更新日:2024/3/29
亜鉛の役割と精子の関係について、亜鉛は男性不妊症に効果がある?ない?
「亜鉛って実際のところ、男性不妊症や妊活に効果があるのだろうか…?」
最近SNSなどで注目されている亜鉛は、EDや男性不妊症の治療、さらに精子にも良い働きをしてくれると話題ですよね。
しかし、サプリや食事による亜鉛の摂取が本当に精子に効くのでしょうか…。
今記事では、
精子に対する亜鉛の重要性や、男性不妊症や妊活を考えている男性に本当に効果があるのか、様々な研究報告をもとに解説していきます。
また、妊活を考える男性におすすめのサプリも紹介しているので参考にしてみてください。
この記事に登場する専門家
医療特化ライター すねお
臨床検査技師として5年間の臨床経験を経て、医療ライターに。
病理検査技師として、婦人科領域を中心に様々ながんや疾患と向き合い、がんゲノム治療研究への参加経験あり。
専門的な情報をわかりやすい言葉に変えて、医療を少しでも身近に感じてもらうために日々勉強しています。
<資格>
臨床検査技師
実は、亜鉛は精子形成に影響する大切な栄養素です。
さらに精子だけでなく、亜鉛が不足することによって様々な健康障害が起こる可能性があり、亜鉛の重要性は見直されています。
この記事でわかること
- 亜鉛と精子の関係性
- 亜鉛が不足すると、どんな症状が現れる?
- 亜鉛は、妊活や男性不妊症に有効なのか?
- 亜鉛不足にならないために
- おすすめの亜鉛補助サプリ-mitas for men
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亜鉛の役割ってなんだろう
亜鉛とは、カルシウムや鉄などと同じ「必須ミネラル」の一つです。
成人の場合、体内に含まれている亜鉛は約2g程度で、体の様々な臓器に分布しています。
また、亜鉛の体内での役割も様々挙げられます。
例えば、味覚を感じる細胞である「味蕾(みらい)細胞」の構成に必要であったり、体内のタンパク質合成や免疫機能にも関係があるのです。
亜鉛は体内で合成することが出来ない
ため、食事やサプリメントによる摂取が重要になります。
亜鉛は精子形成に関わる栄養素の一つ
亜鉛は、男性の生殖機能の発達、さらに精子形成に大きく関わっています。
臓器の中で、亜鉛濃度が一番高い部分は前立腺と呼ばれる臓器です。
前立腺は精子に栄養を与え、精子を保護する役割を持ちます。
また、精液中にも亜鉛は高濃度に存在しており、精液中の亜鉛濃度が精子数と関係があることも研究によって示唆されています。
亜鉛の慢性的な不足は、精子数の減少、睾丸や前立腺の機能障害のリスクがあり、亜鉛は男性生殖機能において重要な栄養素なのです。
亜鉛欠乏症とは?
亜鉛は精子形成に重要な役割を持つ栄養素の一つですが、他にも様々な役割を持っています。
そのため、亜鉛の慢性的な不足である亜鉛欠乏症になることで多様な症状が現れます。
<亜鉛欠乏症の主な症状>
- 味覚障害
- 成長障害(小児)
- 皮膚炎・脱毛・口内炎
- 貧血
- 性腺機能障害(特に男性)
- 下痢
- 免疫機能低下
- 下痢
- 食欲低下
参考文献:亜鉛欠乏症の診療指針 2018
日本では近年の食生活の変化により、自分が亜鉛欠乏症であることに気づいていない、「潜在亜鉛欠乏症」の人が多くいると言われています。
特に亜鉛不足による味覚障害は、自分でも気づかず発症している可能性があります。
もし、心当たりがある人は医師に相談してみてもいいかもしれません。
亜鉛は妊活に有効?
