更新日:2024/12/5
【妊娠中に情緒不安定になっているママへ】助産師が教える赤ちゃんへの影響と今すぐできる対処法
「理由はないけど気分が落ち込んでいる」「漠然とした不安が消えない」「いつもよりイライラしやすい」
妊娠中のママさん、こんな症状で悩んでいませんか?
妊娠はうれしいライフイベントのはずなのに、情緒不安定になってしまい悩むママは、実は多いです。「ココロを安定させて楽しいマタニティライフを送りたい!」と思っているママも多いはず。
今回の記事では、妊娠中に情緒不安定になっているママへ向けて、赤ちゃんへの影響と今すぐできる対処法について助産師が解説していきます。
◉この記事でわかること・妊娠中に情緒不安定になる理由・マタニティブルーと妊娠うつの違い・情緒不安定による赤ちゃんとママへの影響・情緒不安定、イライラするときの対処法
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
妊娠中の情緒不安定はよくあること
まず情緒不安定になっているママに知ってもらいたいことは、「妊娠中に情緒不安定になっているのはあなただけじゃない」ということです。
妊娠中の情緒不安定はマタニティブルーとも呼ばれていて、妊娠中のママにはよくあることです。
「妊娠中にこんな気持ちになるなんてだめなんじゃないか」など、自分を責める必要はまったくありません。
ただ、「マタニティブルーはよくあることだから我慢しよう」と放っておくと、重症化し妊娠うつになってしまう可能性もあります。
我慢することはせずに、できるだけ気持ちを軽くできるように行動することが大切です。
では、症状が似ているマタニティブルーと妊娠うつの違いを解説します。
マタニティブルーとは
妊娠中のママの3割〜5割が経験するといわれているマタニティブルー。
マタニティブルーとは、妊娠中や出産後に起きる一過性のココロの不調のことです。
マタニティブルーの原因は、ホルモンの影響や妊娠中の生活によるストレス、出産・育児への不安などがあります。
★マタニティブルーの原因についてすぐに詳しく知りたい方はこちら。
マタニティブルーの症状には、
- 特別な出来事があったわけではないのに気分が落ち込む
- 理由はないけど涙が出る
- いつもなら悩まないことなのに不安感が続く
- いつもよりイライラしやすい
などがあります。
生理の前後にも同じ症状を感じたことがある人もいるのではないでしょうか?
妊娠中も生理の前後も、女性のカラダの中では大きなホルモンの変化が起きているため、情緒不安定になりやすいのです。
マタニティブルーによる情緒不安定は、薬剤による治療などは必要なく、長くても1〜2週間で自然におさまります。
妊娠うつとは
妊娠うつの症状はマタニティブルーに似ていますが、1〜2週間でおさまらず、2週間以上続きます。
自然に症状がおさまることは難しく、精神科やカウンセリングなど専門機関への受診や薬での治療が必要です。
妊娠中のうつ病は妊婦さんの10%に発症するといわれています。(※1)
マタニティブルーの症状を我慢して放っておくと、症状が悪化し妊娠うつになってしまう可能性があります。
妊娠うつかも?と気になる方は、こちらの記事でセルフチェック方法について解説しています。
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妊娠中に情緒不安定になりやすい人の特徴
妊娠中に情緒不安定になりやすい人の特徴はこちら。
- 完璧主義で力を抜くことが苦手な人
- 努力家で何事もがんばりすぎる人
- 何事にもまじめに取り組む人
- 悩みや不安、イライラを一人で抱え込みやすい人
- 生理の前後で気分の落ち込みやイライラなど、PMS(月経前症候群)症状が強くあった人
- 持病に精神疾患がある人
完璧主義な人やまじめな人、努力家な人は妊娠生活や出産・育児への理想が高くなりがち。
妊娠中は予期せぬカラダのトラブルや生活の変化がつきものです。自分が思い描いていた理想と違い、ギャップを感じたときに情緒不安定になりやすい傾向があります。
悩みや不安、イライラを一人で抱え込み、人に相談するのが苦手な人も気持ちを吐き出す場所がなく、情緒不安定になりやすいです。
妊娠中の情緒不安定は、おなかの中で赤ちゃんを育てるために大きなホルモンの変動が起きている証拠。まったく恥ずかしいことではないのです。
妊娠中に情緒不安定になる理由
前の項目で紹介した特徴の人以外にも、妊娠中はだれもが情緒不安定になりやすい時期です。その理由を解説します。
ホルモンの影響
妊娠中は赤ちゃんが育ちやすい環境を保つために、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が時期によって増えたり減ったり変化しています。
