
更新日:2025/10/24
妊婦は歯周病になりやすい?原因・予防法と早産との関係を詳しく解説【産婦人科医監修】

妊娠と歯周病は一見なんの関係もないように思えますが、実は密接に関係しています。
歯周病の悪化によって、ママの口内だけでなく全身の健康を害することや、赤ちゃんの命が危険に及ぶことも。そんな怖い歯周病の発症・進行の原因の一つに、妊娠によるさまざまな変化があげられます。
この記事では、どうして妊娠中は歯周病になりやすいのか、原因や症状、予防法について解説しています。
歯のケアが不十分になりやすい妊娠中だからこそ実践したい予防法をチェックして、ママと赤ちゃんの健康維持に役立ててください。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmamaru監修・産婦人科医】まきレディスクリニック院長 風本真希先生
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、検診乳腺超音波 認定医
毎日多くの妊婦さんの検診に立会い、相談にのっている。患者さんのお話に真摯に耳を傾けることが信条。
"葉酸だけでいい” そう思っていませんか?
実は妊婦さんに必要な栄養素は葉酸だけではありません。妊活期に比べ鉄分がより必要になるだけでなく、ビタミン・ミネラルと様々な栄養素をまんべんなく摂ることが大切です。
"体のコンディションの変化や、日常生活の成約がたくさん”。妊娠中は、体のコンディションの変化や、お腹に赤ちゃんがいるというこれまでと異なる環境の中、生活にも様々な制約が。
日々の健康に気を使い、体調管理することが大切です。
妊婦が歯周病になりやすい理由

妊娠中の歯周病は「妊娠性歯周病」や「妊娠性歯肉炎」ともよばれ、妊婦さんの多くが歯肉になんらかの異変を感じているというデータもあるほど、よくある口内の病気。
まずは、なぜ妊婦さんが歯周病になりやすいのかについて、解説していきます。
妊娠中の女性ホルモンの変化
妊娠すると、体内では妊娠を維持するためにさまざまな変化が起こります。
女性ホルモン「エストロゲン」の増加もその一つ。エストロゲンは、妊娠前に比べてなんと最大1,000倍もの量が分泌されるといわれています。

そんな妊娠中に重要なエストロゲンですが、口内では唾液の量を減らしてしまうという働きがあります。唾液は口内の清潔を保ち細菌の増殖を抑制する、歯周病予防にはなくてはならない存在。妊娠中はそんな唾液の効果が薄まるので、歯周病になりやすいのです。
さらに、歯周病菌のなかには女性ホルモンを栄養とする種類があり、女性ホルモンが増える妊娠中は、これらの歯周病菌が活動しやすくなります。
また、女性ホルモンの血行促進作用が、歯ぐきの炎症を助長して歯周病の悪化を進める原因になることも。このように妊娠中は、女性ホルモンの影響によって歯周病が発症・進行しやすい環境が作られているのです。
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妊娠中に注意したい「妊娠性エプーリス」
妊娠性エプーリスとは、歯ぐきにできる良性の腫瘍のこと。歯肉が赤く腫れて、出血や痛みが出ることがあります。
主な原因は女性ホルモンです。そのためホルモンが安定する産後には、自然に小さくなることが多いといわれています。
つわりによる歯磨き不足

つわりの時期は、口のなかに歯ブラシを入れることですらつらいという人もいるでしょう。ブラッシング不足は歯周病の原因の一つですが、無理に歯みがきをして体調が悪化するのは避けたいですよね。
体調が安定しない間の歯周病対策については、こちらで解説しているので参考にしてください。
実はつわり中は歯周病だけでなく、虫歯のリスクも高くなります。その理由は、つわりによる嘔吐。
嘔吐した際の胃酸によって口内が酸性に傾き、虫歯菌が活動しやすい環境を整えてしまうのです。吐きづわりがつらい時期も、体に負担にならない程度にうがいで虫歯予防をしていきましょう。
つわりの乗りこえ方については、こちらの記事で紹介しています。
間食の影響