亜鉛を意識的に摂取することは妊活・妊娠中において、男性と女性共に有効と考えられます。
先ほど亜鉛は精子に必要な栄養素であることを説明しましたが、それだけでなく、胎児の先天性奇形に影響すると言われています。
これは、女性が妊娠時に亜鉛不足であることが原因の一つだと考えられているのです。
静岡県立大学の荒川教授の研究結果では、ラットを用いた実験で、亜鉛欠乏症が胎児の奇形率に大きな影響を与えたと示されています。
参考:静岡県立大学食品栄養科学部公衆衛生学研究室 荒川 泰昭,栗山 孝雄.亜鉛と生殖.Vitamins(Japan),82(10),539・542(2008)
そのため、男性の場合は妊活時期、女性の場合は妊娠時期に亜鉛の摂取をすることで、亜鉛不足による様々なリスクを避けることができます。
以下の記事では、妊活中・妊娠中の女性における亜鉛の効果についてわかりやすく解説しています!
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亜鉛不足は男性不妊症を引き起こす
亜鉛不足は男性不妊症の原因の一つです。
亜鉛が欠乏すると、男性の性腺機能(睾丸や前立腺)の機能障害が発生するため、特発性(原因がわからない)男性不妊症の原因の一つだと言われています。
精液中の亜鉛の濃度と男性不妊症の関係は、数多くの研究報告があり、
意識的な亜鉛の摂取で男性不妊症の予防になる可能性はとても高いです。
男性不妊症患者に対する亜鉛投与の研究結果
実は、男性不妊症患者に対して亜鉛を投与した研究はいくつか行われています。
神戸大学で行われた研究で、精漿(精液から精子を除いたもの)に含まれている亜鉛は、クエン酸亜鉛であることが初めて特定されました。
さらに、精子無力症患者の精子に対してクエン酸亜鉛を添加したところ、精子の運動率の上昇が見られ、元々の精液中の亜鉛濃度が低い患者ほど亜鉛に対する反応が良かった、という報告があります。
参考:岡 伸俊.男性不妊と亜鉛に関する基礎的研究.泌尿器科紀要 1988,34(1):1-10
一方、2013年〜2017年にアメリカで、不妊治療を行っているカップル2000組に対して、亜鉛と葉酸を含むサプリを6か月間投与したグループと、何も投与していないグループを比較する研究が行われました。
結果は、精子濃度、運動率、精子量その他複数の精子パラメータ全てにおいて差が見られず、出生率に関しても差はなかった、という報告でした。
このように、精子に対する亜鉛の有効性に関する研究では様々な検討がされています。
注意すべきは、男性不妊症患者の人が必ずしも亜鉛欠乏症が原因であり、亜鉛の摂取が必要ではない事です。
男性不妊症に関しては亜鉛欠乏以外にも、生まれつきの体質など様々な理由があります。
亜鉛の摂取は、食事から十分に亜鉛の摂取が出来ていない人に有効ということが言えますね。
亜鉛を摂取するために意識すべきこと
亜鉛が不足しないために意識すべきことは、食生活と生活習慣です。
特に亜鉛は体内で生成することが出来ないので、食生活で意識的に摂取することが大切です。
<亜鉛を多く含む食材>
- 牡蠣
- 豚レバー
- 牛赤身肉
- 油揚げ
- カシューナッツ
- 卵
また、亜鉛を効率的に摂取するためには、動物性タンパク質やビタミンC、クエン酸などと一緒に摂ることが良いとされています。
日本人は亜鉛不足になりやすいってほんと?
最近の調査結果で、日本人の平均的な亜鉛摂取量が少ないことが問題になっています。
2015年に厚生労働相が発表した
亜鉛の1日の推奨摂取量は、成人男性で10mg、成人女性で8mg(妊婦は+2〜3)です。
しかし、実際の日本人における平均的な1日の亜鉛摂取量は、男性で9mg以下、女性も7mg程度と目標値を下回る結果になっています。
<亜鉛の推奨摂取量と平均摂取量(2015年)>
亜鉛の摂取推奨量 | 亜鉛の平均摂取量(mg/日) | |
---|---|---|
男性 | 10(mg/日) | 8.9(mg/日) |
女性 | 8(mg/日) | 7.3(mg/日) |
参考:平成27年国民健康・栄養調査報告、日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
さらに、日本で年々割合が増えている加工食品やコンビニ食品ですが、これらには添加物としてポリリン酸ナトリウムなどの亜鉛キレート剤が含まれています。
亜鉛キレート剤とは、亜鉛を含むミネラルを体内に排出しやすくする効果があり、これも日本人が亜鉛不足になる原因の一つなのです。
そのため、日本人は亜鉛欠乏症の割合が多いと言われているのです。
亜鉛が不足しがちな人の生活習慣とは?
