更新日:2024/4/30
妊娠中に「こむら返り」が起きるのはなぜ?原因と対策を徹底解説
妊娠中の女性の約3割〜4割が経験する「こむら返り」。
「毎日寝る前が心配になる」
「こむら返りが起きたときに、どう対処すればいいのか分からない」
こむら返りは、夜寝ているときに起きやすく、かなりの激痛を伴うため、不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、妊娠中に「こむら返り」が起きやすい原因と対策について解説します。
実際に妊娠中にこむら返りを経験した方の対策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事に登場する専門家
鳴海いく
大学卒業後、大学病院で“がんとともに生きる”がん看護に携わる。結婚、出産を経験し、現在は看護師の傍ら、医療や出産・育児の知見を生かした、女性に寄り添う記事を執筆するライター。2児の育児に奮闘中。
〈資格〉
- 保健師
- 看護師
- リンパケアセラピスト
こむら返りとは
こむら返りとは、主にふくらはぎに起こるけいれんを指します。
医学的には「有痛性筋痙攣」とよばれ、強い痛みを伴うのが特徴です。
痛みの理由は、ふくらはぎの筋肉が異常な緊張をおこし、筋肉が収縮したまま緩まず、筋肉に大きな圧力がかかるためです。
こむら返りの症状は、昼間起きるタイプと睡眠中に起きるタイプの2種類に分かれます。
起きるタイミング | 原因 | |
---|---|---|
昼間 | 運動中・運動直後 | ・準備運動の不足 ・多汗による運動中の脱水 ・筋肉疲労 |
睡眠中 | 寝ている最中や明け方 | ・睡眠中つま先が伸びる体勢(筋肉が縮みやすい)・筋肉の緊張を調整する機能が働きにくい |
スポーツ中継で足がつるシーンを見かけますが、運動による脱水や筋肉疲労が大きな原因です。
夜間にこむら返りを繰り返す場合は、引き起こす原因となる病気が潜んでいる可能性も考えられるため、注意が必要でしょう。
妊娠中は、こむら返りに限らず、あらゆる症状が体に襲います。
そん中重要な事は、食事です。下の記事では、妊娠中には食べてはいけないものについて解説しています。
妊娠中食べていけないものはある?【助産師解説】
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こむら返りの原因
こむら返りが起きるメカニズムは完全に解明されていませんが、下記の2つが主な原因として挙げられます。
- 筋肉の伸縮を感知する神経伝達の異常
- ミネラルバランスの乱れ
筋肉は、意識しなくても伸縮のバランスを保っていますが、神経伝達が異常をきたすと、筋肉は過剰に反応し「筋肉のつり」が生じるのです。
神経伝達がうまくいかないのは、ミネラルバランスの乱れによるもので、「マグネシウムとカルシウムの不足」が原因ともいわれます。
こむら返りの原因となる生活習慣
こむら返りは、ふくらはぎの血流が滞るために冷えるのが大きな要因です。
また、こむら返りがふくらはぎに起きやすい理由として、下記のような生活習慣が考えられます。
- 水分不足、脱水
- 血流障害や冷え
- 筋肉疲労
- 筋肉量や代謝量の減少
- マグネシウム不足
- 糖尿病や腎臓病などの病気
筋肉がこわばり、疲労が蓄積されたふくらはぎは、痛みという悲鳴をあげてしまうのです。
ですが、お腹が大きくなるにつれて運動量が減ってしまう妊婦は、どうしても筋肉量は減少しがち。
大きくなる子宮は大きな血管を圧迫し、血流障害や足の冷え・むくみの症状も引き起こします。
つまり、妊娠中はこむら返りになる要因を多く抱えるために、約3割〜4割もの女性が「こむら返り」の恐怖に襲われてしまうのです。
妊娠中こむら返りになる理由
妊娠中にこむら返りになる原因として、下記が挙げられます。
- ふくらはぎが疲れやすい
- 運動量・筋肉量の低下
- ミネラルバランスの乱れ
- 寝返りをうつのが難しい
妊娠による体の変化がもたらす影響を、それぞれ説明します。
ふくらはぎが疲れやすい
妊娠中こむら返りになる原因として、ふくらはぎの疲労が挙げられます。
妊娠中の体重増加によって、妊婦の体は前方に重心移動します。
姿勢が崩れやすいために、体を支えるふくらはぎは酷使され、疲労が蓄積されやすいのです。
普段運動量が少ない妊婦が、“運動しなきゃ・・”と突然長時間の運動をすると、体の負担になるおそれも。
知らぬ間にふくらはぎが疲弊してしまうと、筋肉の伝達異常が起こりやすく、こむら返りが起きやすいといえるでしょう。
