更新日:2024/9/27
切迫早産になりやすい人の特徴は?予防法や原因、症状まで助産師が詳しく解説!
「切迫早産」とは、文字通り「早産」が「切迫」している状態のこと。
切迫早産になると、せっかくのマタニティライフにたくさんの制限が必要になったり、場合によっては入院が必要になったりすることもあります。
また、実際に早産になってしまうと、赤ちゃんにも様々なリスクが生じます。
この記事では、切迫早産になりやすい人の特徴や原因、そして予防法について紹介します。ひとつでも当てはまる方は、母子ともに健やかなマタニティライフを送るためのヒントにしてみてくださいね。
この記事に登場する専門家
助産師ライター かなえ
現役助産師ライター。
助産師免許取得後、助産師外来や院内助産を経験し、現在はフリースタイル出産を取り扱うクリニックで勤務。また、地域の学校や親子向けに性教育のおはなし会を開催。
【資格】
・看護師
・助産師
・保健師
・新生児蘇生法インストラクター
切迫早産になりやすい人の特徴と原因5選
切迫早産になりやすい人には、いくつかの特徴があります。もちろん特徴を持つ方が必ず切迫早産や早産になるわけではありませんが、当てはまる方は注意が必要です。
どのような方が切迫早産になりやすいかみていきましょう。
子宮頚管が短い
子宮頚管とは、膣に近い子宮の下の部分のことをいいます。子宮頚管の一番膣に近い部分を子宮口(しきゅうこう)といい、お産の時には子宮口を通って赤ちゃんが出てきます。
子宮頚管は平均3〜4cmの長さで、妊娠していないときや妊娠中は子宮口は閉じています。
お産が近づいてくると徐々に柔らかくなり、子宮の内側から少しずつ開き、長さが短くなり、子宮口も開いてきます。お産間近にこのような状態になるのは正常です。
しかし、それより早い時期に子宮頚管が短くなってきたり、柔らかくなったり開いたりする人は切迫早産になりやすい人です。
子宮頚がんや子宮頚部の異形成などで頚管の一部を切除している人は、子宮頚管が短い状態です。
また、「頚管無力症」という何の症状もなく子宮頚管が短縮したり開いてしまう体質の方も、切迫早産になりやすいです。
多胎妊娠
多胎妊娠とは、お腹の中に2人以上の赤ちゃんを妊娠している状態のこと。
多胎妊娠は、お腹に一人の赤ちゃんを妊娠している単胎妊娠に比べ、子宮が大きくなるスピードが早く、さらに子宮の大きさも大きくなります。その結果として、子宮の収縮が起こりやすくなります。
子宮の収縮が起こると、子宮頚管が柔らかくなったり短縮したり、子宮口が開いてしまいます。
炎症が起こっている
体内で炎症が起こると、それが引き金となりお腹が張りやすくなってしまいます。
妊娠中に早産を引き起こす炎症には、
- 膣に炎症が起こる「膣炎」
- 子宮頚管に炎症が起こる「子宮頚管炎」
- 子宮内まで炎症が及ぶ「絨毛羊膜炎」
などがあります。炎症が起こると、子宮収縮や破水が起こりやすくなってしまいます。
本来、膣や子宮は感染が起こらないように常在菌によるバリア機能が備わっています。しかし、何らかの原因で免疫力の低下などが起こると、感染が起こりやすくなってしまいます。
早産歴がある
過去に37週未満で出産した経験がある人は、切迫早産になりやすいと考えられています。子宮内のどんな環境が早産の原因となったか知ることで、予防することができる場合もあります。
早産にはさまざまな理由がありますが、妊娠中のお母さんの合併症や、お腹の中の赤ちゃんの状態によって医療的に早産になった場合は、妊娠中の過ごし方により予防ができることもあります。
また、頚管無力症などが原因で早産となってしまった場合は、早い時期に処置をすることで予防することもできます。
妊娠前の体重がやせ、または妊娠中の体重増加が少ない
妊娠前の体重がやせの人(BMI18.5未満)や、妊娠中の体重増加が著しく少ない場合、切迫早産や早産のリスクが高いことが知られています。
お母さんが痩せていて栄養状態が良くない場合、お腹の中の赤ちゃんの成長発達にも影響が出ることが多く、その結果として赤ちゃんが分泌するホルモンの影響でお腹が張りやすくなってしまいます。
◆BMIや妊娠中の体重増加についてはこちらで詳しくチェック!
そもそも切迫早産とは?
