更新日:2024/9/26

妊娠中のうつをセルフチェック!知っておきたいマタニティブルーや産後うつとの違いとは【助産師執筆】

知っておきたいマタニティブルーや産後うつとの違いとは
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「幸せな妊娠生活のはずなのになぜか気分が落ち込んでいる」
「いつもは気にならないことが心配になる」
「悲しいことがあったわけじゃないのに涙が出る」

など、妊娠してからいつもと違うココロの状態を感じていませんか?もしかしたらそれは妊娠に伴ううつ病の症状かもしれません。

うつ病は誰にでも起こり得る病気ですが、女性は男性に比べると2倍うつ病にかかりやすく、12人に1人の女性が一生に一度はうつ病にかかるといわれています。

中でも妊娠・出産は、女性にとってカラダにもココロにも大きな負担がかかる時期。そのため、うつ病が起こりやすい時期でもあります。(※1)

2020年以降、自殺による死亡が妊産婦死亡の原因として最も多くなっています。亡くなった方の半数は妊娠前から精神疾患をもっていた女性ですが、妊娠中や産後に精神疾患を発症した方は25%、精神疾患の診断を受けていない方は25%となっています。(※2)

妊娠・出産は幸せなイベントであると同時に、それだけ女性にとってストレスでもあるのです。

今回の記事では、妊娠中のうつについて解説していくとともに、マタニティブルーや産後うつとの違い、妊娠うつにならないためにできることについて解説していきます。

◉この記事でわかること
・妊娠うつセルフチェック方法
・妊娠中に気分が落ち込みやすい理由
・妊娠うつ、マタニティブルー、産後うつの違い
・妊娠うつにならないためにできること

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

【妊娠うつセルフチェック】こんな症状があったら要注意

妊娠うつの症状について紹介していきます。ここ2週間以上の中で、自分に当てはまる症状があるかチェックしてみてください。(※3)

  • 気分が落ち込んだ状態である
  • 今まで興味があったものに関心がなくなったり、喜びを感じにくくなった
  • 食欲が減少したor食欲が増加した、体重が減少したor体重が増えた
  • 眠れないor寝過ぎてしまう
  • ブレーキがかかったように考えたり動いたりすることができないorじっと落ち着いていることができず動き回ってしまう
  • つかれやすい、やる気が出ない
  • 自分は価値のない人間だと感じたり、自分を責めてしまう
  • 思考力や集中力の低下、なかなか物事を決められない
  • 自分自身を傷つけたり死にたいと思うことがある

5個以上当てはまる場合にはうつ状態にある可能性が高いです。

「私は大丈夫」「調子が悪いのは自分が母親になりきれてないからだ」と思ってしまう方もいますが、うつ病はあなた自身が悪いのではなく、誰にでも起こりうるものです。放っておくと症状が悪化してしまう可能性もあります。

上記の症状が一つでもある場合には、精神的に疲れているというココロからのSOSサインです。無理をせずに周りの人に相談したり、専門家に診てもらったりしましょう。

妊娠中はなぜ気分が落ち込むの?

妊娠中のうつ病は妊婦さんの10%、さらに産後のうつ病はママの10〜15%に発症リスクがあるといわれています。(※4)

また、うつ病にまで進行しなくても、多くのママがマタニティブルーを経験しています。

幸せな妊娠生活のはずなのに、なぜ気分が落ち込みやすいのでしょうか。

ここでは、妊娠中に精神的に不安定になりやすい理由を解説していきます。

ホルモンバランスの変化

妊娠中は、妊娠を維持するためのホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンなどの分泌量が時期によって変化していきます。

エストロゲンとプロゲステロンは妊娠・出産に関わるだけでなく、ココロにも影響を与えるホルモンなので気分の浮き沈みに関与します。

ストロゲンは幸せホルモンといわれているセロトニンの働きをサポートしているため、エストロゲンの量が変化することによって気分の落ち込みに関係があると考えられています。

エストロゲンが減少することでセロトニンの働きも低下してしまい、気分の落ち込みを感じやすくなります。

また、プロゲステロンは分泌量が増加することでイライラを感じやすくなります。

特に娠初期は、エストロゲンと比べてプロゲステロンの働きが強く、気分が落ち込みやすい時期。妊娠中期以降はエストロゲンの働きが強くなるため、精神的に安定しやすい時期です。

さらに、出産後に胎盤が出るとエストロゲンが急激に減少するため、再びココロが不安定になり気分が落ち込みやすくなるのです。

妊娠・出産・育児への不安

妊娠中や産後のうつ病を引き起こす要因の一つに、様々なストレスがかかることで脳がストレスを処理しきれなくなり、機能が低下してしまうということがあります。

娠中はカラダと生活が変化していくことで強いストレスを感じやすい時期です。

  • つわりや倦怠感・不眠・むくみなどのカラダの不調
  • 妊娠前の生活との違い・体型の変化などのギャップ
  • 出産の痛みに耐えられるのか、いつ出産になるのかなどの出産への不安
  • 元気な赤ちゃんを産むことができるのか、出産後に赤ちゃんを育てていくことはできるのかなど育児への不安

娠を契機に、今までのライフスタイルが大きく変わることでストレスを感じるだけでなく、妊娠中はホルモンの変化によってストレス耐性が低下する時期でもあります。

そのため精神的に不安定になりやすいのです。

産後のうつ病については、こちらの記事で詳しく解説しています。

10人に1人が産後うつ?原因や症状、対策をチェック!

