更新日:2024/12/23

骨盤位とはどんな状態?出産への影響や逆子を治す方法を助産師が紹介!

出産への影響や逆子を治す方法を助産師が紹介!
FacebookTwitterLINE

「骨盤位」とは、「逆子」を意味する医療用語です。

妊婦健診で逆子と診断されたら、

「赤ちゃんへの影響はあるの?」
「逆子は治る?」
「自然に出産はできるの?」

など、ママは心配になりますよね。

今回の記事では、骨盤位とはどのような状態なのか、お腹の中の赤ちゃんや出産への影響、逆子を治す方法について助産師が紹介していきます。

この記事に登場する専門家

助産師 四辻有希子

大学院を卒業後、助産師として地域周産期母子医療センターの産科病棟勤務。
不妊治療から妊婦健診、出産、産後の母乳育児外来まで幅広く周産期の助産ケアに関わっている。

〈資格〉
・助産師、保健師、看護師
・ICLS認定インストラクター
・新生児蘇生法「専門」コース修了
・J-CIMELSインストラクター

骨盤位とは?

「骨盤位」とは、お腹の中の赤ちゃんの姿勢のひとつです。「逆子」と聞くとピンとくる方も多いかと思います。

通常、赤ちゃんはママのカラダの下側(足側)に頭がありますが、骨盤位はママのカラダの上側(頭側)に赤ちゃんの頭がある状態です。

赤ちゃんは、小さいうちは子宮の中にある羊水の中で自由に泳ぎ回っていますが、カラダが大きくなってくると姿勢を固定しはじめます。

妊娠週数が早いうちは、赤ちゃんの頭がどの向きを向いていても問題はありません。妊婦健診のエコー検査では、妊娠30週を過ぎたころからお腹の中の赤ちゃんがどのような姿勢になっているかを気にしていきます

お腹の中の赤ちゃんの姿勢

お腹の中の赤ちゃんの姿勢は、大きく4種類に分かれています。

  1. 1頭位(とうい):赤ちゃんの頭が子宮内の下側(ママの足側)にある姿勢、約95%を占める
  2. 2骨盤位(こつばんい):赤ちゃんの頭が子宮内の上側(ママの頭側)にある姿勢、約5%の割合
  3. 3横位(おうい):赤ちゃんの頭がママの横腹にある姿勢、かなりまれ
  4. 4斜位(しゃい):赤ちゃんの体勢がママの中心軸に対してななめになっている姿勢、かなりまれ

お腹の中の赤ちゃんの姿勢によって、出産方法に影響があります。

頭位の場合は経膣分娩(いわゆる下から産む)ができますが、骨盤位ではほとんどが帝王切開、横位と斜位では全例帝王切開での出産となります。

骨盤位の出産方法について先に詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ

骨盤位にも種類がある

「骨盤位」と一言で言っても、実は骨盤位にも種類があります。

  1. 1殿位(でんい):骨盤位の約75%を占める、赤ちゃんのお尻が子宮口に1番近い
  2. 2足位(そくい):骨盤位の約24%を占める、赤ちゃんの足が子宮口に1番近い
  3. 3膝位(しつい):骨盤位の約1%を占める、赤ちゃんの膝が子宮口に1番近い

骨盤位の原因

骨盤位の原因ははっきりと解明されていません。

骨盤位になるリスクには

  • 子宮奇形
  • 子宮筋腫
  • 前置胎盤
  • 狭骨盤(きょうこつばん)
  • 羊水過多・羊水過少

などがあります。

子宮奇形や子宮筋腫では、子宮の形が変形する症状が出るため骨盤位になりやすくなります。

また、前置胎盤(胎盤が子宮口に覆い被さっている状態)では、へその緒は胎盤から赤ちゃんにつながっており、赤ちゃんのおへそが胎盤に近い位置になりがちなので、骨盤位になりやすくなります。

狭骨盤(きょうこつばん)とは、通常よりも骨盤が狭いことをいいます。狭骨盤の場合、赤ちゃんの頭が骨盤の中に入りにくくなることで骨盤位になるリスクが高まります。

羊水の量が通常よりも多い羊水過多では、赤ちゃんが動くスペースが大きいことで骨盤位になりやすく、逆に羊水が通常よりも少ない羊水過少では、赤ちゃんが動けないことで骨盤位になる可能性があります。

骨盤位による影響は?

