更新日:2024/8/24
排卵日が早まる原因は?妊娠への影響や生理周期を整えるポイントを解説
予定より生理が早く来てしまった場合、排卵が早まった状態であることをご存じの方もいるでしょう。
たまに早く来る程度であれば、あまり気にならないかもしれません。しかし、頻繁に続くと「何かの病気ではないか」「妊活に影響があるのでは」と不安に感じてしまいますよね。
この記事では、排卵日が早まる原因や妊娠への影響に加え、生活習慣の改善によって生理周期を整えるポイントなどをご紹介します。
生理周期と排卵日の関係を改めておさらいしたい方、生理周期を整えたい妊活中の方はぜひ参考にしてくださいね。
この記事に登場する専門家
助産師 四辻有希子
大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。
〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター
排卵日が早まるってどんな状態?
まずは排卵の仕組みや、排卵が早まるとどのようなことが起こるのか見ていきましょう。
排卵と生理・ホルモンとの関係
排卵と生理、女性ホルモンの働きには密接な関係があります。大きくわけて4つの時期がある生理周期について、簡単におさらいしておきましょう。
卵胞期
生理が始まる時期と同じ頃に、卵子のもととなる卵胞が、卵巣の中で成長を開始します。この時期が「卵胞期」です。
女性ホルモンの一つである卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が、徐々に高まっていきます。
排卵期
黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌が高まる時期です。
成熟した卵胞から卵子が排出される「排卵」が起こります。
黄体期
排卵後に卵胞が黄体に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌し始める時期です。
プロゲステロンの分泌が高まるに従い、子宮内膜が厚くなり妊娠に適した状態に仕上げられていきます。
月経
この時期に卵子が受精しなかった場合、黄体は退化しプロゲステロンの分泌は低下します。
子宮内膜がはがれ落ちると同時に、血液とともに体外に排出され、月経が始まります。
排卵日が早まると現れる症状
排卵日が早まると生理周期が短くなります。
排卵は、卵胞が形成され始める時期(生理1日目)から数えて14日前後に起こることが一般的です※1。
しかし何らかの原因により卵胞期が短縮されると、排卵日は早まり生理も早く来ます。
なお、正常な月経周期は25~38日です※2。この期間内であれば生理予定日がズレたとしても何ら心配はありませんが、24日以下や39日以上の場合は「月経異常」とみなされます。
月経異常には何らかの病気が隠れている可能性もあるため、医療機関へ早めに相談しましょう。
生理周期と排卵日の関係については、こちらの記事も参考にしてくださいね。
排卵日っていつ?調べ方と計算方法を知ってスムーズに妊活を進めよう【助産師執筆】
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妊娠への影響は?
排卵と生理周期が早まっている状態でも、基礎体温の高い時期が2週間程度と安定していれば、卵子の成熟も十分かつ黄体ホルモンの分泌も正常であると考えられます。
断定はできないものの、このようなケースであれば妊娠には悪影響を及ぼす可能性は低いでしょう。
しかし、生理が早く来たうえ高温期が不安定な場合は、卵子が十分に成熟する前に排卵されている可能性も。
このような場合は、妊娠しづらい状態にあるといえます。
妊娠に悪影響を及ぼすような排卵日のズレを引き起こす原因については、このあと詳しく解説します。
排卵日が早まる原因
体に問題がなく、生理周期が正常な方でも排卵日が早まることはあります。また、もともとの体質により、排卵日が早めの方もいるでしょう。
しかし、排卵日のズレはライフスタイルやストレスなどに大きく影響されるといわれています。
ここでは、排卵日が早まる3つの原因について見ていきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
排卵日が早まる主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。
排卵や生理といった女性特有のメカニズムには、2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」が関わっています。
通常、卵巣から脳の視床下部(ししょうかぶ)という部位へ信号が送られることでこの2つのホルモンの分泌が調節されていますが、視床下部はストレスへの対処も担う部分。
