更新日:2024/12/4
妊婦は炭酸飲料を飲んでも大丈夫?NG飲料やおいしい飲み方を紹介!
「妊娠中だけど炭酸ジュースを飲んでも大丈夫?」
「赤ちゃんに影響はない?」
「無糖の炭酸水のおいしい飲み方が知りたい!」
妊娠中に炭酸飲料を飲みたくなる方は少なくありません。しかし妊娠中は糖分が多いものをできるだけ控えた方がよいと聞いたことがある方も多いでしょう。
この記事では、妊娠中は炭酸飲料を飲んでも良いのか、どの程度の甘さであれば問題がないのか、無糖炭酸水のおいしい飲み方などを解説します。
また、妊婦さんが避けたい飲み物やおすすめの飲み物などもご紹介。
おなかの中の赤ちゃんはもちろん、お母さんの体にも安全な飲み物を選べるようになるので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
妊娠中に炭酸飲料を飲んでもいいの?
炭酸飲料には糖分の入った甘いタイプと無糖タイプの2種類があります。
それぞれの炭酸飲料について、妊娠中に飲んでも大丈夫なのかどうかを説明します。
妊娠中の甘い炭酸飲料は量に注意
糖分が多く含まれる甘い炭酸飲料は、妊娠糖尿病や肥満になる可能性があるため日常的に飲むことはおすすめできません。
妊娠糖尿病は、早産や巨大児など赤ちゃんにも影響が出るリスクがあります。(※1)
厚生労働省の「食事バランスガイド」によると、菓子・嗜好飲料の1日摂取目安量は200kcalです。
どうしても甘い炭酸飲料を飲みたいときは、1日コップ1杯、2日に1回など量に気をつけながら楽しむとよいでしょう。
ただし、つわりがあり他の飲食物が口にできない場合は、脱水や栄養失調のリスクを避けるため甘い炭酸飲料に頼るのもひとつの手です。
妊娠初期に赤ちゃんが必要な栄養はそこまで多くないため、つわりがきつい場合は医師や助産師に相談しながら甘い炭酸飲料を活用してくださいね。
ただしコーラはカフェインが含まれている点にも注意しましょう。
妊娠糖尿病については、こちらの記事も参考にしてください。
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妊婦さんにおすすめなのは無糖の炭酸水
糖分やカフェインが入っていない無糖の炭酸水は妊婦さんも安心して飲めます。
後味がなくスッキリとした飲み心地のため、つわり中でもおいしく飲めたという方も少なくありません。
余計な成分が入っていないうえに妊婦さんへのメリットも多いおすすめの飲み物です。
妊娠中に無糖炭酸水を飲むメリット5つ
無糖炭酸水には以下のような妊婦さんに嬉しい効果があります。
- 糖分やカロリーを気にしなくていい
- 味や匂いがなくつわり中でも飲みやすい
- 便秘の解消が期待できる
- 食欲が刺激される
- 血流が良くなる
以下で飲む際のポイントもあわせて詳しく説明するので、ひとつずつチェックしていきましょう。
糖分やカロリーを気にしなくていい
無糖炭酸水は糖分やカロリーが入っていないため、血糖値が気になる妊娠中でも心おきなく飲めます。
もちろん、カフェインや人工甘味料なども含まれていません。
つわり中で甘い炭酸飲料しか飲めないという方は、つわりがおさまったときには無糖炭酸水に移行するとよいでしょう。
味や匂いがなくつわり中でも飲みやすい
フレーバータイプを除き無糖炭酸水は無味無臭のため、味や匂いに敏感になるつわり中でも飲みやすいです。
とくに適度に冷やした炭酸水は口の中をスッキリさせてくれます。
一気に飲むと胃が膨れ、かえって気持ちが悪くなることもあるため様子をみながら少しずつ飲みましょう。
便秘の解消が期待できる
炭酸水を飲むと胃腸のはたらきが促されるため便が出やすくなります。
便秘は痔の悪化や切迫早産のリスクにもなります。
お通じが悪いと感じている方は、効果がでやすい朝に炭酸水を飲んでみてくださいね。
たくさん飲んでしまうと朝ごはんが入らなくなるため、満腹感を感じない100〜150mlほどの量におさえるのがポイントです。(※2)
便秘の原因や改善方法についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。
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食欲が刺激される
食前に少量の炭酸水を飲むと、胃腸のはたらきが活発化し食欲が刺激されます。
妊娠中は、赤ちゃんの分までしっかりと栄養をとることが大切です。
しかし、つわりや赤ちゃんの成長による胃の圧迫などで食欲が低下することもあります。