実は、骨盤位であること自体が妊娠中のママと赤ちゃんに影響を与えることはありません。ママのお腹の中にいる間は、通常の妊娠となにも変わらないのです。

ただ、骨盤位であるママが注意すべき点もあります。それは、破水したときと出産方法です。

破水したときのリスクが高い

お腹の中の赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、羊水が外に出ることを「破水」といいます。

頭が下にある赤ちゃんが破水した場合、頭で子宮口を覆うため、外に流れ出る羊水の量をある程度で止めることができます。

しかし、骨盤位(特に足位と膝位)の赤ちゃんが破水した場合、頭と比べると足と膝では子宮口を覆う面積が狭く、羊水がたくさん出やすくなります

また、子宮口が少し開くと足が出たり、へその緒が子宮の外に出てしまったりする「臍帯脱出」が起こる可能性があります。

check ✔︎

臍帯脱出ってなに?

臍帯脱出とは、へその緒が赤ちゃんよりも先に子宮の外に出てしまうことをいいます。

へその緒は、お腹の中の赤ちゃんにとって必要な酸素と栄養をママから送ってもらう命綱。臍帯脱出が起こると、羊水に守られていないへその緒が圧迫されて血流が途絶えやすくなってしまいます。

赤ちゃんに酸素が送れない状態となり、赤ちゃんが苦しくなってしまう危険な状態です。

ほとんどのケースで帝王切開となる

骨盤位の出産は、ほとんどのケースで帝王切開となります。

病院によっては骨盤位でも経膣分娩を取り扱っている病院もありますが、非常に少ないです。

その理由は、骨盤位での経膣分娩の場合、次のようなリスクが伴うからです。

  • 赤ちゃんが出産中にケガをしてしまうリスクが高い
  • 臍帯脱出が起こることで赤ちゃんが苦しくなる可能性が高い

赤ちゃんのカラダは通常、頭が1番大きくなっています。そのため、頭さえ出てしまえばカラダはスルッと出てくるのです。

しかし、骨盤位での出産の場合、1番大きい頭が最後に出るため、頭が出るときにつっかえてしまうことがあります。その状態で無理にひっぱると赤ちゃんがケガをしたり、神経を傷めてしまったりする危険性もあります。

帝王切開での出産を過度に心配する必要はありません。できるだけ傷をきれいに治す方法や、回復を早める過ごし方もあります。

帝王切開で出産するママにおすすめの産後の過ごし方について紹介している記事は、こちらからどうぞ。

帝王切開の回復早める方法を完全ガイド!傷を早くきれいに治す過ごし方【助産師執筆】

「できることなら帝王切開の回復早める方法を知りたい!」というママ必見!帝王切開での出産を終えたばかりのママたちは、傷の痛みや疲労によって自分のカラダが思うように動かないことにストレスを感じ、不安に思う方も多いと思います。この記事では、帝王切開の回復を早める方法と帝王切開の傷を早くきれいに治す過ごし方について助産師が徹底解説していきます。

関連記事

骨盤位を治す方法

「できれば骨盤位を治したい!」というママは多いですよね。

ここでは、骨盤位を治す方法を紹介していきます。

週数を重ねると自然に治ることも

妊娠中期には50%が骨盤位であるといわれています。

これは赤ちゃんがお腹の中で自由に動き回っているため、毎日のように頭の位置が変化しているからです。

▼妊娠週数と骨盤位の赤ちゃんの割合(※1)

妊娠週数骨盤位の赤ちゃんの割合
妊娠30週約15%
妊娠34週約10%
妊娠36週約7%

骨盤位の赤ちゃんは、週数を重ねることで自然と治るケースも多いです。妊娠30週を越えると赤ちゃんが動くスペースが狭くなり、頭の位置が定まってきます。

外回転術をする

骨盤位の赤ちゃんを頭位に治す医療処置に「外回転術(がいかいてんじゅつ)」があります。

外回転術とは、医師が経腹エコーを当てて赤ちゃんの位置と姿勢を確認し、お腹の上から手で赤ちゃんに触れることで赤ちゃんの頭が下になるように回す処置のことをいいます。

どの病院でも実施しているわけではないので、外回転術を希望する場合にはかかりつけの医師に相談しましょう。

外回転術はお腹の上から外力を加えるため、刺激で陣痛が起きたり、破水したり、胎盤が剥がれるリスクもあります。

実施する時期は、処置によって赤ちゃんをお腹から出さなければならなくなった場合にも対応できる、妊娠36週〜38週までの間が多いです。

痛みは個人差が大きく、赤ちゃんがうまく回れるか否かによっても変わるようです。

病院によっては硬膜外麻酔(背中から針を刺して痛みを感じなくなる麻酔)をしながら実施する場合もあります。

逆子体操を行う

逆子体操は医学的に逆子が治るという有効性はないため、病院によっては勧めないこともありますが、治ることもあるので試してみてもいいと思います。

ただ、お腹が張りやすくなることがあるので、切迫早産の方や医師から許可が出ていない場合には避けましょう。

逆子体操の方法を紹介していきます。

※ママの左右どちらに赤ちゃんの背中があるかを、事前に医師へ確認しておきましょう。

逆子体操①膝胸位(しっきょうい)から側臥位(そくがい)

