更新日:2024/12/20
顔の赤いプツプツは乳児湿疹?助産師が解説する原因や治し方、アトピーとの違い
実は、生後1ヶ月を迎えるころのお母さんの心配ごとで最も多いのは、「赤ちゃんの皮膚に関すること」です。
赤ちゃんの顔にできた赤いプツプツは乳児湿疹なのかアトピーなのか、自分では判断できず不安ですよね。
この記事では、そんな赤ちゃんの顔にできるプツプツの原因やケア、そして乳児湿疹とアトピーの違いなどを解説します。
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この記事に登場する専門家
助産師ライター かなえ
現役助産師ライター。
助産師免許取得後、助産師外来や院内助産を経験し、現在はフリースタイル出産を取り扱うクリニックで勤務。また、地域の学校や親子向けに性教育のおはなし会を開催。
【資格】
・看護師
・助産師
・保健師
・新生児蘇生法インストラクター
赤ちゃんの顔のプツプツは乳児湿疹?
生後1ヶ月を迎えるまでに、約6割の赤ちゃんは何らかの肌トラブルを経験します。
まずは乳児湿疹について詳しく見ていきましょう。
乳児湿疹の特徴
生後2週間から1歳頃までの間に肌にできる湿疹を「乳児湿疹」といいます。
乳児湿疹は一時的な症状であることが多く、適切なスキンケアを行うことで予防・軽減するという特徴があります。生後半年程度で治ることがほとんどです。
特に新生児は、皮膚の厚みが大人に比べて薄く、肌の水分などを喪失を予防するための肌のバリア機能が弱い傾向があります。そのため、乾燥しやすく刺激に弱いという特徴を持っています。
また、これらの乾燥や刺激などにより肌が傷つくことで、乳児湿疹などの肌のトラブルを招いてしまうのです。
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乳児湿疹が顔だけに出ることはある?
赤ちゃんの肌は、季節を問わず乾燥しやすい傾向にあります。
しかし、「あたま」と「Tゾーン」は皮脂腺が多く、他の場所に比べて皮脂の分泌が活発。そのため、乳児湿疹などの肌トラブルが起こりやすい場所です。
特に生後2ヶ月ごろまでは皮脂量が多く、顔だけに湿疹が出る場合もあります。
乳児湿疹の受診の目安
乳児湿疹は、肌のバリア機能が弱いことによって起こる場合が多いため、適切なスキンケアを行うことで軽快することがほとんどです。
適切なケアを1ヶ月弱続けても軽快しない場合は、慢性化している可能性が高く、アトピー性皮膚炎に移行する場合もあります。
以下の場合は、小児科や皮膚科に受診しましょう。
- 1繰り返している・悪化している
- 2かゆみ・痛み・赤みなどの症状がある
- 3湿疹がじゅくじゅくしていたり、水ぶくれがある
- 4皮膚の乾燥がひどく、肌がゴワゴワしている
乳児湿疹の種類と原因
「乳児湿疹」と一言でいっても実はいろいろな種類があり、原因もそれぞれです。
赤ちゃんによく起こる乳児湿疹の種類や症状、そして原因などを紹介します。
新生児ざ瘡
いわゆる「赤ちゃんにきび」のこと。顔ににきびのようなポツポツができます。特に男の子の赤ちゃんに多い傾向があります。
お腹の中にいるときに胎盤を通してお母さんから送られたホルモンの影響により、皮脂の分泌が盛んなために起こります。適切な洗い方やスキンケアを行うことで軽快することが多いです。
乳児脂漏性皮膚炎(乳児脂漏性湿疹)
頭や顔などに黄色っぽいうろこ状のかさぶたのようなものができます。特に皮脂の分泌が盛んなあたま、眉間、顔、耳などに症状が出ることが多いです。
新生児ざ瘡と同様に、お母さん由来のホルモンによる影響で皮脂の分泌が増えることや、カビの一種であるマラセチア菌の感染が原因で起こることが考えられています。
さらに、生まれてきたときの皮膚の角層に含まれる保湿成分であるセラミドや、コレステロール量の低下、母乳中の成分の濃度が関係している可能性が示唆されています。(※1)
適切な洗い方やスキンケアを行うことで軽快していきます。かさぶたはふやかしてから洗うと綺麗にとることができますよ。
症状がひどい場合は薬などを使った方が良い場合もあるため、小児科や皮膚科で相談しましょう。
皮脂欠乏症・皮脂欠乏性湿疹
皮脂が少なくなって、保湿してもすぐに肌が乾燥してしまう状態のことをいいます。症状が強くなり、かゆみなどが出てきてかきむしって傷ができてしまうと、そこからアレルギーの原因となる物質が侵入しアレルギー体質になってしまうこともあります。
