更新日:2024/6/26
妊娠初期症状って?生理前症状との違いとチェックしたい15項目
妊活をしていると「これってもしかして妊娠初期症状?」と感じるときがあるかもしれません。
そうなったときに知っておきたいのが、妊娠初期症状の種類と生理前症状との違いです。
実はこの妊娠初期症状と生理前症状はよく似ているため、実際はどちらなのか迷うことも多いのです。
今回は、妊娠初期症状についてと生理前症状との違い、「妊娠しているかも」と思ったときにやるべきことについて紹介します。
この記事に登場する専門家
海田幹子
妊娠初期症状とは何か?
妊娠初期症状って何?いつからあるの?
「妊娠初期症状」とは、妊娠初期(1ヶ月〜4ヶ月)にみられる体の変化のことをいいます。
妊娠初期症状の例としては、微熱や便秘、胸の張りなど、人によって症状はさまざまです。
いつから妊娠初期症状が表れるのかというと、早い人で妊娠3週目あたりから表れるようです。
早く表れる人がいる一方で、大きな症状が見られない人もいます。
妊娠初期症状の原因とは?
妊娠初期症状の原因は、妊娠に関わるホルモンの分泌が影響しているといわれています。
妊娠に関わる主なホルモンは、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」「黄体ホルモン(プロゲステロン)」「hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)」の3種類です。
それぞれのホルモンについて詳しく見てみましょう。
・卵胞ホルモン(エストロゲン)
卵胞ホルモンは、その名の通り、卵胞から分泌される女性ホルモンです。
どちらかというと、美容などの話で「エストロゲン」という名前を聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか?
卵胞ホルモンの主な役割は「妊娠の準備と女性らしい体づくり」です。
卵子の成熟を高め、子宮内膜を厚くし、出産後に母乳を分泌させるため乳腺を発達させるなどの作用があります。
他には、コラーゲンの生成を促したり、自律神経の働きを安定させたりという役割も持っています。
・黄体ホルモン(プロゲステロン)
黄体ホルモンとは、卵巣の中の「黄体」という組織から分泌されるホルモンです。
排卵から月経開始までの期間に分泌されるため、その期間は黄体期と呼ばれています。
黄体ホルモンの主な役割は「妊娠が維持するよう助けること」です。
卵胞ホルモンによって厚くなった子宮内膜を柔らかくして妊娠しやすい状態にし、妊娠継続を助けるために基礎体温の上昇や乳腺の発達、食欲の増進などを促す働きがあります。
・hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)
hCGホルモンは、妊娠した女性にだけが分泌するホルモンです。
そのため、薬局などで買える妊娠検査薬の多くは、尿に含まれるhCGホルモンの有無によって妊娠しているかどうかを判断するというものになっています。
hCGホルモンの主な役割は「妊娠の維持」
具体的な内容は、卵巣黄体の保持と、黄体を刺激して黄体ホルモンの分泌を促すことです。
これから妊娠を見極めるための15項目をお伝えします。
少しでも妊娠かも!と思った方は、早目の行動が大切です。特に食生活において、葉酸という栄養素は妊婦さんにとって必須です。
下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください!
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チェックしてみよう!妊娠初期症状15項目
「これって妊娠初期症状かな?」と思ったら、まずはこの妊娠初期症状15項目をチェックしてみましょう。当てはまるものが多いほど、妊娠が現実味を増してきますね。
1.食欲の増加や食欲不振
妊娠中の食欲の増加や減退は、つわりの一種と考えられています。
食欲の増加や減退だけでなく、「好きだった食べ物が受け付けない」「同じ食べ物ばかり食べたくなってしまった」など、食に関する変化が見られることも。
妊娠による食欲不振の場合、無理をして食べる必要はありません。食べられるものを食べてゆっくり休むのがおすすめです。
2.下腹部の張りや痛み
妊娠すると、生理前のようなお腹の張りや鈍い痛みを感じる人がいますが、これはhCGホルモン(妊娠した女性にだけが分泌するホルモン)やホルモンバランスの乱れが原因といわれています。
また、妊娠中は便秘になりやすいため、便秘による下腹部の張りという場合もありえます。
妊娠の可能性がある人は、「生理痛だ」と思って安易に鎮痛剤の服用は控えるほうが良いでしょう。
薬の中には、妊娠中は控えたほうが良い薬が存在しているからです。