食事がとれずに困っている方は、食前に100〜150mlほどの炭酸水を飲んでみてください。
ただし300ml以上の炭酸水を飲むと満腹感を感じて食欲が低下するため、飲みすぎには注意です。
血流が良くなる
炭酸水に含まれる二酸化炭素が胃壁から吸収されて血管内に入ると、酸素濃度を上げるために血管が拡張して血流が増加します。
血液は体中に酸素や栄養を提供し、反対に体中にたまった老廃物を回収します。
もちろん赤ちゃんへの栄養供給や老廃物回収も、お母さんの血液の大切なはたらきです。
その他、血流が良くなることで得られるメリットは次のとおりです。
- 肩こり・腰痛の改善
- むくみの解消
- 免疫機能の向上
- 便秘の解消
- 疲労回復
妊娠時は風邪をひきやすいうえに薬も簡単に飲めないので、免疫機能の向上や疲労回復の効果があるのは嬉しいですね。
無糖の炭酸水を飲むときの注意点
メリットの多い無糖炭酸水ですが、選び方や飲み方に注意点があります。
- 糖分やカフェインが入っていないものを選ぶ
- 食前にたくさん飲まない
- キンキンに冷やしたものを一気に飲まない
注意点を知らずに飲んでしまうと赤ちゃんの成長を妨げてしまうかもしれません。
無糖の炭酸水を妊娠中に安心して飲めるように以下で説明します。
糖分やカフェインが入っていないものを選ぶ
炭酸水を選ぶときは、無糖・カフェインフリーのタイプを選びましょう。
糖分の過剰摂取は妊娠糖尿病や肥満、カフェインの過剰摂取は胎児の発育不全や流産のリスク増加が報告されています。(※3)
また、サッカリン・アスパルテームなどの人工甘味料も避けるべき成分。早産やアレルギー疾患のリスク増加が報告されています。(※4)
報告数自体は少なく、小児や妊婦・授乳婦への健康影響はまだ十分明らかではないとされてはいますが、人工甘味料はできるだけ避ける方が無難です。
炭酸水は商品によって含まれている成分が異なるため、必ず成分表をチェックして購入してくださいね。
食前にたくさん飲まない
300〜500ml以上の炭酸水を飲むと、胃の中が炭酸ガスで満たされ満腹感を生じます。
食事がとれず十分な栄養が摂取できなくなる可能性があるため、食前に大量の炭酸水を飲まないようにしましょう。
食前に炭酸水をのむときは、食欲を刺激する100〜150mlほどの量におさえることをおすすめします。
キンキンに冷やしたものを一気に飲まない
炭酸水に氷を入れて飲んだり、冷えた大量の炭酸水を短時間で飲んだりすると、体が冷え血行が悪くなります。
妊娠期に血行が悪くなるデメリットは次のとおりです。
- つわりが悪化しやすくなる
- 便秘になりやすくなる
- 早産や低出生体重児のリスクが高まる
血行が悪くなると腸の動きも悪くなり、消化・吸収のスピードが落ち、吐き気や便秘などにつながります。
また、胎児への栄養・酸素供給、胎児からの老廃物の回収が滞り、赤ちゃんの成長に影響がでることも。
炭酸水を飲むときは、コップ1杯ほどの量を氷を入れずに少しずつ飲みましょう。
血流不良からくる冷えやむくみについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はごらんください。
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無糖の炭酸水をおいしく飲む方法
「無糖炭酸水は味がなくておいしくない」「どうしても飽きてしまう」という方は、次のような飲み方もおすすめです。
- レモンやグレープフルーツの果汁で風味をつける
- レモンとはちみつとショウガを入れる
- 他の好きなジュースと割る
柑橘系の果汁を少し加えるだけでも炭酸水の風味がよくなります。
疲労回復や風邪症状を緩和させる効果のあるハチミツも、妊娠中の強い味方です。
ショウガには吐き気や嘔吐などの症状をやわらげる作用もあるため、つわりでつらいときはぜひ試してみてくださいね。
つわり中におすすめの食べ物についてはこちらの記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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妊娠中のOK飲料とNG飲料
妊娠すると飲めるものが限られてしまい水分不足になる方もいます。
水分不足は尿路感染症・血栓症・赤ちゃんの成長不全などのリスクを高めるため、飲める飲料のバリエーションを増やしておきましょう。
以下で紹介するNG飲料を避けつつ、OK飲料から飲めそうなものを試してみてくださいね。
無糖炭酸水以外の妊婦におすすめの飲み物は?
