更新日:2024/10/23

妊娠中に緑茶を飲んでも大丈夫?気になるカフェインの影響や含有量、安全な飲み方を紹介

気になるカフェインの影響や含有量、安全な飲み方を紹介
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妊娠中はお腹の赤ちゃんのため、食事に気を遣うことが増えますよね。できる限り安全な食べ物や飲み物を選びたいと考えるなか、特にカフェインの摂取について気になっている方も多いかもしれません。

ご存じのとおり、カフェインは妊娠中の摂取には注意が必要な成分の一つ。コーヒーに多く含まれることで知られるカフェインは、実は緑茶にも含まれているのです。

本記事では、妊娠中の緑茶の摂取について解説します。

緑茶のカフェイン含有量や過剰摂取による影響、緑茶を安全に飲むためのポイントなどを紹介しますので、妊娠中のカフェインが気になる方や緑茶好きの方はぜひチェックしてくださいね。

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

妊娠中は緑茶を飲んでもいいの?

結論からいうと、妊娠中に緑茶を飲むことに問題はありません。しかし、緑茶にはカフェインが含まれるため、飲む量には注意が必要です。

1日何杯なら飲んでいい?

妊娠中の緑茶は、500mLのペットボトルであれば1本、マグカップ(250mL)2〜3杯程度の摂取を意識しておくとよいでしょう。

日本ではカフェインの摂取量について明確な基準が設けられていませんが、摂取基準が設けられている国もあります。

世界保健機関(WHO)や欧州食品安全機関(EFSA)、カナダ保健省(HC)などから出されている注意喚起を参考にすると、妊娠中のカフェインの摂取は1日200〜300mg※1。

この量と、一般的な緑茶(せん茶)のカフェイン含有量をもとに妊娠中の緑茶の摂取量を算出すると、1日1,000〜1,500mL以内が適量となります。

ただし、緑茶以外の飲み物からもカフェインを摂取する可能性も考えて「ペットボトル1本」または「マグカップ2〜3杯」と決めておくとよいでしょう。

緑茶のカフェイン含有量

緑茶にはせん茶のほか「玉露(ぎょくろ)」や「番茶(ばんちゃ)」など、さまざまな種類があります。各種緑茶100mLあたりと、マグカップ1杯(250mL)あたりのカフェイン含有量は次のとおりです※2。

食品名100mLあたりのカフェイン含有量
せん茶20mg
玉露160mg
番茶10mg
ほうじ茶20mg
玄米茶10mg

高級茶としても知られる玉露には、せん茶の8倍ものカフェインが含まれています。妊娠中の摂取には注意したほうがよさそうですね。

緑茶以外のお茶やコーヒーのカフェイン含有量についても見てみましょう。

食品名100mLあたりのカフェイン含有量
コーヒー60mg
紅茶30mg
ウーロン茶20mg
麦茶0mg

コーヒーのカフェイン含有量は、せん茶の3倍ほど。1日の摂取量はマグカップ1.5杯程度までに調整する必要がありそうですね。

同じお茶でも、麦茶にはカフェインが含まれていません。妊娠中の水分補給には適したお茶であるといえます。

妊娠中におすすめの飲み物については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。

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緑茶に含まれるカフェインは妊娠中は控えたい成分

妊娠中はカフェインの摂取をゼロにする必要はありませんが、過剰摂取には十分注意が必要です。では、なぜ摂りすぎに注意する必要があるのでしょうか?

またカフェインの他にも、妊娠中の摂取に注意が必要な成分として、一般的に健康によいとされるポリフェノールなどがあります。過剰摂取のリスクについて、あわせて確認しておきましょう。

カフェインを摂りすぎるとどうなる?

カフェインには神経を興奮させる作用があるため、摂りすぎるとめまいや心拍数の増加、不安、不眠などの原因となります。また、妊娠中の過剰摂取は流産や死産、生まれた赤ちゃんが低体重となるリスクが高まると報告されています。

適度に摂取することで眠気を覚まし、集中力を高めるといった効果が期待できるカフェインですが、妊娠中は十分注意すべきです。

赤ちゃんの成長を妨げるだけでなく、自身の体調にも悪影響を及ぼすことになってしまいます。

妊娠中のカフェイン摂取については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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妊娠中はポリフェノールの摂り過ぎにも注意が必要

積極的に摂取することで健康維持に役立つ成分「ポリフェノール」。

しかし、抗酸化物質の一種であるポリフェノールを妊娠中に過剰に摂取したことで、胎児の動脈管に異常をきたしたと考えられる症例が報告されています。

代表的なポリフェノールには、お茶のカテキンや大豆のイソフラボン、ブルーベリーやナスの皮などに含まれるアントシアニンがあります。

厳密には「ポリフェノールを濃縮した製品を習慣的に摂取した場合」ということであるため、通常の食品から摂取するぶんに関しては心配ありませんが、カフェインと同様に過剰摂取には注意しましょう。