日本臨床栄養学会による亜鉛不足になりやすい代表的な原因をまとめました。
<亜鉛不足の原因>
- フィチン酸、食物繊維の過剰摂取(亜鉛吸収を阻害する効果)
- 低栄養、高齢者
- 妊娠(亜鉛の消費が増えるため)
- 亜鉛キレート作用のある薬剤の長期服用
- スポーツ
- 先天性疾患
亜鉛の吸収を阻害するフィチン酸を含む食材として、ゴマや大豆などの豆類があります。
その他に、コーヒーやオレンジジュースなども亜鉛の吸収を阻害する効果があるため摂りすぎには注意が必要です。
また、アルコールには亜鉛を尿から排泄しやすくする働きがあります。
成人男性で、日頃からコンビニ飯と缶チューハイを習慣化している人は、亜鉛不足のリスクが高く、精子の状態が悪くなっているかもしれません。
おすすめの亜鉛補助サプリ-mitas for men-
日頃の食生活で、1日に必要な亜鉛が摂れていない場合、サプリで亜鉛を補充することはとても効果的です。
特に妊活を考える男性におすすめしたい亜鉛補助サプリが、「mitas for men」。
「mitas for men」は、男性の精子形成や精線機能の維持に重要とされている亜鉛の効率的な摂取をサポートしてくれます。
男性が妊活を考える時期で最も多いのは、30代前後です。
しかし、30代の男性の場合仕事が忙しかったり、飲み会が増えることにより、日頃の食事から亜鉛を十分に摂取することができていません。
そのため、サプリメントで亜鉛などの足りない栄養素を補うことは効果的だと考えられます。
もっと詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
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精子には抗酸化物質も有効
精子は酸化ストレスを受けやすいと言われています。
酸化ストレスとは、喫煙や飲酒、強い精神的ストレスなどで細胞が酸化傷害を受けることです。
そのため、抗酸化物質を意識的に摂取することも精子の質を保つのに効果的であることがわかっています。
「mitas for men」は、亜鉛だけでなく、
抗酸化作用が高いことで知られるビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10といった栄養素も含んでいます。
亜鉛や抗酸化物質を食事で十分に摂るためには、意識的にバランスの取れた食生活を行う必要があります。
特に男性の場合は、中々わかっていてもコンビニなどで済ましてしまうことが多いでしょう。
そういった場合にも、「mitas for men」で精子に効果があると言われている各栄養素を効率的に摂取することができます。
ただし、取りすぎには要注意!!
しかし、必ず注意しなければいけないのは、亜鉛の過剰摂取による急性亜鉛中毒です。
亜鉛の体内濃度は2g程度とあまり多くありません。
普段の食事のみで亜鉛中毒になる危険性はほとんどありませんが、サプリで亜鉛を摂取する際には注意が必要になります。
急性亜鉛中毒になるとの症状としては、吐き気、めまい、胃痛などがみられます。
また、亜鉛の過剰摂取は、どうの吸収率を下げるため、銅欠乏症の危険性もあります。
亜鉛のサプリを使用するときには、製品の注意書きをよく読み、1日の摂取量を超えないように気を付けましょう。
亜鉛は精子形成に関わる栄養素であり、サプリでの摂取も効果が見込める!
亜鉛と精子の関係については様々な研究が行われており、亜鉛不足は精子形成に大きな影響を与えます。
日ごろの食事で亜鉛の必要摂取量が摂れていない人には、補助的に亜鉛サプリを使用することで男性不妊症の予防につながる可能性は高いでしょう。
しかし、男性不妊症には様々な原因があり、必ずしも亜鉛不足が原因ではないことにご注意ください。
日本人に不足しがちな亜鉛を意識的に摂取することは、妊活における男性と妊娠期における女性には特に効果的であり、健康を守るためにも有効です。
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