更新日:2024/12/26
切迫早産の入院基準とは?自覚症状と赤ちゃんのためにできることを詳しく解説!
「赤ちゃんが早く生まれてしまうのでは…」
医師から「切迫早産の可能性がある」と言われたとき、不安や心配がつきまといますよね。
今後入院になる可能性はあるのか、気になる方もいるでしょう。
切迫早産は、妊娠中の約14%に見られる症状で、早めの対応が大切とされています。(※1)
この記事では、切迫早産の入院基準や自覚症状についてわかりやすく解説します。不安を少しでも和らげる手助けとなれば幸いです。
この記事に登場する専門家
医療ライター 宮川しおり
2児の母。切迫早産での長期入院や、妊娠糖尿病でのインスリン治療を経て出産。
現在は主に医療・健康分野でライター活動をしている。
<保有資格>
・看護師/保健師/養護教諭
・メンタル心理カウンセラー
・日本フェムテック協会認定資格3級
切迫早産の入院の基準は?子宮頸管の長さはどのくらい?
入院の基準は明確に決まっているわけではなく妊婦さんごとに異なり、医師の診断が重要です。
一般的には、子宮頸管(しきゅうけいかん)の長さやお腹の張り、子宮口の開き具合によって判断されます。
子宮頸管とは、子宮の下部に位置する筒状の部分で、膣と子宮をつなぐ役割を果たしている部分です。
通常、妊娠していない状態では約3〜4センチの長さがあり、出産時には赤ちゃんが通るためにここが開いていきます。
妊娠中にこの子宮頸管が短くなると、早産の可能性が高まります。
妊娠24週未満で子宮頸管が30mm以下になると切迫早産の兆候とされ、25mm未満では、標準的な子宮頸管に比べて早産のリスクが6倍以上高くなることが報告されており、その場合に入院管理になることが一般的です。
子宮頸管の長さは、妊婦健診の経腟エコーにより確認できるため、医師に相談しながら経過を見守ることが大切です。
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子宮頸管が短くなる原因は?
子宮頚管が短くなる原因として細菌による感染症が挙げられます。(※2)
妊娠していないとき、膣は雑菌が体内に入らないようにガードしてくれる役割をもっていますが、妊娠中はその働きが低下します。そのため膣内の正常な菌のバランスが崩れ、感染症になりやすくなるのです。
この状態を「細菌性膣症」といい、これが子宮頚管が短くなる原因のひとつだと考えられています。
切迫早産に自覚症状はある?
「もし健診までの間に切迫早産になっていたらどうしよう?」という不安もありますよね。
切迫早産の自覚症状を知ることは、早めの対処に役立ちます。
切迫早産の自覚症状
以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。(※3)
<代表的な切迫早産の自覚症状>
- 1性器からの出血
- 2腹部の痛みや張りが治まらない
- 3破水感
- 4自覚する胎動の減少
※②は周期的または持続的で、安静にしても治まらないもの
これらの症状がある場合は、速やかに医師に連絡してください。
特に破水感や胎動の減少は緊急性が高いので、迅速な対応が求められます。
お腹の張りとは?
お腹の張りとは、子宮が硬く感じられる状態のことです。下腹部がぎゅーっと縮こまるような感覚や少し痛みが伴う場合もあります。
一時的な張りであれば問題ないことが多いですが、頻繁に感じる場合や痛みを伴う場合は、医師に相談しましょう。
破水感とは?
破水とは、妊娠中に赤ちゃんを包んでいる羊膜が破れて羊水が外に流れ出ることです。
大きく破水した場合は、温かい水が一気に流れ出るような感覚がします。
一方、少しずつ破水する場合もあり、その時はチョロチョロと羊水が出て、尿漏れのような感覚になることも。(※4)
膣から液体が流れる、湿った感覚が続く場合は破水の可能性があるため、病院に連絡してください。
切迫早産の症状については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
切迫早産ってどんな状態なの?日常生活で気を付けたいポイント【助産師執筆】
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切迫早産の平均入院日数はどのくらい?
切迫早産での入院期間は、妊婦さんの状態によって異なります。数日間の短期入院で済むケースもあれば、2〜3ヶ月に及ぶ長期入院が必要な場合もあります。
平成31年の論文によると、切迫早産の平均入院日数は約68日とされています。(※5)
正期産に近づく妊娠35〜36週ごろまでの管理が目標とされるため、入院期間が長くなることも珍しくありません。クリニックによっては37週まで入院することもあるでしょう。
長い入院生活はつらいこともありますが、その間赤ちゃんはしっかりと成長し続けます。
赤ちゃんの肺は、臓器の中でも最後に発達するといわれており、長くお腹にいられればそれだけ肺も成熟に近づきます。
入院生活が長引く場合でも、赤ちゃんの肺の発達が進むことを目標に前向きに取り組みましょう。
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切迫早産の体験談
筆者も2回の妊娠で2回とも切迫早産を経験。そのうち1回は長期入院となりました。
30週〜36週6日まで入院し、退院したその日のうちに陣痛が来て出産!一瞬だけ自宅に帰ってまたすぐに病院に戻り、産後の入院に切り替わったという経験があります。
入院期間は約50日でした。
切迫早産の入院については、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてくださいね!
切迫早産での入院を助産師が徹底解説!期間や費用、入院生活は?