妊娠中に緑茶を飲むメリット

カフェインを含むため、妊娠中は過剰摂取に注意したい緑茶ですが、飲むことでむし歯の予防に役立ったりリラックス効果が得られたりといった利点があります。

また、妊娠中に十分な摂取が推奨される「葉酸」が補給できる点もメリットです。詳しく見ていきましょう。

むし歯予防になる

緑茶に含まれるカテキンは、むし歯の原因となる「酸」の生成を抑える働きがあることから、むし歯の予防に効果的であるといわれています。

妊娠中は、ホルモンの影響によりだ液の分泌が減少したり、つわりで歯磨きが難しかったりといったさまざまな理由から、むし歯のリスクが高まります。

飲みすぎに注意しつつ、食後に飲んだり歯磨きができないときに口をゆすいだりするといった方法で、緑茶を妊娠中の口腔ケアに役立てることもおすすめです。

リラックス効果が得られる

緑茶には、アミノ酸の一種「テアニン」が含まれています。

テアニンに確認されているのは、脳の神経細胞を保護したり、リラックスしている人の脳波に多くみられる「α(アルファ)波」を上昇させたりする作用。

適量の緑茶を飲むことで、リラックス効果をはじめ睡眠の質向上やストレス緩和に役立つ可能性もあります。

葉酸が摂取できる

緑茶を飲むことで、妊活中から妊娠初期にかけて十分な摂取が推奨される栄養素「葉酸」が摂取できます。

葉酸は、細胞の増殖と深く関わるビタミンB群の一種。妊娠中、特にお腹の赤ちゃんの細胞増殖が盛んな妊娠初期に不足すると、神経管閉鎖障害と呼ばれる先天性異常を引き起こすことが明らかとなっています。

そのため、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、妊娠を希望する方や妊娠初期の方に対し、1日400μgの葉酸を通常の食事以外から摂取することを推奨しています※3。

せん茶100mLあたりには16μg、玉露には150μgの葉酸が含まれていますが、カフェインを多く含むため飲む量には注意が必要です。

葉酸を効率的に摂るならサプリメントで!

葉酸は緑茶のほか、食べ物から摂取することも可能ですが、妊娠中はサプリメントなどでの摂取が推奨されています。

これは食品から摂取する葉酸よりも、サプリメントに利用されている葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)のほうが、体内での利用効率がよいためです。

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妊娠中の女性のために作られた葉酸サプリmamaruは、厚生労働省が推奨する食事摂取基準に準じ、葉酸を400μg配合しています。

緑茶は葉酸の摂取源となりますが、カフェインを含むためたくさん飲んでよいわけではありません。必要な葉酸量を食べ物や飲み物だけで摂取するのは至難の業。手軽かつ効率的に摂るなら、ぜひ葉酸サプリを始めましょう

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サプリメントに含まれる葉酸「モノグルタミン酸型葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)」について詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてくださいね。

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妊娠中に緑茶を飲む際のポイント

妊娠中に緑茶を飲む際は、飲みすぎないようにすることはもちろん「濃さ」にも注意しましょう。

飲む量や濃さを気にせずたくさん飲みたい場合は、カフェインレス緑茶を活用するのもおすすめです。

1日の摂取量に気を配る

妊娠中に緑茶を飲む際は、カフェインの摂取量に注意しなければいけません。

カフェインを含む飲み物は、緑茶を含む日本茶やコーヒー、紅茶などがあります。また、一部のジュース類(清涼飲料水)にもカフェインが含まれています

市販の飲料についてはカフェインの含有量が記載されているものもありますが、表示義務はありません。心配な場合は、製造元や販売元のウェブサイトを確認するなどしておきましょう。

緑茶をはじめカフェインを含む飲み物の摂取量に配慮することが、お腹の赤ちゃんの健康を守ることにつながります。

薄めに淹れる

カフェインをできるだけ少なくするためには、薄めに淹れるようにしましょう。これはコーヒーにもいえることで、濃ければ濃いほどカフェイン含有量も多くなります

ペットボトルの緑茶でも「濃い」という表記がある商品は、カフェインの含有量が多いと考えましょう。

緑茶を淹れる際、お湯を入れてから茶葉が開くまでの待ち時間は20〜60秒が目安。この時間を大幅に過ぎてしまわないように注意することがポイントです。

また、できるだけ低い温度の水で緑茶を淹れると、緑茶中のカフェインの量を減らせます。これは、カフェインが溶出されやすくなる温度が80℃以上であるためです※4。80℃以下では抽出されにくく、低温であるほどカフェインの溶出を抑えられるとされています。

いわゆる「水出し緑茶」なら、妊娠中も比較的安心して緑茶を飲めそうですね。

カフェインレス緑茶を活用する

カフェインを心配せず、より手軽に緑茶を飲みたい方は、カフェインの含有量が少ない「カフェインレス緑茶」を活用しましょう。

個人の感覚にもよりますが、カフェインレス緑茶でも通常の緑茶とほとんど変わらない味わいを楽しむことが可能です。

近年はカフェインゼロの緑茶も販売されています。妊娠中の飲み物の一つとして活用してみることもおすすめです。

妊娠中の緑茶はカフェインの摂取量に注意して適度に楽しもう

緑茶にはカフェインが含まれるため、妊娠中は飲み過ぎに注意が必要です。とはいえ500mLのペットボトル1本もしくはマグカップ2〜3杯程度であれば、飲んでも大丈夫でしょう。

水出し緑茶やカフェインレス緑茶の活用など、なるべくカフェインの少ない緑茶の飲み方を試すこともおすすめです。

妊娠中の緑茶の摂取にはむし歯予防や葉酸が摂取できるといったメリットもあるため、適量を意識しつつ楽しんでくださいね。

より効率よく葉酸を摂取するなら、葉酸サプリmamaruがおすすめ

葉酸をはじめ妊娠中に必要な栄養素や健康維持に役立つ成分を配合したmamaruを、ぜひ妊娠中の食事のサポートに役立ててくださいね。

参考文献:

※1 農林水産省 カフェインの過剰摂取について

※2 文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年

※3 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

※4 農林水産省 特集1 緑茶(4)|日本茶インストラクターに聞いた 緑茶のおいしい淹れ方

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