更新日:2023/11/17

高齢出産によるリスクって?少しでもリスクを軽減するためにできること【助産師執筆】

最近よく耳にする「高齢出産」

近年、晩婚化が進むことで妊娠・出産年齢も高齢化しています。また、最近では不妊治療の技術が向上してきていることで、年齢を重ねてからの妊娠もしやすくなってきています。

しかし、高齢での妊娠や出産は、妊娠適齢年齢での妊娠・出産に比べると様々なリスクがつきものです。今回の記事では、高齢出産によるリスクについて見ていくとともに、唯一予防できる赤ちゃんの先天性の病気について解説していきます。

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

身近になっている高齢出産

最近では「高齢出産」というワードをよく耳にするようになったと思います。それだけ現代の日本人女性は「高齢出産」の割合が増えてきているということなのです。ここでは「高齢出産」の定義と日本の出産年齢の変化について見ていきます。

高齢出産の定義

日本産婦人科学会では「35歳以上の初産婦を高年初産婦とする」と定義しています。初めての出産の場合しか定義されてはいませんが、経産婦でも高齢による出産のリスクは高まります。

日本の出産年齢の変化日本の出産年齢の変化

厚生労働省の人口動態調査によると妻の平均初婚年齢は、平成元年には25.9歳であったのに対し、令和元年では29.6 歳と4歳ほど高くなっています。

また、母の出生時平均年齢は、第1子の平均出産年齢は平成元年には27.0歳であったのに対し、令和元年では30.7歳で、30歳をすぎてからママになる人のが平均になっているのです。

日本は女性の高学歴化や社会進出が進むにつれて、晩婚化も進んでいます。そのため妊娠・出産の年齢も高齢化してきているのです。

高齢出産のリスクってどんなものがあるの?

高齢出産はリスクが高いと言われていますが、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。高齢出産には妊活の時期、妊娠中、出産中、出産後とそれぞれの時期に様々なリスクがつきものなのです。時期毎に起こりやすい状態について見ていきましょう。

そもそも妊活が難航しがち

「妊孕力(にんようりょく)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「妊孕力」とは女性が妊娠できる能力のことをいいます。妊孕力のピークは22歳でそこから低下していき、35歳には妊孕力はピーク時の22歳の時と比べると半分にまで落ちてしまうのです。さらに37歳を過ぎるとさらに急速に低下していくのです。

出典:「O’Conner et al, 1998」より筆者作成

女性がもつ卵子はお母さんのお腹の中にいるときに作られます。卵子はそれ以降に新たに作られるということはなく、減少していく一方なのです。

生まれた時は100〜200万個の卵子を持って生まれてきます。そして年齢を重ねていくにつれ、徐々に数が減っていき、初潮を迎える思春期から生殖適齢期には30〜50万個にまで減っていくのです。さらに、37歳くらいまでには2万個以下になっていきます。そこから閉経を迎える50歳前後まで卵胞数減少の加速期に入り1000個以下となっていくのです。

このように高齢化していくと卵子の数や妊娠する力が低下していくため、妊娠しにくくなるといったリスクがあります。

また、35歳頃からは卵子の質が低下するようになります。そのため細胞分裂に影響が出て、染色体異常などの先天性疾患のリスクも上昇するのです。

高齢出産による妊娠中のリスク

 35歳以上になると妊娠しにくくなるとは言われていますが、最近では不妊治療の技術が向上したことにより、高齢初産となる方も増えてきています。しかし、出産においても年を重ねるごとにリスクが増えていきます。

そもそも人は歳を重ねると生活習慣病などの病気になりやすくなりますね。妊娠ともなるとさらに、お母さんの体の中ではホルモンの分泌や代謝などに様々な変化が起きていきます。そのため妊娠中に合併症にかかるリスクも高くなるのです。

妊娠中の合併症としては、以下があげられます。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠してから体の中で血糖値が高くなる病気です。妊娠すると胎盤から様々なホルモンが出るようになるのですが、その中にはインスリンの働きを抑えるものもあります。

また、妊娠するとお母さんのお腹の中には胎盤ができますが、胎盤からはインスリンを破壊する働きを持った酵素が分泌されます。そのため、妊娠していないときと比較すると、妊娠中のお母さんの体は、インスリンが効きにくい状態となり、血糖が上がりやすくなるのです。妊娠糖尿病になると赤ちゃんが巨大児になり、出産が難産になるリスクが高まります。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠してから血圧が高くなる病気です。はっきりとした原因はわかっていないのですが、妊娠初期に胎盤の血管が上手く作れなかったことが原因の一つだと考えられています。

年齢を重ねると血管の弾力性も落ちてくるので、さらに血圧が上がりやすくなります。妊娠中の血圧上昇はお母さんにとってだけでなく、赤ちゃんが育ちにくくなるといったリスクもあります。

高齢出産による出産時のリスク

出産にはかなりの体力を使います。高齢出産となると若い人に比べると、体力が落ちている人も多いです。そのためエネルギー切れになって微弱陣痛になったり、ふんばる力が足りず難産になるといったケースもあります。

