
更新日:2025/8/26
不育症になりやすい人の特徴とは?原因や今できることを不妊カウンセラーが解説

「また流産だった…」「なんで私だけ? もしかして不育症…?」 そんな不安やつらさを抱えていませんか。
流産を繰り返すと「原因は何だったのか」「私にできることはあるのか」と考える方もいるかもしれません。
流産の多くは赤ちゃんの染色体の異常によるものですが、中には原因が特定でき治療をした方がよいケースもあります。
また、原因にもよりますが、不育症でも最終的には 80%以上の方が出産できるともいわれています。
この記事では、不育症を経験した不妊カウンセラーが不育症になりやすい方の特徴や、今からできることをお伝えします。少しでも、心の整理や次の一歩のヒントになれば嬉しいです。
この記事に登場する専門家
【葉酸サプリmitas監修・妊活専門産婦人科医】美加レディースクリニック院長 金谷美加先生
生殖医療専門医、産婦人科医、母体保護法指定医、医学博士
実は妊活期と妊娠期では必要な栄養素は違います。市販の葉酸サプリは「妊活期」と「妊娠期」を分けていないものもありますが、時期ごとに必要な栄養素を摂ることが大切です。
栄養だけでなく、冷えにも気をつけたいもの。子宮の血流が悪いと卵子着床が難しくなり不妊の一因にも繋がるため、しっかりと体を温めることが大事です。
不育症になりやすい人の特徴は?
不育症とは、流産や死産を2回以上繰り返し、お腹の中で赤ちゃんが育たない状態のことです。
原因を調べても不明な場合が多いですが、いくつかの要因があると流産のリスクが高まるといわれています。ここでは、その流産リスクを高める要因(リスク因子)についてご紹介します。
※ここでいう「原因」は、必ず流産につながるものというわけではありません。あくまで、その要因があることで流産の確率が上がるとされるものです。
血栓ができやすい
血栓(血のかたまり)ができると、胎盤の血流が悪くなり、赤ちゃんに十分な栄養や酸素が届かなくなります。結果、流産につながると考えられています。
次のような病気は血栓ができやすい要因です。
- 抗リン脂質抗体症候群
- 血液凝固因子異常
検査でこれらの病気の可能性があると分かった場合は、血液をサラサラにする薬による治療が行われます。
抗リン脂質抗体症候群
抗リン脂質抗体症候群とは、抗リン脂質抗体という自己抗体が原因で血栓ができやすくなる病気です。血液が固まりやすくなる代表的な病気のひとつといわれます。
血液凝固因子異常
代表的なものとして、
- プロテインS欠乏症
- プロテインC欠乏症
- 第XII因子欠乏症
などがあります。
プロテインSやプロテインCは血液の凝固を防ぐ働きがあり、これらが不足すると血栓ができやすくなります。第XII因子が不足しても同様に、血液が固まりやすくなります。
染色体の構造に異常がある
夫婦のどちらか、または両方に染色体の構造に異常があると、異常をもつ精子や卵子ができやすくなり、その結果、流産の可能性が高まります。
ただし、染色体異常の検査は慎重に行うことが大切です。多くの場合、両親から受け継ぐため、兄弟にも影響する可能性があるためです。
精神的な負担が心配なときは、夫婦のどちらに異常があるかを特定せずに説明を受ける方法もあります。
子宮の形に異常がある
生まれつき子宮の形に異常があると、流産のリスクが高くなることがあります。
よく知られている例としては、子宮の内部が2つに分かれている「双角子宮」や、中央に仕切りがある「中隔子宮」などがあります。
また、子宮の内側に良性の腫瘍ができる「子宮粘膜下筋腫」も、不育症の原因の一つとされています。
状況によって、手術が行われることがあります。
ホルモンの分泌に異常が見られる
甲状腺の病気や糖尿病など、内分泌の異常があると流産しやすくなることがあります。
血液検査で甲状腺の数値が低い・高い、または血糖値が高いと分かった場合は、数値を正常に保つための治療が行われます。
年齢が高い
35歳を過ぎると、流産の確率が高くなります。
流産の多くは、赤ちゃんの染色体異常によるもの。これは夫婦の染色体が正常な場合でも起こります。
若い年齢でも偶発的に赤ちゃんの染色体異常は起こりますが、年齢が上がるほどその頻度は高くなります。
年齢と妊活の関係については、以下のコラムでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
そもそも不育症ってどんな病気?