運動量・筋肉量の低下
妊娠中の運動量・筋肉量の低下は、こむら返りを招きやすいといわれます。
妊娠によって運動量や筋肉量が低下すると筋肉の血行が悪くなるために、下記の状態が起こります。
- 乳酸などの疲労物質が排出しづらい
- 体が冷えやすく、筋肉がこわばる
老廃物が蓄積すると、末梢神経の興奮を抑えきれずに「こむら返り」という筋肉細胞の暴走が始まるのです。
ミネラルバランスの乱れ
妊娠中に増加する血液量の変化も、こむら返りに大きく影響します。
妊娠中は非妊娠時に比べて約50%も血液量が増加するため、血液が薄まることでミネラルバランスが崩れやすくなるのです。
また、妊娠後期は子宮が胃を圧迫して、胸やけや食欲低下を自覚する妊婦もいます。
食事を十分に摂取できないという理由で、ミネラル不足になる場合も考えられます。
結果として、妊娠中は血液量が増加し、十分な食事摂取が難しいがゆえに、ミネラルバランスが乱れ、こむら返りが起きる可能性が高いといえるでしょう。
寝返りをうつのが難しい
お腹が大きくなるにつれて寝返りが難しくなる妊婦特有の悩みも、こむら返りに大きく関係します。
同じ姿勢で寝ると、体の特定の部位に体重がかかるために血の巡りが悪くなり、筋肉疲労を起こしやすいのです。
妊娠後期は、大きな子宮が動脈を圧迫して「仰臥位低血圧症候群」のリスクが高まるため、左向きで寝た方がいいとされています。
“大きなお腹で寝返りをするのもひと苦労・・”という状況ですが、まったく寝返りをしないのも、こむら返りを引き起こす要因といえるでしょう。
こむら返りの予防法
痛くてどうすることもできない「こむら返り」ですが、こむら返りを起こさないためにできる予防はしておきたいですよね。
- ミネラルを積極的に摂る
- 適度な運動
- こまめに水分を補給する
- ふくらはぎのマッサージ
- 足をあたためる
- もしものための漢方
いつもの生活でできる対策なので、自分の生活に取り入れやすいものから始めてみましょう。
ミネラルを積極的に摂る
こむら返りを予防するために、筋肉をつかさどるマグネシウムやカルシウムなどのミネラルを積極的に摂取しましょう。
厚生労働省は、「妊婦のミネラルの摂取量が少ない状況にある」とし、妊娠前からの適切な栄養摂取が望まれると指摘しています。
(引用元:妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 ~妊娠前から、健康なからだづくりを~ 解説要領 令和3年3月 厚生労働省)
マグネシウムを摂りすぎた場合でも、尿中に排泄されるため、通常の食事で過剰摂取にはなりません。
カットわかめや焼きのり、切り干し大根、干しエビなどに多く含まれるマグネシウム。
いつもの食事にひとつ追加してみるといいでしょう。
[医師監修]妊活・妊娠中で葉酸以外に必要な栄養素「マグネシウム」の効果とは
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適度な運動
妊娠中の適度な運動は、こむら返りを予防するだけでなく、適正な体重管理や出産時の体力温存にも効果を発揮します。
妊娠中の運動は「1週間に中等度の有酸素運動を少なくとも150分以上行うのがよい」とされています。
- 毎日30分の運動
- 少し速く歩くイメージ
- エクササイズをしながら会話ができる強度
上記のような運動ペースで、お腹が張らない程度に行いましょう。
無理に運動量を確保すると、筋肉疲労によってこむら返りを起こしかねません。
毎日30分程度の早歩きをしようかな、という認識で十分なのです。
こまめに水分を補給する
こむら返りを予防するには、十分な血液を送るための水分が必要です。
特に妊娠中は、基礎代謝量が15%〜20%程度増加し、赤ちゃんの成長にも水分が必要となるために脱水になりやすい傾向があります。
こまめに水分を補給し、寝る前にも1杯の水を飲む習慣ができるといいでしょう。
なかには、妊娠後期の頻尿や足のむくみに悩んでいて、水分補給に抵抗を感じる方もいるはずです。
夜間トイレに行き、少しでも足を動かしておく。
トイレに行く回数が増えて不眠の心配がありますが、痛すぎるこむら返りを体験するよりかは、わずかにいいのかもしれません。
ふくらはぎのマッサージ
こむら返りを予防するためには、ふくらはぎのマッサージで筋肉をほぐしておく必要があります。
ーーこむら返り経験者の声ーー
寝る前にふくらはぎのマッサージをしたら、こむら返りの回数が減った!