そのため、強いストレスがかかると、女性ホルモンの分泌に影響が出てしまうことがあるのです。
また、視床下部は自律神経の中枢となる部位でもあります。
ストレスはもちろん、睡眠不足や不規則な生活などによって自律神経の働きが乱れると、女性ホルモンの分泌にも悪影響を及ぼす可能性があります。
卵巣機能の低下
排卵日が早まる原因の一つとして、卵巣の働きが低下している可能性も考えられます。
加齢が原因であるケースもあれば、体調不良やストレス、冷えなどが要因となることも。
生活習慣の乱れやストレスなどを取り除く工夫をしたり、冷えないような服装や食生活を意識したりすることも、排卵日を整えるためには必要であるといえます。
病気の可能性
排卵日が早まった場合、思わぬ病気が隠れているケースも否定できません。
排卵日が早まる可能性のある病気としては「卵胞期短縮症」や「黄体機能不全」などが挙げられます。
卵胞期短縮症は卵胞期が、黄体機能不全は黄体期が短くなることで、排卵日や生理周期に影響がおよびます。
意識して生活改善をしても月経周期が正常範囲より短い場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
生理周期を整えるためのポイント
ホルモンバランスや卵巣機能を正常に維持するためには、食事や運動といった生活習慣の見直しも重要です。
規則正しい生活
正常なホルモンバランスを保つためには、規則正しい生活を送ることがポイント。
夜更かしをしたり食事を抜いたりなどを繰り返していると、ホルモンバランスも崩れていきます。
特に生理周期に大きな影響を及ぼすのが睡眠不足です。規則正しい生活を心がけ、6時間以上の十分な睡眠時間を確保しましょう※3。
睡眠時間に加え、睡眠の「質」を高める生活習慣を身につけることも大切です。
寝つきを良くするための適度な運動や、就寝2~3時間前の入浴※4なども意識してみてくださいね。
妊活中の睡眠時間について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になりますよ。
妊活中は男女ともに睡眠が大切!妊娠率の上がる睡眠時間とは?
妊活中には男女ともに6〜8時間程度の質の高い睡眠をとることで妊娠率を上げることができます。アメリカの研究からわかった男女別の妊娠しやすい睡眠時間や、妊活中に睡眠の質を上げる方法を解説します。
栄養バランスのよい食事
無理なダイエットや偏った食事は、栄養不足を招きホルモンバランスも乱します。体に必要な栄養素が不足すると、妊活に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。
特に妊活中は葉酸や鉄、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB群の積極的な摂取が推奨されます。
しかし、そうはいっても毎食栄養バランスのよい食事メニューを考えるのはひと苦労ですよね。
そんなときは毎日の食事にプラスして、妊活中に十分補給したい栄養素を配合したサプリメント「mitas(ミタス)」を活用してみませんか?
妊活期の女性専用に作られたmitasは、日常の食事では十分に摂取できない栄養素を手軽に摂取できるオールインワンサプリメントです。
特に妊活中から妊娠初期にかけて、十分な摂取が推奨されている葉酸は400μgを配合。
厚生労働省では、妊活中〜妊娠初期は通常の食事以外からも1日あたり400μgの葉酸を摂取することを推奨しています※5。
これは、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害を予防し、健やかな成長に働きかけるために必要な量です。
その他、mitasには着床率に良い影響を与えるとされるビタミンDや鉄、亜鉛、マグネシウムなど20種類以上の栄養素に加え、和漢素材を配合。温活力を高め、冷えのケアにも役立ちますよ。
生理周期を整えるサポートとともに、妊娠に向けた体づくりのひとつとして、ぜひ今からmitasを始めてみてくださいね。
適度な運動
適度に体を動かすことは、自律神経の働きを整えることに役立ちます。
自律神経は女性ホルモンと深い関わりのある神経です。適度な運動で自律神経の働きが正常に保たれれば、ホルモンバランスを整える効果も期待できるでしょう。
おすすめなのは、体への負担があまり大きくない有酸素運動です。有酸素運動にはウォーキングやジョギング、サイクリングといった比較的気軽に行える運動があります。
自律神経を整える作用のほか、体脂肪の減少や血流促進といった効果も期待できる点もうれしいポイントです。
運動する時間があまり取れないという方は、階段を使ったり自転車や歩きで買い物に行ったりするなど、普段の生活に合わせた「ながら運動」もおすすめ。