お腹の中でお母さんからもらったホルモンの影響が消失し、皮脂の分泌が減ることによって起こります。予防のためには、皮脂の分泌が減る前から適切な洗い方やスキンケアを行うことが大切です。
また、より皮膚の乾燥が進むのを防ぐために保湿を丁寧に行う必要があります。さらに、部屋の加湿や肌着にも気をつけましょう。保湿の目的で亜鉛華軟膏やヘパリン類似物質などが使われることもあるため、症状が強いときには小児科や皮膚科を受診しましょう。
接触性皮膚炎(おむつかぶれ・よだれかぶれなど)
かぶれを起こし、赤く腫れたりただれたりしている状態をいいます。
おむつかぶれは、特に排便回数が多い場合や男の子に症状が多い傾向があります。(※2)よだれや排泄物などが長時間接触することにより、炎症を起こしてしまいます。
より強い刺激により悪化することがあるため、症状が出ているところは摩擦が起こらないように優しく洗ったり拭いたりするようにしましょう。
おむつかぶれがひどいときには、お尻ふきでゴシゴシ拭くのではなく、霧吹きを使用したり、お尻だけ洗ったりするのも良いでしょう。かゆみや症状が強い場合は、小児科や皮膚科を受診しましょう。
赤ちゃんの乳児湿疹については、こちらの記事でも詳しく解説しています!▼
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アトピー性皮膚炎との違い
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違いは、症状が軽快するか否かというところです。
乳児湿疹の場合は、適切な洗い方やスキンケアを行うことで多くの場合は症状が落ち着いてきます。しかし、アトピー性皮膚炎の場合は、症状が慢性化し、広がっていきます。
また、乳児湿疹の症状からアトピー性皮膚炎に移行していく場合もあります。
アトピー性皮膚炎の特徴
アトピー性皮膚炎には、特徴的な症状があります。症状が軽快せず慢性化している場合は、自己判断でスキンケアを行わず小児科や皮膚科で相談しましょう。
- 1かゆみがある
- 2湿疹がある
- 3左右対称の湿疹
- 4繰り返し起こっている
かゆみがある
かゆみがあり、かきむしることで炎症を招いたり、さらにバリア機能が低下してしまいます。
湿疹がある
頭や顔にはじまり、体や手足に移行していくことが多い傾向があります。
左右対称の湿疹
おでこ、目や口のまわり、くちびる、耳のまわり、くび、四肢の関節、からだに症状が出ることが多い傾向があります。
繰り返し起こっている
アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりするのが特徴です。乳児では2ヶ月以上続いている場合を「慢性化」といいます。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因はまだ分かっていないことも多くあります。しかし、肌のバリア機能が弱い状態に加え、肌の乾燥やアレルギーの原因となる物質が侵入することなどにより起こると考えられています。
外からの刺激は多岐にわたり、汗や洗剤、服や掻くことによる摩擦や刺激、食物やハウスダスト、花粉なども刺激となる可能性があります。
また、本人や家族がアレルギーを起こしやすい体質を持っているという特徴もあります。
アトピーの赤ちゃんがお風呂の時に使う石鹸はどんなものがいいの?という疑問には、こちらの記事がおすすめです!▼
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【助産師推奨】乳児湿疹の洗い方のコツやスキンケア方法
赤ちゃんの敏感で傷つきやすい肌を守るためには、適切な洗い方やスキンケアを行うことが大切です。
赤ちゃんの約97%は水分不足、約42%は油分不足の状態にあります。これを踏まえ、適切な洗い方やスキンケアを行うことで、赤ちゃんの肌のトラブルやアトピー性皮膚炎の予防ができますよ。
赤ちゃんの肌トラブルは、予防することがとても大切です。いくつかポイントがあるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
- 1ふわふわの泡で洗う
- 2手で洗う
- 3しっかりと保湿する
ふわふわの泡で洗う