薬を服用したい際は、医師に確認してからにすると安心ですね。
3.体がだるく眠い
妊娠中は黄体ホルモンの分泌が維持されるため、その影響で体がだるくなったり、寝ても寝ても眠かったりするといった症状がでる人もいます。
ホルモンの影響なので、自分の力でどうにかできることはありません。できるだけ体を休めて自分を労わってあげてくださいね。
4.気分の浮き沈み
妊娠すると、体の中のホルモン量が急激に変化するため、些細なことで落ち込んだり不安になったりイライラしたりといった、気分の変化がある人もいます。
そんな気持ちの浮き沈みに自己嫌悪してしまう人もいるかもしれません。
しかし、それはあなたのせいではないのです。“ホルモンの影響だ”と思い直し、自分なりの気分転換をして乗り切りましょう。
5.胸が張る
胸の張りは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの影響で、乳腺が発達しようとしているサインです。
しかし、生理前にも胸が張る人はいるので、生理予定日を大きくすぎても張ったままの場合は妊娠の可能性を考えても良いでしょう。
6.腰痛
妊娠をすると、赤ちゃんが産道を通って出てこられるように、「リラキシン」というホルモンが分泌されます。
リラキシンは、体のじん帯を緩和し骨盤周りを緩めるため、体の重心が変化して腰痛につながることも。
腰痛以外には、肩こりや背中の痛みに悩まされる人もいます。
体に痛みがある場合は、体を温め、血流を良くすると痛みが緩和されやすいですよ。簡単なストレッチなどもおすすめです。
7.においに敏感になる
妊娠初期症状として、いつもは気にならないにおいが急に気になるときがあります。
これは、においつわりの初期だと考えられていて、炊きたてのご飯や柔軟剤、化粧品のにおいなどのにおいが苦手となる人が多いようです。
においに敏感になってしまうのはどうしようもないので、不快に思うにおいは生活の中からなるべく取り除くと良いでしょう。
8.頭痛やめまい、立ちくらみ
ホルモンバランスの変化により自律神経系が乱れ、頭痛やめまい、立ちくらみが起こるときがあります。
また、妊娠中は血液量が増え血管が広がる影響で、血圧が変動しやすくなり立ちくらみを起こすという場合もあります。
下腹部の張りや痛みの場合と同様に、頭痛があるからと安易な鎮痛剤の服用は避け、まずは医師に相談しましょう。
9.体がむくむ
黄体ホルモンには、体に水分を溜めやすくする作用があるため、体がむくんでしまう人もいます。むくみ対策には、塩分を控えた食生活が大切です。
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10.肌トラブル
ホルモンの乱れによって肌トラブルを引き起こす人もいます。たとえば、ニキビや乾燥、かゆみなどのトラブルがでる人が多いようです。
肌トラブルを感じる人は、基礎化粧品を見直し、刺激が少ないものを選ぶようにしましょう。
11.頻尿・便秘
ホルモンの影響で膀胱付近の筋肉が緩み、排尿回数が増える人がいます。
また、hCGホルモンやホルモンバランスの変化によって便秘になる人も多いようです。
便秘への対策は、こまめな水分補給と食物繊維の摂取がおすすめ。
食物繊維を多く含む食べ物の代表例は、きのこや海藻類などです。腸の運動を助けるストレッチやマッサージも積極的にやってみましょう。
12.微熱
妊娠するとホルモンの影響で普段よりも高い体温を維持する「高温期」が続くため、それが微熱になることもあります。
妊娠の可能性があるときは、安易な解熱剤の服用は控え、まずは医師に相談してみてくださいね。
13.着床出血
着床出血とは、受精卵が子宮に着床する際に起こる出血のことをいいます。
生理との違いは、出血量です。着床出血はサラサラの血が少量で1〜2日でなくなります。また、着床出血はすべての人に起こるわけではないということも合わせて覚えておいてくださいね。
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14.おりものの変化
妊娠初期症状は、おりものに表れることもあります。
生理前のおりものは粘り気があり白っぽいですが、妊娠初期のおりものは白か黄色でサラサラしているのが特徴です。
普段からおりものの状態をよく見ておくと変化に気付けますね。
15.生理が始まらない
妊娠すると生理は止まります。
生理開始予定日から1週間過ぎても生理が始まらない場合、妊娠を疑っても良いかもしれませんね。
ただ、生理周期がバラバラな人は、生理が始まらないだけでは判断がつかないため、ほかの症状があるかどうかチェックしましょう。
妊娠初期症状と生理前症状をどう見分ければ良いの?
上記の「妊娠初期症状15項目」を読んで、「妊娠初期症状と生理前症状って似てるよね?」と感じた人は多いのではないでしょうか?