産後ママの10人に1人は産後うつの症状を抱えており、産後うつは誰でもなりうる病気です。今回は、産後うつの原因や症状、ならないための対策などを詳しく紹介します。

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マタニティブルーと妊娠うつの違いはなに?

「マタニティブルー」と「妊娠うつ」はどちらも気分の落ち込みや悲しい気持ち、不安を感じるなどココロの不調の症状が出る状態です。

一見すると同じような状態に感じますが、マタニティブルーと妊娠うつでは、その後の経過や治療の必要性などが大きく変わってきます

ここでは、妊娠・産後に起こる症状が似ている「マタニティブルー」と「妊娠うつ・産後うつ」の違いについて解説していきます。

マタニティブルーとは

マタニティブルーは妊娠中、出産後に起こる一過性のココロの不調です。”マタニティ”とありますが、出産後にも起こります。

マタニティブルーは30〜50%の女性が経験しているといわれていて、

  • 普段は気にならないことが気になる
  • 気分が落ち込む
  • 涙もろくなる
  • イライラ

など精神的に不安定な状態となります。

産後にマタニティブルーが起こる原因は、

  • 出産の疲労
  • 出産後の急激なホルモン変動
  • 慣れない育児の疲れ

なども要因になり得ます。

症状はうつの症状に似ていますが、”一過性”で長くても1〜2週間で症状はおさまります

妊娠生活や赤ちゃんがいる生活に少しずつ慣れてきたり、ホルモンの急激な変動が落ち着いてきたりすると症状もおさまるため、薬剤による治療などは必要なく、自然に治ります

妊娠うつ・産後うつとは

妊娠うつ・産後うつは妊婦さんの10%、出産後のママの10〜15%がかかるといわれています。

症状はマタニティブルーに似ているものの、2週間以上続きます

きっかけはマタニティブルーと同じこともありますが、不調が強く自然に症状がおさまらないため、薬剤や専門家による治療が必要となります。

こんな方は注意が必要!マタニティブルーや妊娠うつになりやすい人

マタニティブルーや妊娠うつなど妊娠・出産の時期にココロの不調が出やすい人の例を紹介します。

  • 妊娠前に月経前症候群(PMS)が強くあった人
  • 真面目な人
  • 完璧を求める人
  • 臨機応変に対応するのが苦手な人
  • 誰かに助けを求めたり相談するのが苦手な人
  • 精神疾患をもっている方

娠中はママのカラダの変化が大きいほか、赤ちゃんがまだ生まれてきていないのにも関わらず今まで通りの生活を送ることが難しくなるなど、ギャップを感じる時期でもあります。

「今まではできていたのに」と自分を責めることはせず、必要なら誰かにサポートしてもらったり、使えるサービスを活用したり、無理なく過ごせる方法を考えていきましょう

マタニティブルーの対処法

「私もしかしたらマタニティブルーかも?」と思ったら、こちらを試してみてください。

  • 自分が相談したいと思える人に相談する
  • 赤ちゃんを預けて休息を取る
  • 泣きたいときには溜め込まずに泣く
  • 不安なことは書き出してみる
  • 初産婦さんは「ママ1年生」、経産婦さんは「2人目のママ1年生」という気持ちを持つ
  • 「まあ、いっか」と妥協する

