更新日:2024/11/2
妊娠超初期に飲酒してしまった!赤ちゃんへの影響と今できることとは?
妊娠に気づかずに飲酒してしまったという経験のある方は、意外に多いもの。大人ですらお酒を飲むことで何らかの影響が生じる可能性があるのですから、お腹の赤ちゃんはどうなってしまうのかと心配ですよね。
でも大丈夫。妊娠超初期の飲酒は、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼさないことが多いといわれています。
とはいえ特に妊娠初期は、赤ちゃんが成長していくうえでとても大切な時期。飲酒以外にも気をつけたいことが多くあります。
この記事では、妊娠超初期に飲酒してしまった場合の母体や赤ちゃんへの影響について詳しく解説します。妊娠中のお酒に関する疑問点を解決して、健やかなマタニティライフを送りましょう。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
「妊娠超初期」の飲酒は赤ちゃんに影響がある?
結論からいうと、妊娠超初期に飲酒してしまったとしても赤ちゃんに大きな影響はほとんどありません。
妊娠超初期とは、一般的に妊娠が成立したばかりの時期(妊娠0〜3週頃)を指します。この時期は、ママと赤ちゃんをつなぐ胎盤が未完成。そのため、母体が摂取したアルコールや薬の影響は、赤ちゃんにあまり影響を及ぼさないといわれているのです。
それでも赤ちゃんへの影響が心配という場合は、医師に相談してみてくださいね。そして妊娠がわかったからには、今すぐ禁酒しましょう。
妊娠前の飲酒についても気になる方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
[助産師がお答えします!]妊活中のアルコールは大丈夫?注意したい飲み物とおすすめの飲み物
お酒が好きな男性・女性にとって「妊活中のアルコールは飲んでも問題ないの?」など、出産に向けて気になるお悩みですよね。お酒に関する疑問を持つ人は多いのではないでしょうか?今回は、妊活とアルコールの関係と、注意したい飲み物やおすすめの飲み物について紹介します。
妊娠中の飲酒が母体や赤ちゃんに及ぼす影響
妊娠0〜3週の妊娠超初期の飲酒はお腹の赤ちゃんへの影響は大きくないものの、妊娠中の飲酒は避けるべきです。
妊娠中の飲酒は流産や早産を招いたり、お腹の赤ちゃんの成長を妨げたりすることがわかっています。
流産・早産
妊娠中の飲酒、特に中期から後期にかけて多量に飲酒すると、流産や早産のリスクを増加させるといわれています。
飲酒量が多ければ多いほどリスクは高まるほか、分娩時に異常が生じる可能性も。妊娠がわかった時点で禁酒しましょう。
胎児性アルコール症候群(FAS)
妊娠中に多量飲酒すると、お腹の赤ちゃんの成長が妨げられたり先天的な異常が生じたりすることがあります。
このように母親の飲酒が原因で、胎児や新生児にさまざまな障害が現れるのが「胎児性アルコール症候群(FAS)」です。胎児性アルコール症候群になると、以下のような症状が現れます。
胎児の発育・成長障害
FASでは、お腹の赤ちゃんの発育不全が見られます。関与していると考えられるのは、アルコールの主成分であるエタノールと、そのエタノールが分解されて生じる物質アルデヒド。
エタノールやアルデヒドが胎盤を通して赤ちゃんの体内に入ることで、胎児の細胞増殖や発達を障害するといわれています。
知的障害
生まれた赤ちゃんの学習能力や記憶能力、注意力の持続、コミュニケーションなどに障害をきたす「知的障害(精神遅滞)」が生じることも。
特に妊娠中〜後期の飲酒では、知的障害が生じやすいと報告されています。
奇形
妊娠中後期の飲酒では知的障害が多い傾向がある一方で、奇形が生じやすいとされているのが妊娠初期の飲酒。
赤ちゃんの器官が盛んに作られる妊娠初期に摂取したアルコールは、臓器の形成に支障をきたし奇形のリスクを高めるといわれています。
FASでは、顔面や頭の奇形(平坦な顔面や薄い上唇、小頭症など)のほか、心臓や関節の奇形などがみられます。
妊娠中のお酒に関するQ&A
妊娠中は初期から後期まで、全期間を通して禁酒すべきです。そうはいっても「ちょっとでも飲んだらダメ?」「飲みたくなったらどうしよう……」といった疑問や不安を抱えている方もいるかもしれませんね。
ここでは、そんな妊娠中のお酒にまつわるQ&Aをご紹介します。
妊娠中でも少量の飲酒なら大丈夫?