また、出産の時に赤ちゃんの通り道となる膣や会陰の組織の柔軟性も落ちてくるので、なかなかお産が進まないといったこともあります。

高齢出産では特に、出産に備えて体力をつけておくことも大切です。

高齢出産による出産後のリスク

高齢出産の方は体力の消耗が激しく、産後の体の戻りが遅くなるリスクが高まります。産後の体の戻りというのは、体力もそうですが、子宮が妊娠前の状態に戻ろうとする力のこともいいます。子宮も筋肉でできていますので、体力が衰えるとなかなか復活しにくくなってしまいます。

 また、育児や授乳が始まることでさらに休息が取れなくなってしまい、どんどん体力が落ちていってしまうこともあります。

 高齢出産の場合は特に、自分の体の声に耳を傾け、十分に休息を取りながら生活するようにしましょう。

高齢出産による赤ちゃんに与えるリスク

 高齢出産によって赤ちゃんに与えるリスクとして、先天性疾患にかかりやすいということがあります。先天性疾患とは、生まれつき体や臓器の機能に異常がある疾患のことです。

高齢出産によって高まる先天性疾患の代表的なものにはダウン症(21トリソミー)などの染色体異常があります。これは高齢により卵子の質が低下したことで、細胞に影響を及ぼすことで、染色体異常となる可能性が高まるためです。


神経管閉鎖障害は唯一予防できる先天性疾患

高齢出産となると赤ちゃんの先天性疾患のリスクも高まりますが、ほとんどの先天性疾患は予防が困難です。しかし、唯一予防方法のある先天性疾患もあるのです。それが「神経管閉鎖障害」です。「神経管閉鎖障害」という病気はいったいどのような病気なのでしょうか。予防方法も含めて見ていきましょう。


神経管閉鎖障害ってどんな病気?

神経管閉鎖障害とは脳、脊椎、脊髄に起きる先天異常のことです。

赤ちゃんがお腹の中で成長する過程で、受精卵の中では脳と脊髄はまず1つの溝のようなものとして発生します。妊娠6週頃になると、その両側の盛り上がった部分が合わさって神経管という管を作り上げるのです。

赤ちゃんがお腹の中で成長していくとともに、頭側が脳に、足側が脊髄に、そしてそれを覆う組織が髄膜にできあがっていきます。その神経管ができていく過程で、うまく神経管が閉じることができなかった場合を神経管閉鎖障害といい、いくつかの種類があります。

二分脊椎

神経管閉鎖障害による主な奇形は二分脊椎です。二分脊椎では神経管が完全に閉じることができなかったために起こります。足側の神経管が閉鎖しなかったことで、脊髄の神経が剥き出しになっている状態です。最も起きやすいのは腰椎です。

 二分脊椎そのもの自体は症状を引き起こしませんが、剥き出しの脊髄神経が損傷することによって、足の筋力低下による歩行困難や尿や便のコントロールができない状態となる危険性があります。

無脳症

神経管閉鎖障害の最も重度の形態は無脳症です。無脳症では脳の組織が発達できません。そのため生きていくために必要な機能が備わらないのです。

お母さんのお腹の中では生きていられますが、生まれたらすぐに死に至る病気です。

脳瘤

脳瘤とは神経管閉鎖障害によって本来閉じているはずの頭蓋骨の一部に穴が開いてしまい、その穴から脳や髄膜が外に出ている状態のことです。脳瘤は頭蓋骨で守られているはずの脳が剥き出しになっているので、脳が損傷するリスクが高まります。


どうやって予防するの?

先天性疾患の中で唯一予防対策がある神経管閉鎖障害
その対策としてできることは、
葉酸の摂取です。

葉酸とは水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種で、ビタミンB9とも呼ばれています。1940年代にほうれん草の抽出物から発見されました。葉酸はブロッコリーや枝豆、ほうれん草といった野菜に含まれている他、レバーなどにも多く含まれています。

しかし、葉酸は水溶性ビタミンのため調理のときに茹でると効率的に栄養ができなかったり、葉酸の豊富なレバーには胎児の耳の奇形リスクを高めるビタミンAが多く配合されているなど、意外と摂取が難しいため注意が必要です。

また、葉酸には人工のモノグルタミン酸型葉酸と食事由来のポリグルタミン酸型葉酸の2種類があります。食品中に含まれるポリグルタミン酸型葉酸の吸収効率は約50%ですが、サプリメントが含むモノグルタミン酸型葉酸の吸収効率はほぼ100%です。

このことから、厚生労働省も葉酸はサプリメントでの摂取を推奨しています。

医師監修|葉酸とは?葉酸が必要な理由と葉酸の種類を解説!

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 今回は高齢出産によるリスクと、唯一予防できる赤ちゃんの先天性疾患である神経管閉鎖障害について解説しました。妊娠・出産は喜ばしいことですが加齢とともにリスクもふえていきます。まずは正しい知識を持ち、できることをしていくことが大切です。

また先天性疾患の多くは予防できませんが、神経管閉鎖障害は唯一予防策のある先天性の異常です。妊娠前から積極的に葉酸をとってリスクを減らしていきましょう。

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