更新日:2024/3/29

高齢出産によるリスクは聞いたことがある方も多いでしょう。自分が高齢出産に該当するか気になっている方、該当する場合そのリスクを軽減する方法があるのか気になっている方はぜひご覧ください!【助産師執筆】

最近よく耳にする「高齢出産」

近年、晩婚化が進むことで妊娠・出産年齢も高齢化しています。また、最近では不妊治療の技術が向上してきていることで、年齢を重ねてからの妊娠もしやすくなってきています。

しかし、高齢での妊娠や出産は、妊娠適齢年齢での妊娠・出産に比べると様々なリスクがつきものです。今回の記事では、高齢出産によるリスクについて見ていくとともに、唯一予防できる赤ちゃんの先天性の病気について解説していきます。

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

身近になっている高齢出産

最近では「高齢出産」というワードをよく耳にするようになったと思います。それだけ現代の日本人女性は「高齢出産」の割合が増えてきているということなのです。

ここでは「高齢出産」の定義と日本の出産年齢の変化について見ていきます。

高齢出産の定義

日本産婦人科学会では「35歳以上の初産婦を高年初産婦とする」と定義しています。

初めての出産の場合しか定義されてはいませんが、経産婦でも高齢による出産のリスクは高まります。

日本の出産年齢の変化日本の出産年齢の変化

厚生労働省の人口動態調査によると妻の平均初婚年齢は、平成元年には25.9歳であったのに対し、令和元年では29.6 歳と4歳ほど高くなっています。

また、母の出生時平均年齢は、第1子の平均出産年齢は平成元年には27.0歳であったのに対し、令和元年では30.7歳で、30歳をすぎてからママになる人のが平均になっているのです。


日本は女性の高学歴化や社会進出が進むにつれて、晩婚化も進んでいます。そのため妊娠・出産の年齢も高齢化してきているのです。


高齢出産を考えている方は、以下の記事も参考にしてみて下さい!

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高齢出産のリスクってどんなものがあるの?

高齢出産はリスクが高いと言われていますが、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。高齢出産には妊活の時期、妊娠中、出産中、出産後とそれぞれの時期に様々なリスクがつきものなのです。

時期毎に起こりやすい状態について見ていきましょう。

そもそも妊活が難航しがち

「妊孕力(にんようりょく)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

「妊孕力」とは女性が妊娠できる能力のことをいいます。


妊孕力のピークは22歳でそこから低下していき、35歳には妊孕力はピーク時の22歳の時と比べると半分にまで落ちてしまうのです。

さらに37歳を過ぎるとさらに急速に低下していくのです。

出典:「O’Conner et al, 1998」より筆者作成

女性がもつ卵子はお母さんのお腹の中にいるときに作られます。卵子はそれ以降に新たに作られるということはなく、減少していく一方なのです。

生まれた時は100〜200万個の卵子を持って生まれてきます。そして年齢を重ねていくにつれ、徐々に数が減っていき、初潮を迎える思春期から生殖適齢期には30〜50万個にまで減っていくのです。

さらに、37歳くらいまでには2万個以下になっていきます。そこから閉経を迎える50歳前後まで卵胞数減少の加速期に入り1000個以下となっていくのです。


このように高齢化していくと卵子の数や妊娠する力が低下していくため、妊娠しにくくなるといったリスクがあります。

また、35歳頃からは卵子の質が低下するようになります。


そのため細胞分裂に影響が出て、染色体異常などの先天性疾患のリスクも上昇するのです。

高齢出産以外にも、妊活中のお悩みについてまとめた下の記事も参考にしてみて下さい!