妊娠中は次にあげるようなノンカフェインの飲み物がおすすめです。
- 麦茶・そば茶・タンポポ茶など
- カフェインレスのコーヒーや紅茶
- ハーブティー(妊娠中でも飲めるものに限る)
- 牛乳
そのほか、黒豆茶やコーン茶なども風味豊かで人気があります。麦茶やタンポポ茶を牛乳と割ってラテ風にするのもよいですね。
ただし、ここであげたほとんどの飲み物に含まれているポリフェノールは、とくに妊娠後期の過剰摂取により赤ちゃんの血管を閉鎖させてしまうリスクが報告されています。(※5)
同じ飲み物を毎日1L以上飲み続けるようなことは避け、いろいろな種類の飲み物をバランスよく飲むことをおすすめします。
妊婦さんにおすすめの飲み物をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてください。
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妊娠中に注意すべき飲み物は?
妊婦さんが避けるべき飲み物は次のとおりです。
- 1アルコール
- 2カフェインの含まれた飲み物
- 3糖分の多く含まれた飲み物
アルコールは、低出生体重児・先天奇形・知能低下などのリスクがあるため絶対に飲まないようにしましょう。
甘酒を選ぶときも、酒麹ではなく米麹が原料のタイプを選んでください。
カフェインは適量であれば問題ありませんが、過剰摂取による胎児の発育不全や流産のリスクが報告されています。(※6)
日本ではカフェインの摂取目安量は決められていませんが、海外では200〜300mg以内を目安量とするところが多いです。
妊娠中にコーヒーや紅茶などを飲むときは、カフェイン摂取量を200mgほどまでにするとよいでしょう。
飲み物に含まれるカフェインの量をまとめましたので、参考にしてください。(※7)
カフェイン濃度(100mL中の代表値) | 1回あたりのカフェイン量 | |
---|---|---|
コーヒー | 60mg | 120mg(カップ1杯:200mL) |
紅茶 | 30mg | 60mg(カップ1杯:200mL) |
煎茶 | 20mg | 40mg(コップ1杯:200mL) |
ウーロン茶 | 20mg | 40mg(コップ1杯:200mL) |
エナジードリンク | 40mg | 142mg(1本:355mL) |
糖分の多い清涼飲料水や炭酸ジュースなどは、妊娠糖尿病や肥満のリスクを高めます。
赤ちゃんの成長に影響が出たり、早産・難産になったりする可能性もあるため、できる限り避けるようにしましょう。
飲み物以外にも妊娠中に気をつけることはある?
妊娠中は葉酸不足にも注意しましょう。葉酸が不足すると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害が起こるリスクが高まります。
神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄の元となる神経管が正常に作られないことで起こる脳や神経などの障害です。学習障害や排泄障害、死産などの症例が報告されています。
神経管閉鎖障害の防止には、妊娠前4週〜妊娠12週に葉酸を十分にとることが大切です。厚生労働省もこの時期にサプリメントなどから400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。(※8)
しかし葉酸のサプリメントは多くのメーカーから販売されていて、どれを選べばよいか悩んでしまう方もいるでしょう。
そこでおすすめなのが、葉酸以外にも妊娠期に必要な栄養素がたっぷりつまったオールインワン葉酸サプリの「mamaru」です。
厚生労働省が勧める妊娠初期に必要な葉酸400μgはもちろん、妊婦さんに必要不可欠なこれらの成分がしっかりと摂れますよ!
つわり中の方にも飲みやすいように、業界最小サイズの粒で匂いが気にならない加工がされている点もポイントです。
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炭酸飲料は糖分に注意!妊娠中は無糖炭酸水を活用しよう
糖分が多く含まれている炭酸飲料は、妊娠糖尿病や肥満のリスクを高めます。どうしても飲みたいときは、コップ1杯程度におさえるとよいでしょう。
無糖の炭酸水は、便秘のケアや食欲増進などの効果もあるため、妊婦さんにおすすめです。
味気ないと感じたときは、レモンやグレープフルーツ、はちみつなどを混ぜることで糖分をおさえつつおいしく飲めますよ。
また妊娠中は葉酸不足にも気をつけましょう。mamaruは妊娠中に必要な栄養素がしっかり含まれており、小粒で匂いが気にならないのでつわり中の方にもおすすめです。
赤ちゃんにしっかり栄養を届けたいという方はぜひチェックしてみてくださいね。
参考文献:
(※1)日本産婦人科学会 妊娠糖尿病
(※3)厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
(※4)農畜産業振興機構 人工甘味料の使用に関する WHO ガイドラインについて考える
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