赤ちゃんの肌はバリア機能が弱いため、強い刺激を与えないことがとても大切です。洗うときには、石鹸などの洗浄剤をしっかりとふわふわに泡立てましょう。
泡立てることにより、皮膚のきめが細かくなり水分を保持する能力がアップします。反対に、泡立てないと乾燥しやすくなってしまいます。(※3)
また、赤ちゃん向けの優しい成分で作られた洗浄剤を使うことも大切です。
乳児湿疹にも使える優しい石鹸ならmitera baby soap
赤ちゃんの洗浄剤におすすめの石鹸は、「mitera baby soap(ミテラベビーソープ)」です。
mitera baby soapは、アトピー症例豊富な皮膚科医監修で、ふわふわの泡で赤ちゃんを洗える優しい固形石鹸。
刺激のある成分は一切含まれない無添加の石鹸なので、赤ちゃんのデリケートなお肌にぴったりです。乳児湿疹が出ているお肌にも優しく使えますよ。
また、乾燥しやすい赤ちゃんの肌のために保湿成分がたっぷりと含まれています。
母乳にも含まれるラクトフェリンや天然成分のオイルがしっかり入っているため、洗った後ももちもちをキープしてくれますよ。
赤ちゃんの肌トラブルが気になるママは、お腹の中の優しさをそのまま届けられるmitera baby soapをぜひ試してみてくださいね。
赤ちゃんのデリケートなお肌におすすめのベビーソープについては、こちらの記事もあわせてチェックしてみてくださいね!
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手で洗う
赤ちゃんの肌トラブルは、しっかりと洗浄できていないことによっても起こります。きちんと汚れを落とすためには、実は手で洗うことが大切です。
洗う際にはガーゼなどを用いるより手で洗う方が洗浄効果が高く、乳児湿疹などの肌トラブルも軽減することが分かっています。(※3)
また、洗った後に泡が残らないようにしっかりと丁寧に洗い流すこともとても大切です。
しっかりと保湿をする
赤ちゃんの肌は、水分や油分が少なくとても乾燥しやすいため、スキンケアを継続的に行うこともとても大切です。
保湿剤によるスキンケアをしている子としていない子では、スキンケアをしている子の方が有意に肌の水分量が高く、継続して行うことによりさらに効果を得られるということが分かっています。(※3)
角質層の水分量を維持するためには、1〜3歳くらいまで保湿を続けることが良いとされています。
乳児湿疹やアトピーの予防には適切なスキンケアが大切
乳児湿疹は、赤ちゃんの皮膚が薄く、バリア機能が十分でないことに加え、乾燥や刺激などによって引き起こされます。
症状が出たときの対処方法を知っておくことも大切ですが、できることなら予防してあげたいですよね。
赤ちゃんのぷるぷるでもちもちの肌を守るためには、適切な洗い方やスキンケアを取り入れることがとても大切です。
適切な洗い方やスキンケアを行うことにより、肌のトラブルやアトピー性皮膚炎の予防効果があることが分かっています。
また、優しい洗浄剤を使用することも大切。赤ちゃんの肌を守るためには、アトピー性皮膚炎にも詳しい皮膚科医が監修している「mitera baby soap(ミテラベビーソープ)」がおすすめです。
mitera baby soapは保湿成分が高い固形石鹸なので、洗った後もしっとりをキープ。保湿剤と合わせて使うことで、赤ちゃんの乾燥しやすく傷つきやすい肌を守ってくれますよ。
乾燥とトラブル知らずの肌を育てていきたい方は、ぜひmitera baby soapを試してみてくださいね。
参考文献:
(※1)世界初・乳児脂漏性皮膚炎の発症と、出生時の角層脂質や初乳成分との関連が明らかに ~生後早期に角層脂質のバランス補整で、発症を抑制できる可能性を示唆~ | 国立成育医療研究センター
(※2)新生児期の皮膚トラブル実態とその関連т因 Prevalence and risk factors for skin problems among newborns
(※3)高橋郁子ら、乳児のスキンケアに関する文献検討、2020
参考資料:
MS4-6 新生児期からのスキンケアによる乳児アトピー性皮膚炎の発症予防(MS4 アトピー性皮膚炎の病態と治療,ミニシンポジウム,第26回日本アレルギー学会春季臨床大会)
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