流産をしてしまったとき、「自分は不育症なのだろうか?」と感じる方もいるかもしれません。
ここでは、そもそも不育症とはどのような病気なのか、そしてどのくらいの人が経験しているのかをお伝えします。
不育症とは
不育症とは、流産や死産を繰り返し、赤ちゃんを迎えることができない状態を指します。
2回以上続けて流産した場合は「反復流産」、3回以上続けて流産した場合は「習慣流産」と呼び、これらも不育症の定義に含まれます。
不育症が発症する頻度
妊娠において流産は約15%の確率で起こり、決して珍しいことではありません。多くの場合、その原因は赤ちゃんの染色体異常であり、偶然が重なって続くこともあります。
2回以上流産を経験する方は約5%、3回以上の流産を経験する「習慣流産」の方は約1%といわれています。
正確な頻度や人数を把握するのは難しいのですが、日本では2回以上の流産歴がある不育症の方が約3.1万人、そのうち約6600人が3回以上の流産歴を持つと推定されています。
流産に関してはこちらのコラムも参考にしてください。
不育症の治療法は?
不育症はまだわかっていないことが多く、「これがあると必ず不育症になる」という明確な原因は特定されていません。
ただ、中には治療法が確立されているものもあります。また、検査の結果、現時点では治療の必要がないとわかり、前に進めるケースもあります。
ここからは、どのような治療が行われるのかを見ていきましょう。
原因ごとの治療を行う
不育症の治療は、まず不育症のリスク因子があるかどうかを調べる検査から始まります。
検査でリスク因子が見つかった場合は、その原因に応じた治療が行われます。
たとえば抗リン脂質抗体症候群では、無治療で赤ちゃんを授かる確率が約25%だったものが、薬物治療によって70〜80%程度まで高まるといわれています。
また、染色体に異常がある場合は、流産を避ける方法のひとつとして着床前診断が提案されることも。
染色体異常は生まれつきのもので治すことはできませんが、異常があっても出産できる可能性は十分にあります。特に均衡型転座というタイプでは、最終的に60〜80%が出産に至ることが最近わかってきています。
まずは、治療が必要な原因はないか確認することが大切です。
原因不明の場合はどうする?
実際には検査をしても原因が特定できないケースが多く、約半数は原因不明といわれています。
原因不明の治療法は確立されていないものの、無治療でも比較的高い確率で赤ちゃんを授かれることがわかっています。
原因が見つからなければ、無治療のまま次の妊娠に臨むことになりますが、過去のデータではこのような調査結果も出ています。
◆流産回数と次の妊娠を継続できた割合
- 2回…約80%
- 3回…約70%
- 4回…約60%
- 5回…約50%
原因が見つからないと「対策ができない」と落ち込む方もいるかもしれません。しかし、この結果は特別な治療をしなくても、次の赤ちゃんを授かる可能性は十分あるということを示しています。
心のケアも大切
流産を繰り返すことは、からだだけでなく、心にも大きな負担となります。
次の妊娠を望むときも、少しお休みしようと考えるときも、不育症では心のケアがとても大切。その方法のひとつに「Tender loving care(TLC)」があります。
これは、患者さんに優しさと愛情を持ち、思いやりをもって寄り添うことを基本とした精神的サポートです。
妊娠前から妊娠中にかけて、このようなケアを受けることで、赤ちゃんを無事に授かる確率が上がる可能性があるといわれています。
厚生労働科学研究班の調査でも、流産を2回経験し原因が見つからなかった不育症の方にカウンセリングを行った結果、生児獲得率が56.9%から79.4%へと改善したという報告があります。
まだ研究の途中ではありますが、こうした心の支えは妊娠の経過や結果に良い影響をもたらす可能性が高いため、検査と同時に受けるべき治療といえるでしょう。
不育症かも?と思ったときにできること4つ
流産を繰り返す中で「今の自分にできることはないだろうか」と考える方は少なくありません。最後に、今できることを4つご紹介します。