妊娠中は食べづわりや、胃の圧迫によって一気に食べられる量が少なく、1日中ちょこちょこなにかを食べているという妊婦さんは多いはず。
間食として手軽に食べられるチョコレートなどのお菓子や菓子パン、果物には、歯周病菌の大好物の糖分が多く含まれています。さらに口の中に残った糖分は歯垢(しこう)を作り出して、歯周病をどんどん悪化させてしまうのです。
妊娠中は赤ちゃんのためにもしっかり栄養を摂ることが大切。栄養を摂りつつ歯周病予防をしたいと思ったら、間食の内容を見直してみましょう。
おすすめは、糖分が少なく歯周病菌の活動を抑えてくれるナッツ類やチーズ、小魚など。歯の健康を考えた栄養を含むおやつを取り入れるのもおすすめですよ。
余裕がある人は、間食の後にも歯みがきをしてくださいね。
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そもそも歯周病とは?
歯周病は、歯周病菌によって歯ぐき(歯肉)に炎症が起こる感染症です。20歳以降の半数が歯肉に何らかの所見があるというほど、口内のメジャーな病気の一つ。
歯周病菌の原因は、歯の汚れである「歯垢(しこう)」、別名プラークともよばれています。
歯周病の初期は痛みがなく、歯ブラシのときに少し出血する程度。しかし進行すると歯を支える骨が溶け始めて、歯が抜けてしまうことも。
日本では歯を失う原因第一位が歯周病というほど、多くの人が抱える口腔内の怖い病気なのです。
妊娠中に歯周病になるとどんな影響があるの?

妊娠中に歯周病になりやすい原因が分かったところで、次に気になるのが妊娠に与える影響について。
歯周病菌は口内だけでなく、体内に入り込んで妊娠の経過にも悪い影響を与えてしまいます。
早産のリスクが上がる
歯周病が進行すると、体内の「プロスタグランジン」の量が増加します。プロスタグランジンは、出産の際に子宮の収縮を促す物質。
プロスタグランジンが大量に分泌されると、出産時期ではないのにママの体がお産の準備を始めてしまい、早産や流産につながってしまうこともあります。
早産についてはこちらの記事でくわしく解説していますので、参考にしてください。
赤ちゃんが低体重児になる可能性

体内に入り込んだ歯周病菌によって早産が引き起こされると、赤ちゃんが低体重児で産まれることがあります。
たばこやアルコールが早産や低体重児に影響を与えることを知っている人は多いと思いますが、実は歯周病は、健康なお口を保っているママに比べてこれらのリスクが7倍も高いんですよ。
妊娠高血圧のリスクが上がる可能性
歯周病菌が血管内に入ると、血管が慢性的な炎症を起こすことがあります。血管の炎症によって妊娠高血圧を発症すると、赤ちゃんの発育不全や胎盤早期剥離(たいばんそうきはくり)などの赤ちゃんの命に危険を及ぼすことになりかねません。
赤ちゃんだけでなくママも脳出血や子癇(しかん)とよばれるけいれん発作など、重大な合併症を起こす危険があるのです。
さらに歯周病菌は、ママの体に心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こしてしまうことも。
歯周病を軽く考えず、定期的な歯科検診で赤ちゃんとママ自身の健康を守っていきたいですね。
妊娠中の高血圧についてもっと知りたいと思ったら、こちらの記事を参考にしてください。
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歯周病は遺伝するの?
歯周病は遺伝しません。しかし親から遺伝した体質によって、子どもが歯周病になりやすいというケースはあります。
歯垢がたまりやすいような歯並びが遺伝した場合には、歯周病のリスクが高くなるでしょう。親から受け継いだ免疫や唾液の性質が、歯周病のリスクを上げるかもしれません。
歯周病自体は遺伝しなくても、持って生まれた体質がなにかしらの形で歯周病に関与しているといえます。
歯周病の症状をチェックリストで確認!
ここで今の自分の歯肉の状態をチェックしてみましょう。
当てはまる項目が多いほど、歯周病のリスクが高いと考えられます。体調が落ち着いたタイミングで歯科医院に相談しましょう。
★歯周病のセルフチェックリスト ・朝起きたときに、口のなかがネバネバする ・歯みがきのときに出血する ・硬いものが噛みにくい ・口臭が気になる ・歯肉がときどき腫れる ・歯肉が下がって、歯と歯の間にすきまができてきた ・歯がグラグラする
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歯医者に行くタイミングは?
妊婦健診の一つとして歯科健診を実施している市町村もあるほど、妊娠中の歯の健康は重要視されています。
妊娠中の歯科健診は、比較的体調が安定している妊娠中期がおすすめ。つわりの期間は口の中の診察がつらく、おなかが大きくなると仰向けの体勢は体への負担が大きいでしょう。
つわりで歯磨きが不十分だったという人は、歯周病だけでなくむし歯の早期発見にも役立ててくださいね。
歯周病を予防する方法4つ
妊娠中にさまざまな悪影響を及ぼす歯周病は予防が大切!
ここからは、体調が安定しにくい妊娠中でも実践できる歯周病予防を4つ紹介していきます。
体調が落ち着いているときに丁寧に歯磨きをする