膝胸位(胸と膝を近づけ、お尻が高く持ち上がった姿勢)から側臥位(横向きの姿勢)になる方法です。

側臥位は赤ちゃんの背中が上になるようにママのカラダの向きを変えましょう。

  • 赤ちゃんの背中がママの左側にあるとき:ママは右を下にして横になる
  • 赤ちゃんの背中がママの右側にあるとき:ママは左を下にして横になる

◆やり方

  1. 膝胸位になり15分間キープする(頭にクッションを使うと少し楽)
  2. 赤ちゃんの背中が上になるように側臥位になって寝る

膝胸位はお腹の大きい妊婦さんにとっては、かなりきつい姿勢です。息苦しさや、お腹の張りを感じたときにはすぐに中止しましょう。

逆子体操②ブリッジ→側臥位(そくがい)

お尻を高くあげたブリッジの姿勢から側臥位(横向きの姿勢)になる方法です。

逆子体操①と同様に、側臥位は赤ちゃんの背中が上になるようにママのカラダの向きを変えます。

◆やり方

  1. ブリッジの姿勢で15分間キープする
  2. 赤ちゃんの背中が上になるように側臥位になって寝る

筋トレではないので、お尻の下にクッションを敷き、力を入れずにゆったりと呼吸しながら行いましょう。

ブリッジの姿勢によってお腹が張ることがあります。また、赤ちゃんがママの上の方に移動することで吐き気や息苦しさを感じることがあるので、無理のない範囲で行いましょう。

鍼灸・冷えの改善をする

逆子体操と同様にエビデンスはありませんが、鍼灸をしたり冷えを改善したりすることで骨盤位が治ることもあります。

赤ちゃんのカラダの中で最も大切なのは、自分の命を守る司令塔である脳です。ママの下半身が冷えている場合、脳ができるだけ温かい状態を保つことができるように、ママの中心部に頭を向けることで骨盤位になるともいわれています。

また、冷えによって血行が悪くなることで子宮の筋肉が緊張し、収縮することで赤ちゃんの動き回るスペースが狭くなり、赤ちゃんが頭位に戻れなくなるともいわれています。

これらは医学的に証明されているわけではありませんが、骨盤位を治したいママは試してみてもいいかもしれません。

こちらの記事では、冷えを改善する温活の方法を詳しく解説していますのでご覧ください。

子宮温活の効果とやり方は?今からできる妊娠しやすいカラダづくり

女性の大切な器官である子宮を温める「子宮温活」は、身体全体の冷えを解消し血流を整える方法です。冷えや生理痛がひどい方、そして妊活している方は子宮温活を取り入れましょう。特に妊活中の場合は、子宮へ十分な血液を届けることが着床率にも関わります。今回は、子宮温活の効果ややり方を解説します。妊活における効果についても詳しくチェックしていきましょう。

関連記事

できれば帝王切開を避けたいママに知っておいてほしいこと

できれば帝王切開での出産を避けたいというママもいると思います。

骨盤位のままだと帝王切開になることがほとんど。しかし骨盤位が治ったとしても、帝王切開での出産となることもあります。

帝王切開になる理由は骨盤位だけではなく、栄養不足が影響することもあるのです。

帝王切開を避けたいママに知っておいてほしい、骨盤位以外で帝王切開になる理由と摂取したい栄養素について解説します。

帝王切開になる理由

帝王切開になる理由は、妊娠中の合併症のほか、出産中のトラブルが原因となることもあります。

▼帝王切開が適応となる可能性がある妊娠中の合併症

  • 多胎妊娠
  • 前置胎盤、低置胎盤
  • 妊娠高血圧腎症
  • 常位胎盤早期剥離
  • 胎児機能不全(赤ちゃんがお腹の中で苦しい状態)
  • 巨大な子宮筋腫、子宮奇形

▼帝王切開が適応となる可能性がある出産中のトラブル

  • 分娩停止(出産が進まなくなる)
  • 回旋異常(赤ちゃんが向きを間違ってしまい、降りて来れない状態)
  • 胎児機能不全

妊娠中の合併症である妊娠高血圧腎症や常位胎盤早期剥離は「胎盤関連産科合併症」といわれていて、妊娠中の生活習慣にも影響しているといわれています。

葉酸・ビタミンB・ビタミンDを摂取しよう

実は、帝王切開の原因ともなる胎盤関連産科合併症は、葉酸・ビタミンB・ビタミンDのサプリメントを摂取することで予防できるといわれています。(※2)