妊娠中の飲酒そのものに関しての安全性は確立されておらず、「このくらいの量までなら大丈夫」という明確な量も明らかにされていません。
しかし1日15mL未満のアルコールを摂取するぶんには、お腹の赤ちゃんへの影響は少ないとされています。15mL未満のアルコールを含むお酒の量は以下の通りです※1。
お酒の種類 | 15mLのアルコールを含む量 |
---|---|
ビール | 350mL |
日本酒 | コップ1/2杯 |
ワイン | グラス1杯 |
一般的に、FASと診断された子どもの多くは多量飲酒していた母親から産まれているとされています。しかし、FASと診断された赤ちゃんの母親の多くは1日60〜90mLを時々飲んでいたとも報告されています※1。
妊娠中にどのくらい飲んでよいのかがはっきりとわかればうれしいのですが、現時点では明らかにされていないのが現状です。
「妊娠中の飲酒の安全性は明らかにされていない=少量の飲酒でもお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性がある」と考え、妊娠中は禁酒すべきであるといえるでしょう。
妊娠中に飲酒したくなったらどうしたらいい?
赤ちゃんのためには禁酒がベストであるとはいえ、どうしても飲みたくなることもありますよね。そんな時は、ノンアルコール飲料を活用してみましょう。
ノンアルコール飲料とは、アルコール度数が0.00%でありながら、お酒を飲んでいる気分を味わえる風味・味の飲料のことです※2。
妊娠中や授乳中も、雰囲気だけでも楽しむことができるでしょう。
ビールテイストやチューハイテイストをはじめ、ワインテイスト、日本酒テイストなど、たくさんのノンアルコール飲料が販売されています。
糖分を多く含むものもあるため飲み過ぎには要注意ですが、好みのものを見つけて味わってみてくださいね。
妊婦さんにおすすめの飲み物については、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
助産師が教える妊婦さんにおすすめの飲み物10選!気をつけたい飲み物と摂取のコツも紹介
妊婦さんにおすすめの飲み物を紹介します。妊娠中はより多くの水分摂取が必要になります。また、妊娠中の色々な特徴から貧血や便秘などのマイナートラブルを抱える方も少なくありません。この記事ではマイナートラブルの改善に有効な水分のとり方を助産師が詳しく紹介します。
飲酒以外にもある!妊娠超初期に避けたいこと・注意したいこと
妊娠が判明したら避けたいことや注意したいことは、飲酒以外にもいくつかあります。詳しくみていきましょう。
喫煙
妊娠中に喫煙すると、たばこに含まれる「ニコチン」の影響により、早産や低体重での出産などにつながる可能性があります。
たばこにはたくさんの有害物質が含まれています。中でも血管を収縮させる作用があるニコチンは母体の血流を妨げるため、お腹の赤ちゃんに必要な酸素や栄養が十分に届けられなくなってしまうのです。
ママ自身の禁煙が必要なのはもちろん、周囲からの受動喫煙も胎児の低体重や早産のリスクを高めるため、家庭内で禁煙を徹底させましょう。
カフェインの過剰摂取
コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどに多く含まれているカフェインも、過剰摂取するとお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼします。
WHO(世界保健機関)では、妊娠中にカフェインを摂りすぎると低体重での出産や流産、早産などのリスクが高まる可能性があるとしています※3。
妊娠中もカフェインの摂取をゼロにする必要はありませんが、コーヒーなら1日にマグカップで2杯程度にしておくことを意識しましょう※3。
妊娠中のカフェインについては、以下の記事で詳しく解説しています。
妊婦にカフェインはなぜダメなの?妊娠中の摂取量の目安や胎児への影響を詳しく解説
妊婦になったらコーヒーは飲んではいけないのでしょうか?カフェインの過剰摂取は、母体と胎児に影響を与えると懸念されていますが1日2杯までであれば、カフェインの過剰摂取にはなりません。今回は、妊娠中に摂っても良いとされるカフェイン量や、カフェイン以外に気を付けたいことについても紹介します。
薬の摂取
妊娠がわかったら、薬の摂取に注意しなければいけません。薬に含まれる成分の中には、お腹の赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるものもあります。
これまで使用していた薬を含め、妊娠中に内服する薬は必ず医師に確認してから使用するようにしましょう。もちろん、市販薬についても安易に使用することは避けてくださいね。
どんな症状の場合でも、産婦人科で処方してもらうと安心ですよ。
今すぐ始められる!妊娠超初期にやるべきこと
妊娠が判明したらお腹の赤ちゃんのためにやるべきことは、実は妊活中からやっておきたいこととイコール。ただし、妊娠がわかってからでも遅くはありません。
