更新日:2024/12/10

切迫早産での入院を助産師が徹底解説!期間や費用、入院生活は?

期間や費用、入院生活は?
FacebookTwitterLINE

妊娠中のママの6〜7人に1人がなるといわれている切迫早産。(※1)

切迫早産は、状態によっては長い間入院での管理が必要となるケースもあります。

「どうなったら入院しなければならないの?」
「入院中の生活や期間は?」
「長期入院となると費用が心配・・・」
そう思っているママは必見!

今回の記事では、切迫早産での入院について助産師が徹底解説していきます。

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

切迫早産になったら入院が必要?

ずは、切迫早産になったときの入院の基準について解説します。

切迫早産とは

切迫早産とは、赤ちゃんが早産(妊娠22週0日以降から妊娠36週6日までの出産)になる可能性が高い状態をいいます。

早産で生まれた赤ちゃんは、まだ子宮の外で生きていくための機能が整っていないことがあり、特別な医療ケアが必要となったり、後遺症が残ったりすることもあります。

切迫早産と早産の違い、早産の前兆、早産で生まれた赤ちゃんのリスクなど、切迫早産の概要と赤ちゃんへの影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。

切迫早産ってどんな状態なの?日常生活で気を付けたいポイント【助産師執筆】

早産になる一歩手前の状態である切迫早産。今回は切迫早産とはなにか、診断された場合に日常生活で気をつけたいポイントを解説していきます。

関連記事

【助産師執筆】早産の原因にはなにがある?兆候や予防のためにできることを徹底解説!

妊娠中のママなら一度は耳にしたことがある「早産」の原因とは?生まれるにはまだ早い時期に赤ちゃんが子宮の外に出てきてしまうことは、妊娠中のママたちにとっては不安なことですよね。この記事では、なぜ早産は起こるのか・早産になる原因、早産の兆候や予防のためにできることはあるのかについて、助産師が徹底解説していきます。

関連記事

入院するかは切迫早産の状態による

「切迫早産」と一言に言っても、ママの子宮頸管の長さや子宮口の開き、お腹の張りの程度、出血の有無、ママのカラダに感染の兆候がみられるか、その他の合併症の有無などによって入院するかは個人差があります

妊娠24週未満で子宮頸管の長さが30mm以下であれば要注意です。妊娠週数が早いうちに子宮頸管の長さが短いほど早産となる可能性が高くなります。

破水している場合には、赤ちゃんが感染したり早産となったりするリスクがより高くなるため、入院が必要になります。

check ✔︎

子宮頸管ってなに?

子宮頸管は膣と子宮をつなぐ筒のことをいいます。

子宮頸管は長さがあることで硬く閉じ、赤ちゃんを子宮の中にとどめておく役割があります。

子宮頸管の長さは経膣エコーで測定することができ、一般的に正常な妊婦さんの子宮頸管の長さは、妊娠30週未満では35〜40mm、妊娠32週から妊娠40週では25〜32mm程度です。

また、通っている病院によっても切迫早産の入院基準は異なります。大きい病院よりもクリニックの方が入院基準は厳しめな傾向があります。

入院が必要な状態でない場合には、自宅で安静にしたり、自宅で子宮収縮抑制剤(リトドリンなど)を内服したりして経過観察します。

状態によっては転院が必要になることも

切迫早産と診断された場合、妊娠週数と状態によっては早産の赤ちゃんに対応できる病院に転院となることがあります。

早産の赤ちゃんに対応できる病院とは、NICU(新生児集中治療室)がある病院です。

早産の赤ちゃんは、正期産で生まれた赤ちゃんより子宮の外での生活に慣れるまで時間がかかったり、後遺症が残ったりすることがあるので、専門的な検査や高度な医療が提供できる病院での出産が必要になります。

切迫早産での入院に関する気になる疑問

切迫早産での入院に関するよくある疑問についてお答えします。

入院期間の目安は?