葉酸やビタミンBがカラダの中で不足した状態が続くと、血管の内側が傷つきやすくなり、以下のようなリスクが高まります。

  • ママが高血圧になりやすくなる
  • 胎盤の血管がもろくなり胎盤がはがれやすくなる
  • 赤ちゃんが苦しくなることも

また、ビタミンDが不足すると妊娠高血圧腎症や妊娠糖尿病、早産の発症リスクが上がるといわれています。(※3)

妊娠中のママのためのサプリメントmamaru(ママル)は、帝王切開の原因ともなる胎盤関連産科合併症の予防にいいといわれている葉酸・ビタミンB・ビタミンDをしっかりと配合しています。


妊娠中の栄養はママの出産へのカラダづくりにも欠かせませんが、赤ちゃんが成長していくためにも必要なもの。

元気な赤ちゃんに会うためにも、しっかりと栄養を摂取していきたいですね。

mamaruの商品詳細はこちら>>

mamaruは産婦人科医監修のもと、赤ちゃんとママのために必要な成分だけで作られているので、妊娠中を通して信頼して続けられるのも魅力のひとつ。

もちろん無添加で、安全性試験にも合格しています。

そんなmamaruは全国4000店舗以上のドラックストアで販売中!手軽に始めることができますよ。

ただし、しっかりと栄養をチャージするには、サプリメントを飲み続けることも大切。出産までずっと飲むものだからこそ、オンラインでお得に定期購入するのがおすすめです!

mamaruの定期購入なら、飲み忘れや買いに行く手間もなく、妊娠期間中を通して楽に飲み続けられますよ。

また定期購入といっても、mamaruは回数の縛りなし!初回のみの購入もOKなので、「とりあえず1回だけ試したい」という方も大歓迎ですよ。

mamaruは、妊娠中に必要な栄養をしっかりと摂り続けたい人も、まずはお試しという人も、どちらにもぴったりの妊婦さん向けサプリです。

公式サイトからなら、初回はお得な価格で購入可能!ぜひmamaruを活用して帝王切開の原因となる合併症になりにくいカラダづくりを目指していきましょう。

公式サイト限定の特別価格はこちらからチェック!

妊娠中に飲むサプリについて気になるあれこれは、こちらの記事も参考になりますよ!

葉酸サプリは臨月まで飲み続けたほうがいい?効果から摂取量まで徹底ガイド

葉酸サプリは臨月も必要なの?妊娠初期から葉酸サプリを飲んでいる方の中には、いつまで飲み続けるものなのか疑問に思う方もいるでしょう。この記事では、葉酸サプリを臨月まで飲み続けることで得られる効果と摂取量について詳しく解説します。

関連記事

無添加のおすすめ葉酸サプリが知りたい!添加物のウソ・ホントと選び方を助産師が解説

無添加の葉酸サプリが知りたい!という方のために、妊活~妊娠中に飲めるおすすめの商品と選び方について解説しています。そもそも無添加のサプリは存在していないため、葉酸サプリを選ぶときは不要な添加物が入っていないかを確認することが大切です。この記事で詳しくチェックしていきましょう!

関連記事

まとめ

帝王切開はできるだけ避けたいというママも多いと思います。しかし、帝王切開は赤ちゃんの命を守るために選択してママが命をかける立派な出産です。

骨盤位の赤ちゃんの中には、へその緒が極端に短かったり、へその緒に結び目ができていたりと、妊婦健診のエコーだけではわからない異常が隠れていることもあります。

経膣分娩だったら、赤ちゃんが苦しくなっていた可能性が高い場合もあるのです。骨盤位であることは、もしかしたら赤ちゃんが自分にとって1番いいと思っている姿勢なのかもしれませんね。

できれば帝王切開を避けたいというママは、帝王切開での出産となる理由は、骨盤位だけではないことも覚えておきましょう。

妊娠中の葉酸・ビタミンB・ビタミンD不足は、妊娠高血圧腎症や常位胎盤早期剥離などの胎盤関連産科合併症を引き起こし、帝王切開の適応となる可能性もあります。

しっかりと栄養補給できるmamaruで妊娠中のカラダのケアを行っていきましょう。

【参考文献】

(※1)国立成育医療センター:逆子(さかご)について
(※2)大槻克文:早産予防管理の動向,日本周産期・新生児医学会雑誌,第56巻第1号,2020
(※3)黒田恵司:ウィメンズヘルスと栄養素・サプリメント,I.生殖医学 2.ビタミンD,産科と婦人科2023・岡庭豊:病気が見える⑩産科,メディックメディア

FacebookTwitterLINE
\ 送料無料 /
mitas series オンラインショップ

mitasシリーズでは、
必要な栄養素とお悩みをサポートする
5つのラインナップをご用意しています。

▾ 公式インスタグラムをフォローしよう

mitas series 公式インスタグラムmitera organics 公式インスタグラム