そうなんです。妊娠初期症状と生理前症状はとてもよく似ているのです。
妊娠している場合としていない場合での決定的な違いは、「高温期が続くこと」と「生理が来ないこと」です。
ご紹介したほかの項目は、生理前症状やそのときの体調などで表れることもあるため、それだけで妊娠確定というわけにはいきません。
高温期が続いていることは、基礎体温をつけていれば気付くことができます。妊娠していれば高温期が続き、妊娠していなければいずれ低温期に入り生理が始まるので、基礎体温は毎朝測るようにしましょう。
「妊娠しているかも」と思ったら
高温期が続き生理が一週間以上遅れていて、妊娠初期症状15項目のうちいくつか当てはまるなら、妊娠の可能性を考えて行動することが大切です。
ここでは、「妊娠しているかも」と思ったときの注意点ややるべきことを紹介します。
たばこ・アルコール・薬の服用に注意
「妊娠しているかも」と思った時点で、たばこやアルコールは止めたほうが良いでしょう。
なぜなら、たばこやアルコールは流産のリスクを高めたり赤ちゃんの発育不全につながったりすることが研究でわかっているからです。
たばこは、受動喫煙の問題やどちらかが吸っていると吸いたくなる人も多いため、夫婦での禁煙が理想です。
次に薬についてですが、妊娠初期には服用できない薬が存在します。しかし、鎮痛剤や解熱剤など、妊娠初期症状によっては薬を使用したい人も多いはず。
妊娠初期症状がつらいときは、医師に相談して妊婦さんでも飲めるものを処方してもらうと安心ですね。
葉酸を摂取しよう
葉酸は妊娠初期の赤ちゃんの成長にとって、とても大切な栄養分のひとつで、妊娠する前から摂取しておくのが理想です。
妊活中で積極的に葉酸を摂取していない人は、早めに摂取を始めましょう。
厚生労働省では、食事からの摂取に加えてサプリメントや栄養補助食品などからも葉酸を摂取することが推奨されています。
葉酸は、血液の生成を助ける作用もあるため、貧血で立ちくらみをする人にもおすすめですよ。
妊娠中は鉄分も菌活成分も入った葉酸サプリが最適
葉酸サプリmamaru -ママル-は、妊娠期に必要な葉酸や鉄分、マグネシウムにカルシウムといったビタミンミネラルを、厚労省の推奨通りに配合。
また体調管理や便秘で悩むプレママのために、ラクトフェリンや3種の乳酸菌といった菌活成分も配合しています。
生理開始予定日1週間以上経ったら妊娠検査薬
生理が少し遅れ、妊娠初期症状もいくつか表れたので「さあ、早めに妊娠検査薬をしよう」と思う人もいるかもしれませんが、あまりに早い妊娠検査薬の使用は、結果が正確に出ない可能性があります。
そもそも市販の妊娠検査薬は、尿中のhCGホルモンに反応するものがほとんどです。
hCGホルモンが妊娠検査薬に反応する量まで増えるのには時間がかかるため、早めに検査しても意味がないのです。
市販の妊娠検査薬を使用する目安は、生理開始予定日から1週間経ったくらいです。
それより前に検査をしてしまうと、妊娠しているのに妊娠検査薬の反応が出ないということになりかねないので注意しましょう。
早く知りたい人は、より感度の高い妊娠検査薬もあるので検討してみてくださいね。
産婦人科を受診しよう
・受診のタイミングは?
産婦人科を受診するタイミングは、生理開始予定日から1週間後〜2週間後が良いでしょう。
産婦人科での妊娠検査は、一般的に尿検査、経膣超音波検査、問診の3つがあります。
経膣超音波検査で胎嚢(赤ちゃんの入っている袋)が見られるのは妊娠5週ごろ、胎芽(胎嚢の中の赤ちゃん)が見られるのは妊娠5週目から6週目ごろです。
妊娠週数は、直近の月経初日を妊娠0週1日とするため、妊娠5週目は生理周期が28日の人で生理予定日1週間後ということになります。
受診のタイミングが遅いと子宮外妊娠などに気付くのが遅れるため、適切な時期に受診するのが良いでしょう。
・受診の際に気をつけることは?
経膣超音波検査があるため、服装はスカートまたはワンピースがおすすめです。
ちなみに、妊娠中期以降は腹部エコーがありお腹を出す必要があるため、ワンピースではなく上下が分かれているものが良いでしょう。
また、医師が顔色を見ることもあるためメイクは薄めに。
妊娠初期症状のことなど、気になることは問診の際に聞けるようメモを持っていくとスムーズに聞けますよ。
ちなみに、よくある質問であがるのが「妊娠初期のセックス」
基本的には問題ないそうですが、感染症対策のためにコンドームをつける必要があったり、おなかに負担がかかる行為は避けた方が良い等、妊娠以前よりかは気を付ける必要があります。
詳しくは、こちらをご覧ください。
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妊娠初期症状が表れたら準備を始めよう
妊娠初期症状は、人によって症状の種類や程度が違い、生理前症状とも似ているため判断が難しいかもしれません。
妊娠しているときと妊娠していないときとの確実な違いは「高温期が続き生理が来ていないこと」です。
生理予定日より1週間以上経ったときは、妊娠の可能性を考え、禁煙禁酒や葉酸の摂取、妊娠検査薬や産婦人科の受診など準備を進めていきましょう。
【参考文献】
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