規則正しい生活や感染症対策、赤ちゃんの正常な発育に欠かせない葉酸の摂取など、妊娠超初期にやるべきことについて、ご紹介します。
感染症対策
妊娠したら、感染症対策を重点的に行う必要もあります。その理由は、妊娠中は免疫力が低下して感染症にかかりやすくなるため。妊娠中に細菌やウイルスに感染すると、稀に赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともあります。
感染症にかからないようにすることは誰もが必要なことですが、妊娠中は特に注意が必要です。
感染症は、細菌やウイルスなどの微生物が体内に入り込むことによって起こります。手洗いやうがい、生ものは極力控え十分加熱して食べるといった対策で、有害な微生物が体内へ侵入するのを防ぎましょう。
規則正しい生活
ママの睡眠や生活リズムは、お腹の赤ちゃんの成長や生まれてからの生体リズムに影響を与えるといわれています。
例えばママの就寝時間が遅かったり睡眠時間が短かったりした場合、生まれた赤ちゃんの心身の健康に問題が生じる可能性が示唆されています。
赤ちゃんの心と体の健康のために生活を整えることは、妊娠がわかってからでも構いません。早寝早起きを心がけ、おおむね6時間以上の睡眠時間を確保することを意識してみてくださいね※4。
葉酸の摂取
ママが栄養バランスの良い食事を摂ることは、お腹の赤ちゃんにとって大切なこと。特に葉酸の十分な摂取は、赤ちゃんの正常な発育に不可欠です。
葉酸は赤血球の生成やたんぱく質の合成、細胞の成長と分裂などに関与する栄養素です。妊活中から妊娠初期にかけて十分摂取することで、赤ちゃんの先天異常のひとつ「神経管閉鎖障害」の発症リスクを低減できることが明らかになっています。
葉酸は妊活中からの摂取が推奨されてはいるものの、妊娠超初期からでも遅くはありません。妊娠がわかった時点で、葉酸の摂取を意識しましょう。
ビタミンである葉酸は食品からの摂取も可能ですが、より効率よく摂取するならサプリメントの活用がおすすめです。
妊娠超初期に摂りたい栄養素はmamaruで補給しよう!
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、妊娠を希望する方や妊娠初期の方に対し、通常の食事に加え、サプリメントなどから1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています※5。
妊婦さん向けの葉酸サプリにはさまざまな商品がありますが、葉酸以外に必要な栄養素もあわせて摂取するなら『mamaru (ママル)』がおすすめ。
mamaruは妊娠中の女性のために作られた葉酸サプリ。厚生労働省が推奨する食事摂取基準に準じ、葉酸を400μg配合しています。
妊娠中は食事の栄養バランスが重要であることはわかっていても、仕事や家事に加え体調の変化も出てくる妊娠超初期は、献立を考えたり調理したりすることもままなりませんよね。
mamaruなら葉酸以外のビタミンB群や鉄、亜鉛、マグネシウムなど、妊娠中に十分に摂取したい栄養素がオールインワンで補給できます。
さらにmamaruは、約250億個の乳酸菌や食物繊維、ラクトフェリンを配合し、妊娠中の菌活をサポート。
腸内細菌のバランスを整え、多くの妊婦さんが悩まされる妊娠中のお腹の調子をケアし健康維持に役立ちます。
mamaruは業界最小サイズの粒とニオイを抑えるコーティングで、つわりの時期にも飲みやすいのも嬉しいポイント。
これからくるつわり時の栄養補給のためにも、妊娠超初期の今から始めてみませんか?
妊娠がわかったら避けるべきこと・やるべきことについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
妊娠したかもと思ったらまずやるべきことは?病院に行くタイミングや妊娠超初期症状まで徹底解説!【助産師執筆】
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妊娠がわかったらすぐに禁酒することが大切!今できることを始めよう
妊娠に気づかずに飲酒してしまっても、妊娠超初期なら赤ちゃんに大きな影響はほぼないといってよいでしょう。ただし、妊娠しているとわかった時点ですぐに禁酒することが重要です。
少量の飲酒でも赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があることを忘れずに、妊娠中はノンアルコール飲料を楽しみましょう。
妊娠超初期に飲酒してしまったとはいえ、今からでも赤ちゃんのためにできることはたくさんあります。特にサプリメントからの葉酸の摂取は、赤ちゃんの先天性障害を防ぐための有効手段。
お腹の赤ちゃんの健やかな成長のサポートとして、ぜひmamaruをご活用くださいね。
参考文献:
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