「切迫早産」とは、早産といわれる時期に、出産間近の症状が現れることをいいます。
まず知っておきたいのが「妊娠週数」と「予定日」のこと。
出産予定日とは妊娠40週0日のことをいいます。中でも、正期産とは妊娠37週0日〜41週6日のことをいい、約9割の人がこの時期に出産すると言われています。
お母さんにとっても赤ちゃんにとっても最もリスクが少ない時期が、正期産といわれる週数での出産です。
そして、妊娠22週0日〜36週6日の早い時期での出産を「早産」といいます。この週数で生まれた赤ちゃんは、いろいろな治療を行うことによってお腹の外で生きることができます。
しかし、週数が少なければ少ないほど、赤ちゃんの成熟が十分でないため子宮の外の環境に適応するのに時間を要します。そのため、哺乳のサポートや呼吸のサポート、保温のサポートなどが必要になることがあります。
この早産の時期にお産の兆候が現れることを「切迫早産」といいます。早い時期での出産は、赤ちゃんにとっていろいろなリスクがあるため、早産や切迫早産を予防することはとても大切なのです。
切迫早産の症状
ここからは知っておきたい切迫早産の症状です。このような症状があった場合はかかりつけ医に相談しましょう。
また、頚管無力症の場合は無症状のことも多いため注意が必要です。
お腹の張り
妊娠中のお腹の張りや痛みは、子宮の収縮によって起こるものが多くあります。その他、子宮が大きくなることにより靭帯が引っ張られて起こるものや、便秘に伴うもの、子宮筋腫がある人は子宮筋腫の炎症に伴うものなどがあります。
自分では何によって起こっている痛みなのか判断できないことも多いため、症状が軽快しない場合はかかりつけ医にすみやかに連絡しましょう。
出血
妊娠中の出血は、子宮口が柔らかくなっていたり、開いてきていたりしているサインの可能性があります。
子宮口の近くには毛細血管がたくさんあります。お腹の張りなどによって、子宮口が柔らかくなったり開いたりすることで、毛細血管の一部に傷が付くと出血が起こります。
その他、妊娠中の出血には、子宮頚管のポリープや便秘により痔核ができ、そこから出血することも。
重症の場合は、常位胎盤早期剥離という胎盤が剥がれてしまう母子ともに命に関わる状態であるケースもあります。
出血が起こった場合は、夜間であってもすみやかにかかりつけ医に連絡しましょう。
破水
破水とは、子宮内の赤ちゃんがいる袋の一部が破れ、中の羊水が流れ出ることをいいます。
破水が起こると赤ちゃんのいる環境と外の環境の交通ができるようになるため、感染のリスクが上がります。また、破水がきっかけとなり陣痛が始まることも少なくありません。
その他にも、お腹の中の赤ちゃんにとって羊水は、体の成長発達に欠かせないものであるため、羊水が減ってしまうと成長発達にも影響が出てしまいます。
妊娠中は、膣分泌物が増えたり、尿もれが起こりやすいため、破水との区別が難しいこともあります。下着が濡れていると感じた時には、かかりつけ医に相談しましょう。破水と診断されると、入院管理が必要になります。
子宮頸管の変化
お産が近づくと、子宮頚管が柔らかくなったり、短くなったり、子宮口が開いてきます。切迫早産の場合、これが早産の時期に起こってしまいます。
多くの場合、お腹の張りや痛み、出血などの他の症状を伴うことが多いですが、中には無症状であるケースもあります。
切迫早産の治療法
切迫早産と診断された場合は、子宮の収縮を抑制するために安静に過ごし、子宮の収縮を抑制する薬剤を使用することが多いです。
軽症の場合は子宮の収縮を抑える飲み薬を使用し、重症の場合は安静入院に合わせて子宮の収縮を抑える点滴を使用します。
また、子宮内で炎症が起こっている可能性がある場合は、抗生剤の使用をすることもあるでしょう。
しかし一方で、このような子宮収縮を抑制する薬剤の使用は、お母さんへの副作用がストレスになる他、早産を防ぐことや赤ちゃんの予後の改善に有効ではないとも言われています。(※1)
過去の妊娠出産で、子宮口が軟らかくなったり開いたりしやすい体質である「頚管無力症」と診断されている場合は、切迫早産の予防のために、あらかじめ子宮口が開かないようにする処置を行うこともあります。
切迫早産で入院になった場合、症状が軽快すれば退院することができます。しかし、入院後も症状が軽快しない場合は、入院期間が長期になることも少なくありません。
また、早産に備えて、早く生まれた赤ちゃんに対応できる大きな病院での管理が必要になることもあります。
切迫早産を予防するためにできること
早産や切迫早産にならないためには、事実としてセルフケアで予防できることとできないことがあります。
しかし、紹介する切迫早産の予防法は、マタニティライフを母子共に健やかに過ごすために必要なことばかりです。
切迫早産の予防にかかわらず、妊娠中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
体重管理
妊娠中の体重管理は、マタニティライフを健やかに過ごすためにとても大切なことです。妊娠中の体重増加は少なすぎても多すぎても母子ともに色々なリスクとなります。
特に、妊娠中の体重増加が少なすぎる場合、切迫早産のリスクとなってしまいます。妊娠していない時の自分の体格を元に、妊娠中にどれくらいの体重増加が望ましいか知っておくことはとても大切です。
