミンAの摂取推奨量は増えてはいません。初期〜中期に1回程度目安量を超えて食べることは問題ないにしても、連続して食べることは避けるべきであるといえます。
妊娠後期
妊娠後期になると、年齢ごとの推奨量に80μgが付加された730μgもしくは780μgが1日あたりの摂取推奨量となります。
とはいえ、うなぎの蒲焼の量に換算すると約50g。初期、中期の頃と食べてよい量はそれほど変わりありません。
赤ちゃんには影響を与えにくい時期ではありますが、過剰摂取すると体調不良を引き起こします。ビタミンAの過剰摂取には引き続き注意しましょう。
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うな重(丼)を一人前食べてしまったけど大丈夫?
「一度多めに食べてしまった」「1〜2日続けて食べた」程度なら大丈夫。ビタミンAの過剰摂取が、即お腹の赤ちゃんに影響を及ぼすわけではありません。継続して過剰摂取しなければ、問題ないと考えてよいでしょう。
うなぎ以外に注意したいビタミンAが豊富な食品
うなぎ以外にもビタミンAを豊富に含む食品はいくつかあります。注意が必要な食品についてみていきましょう。
レバー
うなぎと並び、栄養豊富な食材として知られるのがレバー。妊娠中に需要が高まる鉄や葉酸が豊富なレバーですが、ビタミンAの過剰摂取につながりやすいため摂取には注意が必要です。
レバー100gあたりのビタミンA含有量は以下の通りです※1。
食品名 | ビタミンA含有量 |
---|---|
鶏レバー | 14,000μg |
豚レバー | 13,000μg |
牛レバー | 1,100μg |
特に豚レバーと鶏レバーは、うなぎをはるかに上回る量のビタミンAを含有しています。食べる量だけではなく、頻度にも十分注意したほうがよさそうですね。
銀だら
白身でありながら脂の乗った魚「銀だら」もビタミンAが豊富な食材です。銀だら100gあたりのビタミンA含有量は1,500μgと、うなぎの蒲焼と同じくらい※1。
切り身1切れ80g程度とすると、1/2切れが1日あたりの摂取目安量となります。うなぎと同様に毎日食べるわけではないと考えれば、焼き魚などで1切れ食べても問題ないかもしれませんが、やや注意が必要であるといえます。
あなご
蒸しあなご100gあたりのビタミンA含有量は890mg※1。寿司ネタとして定番のあなごも、うなぎほどではありませんがビタミンAが多く含まれています。
小さめのものなら、1尾(約70g)程度食べても推奨量内におさまりそうですね。とはいえ、他のビタミンA(レチノール)の多い食品との食べ合わせには注意しましょう。
うなぎパイ
静岡県浜松市の名物「うなぎパイ」は、実際に原料としてうなぎエキスが使用されておりビタミンAが豊富に含まれているようです。
うなぎパイの製造・販売元「春華堂」によると、うなぎパイ6本分にはうなぎの蒲焼100g相当のビタミンAが含まれるとのこと※4。
食べる際は1日1本程度にしておくのがいいかもしれませんね。
妊娠中に避けたい食べ物については、こちらの記事も参考になりますよ。
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妊娠中に必要なビタミンAを安全に摂取するコツ
ビタミンAは、緑黄色野菜などに含まれるβ-カロテンやβ−クリプトキサンチンなどからも摂取可能です。
β-カロテン、β−クリプトキサンチンは、植物の赤やだいだい色の色素成分「カロテノイド」の一種。摂取すると、体内でビタミンAに変換されるため「プロビタミンA」と呼ばれています。
プロビタミンAは、必要な分だけビタミンAに変換されるという特徴があります。そのため、過剰摂取となる心配はありません。
変換されなかったカロテノイドは、増えすぎると老化の引き金となる活性酸素を除去する「抗酸化物質」として作用する点も嬉しいポイントですね。
色の濃い野菜や果物を積極的に摂取すれば、過剰摂取の心配なくビタミンAを摂取できます。
妊娠中のうなぎは食べ過ぎに注意して適度に楽しもう
妊娠中はうなぎの食べ過ぎに注意が必要ですが、全く食べてはいけないわけではありません。うなぎにはビタミンA以外にも、妊婦さんに嬉しい栄養素が豊富に含まれています。
妊娠中の健康維持に欠かせない栄養素を補いつつビタミンAの過剰摂取を避けるためには、美味しくてもぐっと我慢。量や頻度に注意してうなぎを楽しんでくださいね。
ビタミンAの摂り過ぎを避けることは、自身の健康を守るだけではなく、赤ちゃんの先天異常を防ぐためでもあるのです。
赤ちゃんの正常な発育のためには、ビタミンAを適切に摂取することに加え葉酸の摂取も重要。
妊婦さんのための葉酸サプリ「mamaru」なら、赤ちゃんのための葉酸と妊婦さんに不足しがちな栄養素どちらも補給可能です。
妊娠中の食生活と赤ちゃんを迎える準備のサポートは、mamaruにお任せください。
参考文献:
※1 文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
※2 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)|(2)水溶性ビタミン
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