幸せホルモンと呼ばれるエストロゲンは、脳内のセロトニンの分泌を助けます。エストロゲンの分泌が低下している時期はセロトニンの分泌も低下してしまうことで、イライラや不安を感じやすくなったり、気分が落ち込みやすくなったりします。
また、プロゲステロンの分泌が増加することでささいなことでイライラを感じるようになります。
特に妊娠初期はエストロゲンよりもプロゲステロンの働きが優位になるため、情緒不安定になりやすい時期。妊娠中期になるとエストロゲンとプロゲステロンのバランスが取れて、少し気分が安定しやすい時期になります。
妊娠超初期のイライラについては、こちらの記事も参考にしてくださいね。
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妊娠中の生活によるストレス
妊娠中は時期によっていろいろなカラダの症状が出てきます。妊娠初期にはつわりや眠気、倦怠感が出てくるほか、妊娠中期以降になると腰痛やむくみなどのトラブルが増えます。
いつも以上に体重増加や栄養を気にして食事に気をつかったり、過度な活動は避けたり、禁酒をしたり・・・妊娠中の女性は我慢の連続です。
そうした生活のストレスの蓄積も、情緒不安定の原因になります。
出産・育児への不安
赤ちゃんが生まれるのは楽しみでも、出産や育児への不安はつきものです。
初めての出産の方は、陣痛の痛みへの恐怖や赤ちゃんが生まれたあとの生活は未知の世界。2回目以降の出産の方も、家族が増えることで生活への影響は予測しきれないですよね。
赤ちゃんが生まれる想像はうれしい一方で、不安もあり、情緒不安定の原因になるのです。
赤ちゃんとママ自身への影響は?
妊娠中に情緒不安定になるのはよくあることです。情緒不安定になったからといって、すぐに赤ちゃんやママ自身に影響が出るわけではありません。
ただ、情緒不安定な状態を放っておいてココロの状態が悪化してしまうと、ママのカラダに過度なストレスがかかることになります。
ストレスを感じると、交感神経が優位になることでカラダ中の血管がキュッと収縮します。ストレスを長い間受け続けると、血管が収縮した状態が長くなります。
子宮の中でも血管が収縮した状態が続くため血流が悪くなり、胎盤からへその緒を通して赤ちゃんに送る血流も悪くなってしまいます。
そうすると赤ちゃんに十分な栄養が届かず、胎児発育不全(赤ちゃんがお腹の中で成長が止まる)が起きたり、低出生体重で生まれたりする可能性があります。
血管が収縮すると血圧も高くなりやすく、その状態が続くとママが妊娠高血圧腎症となるリスクも。
また、ストレスによってカラダ中の筋肉も収縮した状態になるので、子宮の筋肉も収縮し、流産や早産、切迫早産となる可能性もあります。
早産と切迫早産の違いを含めて解説している記事はこちら。
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情緒不安定な状態を放っておくとストレスは蓄積する一方です。ストレスによってさらに不安を感じやすくなったり、気分が落ち込みやすくなったりと悪循環。
この悪循環を断ち切るためには、次で紹介する情緒不安定な状態を軽減する方法をぜひ試してみてくださいね。
情緒不安定、イライラするときの対処法
情緒不安定な状態や、イライラを放っておいてもいいことはありません。少しでも自分にあった対処法を見つけていくことが大切です。
ここでは、妊娠中の情緒不安定やイライラするときの対処法を紹介します。
情緒不安定になりにくいカラダをめざす
妊娠中は、栄養面から情緒不安定になりにくいカラダをめざすことで、少しでもココロを穏やかにすることが大切です。
実は、ある栄養素を摂ることでうつ病の予防につながるといわれています。
それは、葉酸とビタミンD。
うつ病が起きるメカニズムは未解明ですが、カラダの中のセロトニン不足が原因の一つだと考えられています。そのため、セロトニンをつくるサポートをする葉酸を摂取することで、情緒不安定になりにくくなると考えられます。
ビタミンDは、妊娠中に摂取量が多いほど出産後の産後うつ症状のリスクが低くなるという研究結果もあり(※2)、葉酸とともに情緒不安定になりにくいカラダをつくる栄養素といわれます。
葉酸とビタミンDは食事から摂取することができますが、効率よく手軽に摂取するならサプリメントがおすすめです。
妊娠中のママの栄養補給に特化して作られたサプリ「mamaru(ママル)」は、葉酸とビタミンDをたっぷりと配合。
葉酸は、厚生労働省が妊娠初期に推奨している400μg、ビタミンDは妊活サプリのなかでもトップレベルの25μgを含み、栄養面から妊婦さんのココロをサポートします。
さらにmamaruは、乳酸菌・ラクトフェリン・食物繊維といった菌活サポート成分も配合し、腸内環境もケア!