また、体重の数字だけでなく、健康的な体重増加を目指すことがとても大切です。
自分が妊娠中にどれくらいの体重が増えれば良いのかは、BMIと下の表を参考にしてくださいね。
【BMIの計算式】
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
【体重増加の目安】
妊娠前の体格 | 妊娠前のBMI | 体重増加の目安 |
---|---|---|
低体重(やせ) | 18.5未満 | 12〜15kg |
ふつう | 18.5〜25.0未満 | 10〜13kg |
肥満(1度) | 25.0〜30.0未満 | 7〜10kg |
肥満(2度以上) | 30.0以上 | (上限5kgまでが目安) |
また、健康的な体重増加のためには、バランスの良い食事をとり、消化吸収がしっかりとでき、気持ちよく排泄できている状態や、からだの巡りがよく、むくみのない状態であることが大切です。
妊娠中の体重増加については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね!▼
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免疫力アップ
免疫力の高さは、妊娠中のみならず日々を健やかに過ごすためにとても大切です。切迫早産は、膣や頚管、子宮内での炎症が原因で引き起こされることもあります。
自分自身の免疫力が高い状態だと、外部から細菌が進入してもバリア機能を発揮することができ、感染が起こりません。しかし、免疫力が低い状態だと、バリア機能が十分に機能せず感染が起こってしまいます。
免疫力は、規則正しい生活、質の良い睡眠、適度な運動、バランスの良い食事など毎日の生活習慣によって作られます。
また、冷えは免疫力低下の原因となるため、からだを冷やさず、巡りの良い状態であることも大切です。
妊活に良いとされている子宮内フローラの改善やラクトフェリンは、免疫力のアップにも有効です。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。▼
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サプリメントを取り入れるのもおすすめ
切迫早産の予防のためには、サプリメントの活用もおすすめです。妊娠中の方におすすめのサプリメントは、妊娠中の摂取が推奨されている葉酸がしっかりと含まれているものが良いでしょう。
また、「健康的な体重増加」のためには、バランスよく必要な栄養素が含まれ、妊娠中のマイナートラブルである便秘が予防できる成分も配合されているものがおすすめです。
「免疫力アップ」のはたらきがある成分も含まれているとさらに嬉しいですよね。
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腸には腸管免疫が備わっており、免疫細胞のなんと7割が腸内に集まっています。そのため、腸内環境の改善は免疫力のアップにも繋がります。
さらに、腸内環境が改善すると、子宮内環境も整うことが期待できます。
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「GMP」とは、厚生労働省が定めた医薬品等の品質管理基準のこと。
「GMPマーク」は、国内の認定工場で製造された商品であることを示すものです。きちんと管理された環境で作られたものであるため、信頼できる商品であるといえます。
また、「安心安全マーク」とは、一般的なサプリメントでは通常行われない厳格な検査をクリアした場合にのみ付与されるマークです。
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切迫早産になりやすい特徴を持つ人も、そうでない人も、妊娠中の今できる予防をしておくことが大切。
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妊娠中の葉酸の摂取の必要性が知りたい方は、こちらも参考にしてみてくださいね!▼
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切迫早産を少しでも予防するために適切な体調管理を心がけよう
切迫早産はいろいろな原因で起こります。原因の中には予防できることとできないことがありますが、予防のために大切なのは、健やかにマタニティライフを送るためのからだ作りです。
健やかなからだ作りのためには、毎日の食事、運動、睡眠などの積み重ねがとても大切です。
そして、健やかなからだ作りのサポートをしてくれるのがサプリメントです。
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参考文献:
(※1)5.切迫早産の治療についての最近の話題:長期の子宮収縮薬投与について
参考資料:
産婦人科診療ガイドライン 産科編2023https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo06/syussyo2.html
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