検査を受ける
抗リン脂質抗体のように、治療を行うことで赤ちゃんを授かる可能性が高まるケースもあります。また、原因不明の場合でも、次の妊娠に向けて前向きな気持ちを持てることも。
「もしかして不育症かも…」と思ったら、まずは検査を受けてみることをおすすめします。
不育症の一般的な検査や治療の多くは保険が適用されます。ただ、中には保険適用外の検査もあるため、詳しくは医療機関に確認してみましょう。
また、不育症に対する助成金制度を設けている自治体もあり、検査や治療の内容によっては助成を受けられる場合もあります。事前に確認しておくと安心です。
心のケアを受ける
不育症は、大きな精神的負担を伴うため、心のケアがとても大切です。
流産や死産を繰り返す経験によって、次の妊娠に不安を感じたり、前向きになれなくなったりするのはごく自然なこと。無理に気持ちを切り替えようとせず、ときにはカウンセリングや心理的サポートを受けることも、自分を守る大切な方法です。
一人で抱え込まず、カウンセリングも検討してみましょう。寄り添ってくれる存在とつながることで、少しずつ心が軽くなるきっかけが見つかるかもしれません。
生活習慣の見直し
大きな原因ではありませんが、喫煙や過度のアルコール・カフェイン摂取は、不育症の一因になる可能性があります。
特に、アルコールや喫煙の習慣はすぐにやめるのが難しい場合もあるため、妊娠を考える前から、無理のないペースで少しずつ生活習慣を整えていくことを意識してみましょう。
生活習慣の見直しとしてできることについては、以下のコラムもぜひ参考にしてみてくださいね。
適正体重の維持
肥満は流産のリスクになるといわれています。また、やせすぎも赤ちゃんが小さく生まれてしまう可能性があるため、適正体重を保つことが大切です。
適正体重は、BMI(体格指数)= 体重(kg) ÷ 身長(m)²で算出し、18.5〜24.9の範囲が目安とされています。まずは、自分は適正体重の範囲内なのか確認してみましょう。
食事の見直しと運動習慣
適正体重を保つには、食事と運動のバランスが大切です。摂取カロリーが消費カロリーを上回れば体重は増え、逆なら減っていきます。
30〜40代女性では、活動量にもよりますが1日1,750〜2,300kcalが目安。最近は摂取カロリーが足りないやせ型の女性も増えているといわれるため、1日2食の方などは特に注意が必要です。
また、痩せようとしてごはんだけ抜いたり、野菜だけを食べるのは栄養バランスを崩す原因に。
白米にもたんぱく質やミネラルが含まれており、主食を抜くと他の食事で補おうとして油分をとりすぎてしまうこともあります。
主食・主菜・副菜をそろえた1日3食を基本に、無理のない食事量と適度な運動を心がけましょう。体重や食事バランスの管理には、アプリを活用するのもおすすめですよ。
適正体重については以下のコラムも読んでみてくださいね。
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不育症を疑ったら一人で悩まずにまずは受診を
繰り返す流産は、心にも体にも大きな負担となります。「どうすればいいのだろう…」と、一人で悩み続けてしまう女性も少なくありません。
もし少しでも「不育症かも」と感じたら、まずは医療機関を受診することが大切です。受診に加えて、カウンセラーに今後の進め方や気持ちを相談することも検討してみましょう。
この辛さに寄り添い、支えてくれる人は必ずいます。どうか一人で抱え込まず、頼れる相手を見つけてくださいね。
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参考サイト:
1)メディカルレビュー社.データから考える 不妊症・不育症治療
2)一般社団法人日本生殖医学会.(旧 不妊症Q&A) > Q17.不育症とはどういうものですか? 一般のみなさまへ 生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A)
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