切迫早産で入院した場合には、赤ちゃんが早産となるリスクが低いと判断できたときに退院できることが多いです。

切迫早産で入院する目的は、できるだけ早産にならないようにすること、つまり赤ちゃんが子宮の外で生活できるようになるまでお腹の中にいてもらうことです。

赤ちゃんのカラダの中で最も発達に時間がかかるのが肺です。肺の機能が完成するのは妊娠35週ころなので、お腹で育てる時期の目標は妊娠35〜36週。そのため、遅くても妊娠36週までには退院できるケースが多いです。

ただし、クリニックによっては正期産となる妊娠37週まで入院が必要になることもあります。

子宮頸管の長さの変化やお腹の張りの状態によっては、すぐに退院して自宅安静で経過を見ることもあります。

入院費用はどれくらい?

切迫早産での入院費用は、入院する病院や行う検査、使う薬剤によって違いますが、だいたい1日5,000〜15,000円かかります。

出産は正常分娩の場合には保険適用外となりますが、切迫早産での入院中の診察や治療などの医療費は保険適用となります。

高額となった医療費は、一度全額支払ったあとに「高額療養費制度」の申請を行うことで差額分が戻ってきます。

そのため、切迫早産で1ヶ月入院した場合には、医療費は約6万~16万円ほどとなる(※所得によって異なる)ことが多いです。

この金額にプラスして、保険適用外の費用(食事代、設備代、個室料金など)がかかってきます。

check ✔︎

高額療養費制度ってなに?

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が1ヶ月の上限額を超えた場合に、超過分の費用が戻ってくる制度です。

医療費の一部を国が負担してくれますが、上限額は年齢や所得によって変わります。

◆1ヶ月の上限額(69歳以下の健康保険加入者)
年収約370万円以下:57,600円
年収約370〜770万円:80,100円
年収約770~1,160万円:167,400円
年収約1,160万円以上:252,600円
住民税非課税者:35,400円

入院しなくても仕事は休むべき?

切迫早産と診断された場合、入院しなくても安静にすることが大切です。

そのためカラダを動かす仕事や、重いものを持つ職業などの場合は仕事を休んだり、仕事内容を変更してもらったりする必要があります

デスクワークの場合には、カラダに負担をかけない範囲で働くことは問題ありません。

「職場に相談するのは難しいし、仕事内容を変更してもらえるか不安・・・」という方は、母性健康管理指導事項連絡カードを活用するのがおすすめです。

かかりつけの医師が通勤緩和や勤務時間短縮など、仕事を続ける上で必要な措置を記入した紙を用意して、働く妊娠中のママと赤ちゃんを守ってくれますよ。

厚生労働省:母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)について

ただし、切迫早産の状態や仕事内容によっては、医師から休職するように言われることもあります。かかりつけの産科医と相談するようにしましょう。

切迫早産の入院中はどんな生活なの?

ここでは、切迫早産の入院中はどんなことをするのかを紹介します。

安静に過ごす

切迫早産で大事なのは安静に過ごすこと。動くことでお腹が張ってしまい、子宮頸管が短くなったり、子宮口が開いてしまったりするからです。

シャワー浴や洗面、トイレ以外はベッドの上か座って安静に過ごします。

読書やゲーム、映画など趣味を楽しめるものを用意するほか、生まれてくる赤ちゃんに帽子や服などをつくってあげるのもいいですね。

NSTモニターでお腹の張りと赤ちゃんを観察

NSTとはノンストレステストの略で、お腹の張りの程度と赤ちゃんが元気かを確認するための検査です。

お腹にベルトを巻き、お腹の上から2つの機械をつけます。一つはお腹の硬さをモニタリングすることで子宮収縮(お腹の張り)を測定する機械で、もう一つは赤ちゃんの心臓の音を計測する機械です。

切迫早産の入院中は、お腹の張りの頻度はどれくらいか、お腹が張ることで赤ちゃんにストレスがかかって苦しくなっていないかをみていきます

必要に応じて点滴での治療

切迫早産で入院が必要になるママのほとんどは、点滴治療が必要になります。

切迫早産の治療では、子宮収縮抑制剤(リトドリン塩酸塩)を点滴します。少しの量で効果が出る薬ですが、点滴を止めると1時間ほどで効果が切れてしまうという特徴も。そのため、一定の量を24時間持続して点滴していく必要があります。