自宅でできる基本的な歯周病予防は、ブラッシングです。歯周病の原因である歯垢を除去するために、毎日丁寧におこないましょう。
ブラッシングをするときは、丁寧にやろうと力を入れすぎるのはNG!歯ブラシの毛先が広がって、歯垢除去能力が低下してしまいますよ。
しっかり歯垢を除去する歯みがきのポイントは、適度な力で歯を1本ずつ磨くこと。余裕があるときは歯間ブラシやデンタルフロスを使うとさらに効果的です。
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つわり中の歯みがきのポイントは?
つわりがひどいときの歯みがきのポイントは3つ。
・歯ブラシのヘッドが小さめのものを使う
・低刺激の歯磨き粉を選ぶ
・うがいやマウスウォッシュで代用する
「少し体調がいいな」と感じるタイミングで歯みがきをしたり、つわりが落ち着いてから歯科クリニックで歯のチェックとクリーニングを受けるのもおすすめですよ。
水分補給やガムで口内環境を整える

唾液は歯垢を洗い流し、細菌の増殖と歯ぐきの炎症を抑えてくれるため、歯周病予防に欠かせない存在。そんな唾液の分泌量が少なくなってしまう妊娠中は、ガムを活用して唾液不足を補いましょう。
ガムを噛んで唾液腺を刺激すると、唾液の分泌量を増やすことができます。さらにキシリトール配合のガムを選んで、虫歯予防もできると一石二鳥。
ガムを噛むのがむずかしければ、こまめな水分摂取で口内の乾燥を防ぐことも効果的です。
栄養バランスを考えた食事を摂る

「歯周病と栄養って関係あるの?」と思う人もいるでしょう。
口内の健康を保つためには、歯や歯ぐき、歯を支える骨など、さまざまな部分に内側からアプローチすることも大切。それをサポートするのがバランスのとれた食事です。
歯周病予防に役立つ栄養素はこちら。
| 栄養素 | 効果 | 食材例 |
|---|---|---|
| ビタミンC | 歯茎の修復・強化、出血予防 | パプリカ・ブロッコリー・柑橘類・イチゴ・キウイ |
| ビタミンE | 細胞の老化予防、歯肉の血行促進・消炎作用 | ほうれん草・アボカド・アーモンド |
| カルシウム | 歯を支える骨の強化 | 小松菜・牛乳・チーズ・小魚・豆腐 |
| タンパク質 | 歯周組織の免疫力UP | 肉類・魚介類・乳製品・大豆製品 |
| ビタミンD | 健康な歯に欠かせないカルシウムの吸収を促す | サケ・卵 |
| 食物繊維 | 口腔内の自浄作用 | ごぼう・切り干し大根・食物繊維を多く含む野菜 |
ほかにも噛み応えのある食品は、よく噛むことで唾液が分泌され、歯ぐきの血行も促すことで歯周病の予防効果が期待できます。
また、乳酸菌を積極的に摂ることもおすすめ。乳酸菌のなかには、口内の細菌バランスを整えたり、歯周病菌を不活性化したりする種類もあるんですよ。
これらの食材を意識して毎日の食事に取り入れ、妊娠期に進行しやすい歯周病を予防していきましょう。
歯周病ケアに役立つ栄養をバランスよくとるならサプリがおすすめ
「歯周病予防に役立つ栄養をしっかり摂りたい」と思っても、妊娠中はバランスを考えた食事が摂れない時もあるでしょう。
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注目したいのは、お口の健康にも役立つ乳酸菌が配合されていること。乳酸菌は歯周病だけでなく、妊娠中のトラブルに多いおなかの悩みもサポートします。

実はmamaruの乳酸菌に含まれる「ラクトバチルス菌」は、体内に多く存在している人の方が出産率が高いというデータもあるほど、妊娠・出産にとっても重要な成分なんですよ。

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定期的に歯科検診を受ける

妊娠中は、定期的に歯科検診を受けることで口内の状態をチェックでき、クリーニングやブラッシング指導で歯周病を予防できます。
自分では気付かない磨き残しに対しても、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助ツールを使ったケア方法を指導してくれますよ。
ほかにも歯周病の原因となるたばこへの指導や、歯の免疫UPのために重要な規則正しい生活習慣を教えてくれることも。
妊娠中はセルフケアが不十分になることも多いので、体調がよいときに歯科医院でメンテナンスを受けるのがおすすめですよ。
歯周病を予防して赤ちゃんの健やかな成長をサポートしよう

妊娠中は体にさまざまな変化が起こります。歯周病もその一つ。
歯周病予防には毎日のブラッシングが大切ですが、体調が優れない妊娠中は、ママと赤ちゃんを第一に考え、無理のない範囲で歯周病予防のセルフケアを実践していきましょう。体調が落ち着いたら丁寧なブラッシングと、歯科医院の受診がおすすめです。
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参考文献:
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