いざなったとしても痛みの持続時間が減った!
マッサージの血流改善の効果によって、酸素やミネラルが行きわたり、上記のようなこむら返りの頻度や痛みの持続時間に影響したと考えられます。
とはいえ、お腹が大きくなるにつれて、足のマッサージを自分でするのは疲れますよね。
そこでおすすめしたいのが、「フォームローラー」です。
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お腹が大きくても、テレビを観ながら足をコロコロ動かすだけ。
“痛気持ちいい”程度でOK、しびれや痛みを感じたら無理せずやめましょう。
妊娠中だけでなく産後もずっと重宝するアイテムで、筋肉のこわばりや硬さをセルフチェックできるメリットもあるので、気になる方はぜひ試してみては。
足をあたためる
こむら返りを予防するには、血流の悪化で筋肉がこわばらないように、足をあたためるのが重要です。
妊娠中に足が冷えると、むくみにもなりやすいため、ぜひ妊娠中は温活を意識しましょう。
妊婦の足のむくみ、どう対処する?むくみの原因と解消法を徹底解説【看護師執筆】
約3割の妊婦が悩む「むくみ」は、妊娠に伴う女性ホルモンの分泌や血液量の増加、妊婦特有の姿勢の変化によって起こります。注意すべきむくみの症状や妊婦健診での注意点も解説します。全身の血行をよくするむくみ対策で、妊娠中の不調改善につなげましょう。
実際に、妊娠中にマタニティタイツ・レギンスで足をあたためていた妊婦は、なんと74%というアンケート結果もあります。
4人に1人が妊娠5ヶ月頃に購入したと回答しており、多くの妊婦が足の冷えを早くから意識している結果といえるでしょう。
妊娠中は、子宮が血管を圧迫し、どうしても足の血流が悪くなるため、アイテムを上手に活用しながら足をあたためましょう。
もしものための漢方
多くの予防策をしても、こむら返りに苦しむ場合は、医師に相談した上で漢方の服用を検討しましょう。
産科でも処方されやすい「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、鎮痛作用の「芍薬」と抗炎症作用の「甘草」の生薬からなります。
- 即効性が特徴
- 血圧上昇やむくみなどの副作用に注意
効果が発現するまでの時間は平均6分、効果の持続時間は4時間〜6時間といわれます。
こむら返りが起きてすぐ服用しても効果が期待できるため、枕元に置いておくといいでしょう。
むくみの症状や腎機能に異常がある場合は、医師に確認しましょう。
【こむら返りが起きたら】ふくらはぎを伸ばす・温める
突然こむら返りが起きると、どうすることもできずに、声を上げてじっと我慢するという方もいるでしょう。
結論、こむら返りが起きた場合は、ゆっくりと足先を手前に引っ張りましょう。
お腹が大きくて足先まで手が届かない!という方は、下記の対応を試してみてください。
- 痛いけど立つ
- つま先にタオルをかけて両手で引っ張る
- 壁に足裏を押しつける
- 夫を起こしマッサージを依頼
「過剰に収縮したふくらはぎを伸ばす」のが鉄則で、自分に合った方法を見出すのが最善です。
「こむら返りが起きたら足をマッサージしてくれ」と、事前に夫に依頼していたものの、いざ大事な場面で夫がまったく起きなかった・・という妻の呆れた表情が目に浮かぶような、そんな声もありました。
こむら返りは血流の悪化が原因のため、ふくらはぎは冷やすのではなく「温める」のも鉄則です。
ミネラルを効率的に補うために
こむら返りを予防するためには、適度な運動や筋肉をマッサージしていたわるのと同時に、筋肉に働きかけるミネラルを効率よく摂取するのが重要です。
毎日の生活の中で体をあたためる意識を持ち、ミネラルを積極的に摂れる和食中心の食事を心がけたいものです。
実際、妊娠中に必要な栄養素をバランスよく・・と毎日のレシピを考えるのは大変で、物価高騰も追い風となり、体にいい食材を好きなだけ摂取するのは難しくなりつつあります。
そこで、妊娠中の食事、特にこむら返り予防に摂取したいミネラルを効率的に補うために、普段の料理に加え、サプリメントを味方につけるのはどうでしょうか。
食事だけでは心配な栄養バランスをまんべんなくサポートしてくれて、妊娠中の不調の改善も期待できます。
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