タニティブルーは、ココロとカラダからの「つかれているよ、休んで!」というSOSのサインです。

つらい時期にがんばりすぎるとココロもカラダも壊れてしまいます。自分のカラダの声に耳を傾け、無理をしないことが1番大切です。

マタニティブルー・産後うつの対処法についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。

ママと家族に知ってほしい産後うつ対策

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妊娠うつにならないためにできること

マタニティブルーの状態から妊娠うつへと症状が重症化していくこともありますし、もともともっていた精神疾患がきっかけで妊娠うつになることもあります。

妊娠うつには、症状はさまざまですが気力の低下や気分の落ち込み、涙もろさや不安感といった前兆があります

このときに適切に対処することで、妊娠うつを予防することもできます。妊娠うつにならないためにできることの一部を紹介していきます。

一人で抱え込まずに相談する

妊娠中も出産後も、ママにとってカラダにもココロにも強いストレスがかかる時期です。

また、妊娠中や赤ちゃんとの生活では予期しないことも起こります。柔軟に対応できるように周囲の人に相談してサポートを受け、完璧を求めすぎないことがポイントです。

相談しやすい人がいない場合には、かかりつけの病院の先生や助産師、地域の保健師に相談するのもいいですね。

休息をしっかりととる

妊娠中はお腹が大きくなることによってカラダに負担がかかったり、まとまって寝るのが難しくなったりとカラダに疲れが溜まりやすくなります。

「疲れたな」と感じたときには無理をするのは禁物家事の手を抜いたり、誰かの手を借りたり、配食サービスなど使えるサービスを活用して休息をしっかりととることが大切です。

葉酸・ビタミンDの​​摂取

つ病が起きるメカニズムはまだわかっていませんが、感情のコントロールや心の安定に関わる幸せホルモン「セロトニン」がカラダの中で不足していることが原因の一つだと考えられています。

カラダの中でセロトニンをつくるためにはビタミンB3(ナイアシン)や葉酸が必要になります。そのため、葉酸をしっかりと摂取することでうつ病を予防できると期待されています。

また、妊娠中のビタミンD摂取量が多いほど、出産後1か月の産後うつ病症状のリスクが低くなるという研究結果もあります。(※5)

葉酸とビタミンDを積極的に摂取することで、妊娠うつ・産後うつの予防が期待できるのです。

た、葉酸とビタミンDはうつ予防だけでなく、妊娠中の栄養としてもとても大切です。

葉酸は赤ちゃんの将来や命に関わる神経管閉鎖障害のリスクを減らすほか、赤ちゃんのカラダを成長させていくために不可欠な栄養素です。

ビタミンDはカルシウムとともに骨をつくったり、細胞の増殖を助けたり、妊娠高血圧腎症や妊娠糖尿病、切迫早産の予防にも関係があるといわれている栄養素です。

娠中のママのために作られたサプリメント「mamaru(ママル)」は葉酸、ビタミンDをたっぷりと配合

他にも、葉酸の吸収を助けるビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12も入っているので、効率よく栄養を補うことができます。

また、mamaruには妊娠中にうれしい腸内環境を整えてくれる菌活サポート成分を配合。さまざまな研究から、腸内環境が整うとうつの症状にも良い影響があるという報告もあります。

お腹のトラブル予防はもちろん、妊娠中のココロとからだを健やかに保つためにもぜひご活用くださいね。

「気分の落ち込みや不安が続いている」と誰にも相談できないでいるママさんは、ご自身と赤ちゃんのために、まずは新しい習慣から始めてみませんか?

mamaruがあなたの妊娠生活を栄養面からサポートします。

また、葉酸とビタミンDは産後のうつ予防にも効果が期待されています。

出産後は、産後のママ専用の「mamaco(ママコ)」で授乳中に必要な栄養も一緒に摂取していきましょう。

葉酸の効能についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。

葉酸にはどんな効能があるの?妊活中に摂るべき理由と嬉しい効果を解説!【助産師執筆】

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適切な時期に受診する

日常生活に支障が出たり、カラダとココロのつらい症状が続いていると感じたりしたときには専門の病院に受診することが大切です。

「妊娠や育児はつらいもの、がんばるしかない」と思って受診を先延ばしにしてしまうと、うつが重症化してしまう可能性もあります。

専門の病院に受診してもいいかわからない、ハードルが高いと感じるときには妊婦健診に通っている病院で相談することをおすすめします。

「こんなこと相談していいのかな」と辛い気持ちを一人で抱え込んだままにせず、一緒に楽になる方法を見つけていきましょう

まとめ

妊娠・出産は女性にとってしあわせなイベントであると同時に、とてもストレスがかかる時期です。

誰もがうつになる可能性があり、無理をしてがんばりすぎるのは禁物。うまく力を抜きながら妊娠生活を送っていきたいですね。

mamaruには妊娠中に不足しがちな栄養素はもちろん、うつ症状にもアプローチする成分が含まれています。

また、健康な赤ちゃんとママのカラダをつくるためにも、栄養はしっかりとバランスよく取ることが大切。

サプリメントを活用して手軽に必要な栄養素を摂取し、残りのマタニティライフを元気に過ごしましょう。

考:

(※1)厚生労働省:妊娠・出産に伴ううつ病の症状と治療
(※2)日本産婦人科医会医療安全部母子保健部:
自殺による妊産婦死亡について
(※3)American Psychiatric Association:精神疾患の診断分類第5版(DSM-5-TR)
(※4)日本産婦人科医会:
産後うつ病について教えてください
(※5)角田かすみ他:
妊娠中のビタミンD摂取と産後うつ病症状のリスク

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