情緒不安定と密接な関係にあるセロトニンは、腸を動かす司令を出すときにも使われています。
腸内環境が悪い状態だと便秘にもつながり、腸を動かすためにセロトニンを消費し続けます。すると脳ではセロトニンが不足状態となり、情緒不安定の原因になることも。
妊娠中は便秘にもなりやすい時期。mamaruを活用して腸内環境のケアも忘れずに行っていきたいですね。
mamaruは、妊娠中のママが元気でいるためのオールインワンサプリメント。
産婦人科医監修&無添加で多くの妊婦さんから支持され、今では全国4000店舗以上のドラッグストアでも購入可能です。
店頭よりもお得に購入するなら、こちらの特別価格をぜひチェックしてみてくださいね!
気分転換をする
気分転換できるような活動をすることは、ストレス解消にぴったりです。
自分の趣味を楽しむのもいいですし、この機会に新たなことを生活に取り入れてみるのも◎。
妊娠中におすすめの気分転換の方法は、
- 深呼吸をする
- マタニティヨガをする
- 散歩をする
- 気の合う人と食事に行く
などがあります。
簡単にできる方法である深呼吸は、深く息をすることで副交感神経を刺激し、ココロが落ち着いた状態になります。
妊娠中はお腹が大きくなってくることで深い呼吸がしにくくなります。意識して深く呼吸をする機会を持つことも大切です。
深呼吸は、陣痛の痛み逃しなど出産のときにも使えるので練習しておくといいですよ。
十分に休息をとる
情緒不安定になっているときは、カラダからママへの「休息を取って」というサインでもあります。
睡眠を取ることでカラダの回復を促す成長ホルモンが分泌され、妊娠中の疲れの改善につながります。
また、睡眠は脳の休息にも大切。脳が休まることで自律神経の働きが整えば、ストレスの軽減につながります。
だれかに相談する
モヤモヤしているとき、解決はしなくてもだれかに話すだけでもすっきりした経験はありませんか?
人に自分の気持ちを話すことで、自分の感情や不安を整理することができます。
また、だれかに相談することで解決方法を見つける手がかりになるかもしれません。
身近な人に相談しにくいときには、かかりつけの病院の助産師や住んでいる地域の保健師、カウンセリングなどを受けてみるのもいいですよ。
まとめ
妊娠中の情緒不安定は、ホルモンの影響、妊娠中の生活によるストレス、出産・育児への不安が原因となって、だれにでも起こりうるものです。
しかし「妊娠中の情緒不安定はよくあることだから」と辛い気持ちを我慢して放っておくと、過度なストレス状態になってしまいます。
そして過度なストレスの蓄積は、早産や胎児発育不全など赤ちゃんの成長に関わることも。
そうならないために、できるだけ情緒不安定を解消していくことが大切です。
情緒不安定になりにくいカラダをめざすためには、葉酸・ビタミンD・腸内の菌活サポート成分を配合したmamaruで栄養補給をしていくことがおすすめです。
mamaruを活用して少しでも情緒不安定な気持ちを抑えて、穏やかなマタニティライフを送っていきましょう。
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