また、隙間時間や寝る前に行うストレッチなども有効なので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
ストレスの少ない生活
ストレスを抱えることもホルモンバランスの乱れにつながるため、生理周期に影響を与えます。
ストレスをゼロにするのは難しいことですが、自分なりの解消方法を見つけて溜め込まないようにすることが大切です。
好きな音楽を聴いたりカラオケで歌ったり、スポーツを楽しんだりするのはもちろん、友人に話を聞いてもらったりグチをこぼしたりするだけでも意外とストレス発散できますよ。
排卵日がズレがちでもタイミングを逃さない方法
タイミング法では排卵日の予測が重要です。とはいえ、排卵日がズレがちで悩んでいる方もいるかもしれませんね。
規則正しい生活やストレスコントロールはもちろん大切ですが、基礎体温のチェックや検査薬などを活用して妊娠の可能性を高めましょう。
基礎体温をチェックする
基礎体温の測定は排卵日を知る手軽な方法ですが、忘れてしまったり面倒に感じたりしてしまうことも少なくありません。
基礎体温は毎日測定することが理想ですが、1〜2日忘れても続けることがポイントです。
自分でメモを取ることに面倒さを感じる方は、アプリの利用もおすすめです。排卵日の予測機能に加えて基礎体温を記録できるものをチョイスすれば、より簡単にタイミングが把握できるでしょう。
排卵日付近の基礎体温の動きについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
排卵日が近づいてきたら読みたい!排卵日付近の体温の動きまとめ | 助産師監修
排卵日前後は基礎体温が大きく動いたり、逆に全く変わらず不安になるかと思います。各ケースごとに、体温の動きとからだで起こっていることを説明しました。
排卵日予測検査薬を活用する
尿中に含まれる黄体形成ホルモン濃度の変化を捉えることで、排卵日を予測できる「排卵日予測検査薬」。薬剤師のいるドラッグストアや薬局、インターネット通販などで購入可能です。
排卵前は黄体形成ホルモンの分泌が増加し、血中および尿中濃度も高まります。排卵日予測検査薬はこの変化を捉え、排卵日の予測をサポートしてくれるのです。
手軽に行える基礎体温の測定だけでも、排卵日の予測は可能でしょう。しかし、生理周期のズレがちな方が基礎体温だけで排卵日を予測することはなかなか難しいもの。
基礎体温の測定と併せて排卵日予測検査薬を活用することで、よりタイミングが計りやすくなるでしょう。
かかりつけの医療機関でエコー検査を行う
医療機関でのエコー(超音波)検査で卵胞の状態をチェックし、排卵日を予測する方法もあります。
タイミング法や排卵誘発剤の使用など、何かしらの治療を行っている場合は保険適用内で実施できますが、それ以外の方は自費での検査が必要です。
卵胞の発育状況に加え、尿検査の結果や基礎体温表をもとにした医師からのアドバイスが受けられるためより正確であるといえます。
心身のバランスを整えて排卵日のズレを改善しよう
排卵日と生理周期には密接な関係があり、排卵日が早まれば生理周期も短くなります。
生理が早く来たとしても、正常範囲内の周期であれば問題ありません。また、基礎体温の高温期が安定していれば、妊娠への悪影響もないと考えられます。
生理周期が正常範囲を外れて短くなる主な原因は、生活習慣やストレスによるホルモンバランスの乱れです。
そのため、まずは規則正しい生活を心がける、栄養バランスのよい食事を摂るなど生活習慣を見直してみるとよいでしょう。
特に、体に不可欠な栄養素をまんべんなく摂取することは、妊娠に向けての体づくりへの第一歩。
厚生労働省が推奨する葉酸量に加え、20種類以上の栄養素、温活をサポートする成分が配合されたmitas(ミタス)なら、毎日の食事の栄養バランスをサポートしてくれますよ。
生理周期を整えるカギは、食事や運動、睡眠などの生活習慣。ホルモンバランスを整えるための健康的な生活習慣を身につけて、妊活に役立ててくださいね。
参考文献:
※1 文部科学省 スポーツ女子の体の気がかり解決BOOK
※2 厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト|女性特有の健康課題|月経について
※3 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド 2023
※4 厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
※5 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)基準 (2)水溶性ビタミン
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