リトドリン点滴には副作用があり、動悸や手の震えを感じるママが多いです。カラダがリトドリンに慣れてくると感じにくくなりますが、あまりにも副作用が辛い場合には違う薬を検討することもあります。

子宮頸管の炎症を抑える治療

切迫早産の兆候がある人は、子宮頸管に炎症が起きていないか確認する検査をします。子宮頸管に炎症が起きることを「子宮頸管炎」といいます。

子宮頸管炎が起きると切迫早産の症状が進行しやすくなったり、最大の早産の原因である絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)になる可能性があるため、炎症を抑える処置が必要になります。

炎症を抑えるための処置には、膣内の雑菌が子宮頸管に付着することを抑えるために、清潔な水で膣内を洗い流す「膣洗浄」や、胎児由来の抗炎症物質であるウリナスタチン腟坐剤を膣内に挿入することもあります。

check ✔︎

絨毛膜羊膜炎とは?

膣内の細菌が子宮の方まで感染し、お腹の中の赤ちゃんを包んでいる卵膜に炎症が起きることを絨毛膜羊膜炎といいます。

絨毛膜羊膜炎は子宮収縮や破水を引き起こしたり、子宮頸管を柔らかくして開きやすくすることで早産を引き起こす原因になります。

長期入院になることもあり精神的につらい方も

特に早い週数で入院した方は、先の見えない長期入院となり、気分が落ち込むママも多くいます。

不自由な入院生活に加えて、安静を保ったり、点滴によるカラダの辛さに耐えたり、離れて生活する上の子が心配になったり、早産にならないか不安になったり・・・。

入院中の切迫早産のママは、自分は元気なのに、お腹の中の赤ちゃんのために毎日がんばっています。

なるべくストレスを溜めすぎないように、気分転換できるように工夫することが大切です。

電話ができるスペースなどで気の許せる人と電話をしたり、好きな食べ物を買ってきてもらったり、安静を保ちながらストレス発散できることをみつけていきましょう。

切迫早産で入院しているママの一日

切迫早産で入院しているママの一日の例を紹介します。

入院中の医療ケアの例は下記の通りです。

  • ほぼ毎日NSTでお腹の張りと赤ちゃんの元気さをチェック
  • お腹の張りが多いときは、午後にもNST検査をすることも
  • 点滴は毎日新しいものに交換する(点滴の針はある程度の日数入れたまま)
  • 膣洗浄をしている場合は毎日行う
  • 適宜、診察で子宮頸管の長さや子宮口の開きを確認

24時間点滴をしたまま過ごすママが多いですが、点滴をしながら安静を保ち、自由に過ごす時間が多いです。そのため、座ったり横になったりしたまま自分の好きなことをできる環境を整えることが大切です。

切迫早産になりにくいカラダをつくるためにできること

最後に、切迫早産、そして入院にならないために今からできることを紹介します。

十分な睡眠

睡眠不足は切迫早産となるリスクを高める要因の一つです。

睡眠不足によって疲労が蓄積すると、カラダは細菌への抵抗力が弱まり、感染しやすい状態になります。

特に膣内の雑菌によって「子宮頸管炎」が引き起こされると、切迫早産となる可能性があります

ココロのストレスをためないためにも睡眠を取り、十分に休息することが大切です。

栄養バランスのよい食事

私たちは生きていくために必要な栄養を食事から摂っています。赤ちゃんをお腹の中で育てている妊娠中は、特に栄養が必要な時期。赤ちゃんのカラダをつくっていくためには、タンパク質と葉酸が欠かせません

また、早産になる理由は切迫早産だけではありません。妊娠高血圧腎症や胎児発育不全といった胎盤関連産科合併症も早産となるリスクを高めます

カラダの中で葉酸やビタミンB6、ビタミンB12が不足した状態が続くと胎盤関連産科合併症のリスクが高まります

早産にならないようにするためには、妊娠中は積極的に葉酸やビタミンB群を摂ることも大切です。

便秘の解消

妊娠中期以降になると、大きくなった子宮によって腸が圧迫されて便秘になりやすくなります。そして便秘になると、滞った便によって腸が膨らむことで子宮を圧迫するようになります。圧迫されることで刺激となり、子宮収縮が起きやすくなります