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そもそも切迫早産とは?
ここからは、切迫早産とはどのような症状なのかについて解説していきます。
切迫早産とは
切迫早産は、妊娠22週から37週未満の期間で、早産につながる可能性のある状態を指します。(※3)
早産が起こるリスクが高まるため、お母さんと赤ちゃんの健康を守るための適切な対応が求められるのです。
また、切迫早産と似ている言葉で「切迫流産」があります。切迫流産は、妊娠22週未満で流産の危険がある状態を指しています。
この2つは、どちらも赤ちゃんが子宮内に留まっている状態ですが、発生時期により名称や対応が異なるのです。
切迫早産の原因
切迫早産の原因としては、以下のような要因が挙げられます。
<切迫早産の原因とされていること>
- 1これまでの妊娠で早産になった経験
- 2子宮頸部の病気や手術歴
- 3多胎妊娠(双子や三つ子など)
- 4細菌性腟症(膣の感染症のひとつ)
原因により治療方針が異なるため、医師と相談しながら適切なケアを受けることが重要です。
早産の原因については、こちらの記事でも詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
【助産師執筆】早産の原因にはなにがある?兆候や予防のためにできることを徹底解説!
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お母さんと赤ちゃんへの影響
切迫早産は、お母さんと赤ちゃんの両方に大きな影響を与えます。
お母さんへの影響
切迫早産の診断を受けた妊婦さんは、安静という身体的制限と、不安という精神的ストレスの両方に向き合うことになります。
安静や点滴治療のため入院が必要となるケースのほか、入院にならなくても自宅で安静にしていなければならない場合も。
これにより、早産の心配や思い描いていたマタニティライフを送れない悲しさ、職場や家族への申し訳なさなど、様々なストレスを抱えることがあります。(※6)
赤ちゃんへの影響
妊娠22週で生まれた場合、赤ちゃんの体重は約500g前後と非常に軽く、新生児集中治療室(NICU)での長期間の医療ケアが必要です。
この時期に生まれた赤ちゃんは身体が発達途中にあるため、呼吸や消化機能のサポートが必要です。
そのため感染症や脳へのダメージなどのリスクも高くなります。
また、妊娠34週以降の比較的正期産に近い早産であっても肺や脳の発達が十分でないことから、一時的な呼吸障害や、体温調節機能の未熟さが見られる場合があります。(※7)
そのため、妊娠週数を少しでも伸ばすことが赤ちゃんの健康にとって重要です。
切迫早産といわれたら赤ちゃんのためにできること
切迫早産の診断を受けたとき、不安な気持ちでいっぱいになると思いますが、今赤ちゃんと自分のためにできることをひとつずつしていきましょう。
医師の指示のもと安静にする
切迫早産の治療は、基本的に安静を保ちながら子宮の収縮を抑えることが大切です。
症状が軽度の場合は外来での経過観察が可能ですが、子宮頸管が短い場合やお腹の張りが頻繁に起こる場合は入院治療が必要です。
家族に協力をお願いし、家事や買い物は無理をしないようにしましょう。
自治体の産前ヘルパー制度を調べてみたり、ネットスーパーや宅配食などを利用したりすることも選択肢のひとつです。
赤ちゃんと自分のために栄養を摂る
切迫早産傾向と言われると、不安で食欲が落ちることもあります。
しかし、赤ちゃんは日々成長を続けているため、赤ちゃんのためにもバランスのよい栄養を摂ることが大切です。
「妊娠中に必要な栄養素が足りているか心配」というお母さんは、食事に合わせてサプリメントを活用するのもおすすめです。
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毎日飲むものなので、飲みやすさは重要ですよね。
さらにmamaruは、安静が必要な切迫早産のお母さんに優しい購入方法も魅力のひとつ。
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自分を責めず前向きな気持ちを持つ
切迫早産と診断されると、自分を責めたり不安に押しつぶされそうになったりすることもあるでしょう。
しかし「赤ちゃんをお腹の中で育てることが今の自分の役目」と前向きに考えることが、妊娠期間を乗り越える力となります。
赤ちゃんに向き合う大切な時間ととらえて、ゆっくり過ごしましょう。
生まれてくる赤ちゃんのために、今できることをひとつずつ
切迫早産の診断を受けると、これからどうなるのか、どんな準備が必要なのか、と戸惑いを感じるかもしれません。
そんなときは、入院の基準や期間、どんなサポートが受けられるのかを知ることで見通しを立てやすくなりますよ。
定期的に健診を受けつつ、この記事で紹介した自覚症状があればすぐにかかりつけ医に連絡しましょう。
ゆっくり安静に過ごし、栄養面ではmamaruも活用しながら今できることをひとつずつ行ってくださいね。
参考文献:
(※1)妊産婦の診療の現状と課題日本産科婦人科学会日本医科大学|厚生労働省
(※2)早産外来|東京・世田谷での出産・分娩なら国立成育医療研究センター産科
(※3)切迫早産|母性健康管理に関する用語辞典|働く女性の心とからだの応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート
(※4)おしるし、破水、陣痛について|東京・世田谷での出産・分娩なら国立成育医療研究センター 産科
(※5)<論文>切迫早産加療が胎児発育に与える影響についての検討,Maki Shibata,Tokushima University Institutional Repository(2019)
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