妊活中によくある相談・お悩み | 助産師監修

医師監修による妊活中の悩み解決:親族との関係、夫婦問題、職場での悩み等を取り上げ、解決策を提案しています。ぜひ妊活中の方はご一読していただき、ストレスフリーな妊活ライフを目指しましょう。

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神経管閉鎖障害は唯一予防できる先天性疾患

高齢出産となると赤ちゃんの先天性疾患のリスクも高まりますが、ほとんどの先天性疾患は予防が困難です。

しかし、唯一予防方法のある先天性疾患もあるのです。

それが「神経管閉鎖障害」です。


「神経管閉鎖障害」という病気はいったいどのような病気なのでしょうか。

予防方法も含めて見ていきましょう。


神経管閉鎖障害ってどんな病気?

神経管閉鎖障害とは脳、脊椎、脊髄に起きる先天異常のことです。

赤ちゃんがお腹の中で成長する過程で、受精卵の中では脳と脊髄はまず1つの溝のようなものとして発生します。

妊娠6週頃になると、その両側の盛り上がった部分が合わさって神経管という管を作り上げるのです。


赤ちゃんがお腹の中で成長していくとともに、頭側が脳に、足側が脊髄に、そしてそれを覆う組織が髄膜にできあがっていきます。

その神経管ができていく過程で、うまく神経管が閉じることができなかった場合を神経管閉鎖障害といい、いくつかの種類があります。

二分脊椎

神経管閉鎖障害による主な奇形は二分脊椎です。

二分脊椎では神経管が完全に閉じることができなかったために起こります。

側の神経管が閉鎖しなかったことで、脊髄の神経が剥き出しになっている状態です。


最も起きやすいのは腰椎です。

 二分脊椎そのもの自体は症状を引き起こしませんが、剥き出しの脊髄神経が損傷することによって、足の筋力低下による歩行困難や尿や便のコントロールができない状態となる危険性があります。

無脳症

神経管閉鎖障害の最も重度の形態は無脳症です。

無脳症では脳の組織が発達できません。


そのため生きていくために必要な機能が備わらないのです。

お母さんのお腹の中では生きていられますが、生まれたらすぐに死に至る病気です。

脳瘤

脳瘤とは神経管閉鎖障害によって本来閉じているはずの頭蓋骨の一部に穴が開いてしまい、その穴から脳や髄膜が外に出ている状態のことです。

脳瘤は頭蓋骨で守られているはずの脳が剥き出しになっているので、脳が損傷するリスクが高まります。


高齢出産を控える方の中には、妊娠線が気になる方も多いはず。。

そんな方々はぜひこちらの記事もご一読ください!

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どうやって予防するの?

先天性疾患の中で唯一予防対策がある神経管閉鎖障害
その対策としてできることは、
葉酸の摂取です。

葉酸とは水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種で、ビタミンB9とも呼ばれています。


1940年代にほうれん草の抽出物から発見されました。

葉酸はブロッコリーや枝豆、ほうれん草といった野菜に含まれている他、レバーなどにも多く含まれています。


しかし、葉酸は水溶性ビタミンのため調理のときに茹でると効率的に栄養ができなかったり、葉酸の豊富なレバーには胎児の耳の奇形リスクを高めるビタミンAが多く配合されているなど、意外と摂取が難しいため注意が必要です。


また、葉酸には人工のモノグルタミン酸型葉酸と食事由来のポリグルタミン酸型葉酸の2種類があります。食品中に含まれるポリグルタミン酸型葉酸の吸収効率は約50%ですが、サプリメントが含むモノグルタミン酸型葉酸の吸収効率はほぼ100%です。

このことから、厚生労働省も葉酸はサプリメントでの摂取を推奨しています。

医師監修|葉酸とは?葉酸が必要な理由と葉酸の種類を解説!

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高齢出産・妊活に向けて、きちんと葉酸摂取を。

 今回は高齢出産によるリスクと、唯一予防できる赤ちゃんの先天性疾患である神経管閉鎖障害について解説しました。

妊娠・出産は喜ばしいことですが加齢とともにリスクもふえていきます。


まずは正しい知識を持ち、できることをしていくことが大切です。

また先天性疾患の多くは予防できませんが、神経管閉鎖障害は唯一予防策のある先天性の異常です。妊娠前から積極的に葉酸をとってリスクを減らしていきましょう。

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