切迫早産になりにくいカラダをつくるためには、便秘の予防も大切です。

ストレスの解消

ストレスは普段の生活でもたまりますが、妊娠中は特に、カラダの不調やいつもと違う生活によってストレスがかかりやすい時期です。

ストレスがたまると交感神経が優位になった状態が続き、全身の筋肉がキュっと収縮して力が入った状態になりやすくなります。子宮も筋肉でできているので、ストレスによって子宮が収縮しやすくなり、切迫早産の原因となることも

忙しい毎日の中で、少しでも自分の好きなことをする時間を取り入れることで、ストレスを解消するくせをつけておきましょう

切迫早産になりやすい人の特徴は、こちらの記事も参考にしてくださいね。

切迫早産になりやすい人の特徴は?予防法や原因、症状まで助産師が詳しく解説!

切迫早産になりやすい人の特徴について解説します。早産は赤ちゃんにとってたくさんのリスクがあります。そのため、早産を防ぐためにも切迫早産の兆候やなりやすい人の特徴、そして予防法を知っておくことはとても大切です。

関連記事

栄養・便秘・ストレスをケアできるサプリメントを取り入れる

ここまで紹介してきたように、切迫早産の予防には栄養・便秘・ストレスケアが大切ですが、妊娠中に生活習慣を一から変えていくのは大変ですよね。

特に食事をつくることは、つわりが長く続いている人や腰痛が出ている人にとってはつらいですし、お腹が大きくなってくるとキッチンに立っているだけでも大変。

そこで、手軽に妊娠中のカラダのケアをするならmamaru(ママル)がおすすめです。

mamaruは葉酸・ビタミンB6、ビタミン12など、妊娠中のママの合併症を予防するために必要な成分をぎゅっと凝縮産婦人科医監修の厳選された成分だけでできています。

そのほかにも、赤ちゃんの骨をつくるカルシウムや、貧血になりやすい妊婦さんに大事な鉄分もしっかりと配合!妊娠中の赤ちゃんとママに必要な栄養を網羅したサプリメントです。

さらに、腸内環境を整えてくれる菌活サポート成分である3種の乳酸菌(ビフィズス菌、ラクトバチルス菌、殺菌乳酸菌末)と食物繊維、ラクトフェリンも配合し、便秘のケアも一緒にできます。

実はラクトバチルス菌は、切迫早産との関係も深い細菌。ラクトバチルス菌は膣内に存在して雑菌を低下させ、膣内や子宮頸管の炎症を防いでくれる細菌なのです。

健やかなマタニティライフを過ごしたい妊婦さんにぴったりですね!

mamaruは全国4000店舗以上のドラッグストアで展開中!たくさんの妊婦さんに選ばれている実績があります。

切迫早産になりにくいカラダづくりの一環として、手軽に取り入れることができるmamaruをぜひ今から始めてみませんか?

公式サイト限定の特別価格はこちらからチェックしてくださいね!

まとめ

切迫早産での入院は、赤ちゃんができるだけ早産にならないようにするための命を守る入院

入院が長期化したり、費用がかさんだり、安静を保って過ごしたりとママにとっては大変ですが、安静にしながら気分転換ができるような入院中の過ごし方を考えていくことが大切です。

なによりも切迫早産にならないように、今からママのカラダを整えていくことも必要

妊娠中のママにぴったりのmamaruは必要な栄養を網羅するだけでなく、切迫早産との関係も深いラクトバチルス菌も配合しているので、赤ちゃんとママを守るためのケアにおすすめです。

ぜひ妊娠中のカラダづくりに活用してくださいね。

FacebookTwitterLINE
\ 送料無料 /
mitas series オンラインショップ

mitasシリーズでは、
必要な栄養素とお悩みをサポートする
5つのラインナップをご用意しています。

▾ 公式インスタグラムをフォローしよう

mitas series 公式インスタグラムmitera organics 公式インスタグラム